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ビジネスプラン作成の、その前に

起業の際に、ビジネスプランをコンサルしてもらう際、あるいは事業プランを作る際、そもそもの目的が間違っていては決してうまく行きません。
一見、哲学的に思えるかもしれませんが、私は机上論は大嫌いです。実践としての原則をお伝えしています。現実的に成功への近道として、以下についてまず、理解できねばなりません。

ーーーーーーーーーー

我欲からのビジネスプランは消滅していきます

「我欲を滅する」とは、自分をなくす、という意味でも、欲求をなくすという意味でもありません。

むしろ、自分自身の中心に強く根ざし、芯ある自分であらねばなりません。

それは、「たおやか」でもあり、「しなやか」でもあり、頑固さはありません。相手に合わせて自分の目線を落とすことも平気です。首を深々と垂れます。

信じやすいが疑いやすいことも重要です。
騙されやすいこととは逆です。

「我の強さ」は「意思の強さ」とは別です。

親や上司、はたまた教祖などの意見に無条件に従うことは、「素直」でも「我がない」こととも違います。それは単に「自分がない」というだけのことです。

自分を持ちつつ、我欲を滅するのは、自分が何か欲しいと感じる心を封じ込めることでもなく、我慢することでもありません。もちろん、忍耐することではありません。

それは、人間の心の奥深くにある神性らしきもの、それは良心と呼んでも良いし、意欲と呼んでも良いし、アイデンティティーと呼んでも良いですが、その声を封じ込めることは、我をなくすことではありません。

ーー

「我欲」とは、

例えば、
自分の承認欲求のために、リーダーになろうとしてみたり、(そういう意図でのスピリチュアルリーダーや自己啓発セミナーなどは、その最たるもの)
子どもに良かれと思ってレールを敷いて、自分の意思でもないのに、高額の学校に入れてみたり、勉強を詰め込んでみたり、
自分を自分で愛せない問題を解決してないがために、立場を利用して、部下をネチネチとやりこめたり、
自分が「すごい位置」をキープできるような人間としか付き合わなかったり(常に目下ばかり)、
他人様のアイデアを、そそっと持ち逃げしたり、

ようするに、弱い自己と表裏一体のことを言います。
ーー

私は、ビジネスを通し、このあたりをクリアにすることが、何としても、成功に向かう過程で必要であると痛感しています。

ここをクリアせずに、表面的な自己承認欲求からのビジネスモデルをコンサルしたとしても、根本的なスタートが間違っているので、成功へは結びつきません。

ですので、数回のやりとりで、ビジネスが本当に飛躍できるのは、
実は、ここの問題に気づける人です。

持ちこたえる人の100%に成果が出るのは、本当のところは、初回で、私たちのエネルギーに当たって、逃げていく人が半数以上いるからで、残った人の結果です。

おかしな欲求で、おかしなものを引き寄せてしまっている人は、それを落としてからしか、我々に近づけません。

いや、変なものは、参加しようと決めた段階で、堕ちます。我々が発するエネルギーを、できるだけ、透明で細かいものにできるよう、そういうメンバーが自然と集まります。

最初は我欲からスタートしても構いません。途中で、それではうまくいかないことに気づき、軌道修正すれば良いのです。
ーー

引き寄せエネルギーが強いということは、途中段階で、悪いものもそれだけ引き寄せてしまいます。

普通の人なら、すんなり行くことも、そう簡単には許してもらえません。

でも

それが、力をつけるという意味です。

それが、我欲を落とすという意味です。

したがって、我欲を滅すれば、意思は、強固に強固になって行くものです。

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

島藤真澄・女性のためのBizワークショップ:(子連れOK)

ジェイエイブラハム勉強会から派生した、女性向けワークショップです。

思うように働けなかった頃、育児の経験がきっと人生の飛躍に役立つよと、地域の女性コミュニティを作り、『キャリアダウンのすすめ』を執筆。各地の図書館や男女参画の参考図書となるなどしました。

育児中のスローダウンから、その後、リアルに、育児終了後にきっちりとキャリアアップした島藤自身が、ママ向けワークショップを行います(シングルも大歓迎)。

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テーマは「自分の才能の掘り起こし方」

普段気づいてない、ご自身の能力を引き出す方法や、グループワークによる気づきの連続を体験していただきます。
できないことや努力していることに目を向けがちですが、実は自身でも気づいてない部分に能力があることが多いです。

そんな意外な能力の掘り当て方を学びましょう。
誰にでもできます。

その才能を、ビジネスにつなげる方法も得ましょう。

また、せっかくの機会ですので、島藤が育児中にやっていたこと。どのようにして50歳で社会復帰して今の仕事を手に入れたのか等、女性に関心ある話題にも触れていきます。

子連れOKの楽しい会にしましょう。
子育ての悩みも解決しちゃいましょう!!

===
ファシリテーター:島藤真澄
ShimaFuji IEM代表取締役。
世界No.1マーケターで、フォーブス誌選出全米TOP5コンサルタントの
ジェイエイブラハム東アジアディレクター。日本エージェント。

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日時:

4月8日 14~16:00 博多 ENJOY SPACE 天神 レンタルスペース505号
0https://www.facebook.com/events/1872642553015587/

4月12日 14:00~17:00  場所: 大阪:中之島中央公会堂
http://osaka-chuokokaido.jp/map/
https://www.facebook.com/events/1198096203644098/

4月23日 四日市 14:00 – 16:00 MG四日市
https://www.facebook.com/events/231978090542088/

 

以下はメンタークラブです

4月8日博多:アクロス博多
https://www.facebook.com/events/1589011284465494/

*5月は、13日の出版直前の開催となります。ふるってご参加ください
5月8日(月):東京 日比谷図書館小ホール 18:30〜21:00
5月9日(火):名古屋 :県産業労働センター特別会議室 18:30〜20:30
5月10日(水):大阪 中央公会堂 大会議室18:30〜21:00

6月3日(土):新刊出版記念来日講演(神戸)
6月5-6日:少人数セッション(本人によるマーケティング診断)

7月12日 (水):大阪 中央公会堂 大会議室18:30〜21:00
7月20日 (木):東京(場所未定)
9月、11月もそれぞれの地域で開催します

学生が今すぐ起業できる10のビジネス

by ハンター・ホフマン

 

マイクロソフト、デル、ナップスター、フェイスブック

これらの企業の共通点はなんでしょうか?

20世紀末、市場に激震を起こした企業であるだけでなく、

いずれも学生によって設立されたことです。
もちろん誰でも次のマーク・ザッカーバーグになれるわけではありません。

けれども学生である間に起業することは、誰でもできることなのです。

資金もオフィスもなくても、起業する選択肢がいくつかあります。

大学在学中に起業することによって、

授業料や食費、高額の教科書にかかる費用をまかなうことができるだけでなく、

有益なコネクションを形成することもできるのです。

あなたの大学の寮の一室で起業する10のアイデアを、以下にあげてみました。

1. ITコンサルティング

IT業界というのは、実際のところ、長年の経験を積んだことが、

決して有利には働かない分野です。

総じて学生は、この領域では業界の古参よりも、高いスキルを持っており、

最新テクノロジーの知識も豊富です。

あなたが自分をITコンサルタントとして売り込む自信がないのであれば、

キャンパス内で「コンピューター関連の問題があれば、いつでもお手伝いします」と

告知し、そこから始めていきましょう。

 

2. ソーシャルメディアコンサルティング

ソーシャルメディアのトレンドの最先端を行くのが学生であるのも、

めずらしいことではありません。

その知識と経験を活かして、企業のソーシャルメディア戦略を補佐してください。

企業をフェイスブックやリンクトインの先へ導き、

新しいチャネルを教えて、メッセージを広く届けてください。

 

3. グラフィックデザイン

グラフィックデザインのコンサルティングは、経験年数よりも

創造性や才能がものをいう世界です。

デザインを専攻する学生は、授業で学んだことの中から

自分のプロジェクトのポートフォリオを作成しなければなりません。

その他にも印象的な名刺を印刷したり、

自分のウェブサイトを立ち上げたりすることから

始めていきましょう。

 

4. ウェブデザイン

昨今の学生は、以前にも増して、ウェブサイトの作成に携わる機会が増えています。

ほとんどの人がやってきたのは、学内グループやクラブのサイトだったり、

仲間内や個人的なブログだったでしょうが。

とはいえ、そうしたサイトもサンプルとして利用できるし、

営利目的のウェブデザインに手を広げるために、活用することができます。

 

5. カメラマン

ピンタレストやインスタグラム、スナップチャット、フェイスブック

などのようなプラットフォームのおかげで、

人々はコミュニケーションに画像を利用することになじんできました。

ビジュアルコンテンツの需要の増大に対応するために、

アマチュア・カメラマンに依頼することにも不安はなくなっています。

テクノロジーの向上によって、アマチュアであっても、品質の高い仕事を

大量にこなすことができるようになったからです。

 

6. イベント企画

大学生ならパーティに参加する機会も多いでしょうが、

そうした経験をうまく活用することは、また別の話です。

イベント企画に要求されるのは、細部にいたるまでの注意力と組織力、

マルチタスクの能力と創造力です。

もしこの仕事をこなす能力が備わっていると思うなら、

まずはキャンパスの周辺でビジネスを始めて、

学内のサークルやグループ活動の企画を行い、人気を集めましょう。

 

7. パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、時間に融通が利いて、

どこでもトレーニングを行うことができます。

パーソナルトレーナーになるためには、所定の組織を通して

資格を取る必要がありますが、求められる条件は、

CPR(心肺停止時の蘇生救急法)やAEDの試験にパスすることなど

それほど厳しいものではありません。

 

8. クリーニングサービス

クリーニングサービスは、自由な時間を使って働ける仕事だし、

オフィスも必要ありません。

言うまでもないことですが、ビジネスに必要な用具は、

地元のスーパーで購入することができます。

汚れ仕事をしてくれる人に、喜んでお金を払う人は大勢います。

大きな試合があった翌日の大学の寮は、まさに金鉱といえるでしょう。

 

9. フリーランス・メイクアップアーティスト

政府の資料によると、アメリカでは女子学生の数は、

35年間にわたって、男子学生を上回っています。

このことは、彼女たちを対象とした小規模ビジネスを立ち上げるのに

大きなチャンスとなっています。

フリーランス・メイクアップアーティストは、特別なイベントで

顧客のメイクアップを行って収益を上げるビジネスですが、

最近ではソーシャルメディアを通じて

チュートリアルビデオを提供することもできます。

大勢の視聴者を引きつける魅力的なコンテンツを作成すれば、

YouTubeを通じて収益化することができます。

10. 造園業/除雪

造園業と除雪サービスは、長期休暇や学期中に従事できる

季節限定の仕事です。

シャベルや丈夫な長靴、園芸店で買える備品を用意して、

大学に通う自宅生や、大学周辺の居住者からの依頼を募ります。

 

たとえ大学に籍を置いたまま、学生としてビジネスを始めるとしても、

相応の報酬を受け取り、リスクもあるという意味で、

本物のビジネスに変わりありません。

ビジネスの種類や会社の規模によらず、学生時代に起業する人は、

保険に加入しておくことが重要です。

ITコンサルタント保険のように特化したものや、

もっと一般的な専門職賠償責任保険などは、

万が一の場合にも、会社がトラブルに巻き込まれないように

保護してくれるものです。

 

大切なことは、学生時代の起業は、いくばくかのお金を稼ぐ手段であるだけでなく、

卒業後に続く、成功への道を切り開くことにあります。

 

 

 

―Hunter Hoffmann(Head of US Communications at Hiscox)


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/254664

(翻訳:服部聡子)

 

 

起業家が注目すべき3つの海外新興市場

by コンスタンティン・マカロフ

 

海外の新興成長市場への進出をためらう起業家は、少なくありません。

中国の景気減速、ブラジルと南アフリカの経済停滞、トルコの社会政治状況の悪化は、

将来のビジネスリーダーからしてみれば、リスクに見合うだけのチャンスがあるかどうか、

再考せずにはおれないものとなっています。

けれどもこのような市場がぐらつきを見せる一方で、

未だ注目の集まっていない市場は、比較的安定した経済状況を維持しています。

ここでは起業家を待っている、3つの有望な国を紹介しましょう。

1. フィリピン

フィリピンは、中国に代わる投資先として、自国を戦略的に位置づけています。

2014年には、フィリピンへの投資は2倍になり、

フィリピン経済は2015年の第2四半期に5.6%の成長を遂げています。

中国経済が昨年の成長率7.4%と、足踏みをしているおかげで、

フィリピン経済は、その大きな影響力から離れて、

独自のビジネスチャンスを得ることができるようになっています。

起業家は、操業資金も製造コストも安く、経営政策も良好なフィリピンの成長市場に

注目しつつあります。

2014年フィリピン-EU間で結ばれた自由貿易協定は、

約6,000品目に渡るEU関連の関税の免除するもので、

今後のフィリピンを、活気のある経済拠点としての地位に押し上げようとしています。

2. ベトナム

ベトナムは、未だ辺境地域から新興成長市場へと移行する途上にある国ですが、

将来有望な国のリストには、かならず載っている国です。

ベトナムのWTO(世界貿易機関)への加盟と、競争力のある労働コストは、

この国の経済成長を牽引していく重要な要素です。

国際的な起業家は、2015年上半期、小売業販売額の8.3%の急増に見られる

急成長するベトナムの消費者から利益を得ています。

ベトナムへの外国直接投資は2014年第4四半期だけで、60%対前年比増加しました。

インテル、フォード、サムスン、トヨタなどの企業も進出しています。

外国の起業家がこのタイミングを利用するつもりがあるのなら、

ベトナムは投資の機が熟していると言えます。

3. モロッコ

モロッコは「成長するアフリカ」に注目している人の間でも、見過ごされがちな国ですが、

フロンティア経済の活気にあふれています。

 

モロッコは、ヨーロッパと地中海市場の玄関口という戦略的な場所に位置する国です。

着実に進む改革によって、財政赤字は2012年から2014年の間に、

GDP比7.4%から4.9%まで低下しています。

こうした数字はモロッコが、少なくとも今後何年間かは安定するであろうことを物語っています。

北アフリカは、未だアラブの春の余波で揺れており、

サハラ以南のアフリカ経済も停滞状況に陥っていますが、

モロッコは他にはない可能性があります。

カサブランカはヨハネスバーグに続くアフリカ第2の金融の中心地であり、

精力的な起業家にとって、長期的に賭ける価値のある国です。

 

新興成長市場に参入するために

こうした新興国の市場に参入するための戦略は、

枠にとらわれない思考と、その地域の深い理解が必要とされます。

参入を考えたり、フロンティア市場や新興成長市場への進出を考える起業家は、

以下のアドバイスを留意しておいてください。

・ どのような選択肢があるか知っておく

そうした国の市場に参入することができるかどうかは、

その商品やサービスが、その国にとって意味を持つかどうかに100%かかっています。

デンマークの製薬会社レオファーマは、2001年、モロッコに進出する前に、

現地のパートナーを通じて、商品の販売をおこなっています。

そうした国の持つ潜在的な不安定さの影響を、最小限に抑えるためにも、

起業家は、市場にアンテナを張り、このように抜け目ない動きが必要とされます。

・ 地元の好みに適応する

起業家は、自分たちの商品が、現地の消費者の間でどのように評価されるか、

考えなければなりません。

バーガーキングはインドの人々を満足させるために、

ベジタリアン向けメニューを拡充させました。

KFCはケニヤの主食である、トウモロコシの粉で作ったウガリのナゲットを作りました。

好ましい市場環境を利用できる外国企業は、

その国の顧客が何を求めているかを知っているところだけです。

・ 長期的な計画を立てる

新興成長市場やフロンティア市場で成功を収める起業家は、

状況の変化に素早く対応する機敏さを備えています。

今後、どの産業が利益を上げていくかを予測できる、鋭い目が必要なのです。

たとえばインドのバンガロールは、世界的な技術とスタートアップのハブとして、

急速に頭角を現しています。

あるいはまたケニアのGDPの40%は、

Mペサのモバイル決済プラットホームを通過しています。

知識豊富な起業家は、そのような萌芽を見つけることができ、

数年先を見越して戦略を練ることができるのです。

 

新興成長市場やフロンティア市場の本質は、

高い成長率と、ダイナミックな進化にあります。

このような国では、暴力や政治的不安定さから、頻繁に回復を遂げているために、

経済発展も不安定で、かならずしも直線的なものではありません。

けれども初期のリスクを怖れない、勇敢な起業家は、

その国の正常が安定し、市場が活気づいた場合、飛躍的な利益を得るチャンスがあるのです。

 

 

 


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/253547

(翻訳:服部聡子)

 

スタートアップが10年間ですべきこと(2)

by マイク・マストロヤニス

 

 

(※この記事は前回の記事の続きです)

第2章  問題を検証するために、会社からいったん離れよう

 

会社から離れるとは、ビジネスモデルを別の観点から眺めることです。

そうやって問題を見つけ出し、検証するのです。

 

当然のことながら、ここで検証することには顧客や顧客との関係、

顧客経路なども含まれます。

 

起業して間もない段階では、私たちはまだ、問題をテストしてもらえるような、

最良の顧客を見つけることにまで関心が及びません。

そこで、幅広い顧客に、製品と市場がフィットしているかどうか、

テストしてもらわなくてはなりません。

 

けれどもこの段階から、アーリーアダプター

(新製品や新しいシステム、新しいビジネスモデルを試してもらいたい、

影響力のある、革新的な顧客)を探す必要があります。

もし私たちがアーリーアダプターに売ることができないのなら、

アーリーマジョリティ(顧客の主流をなす人々)にも売ることはできないでしょう。

 

アーリーアダプターのおもな特徴は、以下のようなものです。

  • 問題を抱えていたり、必要なものがある
  • 自分が問題を抱えていることを知っている
  • その解決に向けて、積極的に動いている
  • 独力で問題を解決することができる場合もある
  • 解決のための資金をもっているか、すぐに用立てることができる

 

この段階で、私たちは3つのカギとなる問いに答えなければなりません。

 

1. 私たちは顧客の抱えている問題や、必要としているものを理解しているでしょうか?

また、顧客が未だ気づいていない問題を、私たちが見つけているでしょうか?

2. 大きなビジネスチャンスになるほど、大勢の人が抱えている問題でしょうか?

3. 彼らは友だちに相談するほど、その問題のことを気にかけているでしょうか?

 

この3つの質問に、すべてイエスと答えられれば、

製品と市場のフィットは達成できていると考えていいでしょう。

 

そこから以下の重要なステップを、踏んでいかなければなりません。

 

  •  顧客テストのための実験を計画する
  •  顧客が実際に過ごしている職場を体験する
  •  顧客と接触する準備をする
  •  顧客が問題を理解しているかどうか検証する。その問題が顧客にとってどのくらい重要かを評価する。必要な場合は面談も。ネット上では人はかならずしもほんとうのことばかりは言わないものだから。
  •  顧客についての理解を増す
  •  競争相手と市場の知識を得る
  •  競争相手をランチに誘う

 

この段階では、顧客が抱えている問題を理解し、顧客の声に耳を傾けることが必要です。

ですから、試作品はまだ必要ではありません。

基本的な見取り図や、簡単なパワーポイント、ビデオ、ウェブサイトでのシミュレーションなどで十分です。

 

◆ この段階であてはまるルール

 

1. 顧客は結論が出せるほどの人数を集めなければならない

 

2. 顧客を見つけるためにはさまざまな方法を使う

(友人・同僚からの紹介がベストだが、自分やチームのコネクション、

ソーシャルネットワークのリスト、資格者リスト、 友人のつて、家族、弁護士、投資家、会計士)

 

3. 顧客から出された情報をもとに作成した、問題に対するプレゼンテーションをおこなう

 

4. リストを作成 (紙を3分割し、「問題」「現段階での解決」「私たちの提案するソリューション」と書き出す。

これをもとに顧客と話し、相手の話に耳を傾ける)

 

5. 顧客のことをもっと知るための質問

  •  あなたは何が問題だとお考えですか?
  •  何か見過ごしている問題はないでしょうか?
  •  問題の優先順位はどのようになっていますか?
  •  何にも増して解決しておかなければならない問題というと、何になるでしょうか?
  •  仕事の中で何よりも面倒なことは何ですか?
  •  何かをひとつ変えるとしたら、何でしょうか?
  •  あなたより他に、どなたか明晰な人がいらっしゃいませんか? 私が話すことのできる人を3人ほど上げていただけませんか?
  •  このほかにうかがっておいた方が良い、重要な問題はありませんか?
  •  ご覧になっている中で、私も読んでおいた方が良いブログや雑誌を教えていただけませんか?

 

こうした顧客との会話をもとに、問題があるかどうか、顧客がその問題をどこまで気にかけているかどうか、

顧客の反応を見ながら、優先順位をつけ、結論を出していかなければなりません。

 

Clipboard and Pens

 

第3章 会社から離れ、製品・システムのソリューションをテストする

 

この段階で最初に私たちがやっておくべきことは

  • 第2章で実行した結果の詳細(現在までに明らかになったこと、意義や知見など)を、チーム全体で更新する
  • 変更すべきか、このまま推し進めるかを決定する
  • アーリーアダプターの潜在顧客情報にもとづいた必要最低限のリストを作成する
  • その他のビジネスモデルの特質を更新する

 

つぎのステップは、私たちのソリューションを、プロトタイプやデモ・ユニットとして形にし、

問題提示のプレゼンをおこなったアーリーアダプターの顧客を訪問する準備をします。

彼らに問題のソリューションを提示し、それに対する反応を見るのです。

 

ソリューションを提示している最中やあとで、以下の質問をおこないます。

それに対する反応を記録しておくことは、きわめて重要です。

 

  •  私たちの製品の何が、ソリューションとなり、何がならなかったでしょうか
  •  今日、どのように問題が解決しましたか?
  •  この製品の特徴となる点は、必要だと感じられましたか? それとも感じられませんでしたか?
  •  この製品は、従来のものとちがっている、と感じられましたか?
  •  この製品は新しい市場を作りだすことができると思いますか?
  •  現在ある製品よりも、改良されていると思いますか?
  •  理想的なソリューションとは何ですか?
  •  提案した収益モデルと価格設定について、どのように感じましたか?
  •  意志決定をするために、ほかの誰と話したら良いでしょうか?
  •  話は退屈でしたか?

 

あらかじめ、ビジネスモデルの重要な部分を網羅する質問リストを用意し、顧客に質問します。

インタビューを進める際に役に立つアドバイスをいくつかあげておきましょう。

  • 大勢を相手にするのではなく、1対1で話し合いを進めてください。
  • 主な目的は、何か新しいものを付け加えるのではなく、不要なものを削除することです。
  • 顧客全員にすべての質問をしようとしないでください。顧客によっては、ある面について詳しく知っている場合もあります。

 

顧客の熱意を評価することは、何よりも重要です!

反応には、以下のような可能性があります。

 

1. 顧客が製品を気に入ってくれ、変更の必要がない場合

 

2. 顧客は製品を気に入ってくれたが、ローンチ前に機能を追加してほしいと思っている場合

(この場合は、顧客の要望と開発時間のバランスを取る必要があります)

 

3. 顧客が製品を必要だと感じてくれなかった場合

 

※2. について。

一般人は、壊れてなければ、修理の必要はないと考えますが、

エンジニアは、壊れていないということは、十分な機能が備わっていないと考える傾向があります。

顧客を発見することは、有望な製品の基本形 (デザインばかりでなく全体的な機能まで)が、

お金を払ってくれる顧客の手に入る期間を短縮できる、ということです。

ここで起業家としての経験や直感に従って、決行か中止かの決定をおこないましょう。

 

直接には反応を確かめられないインターネットやモバイルでは、

顧客の製品に対する興味は、以下のもので測ることができます。

 

1. 顧客が進んで登録するかどうか

2. 最初に訪問してから、どのくらいの頻度で訪れるか

3. どのくらいの時間、滞在しているか

4. 何人の訪問者が友人を紹介しているか

5. 新規訪問者が常連となり、実際の利用者となる転換率はどのくらいか

 

一般的に言って、技術製品に対して反応が鈍い場合は、製品と市場がフィットしていないことを示しています。

製品に対して市場が成熟していないか、製品が、広汎な市場の需要を満たしていないか、なのです。

このような場合、問題は価値の提案のやり方と、顧客のセグメントの方法にあります。

 

いずれにせよ、事実(直感だけではなく)に基づいた結果に応じて、

ビジネスモデルを根本から変更していくか、このまま推し進めてつぎのステップへ移るか、

決めていかなければなりません。

 

Weekly Market

 

第4章 ビジネスモデルを検証し、変更するか、推し進めるかを決める

 

これは、新しいスタートアップの発展にとって、非常に重要な段階です。

変更するか、推し進めるかを決定するために、3つの重要な質問に応えなければなりません。

3つの問い(重役会議が必要かもしれません)の回答がイエスなら、

製品とシステムのソリューションに向けた顧客を確認する段階に進み、

ビジネスモデルの規模を、たとえば10倍以上にしてもよいかを調べます。

 

1. 製品とマーケットはフィットしているでしょうか?

  • 私たちは重大な問題に挑戦したり、差し迫った必要に応えようとしているでしょうか?
  • 私たちの製品は顧客の問題を解決したり、顧客の必要を満たしているでしょうか?
  • 事業を展開する場所や機会が十分あるほど、顧客が存在しているでしょうか?

 

2. 私たちの顧客とは誰のことで、どうやって彼らと接触するのか?

  • 顧客のプロフィールを書くことができますか?
  • 製品を顧客にどのように売り込んだらいいかわかるほど、顧客のことを知っていますか?
  • 市場の中で、異なるセグメントを見つけていますか(よそより大きい、よそより速い、優良な、新しい…など)。
  • 私たちのスタートアップからエンドユーザーまでの製品やシステムの流れ(経費やマーケティングも含めて)を理解していますか?

 

3. 私たちは利益を出し、会社を成長させていけるでしょうか?

顧客レポート(マーケットの大きさ、価格/収益、経費、競争相手など)をもとに、

ビジネスモデルを拡張したらどうなるか、

基本的な2-3年間の収益、費用、資金繰りなどのプランを計上し、財政的な情況を評価します。

 

すべてをふまえ、上記の3つの問いに、すべて肯定的な答えが出せるなら……

顧客を発見するための調査は、十分に大きなマーケットの存在を示しているでしょうか?

私たちの製品が待ち望まれている市場、

私たちが繰りかえし提供していけ、拡張を目指し、利潤を上げられる市場でしょうか?

 

もしそうなら、私たちは次の段階「顧客検証」の段階に進みます。

そうでなければ、私たちはビジネスモデルを変更しなければなりません。

 

 


元記事:http://linkd.in/1FgF0sP?

(翻訳:服部聡子)

 

スタートアップが10年間ですべきこと (1)

by マイク・マストロヤニス

 

 

スタートアップは数多くありますが、その中で目標を達成している会社は10%もありません。

そのおもな理由として、ほとんどのスタートアップが、

自社のビジネスモデルをテストするプロセスを有していないことがあげられます。

 

競争は世界的な規模となっているのに、従来の製造プロセスでは、

実用レベルのプロトタイプができあがるまで、実際的な評価を出すことができないのです。

 

デジタル・ネットワークやコンピューターによる3-Dシミュレーションのおかげで

イノベーションは加速し、

クラウド・コンピューティング、データ分析、3Dプリンター、スマート・センサー、

モバイル、ソーシャルネットワーキングなどのテクノロジーは、

驚異的なスピードで進化しています。

さらに、ビジネスをめぐる情報の拡散は速度を増し、競争を激化させています。

 

顧客の注文に応じて、デザインや仕様が発注される旧式の製造プロセスは、

機動性に欠け、めまぐるしく変化していく市場に、十分対応することはできません。

 

現在のプロセスのおもな問題点は、顧客やコミュニティに、すばやく対応できないことと、

利用できるツールが繰りかえしバージョンアップできないところです。

 

このコラムでは、消費財を扱うスタートアップの起業と顧客開拓プロセス、

起業後プロトタイプを作成するまでの元手となる資金調達に焦点を当てていきます。

 

Startup Live Lisbon

 

先に述べた古いパラダイムを変えるために、

どのようにスタートアップを構築し、経営し、資金繰りをしていくべきか、

これまでとは異なる考え方とマインドセットが必要となっています。

そのために、以下の原則がカギとなります。

 

1. 会社の目的を明らかにしよう

21世紀にあっては、大きな目的を掲げることは、

社会の共感を得ることと同じように、きわめて重要です。

 

2. 10年先を見据えた計画を立てよう

製品やシステム、プラットフォームが、少なくとも10年以上先には、

現状と比較してどれほど向上しているか、計画してください。

簡単に経験できる、よく使われる製品/システムとなっていること。

 

3. 顧客・コミュニティと交流できる筋道を用意しよう

小さなマーケットにターゲットをしぼり、スタート当日から、

ターゲットとなるアーリーアダプター層の顧客や、

イノベーションに不可欠の関連オンラインコミュニティと、交流するプロセスを確立します。

 

4. 開発プロセスの途上で、顧客やコミュニティと柔軟な交流をおこなおう

 

5. 失敗はプロセスの中では不可欠な要素

 

6. 柔軟な事業計画を

事業計画は柔軟でなければならず、変わっていくことの多いものです。

ビジネスモデルの焦点は、利益を上げ、拡張可能な、主力となる市場戦略をできるだけ早く見つけることにあります。

 

7. 仮説・検証のプロセスを確立しよう

ユーザー・エクスペリエンスを拡大強化するだけでなく、試作品、顧客、コミュニティを通じて、

さまざまな仮説を繰りかえし検証できるような計画を立ててください。

 

8. サード・パーティの力を活用しよう

高速プロトタイピング、ウェブ・アセット、ネットワーキングなど、外部の力は役に立ちます。

 

9. マーケットを見きわめよう

マーケットの性格(既存のものか、新しいものか、ニッチか…)をはっきりさせます。

それによって、異なるアプローチが必要となるからです。

 

10. 独自の評価基準を持とう

初期段階の成功の評価基準は、

伝統的な大企業の評価基準(収益、売上総利益、利益)とは異なります。

ヒット商品を作り上げていく節目、月々の資金回転率、

試してほしいアーリーアダプターの顧客が何人いるか、

実行に移せるような提言をしてくれるコミュニティがどのくらいあるか……

などがそれに当たるのです。

 

11. 品質への情熱、速い意志決定とスピードにかける情熱をもとう

 

12. 不確実であることや混沌した情況、変化に対して、不安を感じない人を選ぼう

 

13. チーム内で緊密なコミュニケーションをとろう

学んだことをシェアできるよう、チーム全体で頻繁なコミュニケーションが確実にとれるようにしてください。

 

14. クラウドファンディングを活用しよう

シード・キャピタルやエンジェル・キャピタルの時期を過ぎたら、

新しいクラウドファンディングベースの資金運用を検討してみてください。

 

新しいプロセスとは、顧客が製造過程で繰りかえし参加できるようなプロセス、

仮定をすばやく検証し、すばやく改めるプロセスです。

後述のようにいくつかの面からなっており、旧来の製品製造上の問題点を解決するものとなっています。

 

新しいプロセスは、さまざまな段階(仮説が誤っていたとわかったとき、根本的にそれを改め、またやり直す、というような)

を基盤とする、反復可能で、拡張でき、利益の上がるビジネスモデルです。

 

では、ここから顧客開拓のプロセスを詳しく見ていきましょう。

 

A customer discusses art and business with Lama G, at his coffee shop, goodies, Lama G's Cafe, Fremont, Seattle, Washington, USA

A. 顧客を発見する

1. ビジネスモデルをデザインしよう

 

創設者はビジョンや会社の目的を明らかにし、ビジネスモデルをデザインします。

それより先行して、もしくは並行して、潜在顧客やパートナーと非公式な話し合いをおこないます。

ビジネスモデルを描き出すためには、ビジネスモデルキャンバスを使うと、詳細まで書き出すことができます。

焦点となるのは、ビジネスモデルによって、以下の特質をはっきりさせることにあります。

 

1. 価値ある提案 (Value proposition)

2. 顧客 (Customer segments)

3. 顧客との関係 (Customer relationships)

4. 流通機構 (Distribution channels)

5. 主要パートナー (Key partners)

6. 主要リソース (Key resources)

7. 主要な活動 (Key activities)

8. 収入源 (Revenue streams)

9. コスト構造 (Cost structure)

 

Business Modeling all day

 

つぎに重要なことは、私たちのビジネスが焦点を当てるマーケットのタイプを見きわめることです。

・既存のマーケット

・リセグメンテド・マーケット

(※ニッチの参入する余地があり、そのニッチによって市場を再分割することが可能なマーケット)

・クローン・マーケット

(※ある国で成功したビジネスモデルを、外国で展開するもの)

 

それぞれについて、顧客需要、製品のパフォーマンス、競争、リスクの観点から分析し、

異なるアプローチをしていきます。

 

この段階では、第一期の最小限実行可能なプロトタイプを作成します。

(必要最小限のパワーポイント、ウェブサイト、ビデオという形になるかもしれません)

そうして、私たちが解決すべき問題点について説明し、

最初に選んだアーリーアダプターの顧客から第一次のフィードバックをしてもらいます。

 

 

次回は、このアーリーアダプターの顧客から提出された問題のテストと解決について、

考えていきたいと思います。

 

その2.につづく)

 


元記事:http://linkd.in/1EQ539X?

(翻訳:服部聡子)

 

起業家にとっての周到さと情熱

ハーバード・ビジネス・レビュー  2015年 6-8月号

 

 

起業を目指す人の多くは、情熱こそが成功のための鍵と思っていることでしょう。

たとえば、クラウドファンディング・サイトでも、

プロジェクトに対する情熱だけは誰にも負けないとばかりに、

起業家同士がお互いに張り合っているのが見られます。

そして、資金集めについて言えば、このやり方でも実際にうまくいくものです。

情熱というものは、芽の出そうな新しいアイディアを探している

ノン・プロの投資家にはアピールするものなのです。

   
ですが、長期的な成功という観点で見ると、話は違ってきます。

何百人もの起業家を対象に新しい研究が行われ、数年単位での未来の成功は、

情熱とは何の関係もないことが明らかにされたのです。問題となるのは、周到さでした。

つまり起業家が、自身の事業のアイディアを具体的に思い描けているか、

狙いをつけた市場を深く理解しているか、

また、障害を乗り越え不測の事態が起こってもそれを利用できるような計画を作成できているか、

ということがポイントだったのです。

Marketing Huddle

   
ライス大学のウトパル・M・ドラキアの研究チームは、

大学レベルを対象にした全米最大の起業コンペの研究を行いました。

参加したプロジェクトは、バイオ技術からライフサイエンス、

消費者向け製品や小売りにまでおよびます。

当初、プロジェクトの成否を判断するポイントを聞かれた参加者は、

情熱の有無をあげていました。

そして研究チームは、その3年後に、まだベンチャーが好調な一部の参加者に同じ質問をしたのです。

研究チームの分析で、プロジェクトの運命を左右する上で、

情熱は何の役割も果たしていないということが明らかになったのです。

全てではないにせよ、ビジネスが飛躍するために必要なのは、周到さだったのです。

   
研究チームはまた、全世界で資金集めに利用されているクラウドファンディング・サイトの最大手、

インディーゴーゴーに掲載されている522のプロジェクトを調査しました。

サイト上の起業家のビデオと文章の声明を、2つの要素から分析したのです。

 

1つ目は情熱の表れ方、例えば「非常に真剣です」や「全てを捧げています」のような言葉で

(「情熱」という言葉そのものはもちろん含めます)、

2つ目は周到さを証明するもの、

例えば、アイディアを実現させるために必要なものやリソースを発見したことが報告されているかなどです。

 

研究の結果、情熱的な起業家は、資金の目標金額に達する可能性が約3倍となる一方、

周到さは、目に見えていても何の影響もないことが分かったのです。

 

GearUP Sessions: LEAN & TEAM

   
さらに研究では、職業投資家は、ノン・プロの投資家とは全く別の見方をしていることが明らかになりました。

職業投資家は一般的に、起業家の情熱は割り引いて考え、周到さに最も注目するというのです。

ですが、起業家が職業投資家を通さずに一般の投資家に直接アピールするようになっていることを考えれば、

また、一般の投資家が情熱的な起業家を好むというのであれば、起業家がするべきことは自明でしょう。

   
研究チームは、起業家は情熱に頼るべきではないと言っているのではありません。

結局のところ、情熱を前面に押し出さなければ、十分な出資を得られないこともあるでしょう。

ですが、起業家本人の頭の中でも、出資者向けの広報でも、

情熱が過度に強調されるとネガティブ要素となってしまうことが、ままあるのです。

そのかわりに起業家は、情熱を表しながらも、周到さとのバランスをうまく取る必要があります。

適切な人材の確保や、その他、成功を左右する細かい課題にも気をまわしていることを、

明確に伝えていかなければならないのです。

起業家も、起業家を値踏みする投資家も、周到さを欠いた情熱だけでは、

価値は少ないということを意識する必要があるのです。

 

ハーバード・ビジネス・レビュー  2015年 6-8月号)


元記事:http://bit.ly/1Hc3vf9

(翻訳:角田 健)

起業時に大切なのは事業の拡張可能性ではない

by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1cdFbeK
(※著者の承諾を得て翻訳しています)

あなたのスタートアップは「ニワトリが先か、卵が先か」 という問題に直面していませんか?

起業して間もない時期に、事業規模が拡張できるかどうか、という問題は、多くの人が考えているほど重大な問題ではありません。
 
「スケールする」という言葉を聞いたことのない人のために言っておくと、
スケールするとは、やがて数十億ドルの収益を生み出す何百万人もの顧客が現れるから、
今のうちに、速く、安く、再現性のあるプロセスを築いておこう、という考え方のことです。
 
たとえば、もし市場に出た中古のプリンターを、ピエール・オミダイアが1台ずつテストしなければならなかったとしたら、
eBayの事業規模は拡張できません。
 
もしマーク・ベニオフが、すべての売り込みの電話をかけていたとしたら、セールスフォース・ドットコムも「スケール」できません。
 
もしジェームズ・ホンの両親が、ポルノであるかどうか写真を全部チェックしなければならなかったとしたら、
「ホット・オア・ノット(*1)」もスケールするようなことはなかったでしょう。
(*1. Hot Or Not:ユーザーが提供した自分の顔写真をほかのユーザーが評価するサイト。カリフォルニア大学に在学中のジェームズ・ホンが2000年に立ち上げると、すぐに1日あたり20,000pvにも上る人気サイトになった。)
 
立ち上げ間もない時期に、自分自身で大量のテストをしなければならない、と考えるのは、思い違い、いわゆる本末転倒というものです。
複数の場所では、ひとりの料理長が完璧に取り仕切ることができないから、といって、
レストランを一店しか開店しないのと同じようなものです。
 
レストランのスケールを検討する前に、30キロ圏内の人が料理を好んでいるかどうか、まず確かめるべきです。
つまり、ビジネスがうまくいっているかどうか、しっかり見る、ということです。
 
Shop scales
Photo by:Ben Salter
 
一例をあげると、私がアドバイスしている「チューター・ユニバース」という会社があります。
ここではスマートフォンを使った個人指導をおこなっています。
タクシーの配車サービス・アプリであるユーバーの、家庭教師版だと考えてください。
長期計画は、学生はどんなトピックでも質問でき、15分以内の指導を受けることができる、というものでした。
 
ところが当初、すべての科目を教えることができる必要最小限のチューターがいなかったのです。
多くのスタートアップは、こうした「ニワトリが先か、タマゴが先か」の問題に直面します。
 
十分なチューターがいれば、多くの学生を引きつけられる。
多くの学生が利用してくれれば、多くのチューターを引きつけられる。
 
こうした問題に直面したら、あなたならどうしますか?
 
答えは簡単です。
ちょっとしたトリックを使うのです!
あなたは社員を使って質問に答えたり、市場で採算が取れる最低限の規模になるまで
フィリピンで、高い教育を受け、英語を話せ、しかも安い人をチューターとして雇うのです。
 
疑い深い人や、経験の浅い人は反対するかもしれません。
「コストがかかるからといって、社員や外国人のチューターを雇うぐらいなら、
そもそも規模を拡大することなんてできないんだよ」と。
 
確かにこれは正論かもしれませんが、意味のないことです。
大切なのは、つぎの3点を確立することなのです。
 

  • 多くの人に知らせること
  • 学生に喜んでアプリをインストールしてもらうこと
  • 学生が助けに対して対価を払ってくれること

 
要するに、何よりも大切なのは、みんながあなたの商品を買ってくれるかどうかということなのです。
買ってくれそうにないなら、あなたが規模を拡大できなくてもどうということはありません。
もし買ってくれそうなら、スケールの方法は見つかるでしょう。
 
私はスケールすることに遅れて、失敗したスタートアップを見たことがありません。
その代わりに私が目にしたのは、何百というスタートアップが
自分の商品に全力を注がずに立ち消えになった姿でした。
 
The_Art_of_the_Start_2.0
このコラムはガイ・カワサキの最新刊
『スタートの技術 2.0』(原題)の一部分を元にしたものです。
一読後、飛躍されんことを。

 

 

 

 

 


元記事:http://linkd.in/1cdFbeK

(翻訳:服部聡子)

 

本:『スタートの技術 2.0』

The Art of the Start 2.0:

The Time-Tested, Battle-Hardened Guide for Anyone Starting Anything

『スタートの技術 2.0 :??

  何かを始めようとする人のための 実績に裏打ちされたタフなガイド』

著者:ガイ・カワサキ

 

 

 

完全網羅 起業成功マニュアル

 

2004年に刊行された、

ガイ・カワサキの古典的ベストセラー

新商品やサービス、新しいアイデアをローンチするためのガイド

“The Art of the Start ”

(邦題『完全網羅 起業成功マニュアル』)から10年後、

全面的に改定・拡大された

『スタートの技術 2.0』が登場しました。

 

 

新版 ” 2.0 ” は、10年間で大変動を遂げたビジネスの世界を反映しつつ、

さらに内容も豊かで充実したものになっています。

 

新しい時代、かつてマーケットを牽引していた強力なリーダーたちが悪戦苦闘を強いられている一方、

事業の基盤を立ち上げることは、以前より簡単に、しかも安価に、

その意味でいっそう民主的なものになっています。

 

今日では、事業計画はもはや必要ではありません。

プロモーションでの中心的な方法であったPRや広告は、

ソーシャルメディアにとって代わられました。

また、クラウドコンピューティングのおかげで、

多くのベンチャーにとって、基礎的なインフラは手頃な値段で整備できるようになっています。

 

『スタートの技術 2.0』が教えてくれるのは、

こうした新しいツールをどのように配備するか、ということです。

さらに、時代が移っても変わることのない、根本的な問題、

強いチームを作り上げ、

すばらしい製品やサービスを創造し、

ライバルに打ち勝つことを解決していく上でも助けになってくれます。

 

あなたが野心満々の起業家、小さな会社の経営者、

組織内起業家、NPOのリーダーであるかにかかわらず、

本書はイノベーション、新規採用、資金集め、ブランディングといった問題に対するアドバイスが

実に豊富になされています。

 

実のところ、多くのスタートアップを行き詰まらせ、

失敗させるような本や記事、ウェブサイト、ブログ、オンラインセミナーが数多くあります。

『スタートの技術 2.0』は、ビジネス界で誰よりもハードワークをこなし、

大胆な戦略家であるガイ・カワサキの10年間の経験を蒸留することによって、

誰もが直面する問題を解決しているのです。

 

ハフィントン・ポストの創設者であり、編集長でもあるアリアナ・ハフィントンは、

本書について、このように語っています。

 

『スタートの技術 2.0』は、起業家精神の究極のハンドブックです。

ガイ・カワサキの豊富な知識やヒント、ユーモアは、自身の成功と失敗を反映しています。

私たちの誰もが、彼の洞察から多くのものを得ることができるでしょう。

 

 


元記事:http://amzn.to/1EB5wPN

(翻訳:服部聡子)

スタートアップの創設者が過小/過大評価しがちな9つの過ち

by ボリス・ワーツ

 

 

まさに会社を創ろうとしているただ中にあっては、

さまざまな活動や決定の意味するところを、しっかりと評価することはむずかしいものです。

とりわけ、起業が初めての経験である人にとっては、過去の失敗から学ぶことができないのですから。

投資家として、そうしてかつては初めての起業も経験した私が気がついた、

いくつかの重要な問題があります。

創設者が会社を築いていく上で、過大評価したり、逆に過小評価したりすることがあるのです。

 

ここではそれを挙げていきましょう。

 

創設者が過小評価する5つの大切なこと

1. しっかりした採用プロセスを作ること

 

仮にすばらしいアイデアがあったとしても、

チームがパッとしない状態では、あなたの会社は生き残っていけません。

創設者は可能な限り長く、社員の採用決定には関わるべきです。

会社の規模が大きくなり、ひとりひとりの採用に実際に参加できなくなったとしても、

採用基準などの採用プロセスを、しっかりと体系化しておくことが必要です。

たとえばジェフ・ベゾズが採用している「バー・ライザー」

(※面接の中で志望者に厳しい質問を投げかけ、対応能力やストレス耐性を見る人)は、

アマゾンの会社文化にふさわしくない人を、早い段階でふるい落とすために

設置されたシステムです。

2. 身元照会の重要性

多くの人が、身元照会がきちんとなされないまま、採用されていることに、

私はいつも驚いています。

志望者に対して良い印象を持つと、入念なチェックがなくても、

採用したい、という誘惑にかられるかもしれません。

けれども、非公式な身元照会でわかることもあります。

とりわけ面接では十分にはわからない部分を、もっと知ることができるのです。

 

 

3. 最初期から企業文化を築くことの必要性

 

創設者の中には企業文化のことを、早朝ヨガや、

会社にフリークライミングの壁を設置することや、

昼食用に移動販売車が回ってくることを想像する人もいるかもしれません。

けれども文化というのは、そうした無料の特典より、ずっと深いもので、

企業文化を導入するために、スイッチを入れれば広まっていく、

というようなものでもないのです。

最初から、あなたはどんな会社を築いていきたいか、考えていなければなりません。

そうしてそのビジョンを現実化していくようなシステムと決定を

準備していかなければならないのです。

4. 投資家やアドバイザーと良い関係を築いておくことの重要性

 

この点は、もしかすると利己的なものなのかもしれませんが、

私はこれまで、出資者のことを金づるとしか見ていない創設者をあまりに多く見てきました。

お金は確かに重要ですが、会社の初期段階から、

出資者やアドバイザーと良い関係を築くことがどれほど重要か、

繰りかえし目の当たりにしてきたのです。

5. 焦点化することの重要性

万人があなたの会社や商品を気に入る、ということはあり得ません。

そうして長い目で見れば、あらゆる顧客や機会を追求する価値がある、というわけでもありません。

あなたは重要度の高い2,3の商品に焦点をしぼり、

会社全体で繰りかえし、この焦点品目を訴求していく必要があります。

 

創設者が過大評価している4つのこと

 

1. お金の重要性

 

世界中のお金を集めても、あなたの商品を市場に適合させることはできません。

また、商品と市場が適合する前に、あまりにたくさんの資金を集めておくと、

たいていスタートアップは失敗してしまいます。

 

2. 新製品の発売や資金調達を告知することの重要性

スタートアップの創設者は、新製品を発売したり、

資金調達のためのラウンドが終了したりすることの告知を、

大々的にやりたがる傾向があります。

たしかに大がかりな発表は、瞬間的には話題になるかもしれません。

けれども、15分間だけ有名人になることよりも、

継続的な需要を生み出すことに焦点を当てる方が、ずっと重要です。

同様に資金調達のための告知は、将来に向けて、投資家の興味を引きつけることはできますが、

たいていの場合は、最初は目立たつことをせず、堅実に会社を築いていく方が

良い結果となるようです。

3. 業界経験を持つ年長の社員の価値

若いスタートアップは、立派な経歴と、深い専門知識を備えた社員が

どうしても必要である、と思い込んでいることが少なくありません。

確かに、特定の専門的知識が役に立つこともありますが、

採用に当たっては、その人の知性や情熱、一生懸命に働くことの方が、

経験よりも重視されるべきでしょう。

4. 特効薬の魔法

特効薬さえ見つければ、あなたのビジネスが次のレベルまで飛躍できるのだとしたら、

すばらしいことでしょう。

ただ問題は、そうした特効薬など、ほとんどない、ということです。

創設者が、すべての問題を解決してくれる、(実際には存在しない)特効薬を探して

時間を無駄にしている間というのは、

実は、小さな事を付け加えながら、徐々に事態を改善していき、

本物の違いを生み出すという努力をなおざりにしているのです。

 

 

このリストですべてを言い尽くしたと私は思っていません。

私は何を見逃しているでしょうか?

創設者が何を過大評価し、何を過小評価しているか、あなたの考えを聞きたいと思っています。

 

 

 

― Version One Blog


 

元記事:http://bit.ly/1LFsrxP

(翻訳: 服部聡子)