収益性の高い企業11のルール

ティム・フェリス

 

 

最小の労力で、最大の収益をあげるにはどうすれば良いでしょうか?

質を犠牲にすることなく利益率を最大化するにはどうすれば良いでしょうか?

顧客や売上の話をしているのではありません。

ましてや職場や従業員についての話でもありません。

利益そのものについてです。

 

さまざまな国々において、実績の高い*注CEOの役職の人たちに行った取材に基づき

(*原注:従業員1人当たりの年収から計算しここでは“高い”と定義します)、

それぞれに共通する11のルールをまとめました。

 

まさに原点に帰るというメッセージです。

ここに継続的に利益をあげる、もしくは倍にする、

しかも3か月以内にそれを可能にする、カンニングペーパーをお見せしましょう。

 

 

ルール1 : 良い宣伝は初めからうまく行きます

 反復はたいていが余計な労力です

 

独自に管理できるダイレクト・レスポンス広告

(顧客が直接電話をかけたり、ウェブサイトにコンタクトできるもの)

を出してください。

 

「イメージ」や「ブランド」を前に出す宣伝(URL、電話番号、アドレスなどの無い掲示板など)ではなく、

内容が全て説明されるような宣伝のことです。

ただし、他の企業がコスト削減のために事前に購入するような場合は除きます。

(例:288個の商品をお買い頂ければ、御社の店舗、URL、電話番号などを

1ページ丸ごと掲載しますといったオファー)

 

「他の企業が動き出す前に、3枚(7枚、27枚…)のイメージ広告を出してください」

などというような話を持ちかける広告販売員の声には、耳を傾けないでください。

デザインが良く、うまくターゲットが絞られている宣伝活動は、初めからうまく行きます。

たとえ部分的にしかうまく行っていない時

(クリック数が高くても売り上げに繋がっていない(CVR)、もしくはその逆のケースなど)でも、

若干の修正、テコ入れ、細部をテストすることなどによって、

高い水準の投資利益率を得ることも可能となります。

投資利益率をたどることのできないようなものは、すべて断ってください。

 

ルール2 : 流通の計画を最初に立てる

 商品の前に価格設定を

 

価格設定は弾力性のあるものでしょうか?

初期段階で、必要に駆られて簡易ウェブサイトを使い、消費者直販している企業も少なくはありません。

後に流通業者や再販業者が会社にやって来た時に初めて、

彼らを受け入れるだけの収益を出していないことに気づくことになります。

流通業者がiTunes、世界的なウィジェットを配布しているOrbitzでも同じことです。

 

あなたが40%の利益率を得ているとします。

全国の流通業者が小売業者に売るために、卸売価格の70%の値引き(もしくは利下げ)を必要とした場合

事後に値段を上げて利益率を上げるか、

問題を解決するために「プレミアム」な商品を売り出さない限り、

あなたは消費者直販を一生続けることになるでしょう。

うまくいっていないスタートアップにとって、この種の問題は、

大量の顧客離れや機能停止に等しいものです。

 

値段を設定する前に、流通開始から2年間の計画を練ってください。

 

数字が変わってきた? 再検討しましょう。

 

仮定をテストし、経験のある人に尋ねて、目に見えないコストを見つけてください。

共同広告、一括購入に対するリベートの提供、

棚スペースや特別商品扱いなどのコストが必要ではありませんか?

ある全国区ブランドの前CEOは、大手小売店の店頭棚に商品を並べる前に

自社を、世界規模の清涼飲料水メーカーに売却することになってしまいました。

 

仮定をテストし、価格を決める前にやるべきことをしてください。

やるべきことはいくらでもあります。

 

3. 利益を増やすためには流通の制限を

 余計なものはないほうがいい

 

流通経路が多いことは良いことでしょうか?

必ずしもそうとは限りません。

 

コントロールを失った流通は、頭痛の種と利益損失を引き起こすものですが、

大抵は悪質な格安業者が関連しています。

 

再販業者Aが、オンライン格安業者Bとの競争で値段を下げますが、

価格競争はどちらも十分な利益を上げられず、

あなたの会社から追加の注文、買い入れを止めてしまいます。

 

この価格の下落競争では新商品を出すような対策が必要ですが、

下落する価格が元に戻るようなことはほとんどありません。

 

このようなシナリオを避け、数は少なくても重要な販売店とパートナーになることを考えてください。

良い条件で取引をするのです。

 

ディスカウントは少なくし、

純支払いではなく前払い、好待遇やマーケティングサポートなどでカバーするのです。

アップルであろうとエスティローダーであろうと

高利益を持続しているブランドは、最初から統制された流通を行っています。

大事なことは、より多くの顧客を得ることではありません。

利益を持続させることが目的なのです。

 

balance sheet ok

4. 需要の創造vs.条件の提示

 支払い条件をゼロに

 

この項目はルール3に関連します。

エンドユーザーの需要を生み出すことに集中してください。

そうすれば、あなたが支払い条件を決定することができます。

 

大型広告ひとつで、十分に活用できることがよくあります。

たとえそれが残り物のディスカウント・レートで購入したものであっても。

業界の誰もが支払い期間を提示しているからと言って、

あなたがそれに従う必要はありません、

支払い条件の提示は、会社を失敗させるおもな要因の一つです。

支払を引き延ばさせて、キャッシュフローが乏しくなるのを避けてください。

相手にスタートアップの経済状態を伝え、どんなときにも役に立つ「会社方針」を説明します。

それを前払いが必要な理由として、許しを得るようにしてください。

 

けれどもこの際に、例外を作るようなことはしないでください。

もし30日以内に支払いを受けるという契約をした場合

(請求、もしくは商品の到着から30日後に支払われる)、

支払いは60日以内ということになり、120日以内になることもあります。

 

スタートアップ企業にとって時間とは一番高価な資産です。

滞納するお金を追い続けることは、あなたの利益のマイナスになります。

 

一方で非常にたくさんの顧客があなたの商品を求めていれば、

再販業者と流通業者には、買う必要がでてきます

 

とても単純なことです。

例えば、ウォルマートからの大量受注は思いがけない幸運だと思いますか?

注意しなければなりません。

この場合180日以内の支払いが条件となり、売れ残りの商品は返品が可能なため、

あなたの会社はどん底に追いやられることになります。

在庫に残ってしまった商品はどうやって支払いをしますか?

一般的には負債を抱えることになります。

 

もし、適切な販売をせずに売り上げが十分に伸びず、

お金が販売店から戻ってこない場合、あなたはどうしますか?

 

慎重になる必要があります。

有利に局面を変えるために戦略的マーケティングとPRに資金と時間を費やしてください。

消費者の需要=より良い条件を交渉するあなたの力量なのです。

 

  1. 成長を確保するためにマイナスの下降をコントロール安全マージンを犠牲にする

商品とそのマーケティングは分析され、売り出される準備が整っていない限り、利益を挙げるための商品を大量に生産してはいけません。つまり、需要を確保しセルスルーレートが予測できることが条件なのです。

プロトタイプ商品の限定生産に一つ10ドルかかり11ドルで売る場合、初期テスト期間において問題はありませんし、マイナス下降を制限するには必要なことです。テスト期間では一時的に安全マージンを必要に応じて犠牲にし、致命的になるような取引の先行投資は避けます。

  1. 新しい隙間市場の可能性ラビッシュ・ドワーフ・エンターテイメント・ルール

数年前、ある投資銀行家が証券取引委員会に違反し逮捕されました。

ヨットで豪華なパーティーを開く内容が捕まった一因とされていますが、その中でも小人を雇っていたことが取り上げられました。冗談ではありません。この小人斡旋会社のオーナーであるダニー・ブラックはウォール・ストリート・ジャーナル紙に「ラビッシュ・ドワーフ・エンターテイメントに入れ込む人がいます」と語っています。

新しい隙間市場について言えば、そこには秘密があります。市場をニッチ化し、大量にものを売るこことは不可能ではありません。

アイフォーンのCMは50代の人が踊っている姿を映すのではなく、ヒップな20、30代の若者を取り上げますが、老若男女みな若々しく流行に敏感でいたいため、アップル製品を身にまとい、自身をコンバーツと呼ぶのです。マーケティングでは描く人物が商品を買う大半の対象者を表しているということではありません??むしろ多くの人に羨望される人のグループである傾向があります。市場自体がターゲットなのではありません。つまらない平凡な人生を望む人は誰もいません、顧客全てにアピールすることで送るメッセージの内容が軽薄にならないように気をつけてください、結局誰にもアピールすることなく終わってしまいます。

  1. ドラッカーの再考「測定できるものは達成できる」

いやおうなしに計測をしてください、ピーター・ドラッカー曰く、「側的できるものは達成できる」のです。測定に関して、経営統計をとること以外に役立つことはCPO(コスト・パー・オーダー:宣伝、達成と予想利益、不渡り手形、不良債権を含むもの)、許容広告料(広告に損をすることなくかけられる最大の金額)、MER(メディア・エフィシェンシー・レーシオ)、収益率と追加注文率に打ち出されたライフタイム・バリュー(LV)などを考慮することです。ダイレクト・レスポンス広告をご自身のビジネスに適用することも検討してみてください。

  1. ハイパーアクティビティ vs. プロダクティビティー 80:20とパレートの法則

忙しくしているということは生産的であるということにはなりません。実際に忙しい状態にあるときは、怠惰である状態にある、つまり考えることを怠り、見境なく行動しているのです。

美徳とされている起業オーバーワーク倫理を忘れ、分析的になってください。「賢く働き、仕事量を減らす」ということを言うつもりはありません、ハードワークは的を射ている限りは何の問題もないと思っています。

パレートの法則として知られる80:20の法則は、望む結果の80%は自身の活動と資金投入の20%であるということを述べています。週に一回は午後に体力を燃やし尽くすのではなく、自分の努力が確実に高収率に繋がるかどうか数字を計算してみてください。

顧客、商品、地域のどの20%が80%もしくはそれ以上の利益を挙げているのでしょうか?この要因は一体何でしょうか?

あなたの弱点を修正するよりは、いくつかの強みのある分野に的を絞り、倍増できるように投資してください。

  1. 顧客はいつも正しいとは限りませんハイ・メンテナンス・カスタマーを「燃え立たせる」

顧客全てが平等であることはありません。

80:20の法則を時間消費に応用してみてください。顧客のどの20%があなたの費やす時間の80%を消費していますか?わがままで、利益の見込めない顧客はそのままにしておきます。もちろん注文は受けますが、彼らをフォローし、毎度気にする必要はありません。ハイ・メンテナンス・カスタマー、高利益をもたらす顧客には、あなたの会社の方針がビジネスモデルの変化に伴い今後どうすべきかを説明する連絡を入れることで彼らを「燃え立たせる」のです。どれくらいの頻度でどの手段を使ってコミュニケーションをとるのか、標準化価格や注文プロセスなどを伝えるのです。

新しい企業方針に合わない顧客に対しては、他の業者を喜んで紹介すると伝えましょう。

「しかし、一番の顧客が自分の時間のすべてを消費するような場合はどうすればよいでしょうか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。その場合は 1)時間なくしてご自身の会社(大抵は人生までも)をその顧客と比較し計算することはできません 2)素晴らしい善人の人でさえ無意識のうちにあなたの時間を浪費させることをご自身が許してしまっていることがあるという点を知っておいてください。

関係者全員に対し良きルールを設定してください。何度も繰り返される意味の無いやり取りを最小化するのです。

  1. 詳細な情報よりも締め切り能力よりもテストの信頼性

スキルは過大評価されています。

どんな完璧な商品でも締め切りを過ぎて届くようなものは会社を潰します。時間通りに届く、適度に良い商品のほうがより価値があるのです。この哲学に関しての詳細は「ミニマル・バイアブル・プロダクト」とグーグルで検索してください。リンクトインの共同開設者であるリード・ホフマンでさえ賢明な言葉を述べています、「もしあなたが自分の商品の初期バージョンに対し頭を抱えることがなければ、すでに発表する時期を逃している」。

優秀なポートフォリオに驚かされ雇う前に、その企業や人材がタイトに決められた締め切りにしっかりと間に合わせられるかどうかを確認してください。

キャッシュフローがある限り商品は修正することができエラーも許容されますが、締め切りを逃すことは致命的なことになります。カルビン・クーリッジはかつて才能を持ちながらも成功しない人間はそこらじゅうにいると述べましたが、私はここに、その次に多いのは自分のIQが高い、もしくは履歴が良ければ締め切りを守らなくてもよいと考える賢い人間であることを付け加えます。このような人間に我慢する必要はありません。

  1. シンプルを心がけてください。複雑な答えが正答であることは稀なことです。以上です。

 


 

元記事:http://bit.ly/1C7zQPw

 

ブログ・アクセスを増やす見出し13タイプ

(※この記事は https://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines を翻訳したものです)

by ライアン・スコット

あなたのブログ投稿を読んでいる人は、あなたが思うほど多くはありません。反対に、あなたのブログの見出しに目を留める人は、あなたが考えるよりずっと多いのです。平均すると、記事の見出しをクリックしてから、最後まで読む人は、そのうちのわずか20%に過ぎません。つまり、見出しは良くても、途中で読者の80%は、脱落しているのです。

けれども、逆に考えると、すばらしい見出しは、多くの人に対して、劇的なインパクトを与えている、ということもわかります。見出しを変えるだけで、あなたの記事のアクセス数を500%も増やすことができるのです。

理想的な見出しを作るために

見出しはクリック率に影響があるだけでなく、ブログのトーンを決め、記事のテーマを確立するものです。たったひとつの見出しが、記事の価値を落とすまでに、大きなインパクトを読者に与えるのです。

マリア・コニコバは、自分の記事「遺伝子が短時間睡眠を可能にする?」について語る中で、「もし私が記事のタイトルを『どうして私たちに8時間睡眠が必要なのか』であれば、誰もこの記事のことを記憶に留めてはくれなかったでしょう」と言っています。

すばらしい見出しを作る要因とは何なのでしょうか?

それはあなたが誰に向かって書いているのか、そうして彼らがどこでそれを読んでいるかによります。

私はマーケティング・コンサルタントとして、企業の成長を助ける仕事に携わっています。その会社のコンテンツ作成をお手伝いしながら、以下の2つのことを達成するよう、つねに心がけています。

  • ターゲットとする人にアピールしなければならない
  • ターゲットに価値を提供するものでなければならない

この記事の中で私は「最高の見出し」という言葉の中に、「きわめて独創的なタイトル」という意味をも含めています。けれども独創性のあるタイトルというだけなら、

なぜわが家のネコは預金口座を持つようになったか」や

〈文字どおり〉という言葉を文字どおりにではなく比喩的に使用することについての擁護

であってもかまいません。どちらもとても魅力的なタイトルです。

けれどもこのようなタイトルは、SEOに効果はありません。それでは、私のクライアントが直面する問題に、応えることはできないのです。ですが、あまりに多くのマーケターが、効果的とは言いがたい、凝ったタイトルをつけています。

すばらしい見出しとは、あなたのターゲットとなる人々の、痛点をとらえたもの、そうして、彼らの人生をよりよくするような話題を紹介するものです。されにプラスして、人を引きつけるものでなければなりません。あなたが誰の興味も引かないブログの見出しをつけていれば、オーディエンスの80%が去ってしまいます。

 

13種類の実例に見る アクセス数を増やす見出し

1) 「最高の」見出し

この見出しは、SEO対策に大きな力を発揮します。このタイプの見出しは、一般的な検索をしている顧客に、直接訴えかけるものです。

考えてみてください。あなたが倹約する方法を検索しているとします。そこに「最高の倹約法」があれば、興味を引かれませんか? それとも、ありきたりの方法でいいですか?

このタイプは「最高の~法」というワードで検索した場合の、完全一致検索の典型です。

実例:

2) 「私の人生をもっと簡単に」する見出し

これは「最高の」見出しの妹分です。あなたの顧客は、今、まさに問題に直面していて、何かの最高の方法など知りたくはないかもしれません。人は時に、最高ではなく、もっとも簡単な方法を求めるものだからです。

個人的な話

かつて私は車の販売代理店で、インターネット・セールス部門のマネジャーをしていたことがあります。そこで知ったのは、多くの顧客が車を買う最高の方法、つまり現金で払うことで倹約するということには関心がない、ということでした。

その代わりに関心があったのは、一番簡単な方法です。当時、私たちのコンテンツでもっとも人気が高かったのは、顧客が簡単に事を運べるよう、手助けしていくページでした。

実例:

3) 「一番速い」見出し

人は、最高でもなければ、簡単でもない方法を求めることもあります―― 求めるのは速さです。ある業界ではどんなときでも、パニック状態にある人の相手をしなければなりません。彼らは今すぐ、何かをしなければならないのです。もうひとつ、「最速」コンテンツによって、あなたが提供する製品やサービスに価値があることが証明できれば、即座に買い手が飛びついてくれるでしょう。

実例:

4) 「もし私があなたなら」見出し

私たちの多くは、向上したい、という願いを持っています。もっと充実した人生を送りたい、成功したい……というように。誰もがもっと多くのことを、少ない時間で、成し遂げたいと願っているのです。とりわけ、私たちの誰もが、いまやっていることをもっと上達したいと願っています。このような願いがあるために、「もし私があなたなら」見出しは、大きな効果を発揮します。

もし誰かが私たちに向かって、「あなたはこうすべきだ」と言ったなら、私たちは反発するでしょう。けれども、どうしてそうしなければならないかを示してくれれば、私たちは共感するはずです。それは、新しい考え方を受け入れよう、今のやり方を変えようとする、私たちの理性やモチベーションに訴えかけるからです。

実例:

2つの理由から、このタイトルは、とりわけ私には強烈なインパクトがありました。第1に、この記事の背景です。大変有名なマーケターが、この記事をリンクトインに発表した、ということに衝撃を受けたのです。

第2の理由は、認知的不協和を引き起こしたからです。マーケターにとって、フェイスブックは最大のプラットフォームのひとつです。それをこのタイトルは、もう止めて、忘れてしまえ、と言っているのですから。このブログ・ポストは、のべ30万回のページ・ビューとなりました。

5) 「私たちは ~ している」見出し

「透明性」は、新しいマーケティングのパラダイムです。長い間、企業は「秘密のソース」を、大衆の目の届かないところに隠してきました。ところが、企業もようやく、本当の「秘密のソース」は信用だということに気がつき始めたのです。そこで企業の側は、求める人は誰でも情報にアクセスできるようになりつつあります。

透明性は信用を構築するための、すばらしい方法のひとつです。たとえばバッファは、透明性の第一人者ともいえるべき企業でしょう。その結果、彼らは熱烈なファンである顧客を獲得したばかりか、すばらしい企業文化をも確立したのです。

多くのCEOが、もっと多くの部分をシェアしようとする試みを一笑に付す中で、バッファはすべてを明らかにしました。売り上げや利益、社員の給料に至るまで、彼らはあらゆることをシェアしているのです。そうしてそれが実を結んでいます。

実例:

6) 「科学的に裏付けられた」見出し

人間には、いわゆる「学習バイアス」というものがあります。どれほどもっともな話でも、信頼できる情報筋からの別の話があれば、私たちはそちらを真実として受け入れるでしょう。それだけでなく、私たちを行動に突き動かす究極の真実に、私たちは魅了されます。

たとえば、あながた毎朝モーツァルトで目覚めると活力が湧いてくることを、研究によって実証できたならば、iTunesはモーツァルトを探す人で溢れかえることでしょう。

同じことをあなたの製品やサービスでやりましょう。どうすれば誰かの人生を、より良いものにできるでしょうか? それをシェアしてください。ただし、調査をふまえた上で。

実例:

7) 「どうして A の人々は B をしたのか」見出し

このタイトルは、私たちの最高でありたい、という願望に訴えるものです。ブライアン・トレイシーは彼の著書『お金持ちになる人、ならない人の仕事術』の中で、

「あなたが憧れ、尊敬する人々は、あなたの考え方、情報の選び方、決定の下し方など、さまざまな面で、あなたに対して並外れた影響を及ぼしています」

と言っています。

あなたのタイトルが、オーディエンスが尊敬している人にまでアピールすれば、多くの人に対する強力なインセンティブとなることでしょう。

実例:

8) 「経験が教えてくれた」見出し

経験は最高の教師です。けれども時に、その授業料がひどく高くついてしまうこともあります。だからこそ、賢い人々は他人の失敗から学ぶのです。もちろん成功からも。

こうしたタイトルは、あなたのターゲットとする人々が直面する問題に、どのように対処すべきか、という洞察を与えてくれることを約束しています。

実例:

9) 「あなたのためにリストを作りました」見出し

どういうわけか、私たちはリストアップされた記事を読むのが好きです。そうした記事は、幅広いオーディエンスに訴えるし、他の形式の記事に比べると、クリック数も多くなっています。

だからこそ、バズフィードのようなブログがつねに人を集めているのでしょう。

実例:

10) 「バカなことをしないで」見出し

何よりも私たちを引きつける見出しは、私たちの「受け入れられたい」という願望に訴えるものです。私たちは、バカだと思われたくないのです。その願望に応える見出しには、どうしても目がいってしまいます。

誰かが失敗した、と聞くと、私たちはみんな、自分はそんなことはしていないだろうか、と確かめるでしょう。とりわけ失敗した人が、みんなに知られた人ならば、なおさらです。

実例:

11) 「無知にならないで」見出し

私たちは「自分だけ知らない」という状態に陥りたくはありません。ひとりだけ暗闇の中に取りのこされたくはないし、同僚が知っていることなら、話の輪の中に入りたいと思うものです。

同じことが私たちの顧客にも言えます。彼らが知っておくべきことがあれば、私たちが書いて知らせてあげましょう。

実例:

12) 「勝つのはどちら」見出し

これはタイトルで選択肢を強く打ち出すものです。そうすることで、あなたを第三者的な立場に置き、主観に流れがちな自社製品やサービスを、客観的に評価することができます。それだけでなく、あなたの競合相手からのアクセスも稼ぐことができるのです。競争の激しい場所では、このタイプの見出しは、非常に効果があります。

実例:

13) 「クリックしてみよう」見出し

心の奥底では、人間の好奇心の強さは、ネコと変わるところはありません。私たちの心の中のネコに訴えかける見出しは、非常に強力なものです。

アップワーシーに見られるように、私たちの興味を喚起する技術に長けた人々がいます。彼らは私たちの目の前に、ニンジンをぶら下げるようなタイトルを考え出します。そうやって、否応なくクリックさせるのです。

もしあなたがこの戦術を利用するつもりなら、タイトルだけでなく内容も、読者をワクワクさせるようなものでなくてはなりません。そうでなければ、オーディエンスはすぐにうんざりしてしまうでしょう。

私はこの種の見出しを嫌悪するようになっています。というのも、徐々に大勢の人々がこの手法を使うようになり、期待はずれに終わっているからです。腹立たしいものです。

なのに、どうしてこれをやる人が多いのか? クリックしてもらえるからです。

こうした種類の見出しは効果的です。以上。

実例:

見出しをどう作るか

これらの見出しのうちで、もっとも効果的なものはどれでしょうか?

それは、作り手が何をしたいかによります。SEOに有利なタイトルもあれば、ソーシャルネットワークのシェアを通して、大勢の人の興味を引きつけるタイトルもあります。

どのタイプの見出しを使えば良いのか、選び方を紹介しましょう。

  • 「私がこの記事で読者に与えたい、最も重要な、たったひとつのポイントは何か?」と自問する。
  • その与えたいたったひとつのことを伝える最適な方法を決める。
  • ひとつの記事につき、見出しを25本書いてみて、その中から最高のものを選ぶ。
  • ほかの人に聞く。あなたのアイデアを話し、どれが一番気に入ったか聞く。その理由についてもかならず聞く。
  • どのタイプの見出しがあなたのターゲットとするペルソナに最も効果があるか、記録をつける。彼らを利用させてもらうことを恥ずかしがらない。

 


元記事:http://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines

(翻訳:服部聡子)

あなたのブランドにお客様を「参加」させよう

(※この記事は”https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand”を翻訳したものです)

by ディビッド・アーカー

もしあなたのお客様があなたのブランドに参加したい、と考えていたらどうでしょうか?

それも、競合よりも優れたブランドだからあなたのブランドを選んだ、というのではなくて、同僚や友だち、パートナー、同じベンチャー企業のチームメイトとして「参加したい」と感じてくれたら?

「人間関係」という言葉が意味するものを考えてみてください。
人間関係というのは、教えたり、説得したり、という関係から始まったとしても、やがて、ともに仕事をし、同じゴールに到達する関係へと変化していきます。

どちらがより有意義で、楽しく、永続する関係でしょうか?
「ブランドに参加する」というのは、比喩的な表現ですが、そう感じてもらうためには2種類の方法があります。

スイート・スポット・プログラム

ブランドの側がお客様に、当社のブランドや製品にはこんな利点がある、と教えても、スイート・スポットは生じません。そうではなくて、お客様の興味や活動、情熱に目を向けていれば、お客様の側が見つけてくれることで、スイート・スポットが生じます。

お客様のスイート・スポットを刺激するプログラムを企画したり、考案したりしながら、そのプログラムで、ともに活動するパートナーとなっていくのです。

乳ガン撲滅のためのエイボン・ウォークは、お客様の乳ガンの経験を理解し、彼らの活動的なライフスタイルに共感していく、という趣旨のプログラムです。参加者やサポーターとして、誰もが進んで参加したくなるようなプログラムとなっています。

また、パンパースの「ラブ、スリープ&プレイ」キャンペーンは、赤ちゃんの成長を5段階に分け、その各段階ごとの情報が提供される、人気の高いものです。そこでは仮に、お客様が実際にはおむつに関心がなくても、赤ちゃんの世話という心躍る体験を共にするパートナーとして、迎え入れてもらえます。

「スイート・スポット」プログラムは、スイートスポットを作るためのものではありません。ブランドが、顧客のパートナーでありさえすれば、自然に企画されているプログラムなのです。

ホーム・デポと「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」(※世界中で住環境問題に取り組むNPO)との関連を考えてみてください。ホーム・デポは、資材や熟練作業員の提供、店内に設けられた告知板や住宅建築プログラムなどを通じて、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」のパートナーとなっています。その結果、ホーム・デポのブランドは、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」の支援を通して、とても良い刺激を受けているのです。

高い目標を掲げる

社会的意味のあるプログラムをサポートすることを通して、企業自体もより高い目標を掲げるようになったところは、驚くほど多くあります。民間企業が社会問題に取り組んでいることを広く認められることによって、その企業に社会的意欲が生じてくるのです。

自分たちにはそれができる、そうしなければならない、という気持ちが生まれ、従業員も自分の仕事に手応えを感じることができる。さらに、お客様の側もブランドに対して、尊敬の気持ちや好意を抱くようになり、さらにはその高い目標をシェアし、彼らと共に行動しようという情熱を持つようになるからです。

ユニリーバは他社との差別化を図るために高い目標を掲げる企業の中でも、最先端に位置しています。

一例をあげると、ユニリーバには、持続性(ユニリーバの持続可能な生活プラン)、子供たちにより良い未来を(口内の健康と栄養のためのプログラム)、第三世界の病気を撲滅するための運動(2012年、200万人が参加した、手洗いプログラム)、女性が自尊心をはぐくむこと(ダブの「ほんとうの美しさ」キャンペーン)などの目標を掲げた、さまざまな取り組みがあります。

それぞれのキャンペーンや運動は、それに関わった人々が、自分の態度を改めたり、行動を変えたり、そのことを話題にする活動を通して、ユニリーバの活動に積極的に加わることができるようになっています。

また、「持続可能性」という目標も、広く採用されるようになっています。ウォルマートやマクドナルド、コカ・コーラのような、一見関係のなさそうな企業も、明確な差別化を図るために、持続可能性という目標を掲げ、消費者が購買習慣や生活習慣を変える活動に参加する機会を提供しています。

ホールフーズ・マーケットは、高品質の自然食品や有機食品を提供するだけでなく、「地域コミュニティをサポート・貢献し、本物の食への愛と喜びをともに祝うために、お客様に喜びと滋養を与える」という、高い目標を掲げる企業です。

ヘルシーな食材で料理することに関心のある人なら誰でもホールフーズ・マーケットの探求に「参加する」ことができます。単にオーガニックの食品があるからそこへ行く、という行為とは、質的に異なることはおわかりでしょう。

「ブランドに参加する」というコンセプトは、顧客のスイート・スポット・プログラムと、高いブランド目標の設定という2種類の方法で精力的に展開できる、強力なものです。

ブランドとお客様の絆は、企業にとってはブランドの構築を刺激するものであり、お客様の側からすれば、ブランド・ロイヤルティの核心をはぐくんでいくものです。その絆こそがブランドの最高の資産なのです。

 

 

著者:ディビッド・アーカー(経営学者、コンサルタント、著述家)


元記事:https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

小さなビジネスが持つ5つの大きな強み

 by アン・ミラー

お客様を引き付けるのに、大きな予算は必要ありません。以下に挙げる5つの秘訣で、あなたの会社もビッグネームのブランドとの競争に打ち勝つことができます。

小さなビジネスの
・柔軟で、
・個人的な対応が可能、
・ニッチを満たす
という強みはいずれも高い利益をもたらすことが実証されています。
 これらの3つの特質を持つことで、成功への道は開かれます。それこそが、小さいということが持つ力です。

このことは、マンハッタンのジャヴィッツ・センターで2016年1月に開催された、全米小売連盟協議会の満員ホールで確認されたことのひとつです。

中小企業経営者を集めて開催されたこの集会では、小規模ビジネスに影響を与えるトレンドや、大企業のような巨額の予算がなくても、顧客基盤育成ができる方法などについて、話し合われました。 以下に、そこで出された秘訣を上げていきましょう。

 1. 人間的なふれあいを強める

 マサチューセッツ州アガワムでペット用品の企業を経営するデイブ・ラトナーは、顧客の本当に必要としているものに重点的に取り組もうと努力しています。

レジ係には決して「メールをお送りできるように、アドレスをご記入ください」とは言わないように、と教えています。顧客が、やたらと売り込みメールやスパムが来るのではないか、と思うことが少なくないからです。

それよりも顧客に連絡先が必要な理由を説明した方が良い、とラトナーは言います。ほとんどの場合、ドッグフードが少なくなっている時期を知らせたり、人気のあるネコ用トイレがセールになっていることを伝えるためだ、と。店のためではなく、顧客にとって価値のある情報を得るチャンスなのだと伝えてください

ケンタッキー州の冷暖房業者ローガンサービスInc.のマーケティング部長であるアマンダ・キンセラは、会社のフェイスブックに、従業員のプロフィールをどのように載せるかについて、議論しました。
 「お客様には、わが社が人間によって運営されていることを、知ってもらいたいのです」

 彼女も社のスタッフも、顧客に対してオンラインで自分自身の話をしてくれるよう働きかけています。そうすることによって、ビジネスと顧客の建設的な関係が、深められていくのです。会社のSNSには、顧客が直接、話や写真を投稿できるページも用意されています。

 2. テクノロジーに投資する

 技術の進歩によって、小企業でも大量の演算処理や、節約型のオプションが可能になりました。たとえばRSRリサーチの業界アナリスト、ニッキ・ベアードは、IBMのワトソン認識コンピューティングテクノロジー、パーソナリティ・インサイツという機能に注目しています。

これはデータを収集して、人のパーソナリティを洞察(インサイト)するというもので、ベアードは、小企業にとっては年間で、およそ1,000ドルの費用がかかると見積ります。

クラウド・ストレージへデータを移行することによって、小企業がハードウェアの購入に経費をかける必要はなくなっている、とベアードは言います。現在のアプリケーションの中には、会費を提供するだけで、ライセンスを購入する必要のないものもあります。

どの企業にも当てはまる、万能の選択肢はないし、すべてのサービスが、成長を前提に設計されているわけでもない、とベアードは警告しています。

それでも、選択肢を研究するために、ある程度の努力を割くことで、それに見合う価値をえられる可能性は十分あるでしょう。
テクノロジー関連のスタートアップと提携することによって、資金を使わないで分析を利用することも可能です、と指摘するのは、プランニング・ショップの創設者であり、社長でもあるロンダ・エイブラムスです。

ロンダは、店内に設置されたビデオの追跡をテストするために、誕生して間もない会社と提携した、ある小売店の話を教えてくれました。ビデオを分析したその会社は、現実の社会でテストでき、しかも将来の売り込みに役立つ結果を得ることもできました。また、小売店側は、店内での消費者の行動について、多くを学んだのです。

「学ぶことや経験することに対して開放的な、人気店になろうと努力を続ける小さな小売店を探していく必要があります」と彼女は言っています。

 3. あなたのニッチを見つける

 エイブラムスは、ある会計士の話を教えてくれました。その会計士は、眼科医の事務専門というビジネスを切り開き、全米規模で成功したのです。

眼科の会計に、特殊な専門性が必要とされたわけではなかったのですが、ひとたび「眼科専門事務」の会社として、1人のクライアントを獲得すると、あとは自動的に成長していきました。市場の小さい領域だけに焦点を当てることによって、他には真似のできない、特定のニッチに適合するサービスを提供できる機会が与えられます。

また、標的市場をしっかりと定めてマーケティングを行うことによって、クライアントのニーズを、真に深く、詳しく理解することができる、とエイブラムスは言います。

4. 大勢の中から際立つ

 創造力があれば、たいていの困難は克服することができるし、小規模のビジネスは、異なるアプローチを試みる際には、大企業よりも柔軟に対処することができます。

ある店にあったネコの登り木が2本、ペットショップの社長であるラトナーの目を引きました。これまで見たこともないほど、巨大な木です。あまりに大きかったので、ラトナーはその価格を尋ねました。

ところが店員は誰も売物だと思っておらず、また、これまで問い合わせもなかったのです。おかげでいろんな人に聞いて回らなければなりませんでした。その登り木は大変値の張るものでした。けれどもラトナーには、予感があったのです。この立派なネコの遊び場は、ネコ好きを彼の店に引き付けるのではないか、と。そうして、実際にその通りになったのです。

シーンを作り出すことです、というのは、タイタン・インダストリーズ社CEOのアンドレア・バーンホルツです。
靴磨きセットを提供するのに、店のショーウィンドウに、椅子と靴磨きをディスプレーしました。その情景は、そこを通りかかる人の視線を引いた、と言います。

 5. 基本を忘れない

 ビジネスプランの専門家であるエイブラムスは、彼女がプランを立てたところを、チームと一緒に定期的に再訪することにしている、と言います。

かつて基本を忠実に守ってきたおかげで、彼女はビジネスを安全に保つことができたことがあります。
ある年、チームはある全国チェーン店から、非常に多くの注文を受けたことがありました。そうして基盤を拡大することに全力を尽くしたのです。ところがそのチェーン店は廃業し、チームは危機的状況に陥りました。けれども定期的な見直しを欠かさなかったために穴を発見することができ、それを修復したのです。おかげで彼女のビジネスは無事、切り抜けることができました。

 「大がかりなものは必要ありません。あなたの店を、買い物客が時間を過ごしたくなるような、居心地の良い場所にしてください」
 と語るのは、タイタン社のバーンホルツです。

服を販売しているのなら、試着室には着映えがするような、明るい照明を設置します。店の周囲に、買い物客と一緒にやってきた連れや友人のために、椅子を用意したり、子供たちが夢中で遊んでいられるように、おもちゃを用意したり。子供たちが店にとどまってくれなければ、買い物客もショッピングはできません。

 テクノロジーが進歩し、大きなものや華々しいもの、高価なものが店舗にあふれたとしても、小さなビジネスの持つ価値は、時代を超えるのです。


元記事:https://goo.gl/1Dx8pQ

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

なぜあなたはブログを始めなければならないのか

これは ”https://www.entrepreneur.com/article/271049” の記事を翻訳したものです。

by マイク・カッペル

農場に行ったことがない人のために説明すると、たいていの農場には、「塩なめ場」と呼ばれる家畜用の大きな塩の固まりがあります。「塩なめ場」とは、まさにその言葉通りのもの。塩を置いて、動物たちが必要な塩分を補充するために、かならずなめに戻ってくるための場なのです。

さて、あなたが読者にコンピューター・スクリーンをなめてもらいたい、と思っているかどうかはわかりませんが、まちがいなくあなたのブログを「栄養源」として、読みに来る読者を望んでいるはずです。

 小企業にとって、ブログとはマーケティング・ツールではありますが、この「マーケティング」という言葉は、とりわけあなたが創業間もない起業家ならば、漠然とした言葉です。
おそらくあなたはマーケティングとセールスを、ほとんど同義語、その定義も、目的も、置き換え可能な言葉だと考えていることと思います。

実際はそうではありません。

セールスとは、購入客を獲得するプロセスです。マーケティングとは、あなたの商品をいかに正しくポジショニングし、顧客を探し、いかに彼らと連絡をとるようにするかを決定することです。

 

したがって、セールスを生み出すためだけにブログを始めるべきではありません。ブログは、あなたが顧客を見つけ、彼らに情報を発信し、デジタル世界での「塩なめ場」としてのあなたの価値を位置づける場です。

なぜ人はインターネットに向かうのか?

 ネットユーザーは、あなたの商品を購入する、というたった1つの目的をもってインターネットに向かうわけではありません。情報を求めてネットのあちこちへ進むのです。情報の提供もないまま、単に商品をクリックするためのブログであれば、広告にかけた多くのお金は無駄になります。さらに悪いことに、そんなブログは、ネットユーザーが情報を調べる上で、邪魔になっています。

このことから、私たちが提供すべきものがわかってきますね?

第1に、多くの人が知りたい、意味のある情報を提供することです。
 第2に、広告に妨げられることなく、知りたい情報が見つけられるようにしなければなりません。
 何かを得るためには、与えなければならないのです。
なぜあなたは起業家になったのでしょうか?
 それは、あなたが誰かの下で働きたくなかったからではありませんか?
 そうして、自分が他の誰よりも、何かがうまくやれると考えたからではありませんか?
 自分がある業界でのエキスパートであり、人に従うのではなく、自分でやり方を決めたかったからではありませんか?
このいずれかに、イエス、と答えるのであれば、あなたはすでにエキスパートなのです。全部にイエスと答えられなくても、少なくともその一部であっても。仮にあなたがエキスパートとまではいかなかったとしても、エキスパートとして、人前に出ているのです。起業家を夢見る人々が、あなたの後に続こうとしているのですから。あなたはうまくやることだけでなく、どのようにそれをするか、なぜそうするのかも重要なのです!

情報公開は無料で

 あなたが現在学びつつあることを、定期的にシェアし、あなたの読者がいつ、どこに行けば、自分の求める情報が手に入るか見つけられるようにしてください。あなたの商品やサービスを知り、フォローするようになった潜在顧客を、読み応えのある分量で、育てていきます。

たとえ彼らが、現在、買うつもりではないとしても、あなたのブランドは彼らの脳裏にしっかりと焼き付き、購入するつもりのほかの人に、シェアしてくれるかもしれません。

 サーチエンジンはあなたをランク付けする

 インターネット上には、膨大な量の情報があります。とてつもない量の情報があるのです。事実、18か月ごとに、世界中のデータの履歴は2倍になっており、しかもその率は加速しています。そんな拡大する一方の情報の海で、どうしたら目立つことができるのでしょうか?

サーチエンジンは非常に賢いものです。あなたがブログを始めれば、すぐにロボットがあなたの書いたコンテンツを、アルゴリズムを通して取り上げてくれます。あなたが正確な文法と表記を使用していれば、あなたのブログは高い評価を与えられるでしょう。

 さらにウェブサイトの訪問者が、気に入り、シェアし、あなたの記事にコメントを残してくれれば、いっそう高位に表示されることになります。検索する人と同様にサーチエンジンも、重要なキーワードを探しています。あなたのウェブサイトの中に、そうした言葉がどれほど使われているかによって、関連するサイトとして、あなたのサイトを押し上げたり、関連性に欠けるとして、取り除いたりします。ですからブログを始める前に、潜在顧客が知りたかる情報と関連する特定の言葉やフレーズを探し、検索でヒットするようにしておく必要があります。

あなたが提供するのは、独創的で事実に基づいており、ユニークで、質が高く、興味深く、そうして何よりも、読者が知りたがることと関連したものであるべきですし、バランスが大切です。私のアドバイスは、知恵を絞って、うまくまとめてあり、人を引き付けるような情報を提供してください、ということです。

 キーワードを散りばめることで、後々サーチエンジンの人気のあるトピックスに載ることもできますが、あなたのコンテンツがしっかりしたものでなかったら、どれほどあなたがサーチエンジンにアピールしても、意味がありません。実際のところ、せっかく人に来てもらっても、あなたの提供するものが気に入らなければ、あなたのブランドにとって、悪影響しか与えません。

 

あなたはブログをスタートさせた方が良いのか?

 ブログを書くことは、簡単なことではありませんし、サーチエンジンはあなたの制作物を監視しています。それでも小企業がブログを維持する意味はあるのでしょうか?
答えは、イエスです。
 ウェブサイトにブログがあれば、サーチエンジンの検索で、ない場合よりも上位に掲載されるからです。多くの人がインターネットを通じて情報を得て、購入を決めている今では、検索順位は重要です。
なぜ検索で「上位」に登場することが重要なのでしょうか? 簡単なことです。自分がどのように情報を得ているかを考えてみてください。あなたは検索するときは、サーチエンジンで上がってきた結果をスクロールしながら、すべて目を通しますか? それとも最初のページのトップだけに目を向け、そこから選びますか? あなたが最初のページのトップだけを見るのであれば、ネットユーザーの95%の内の1人です。

実際、こんなジョークがあるほどです。
「死体を隠すのに最適の場所は、グーグルの検索結果の2ページ目だ」

 あなたのブログは検索結果のどこに表れるでしょうか?  検索結果のトップに来ますか? 2番目? 3番目? それとも400番目ですか? これがいわゆる「ページランク」というものです。
あなたのブログに多くのアクセスがあればあるほど、あなたのコンテンツが魅力的なものであればあるほど、多くの人が好きになり、シェアすればするほど、あなたのランクは高くなります。
つまり、多くの人があなたのウェブサイトに目を留めるということなのです。ブログ、商品、サービス、何もかも、です!

どれくらいの頻度でブログ記事を書けば良いのでしょうか?

ブログを書くということは、エクササイズのようなものです。最高のエクササイズをするためには、あなたが実際にやってみるしかないのです。私のアドバイスは、自分ができると思ったとき、そうして、自分がやろうと思ったとき、ブログを始めてください。ブログにストレスを感じたりしないで、まず一歩を踏み出してください。
たとえ1か月に1度しか更新できなくても、やった方が良いです。毎週ならば、月に1度よりも良いでしょうし、毎日更新できればいっそう良いです。自分にできることから始めてください。書けば書くほど、簡単になっていくでしょう。そうやって生み出される新規顧客の増加は、言うまでもなく。
そうは言っても、あなたがブログに時間をかければかけるほど、本業のビジネスに費やす時間は、少なくなっていきます。そうなのです。マーケティングはあなたのビジネスの一部ではありますが、あなたの最後のブログのタイトルが「ブログに時間を費やすあまり、私がいかにビジネスの経営に失敗したか」であっては困ります。
時間は、えてして起業家にとっては、お金よりも貴重な通貨なのです。自分の時間を、賢く使わなければなりません。

 何を書くべきか?

ブログを始めたら、あなたのビジネスについて書いてください。
 顧客について書いてください。
 商品について書いてください。
 あなたの成功、失敗、教訓、学んだことについて書いてください。
 そうして、もしあなたに勇気があるなら、自分がいかに起業家になることを決意したかについてのおもしろい話を書いてみてください。

私の会社では、上記のことをかならず書くようにしています。私は読者に、給与ソフトを使うことの利点を、折に触れて知らせています。そうやって、読者のために、私の個人レッスンを行い、成長の機会として、教育を続けているのです(ちょうどブログを書くことと同じです)。

そうして、当然のことながら、私のチームが作っている小企業向け給与ソフトが彼らの生活を改善する、さまざまな方法を概説しています。

小企業が行う価値提案は、ほとんどが個人向けにカスタマイズしたもので、そうしたことは大企業にはできません。ブログは、そうした私たちの活動にテコ入れし、手伝ってくれるのです。
あなたのビジネスがうまくいっていたり、いかにあなたが仕事をしてきたか、などの個人的な話は、あなたのブランドに親近感を持つのを助けてくれます。ですから、それは重要なものです。今日のビジネスの世界では、ほんの少しの悪い評判が立つだけで、忘却に追いやられます。逆に言えば、ほんのいくつかの良いレビューがあれば、うまくいくのです。
私がこれまで述べてきたように、人がインターネットに向かうのは、情報を探すためです。その情報の中には、どの商品が良いかというレビューもあります。あなたがブログを通じて、顧客と関係を築いているなら、そのレビューを活用することもできます。というより、そうすべきなのです!

記事を外注できますか?

 はい。プロのブロガーに書いてもらうこともできます。お金を払って、読者が喜ぶコンテンツを書いてもらうことができるのです。こうした行為は、通常コンテンツ・マーケティングに分類されるものです。
けれども、コンテンツ・マーケティングは、うまくやらないと不誠実な印象を与えかねません。仮にあなたがブログを始めて、その記事を外注するつもりなら、優秀で、あなたが書いたものとよく似たトーンとスタイルで書ける人を探してください。また、ボイス・レコーダーに向かって、あなたが書くつもりのことを吹き込んだり、ライターにインタビューしてもらったりしてください。
どのような形式で共同作業するかはともかく、コンテンツと文章のスタイルは、あなたらしいものであることを、確認してください。

 

 記事は何本ぐらいあれば良いのでしょうか?  記事のクオリティはきわめて重要です。それだけでなく、長さもまた重要です。 理想を言うなら、あなたの競合よりも、もっと高い頻度で更新した方が良いし、 競合より多くの記事があった方が望ましいです。
そうすれば、サーチエンジンはあなたのウェブサイトの方が、競合のものよりもアクティブで、着実なサイトであると判断します。さらに、多くの人が検索するとき、ブログの記事が多ければ多いほど、あなたのサイトが目に留まりやすくなります。

こう考えれば良いでしょう。あなたが記事をブログに追加するたびに、あなたは「塩なめ場」に塩を蓄えているのです。その塩が多ければ多いほど、動物(すなわち潜在顧客)はあなたのウェブサイトを見つけやすくなります。

何よりも、あなたが今書いているブログ記事は、これから先の顧客を引きつけていくのです。だからこそ、私はこのように言いたいのです。
「ブログは与え続ける贈り物です」と。

 

― マイク・カッペル(実業家)
翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

シンプルなストーリーがビジネスを変える

by ティム・ベリー

 

小企業のオーナーであるあなたは、ひょっとしたら戦略などというものは、
学者やビジネスライターに任せておけば良い、と考えているかもしれませんが、
そのように単純なものではありません。
ビジネスに戦略がないために、誰にでも喜んでもらおうとしてノーが言えなくなり、
優先順位を見失ったあげく、悪戦苦闘に陥ってしまう。
これは失敗へと続く、ありがちなシナリオです。
近年、私はストーリーとしてのビジネス戦略ということを考えるようになりました。
それが結局のところ、直観的で戦略的な、素早く力強い方法であることがわかったのです。

ストーリーとしてのビジネス戦略

問題を抱えていたり、何か必要なものがあって、
あなたのビジネスを見つけ、何かを買おうとしている人のことを想像してみてください。
しばらくそんな人に向けてあなたのビジネスのことを伝える、と仮定してみましょう。
あなたのビジネスをストーリーとして書いたり、話していると想像するのです。
何も神経質になったり、書き直したりする必要はありません。
ただ、ありのままをシンプルに書けばよいのです。
たとえば、ラルフが自然食品を扱う食料品店の棚から、有機ケチャップを購入した、
こんなストーリーでかまわないのです。
あるいは、レストランであれば、
メアリーとラルフが、夜のデートにレストランを選ぶストーリー。
アプリを制作する会社であれば、メアリーが営業支出を追跡するために、
アプリをダウンロードするストーリーを想像するかもしれません。
これらのストーリーはそれぞれに、ビジネス戦略の基盤となるものが含まれています。

1. 標的市場

あなたのビジネスが解決するのは、誰の問題ですか?
誰があなたの販売しているものを欲しがっていますか?
あなたは彼らのことをどれほどよく知っていますか?
メアリーやラルフのどこが理想的な顧客なのでしょうか?

2. 商品・市場の一致

あなたのビジネスが提供しているものが、ターゲットとする市場の求めるものと
一致していれば、うまくいく可能性は高くなります。
特殊な要素に焦点を当て、ほかのものから際立たせれば、
マッチした市場に提供する際に、さらに効果を上げます。
有機ケチャップの会社のストーリーでは、
顧客のラルフはありきたりのケチャップを求めていませんでした。
夜にデートするメアリーとラルフは、食事の場所に、
ファストフードや安っぽい店を避けていました。
アプリ制作会社では、メアリーに必要だったのは、支出が簡単に把握でき、
情報を管理し、支出報告書に書き出すことのできるアプリでした。

3. ストーリーを公開しよう

上記のようなストーリーには、顧客を購入へと進ませる道は、含まれていません。
ラルフが自然食品の店で有機ケチャップを見つけるためには、
適切な場所で販売されていなければならず、
そのためにはキャッチフレーズと流通経路を確保される必要があり、
さらにそのためにビンの包装デザインに頼らざるをえないかもしれません。
レストランは、口コミやレビューサイト、
またメアリーとラルフ利用しているモバイル・アプリにかかっています。
支出追跡アプリは、おそらくアプリストアの配置や、レビュー、
経費報告ソフトウェアとのリンクによって変わってきます。
レストランとアプリは両方とも、ソーシャルメディアで口コミによって
重要性が拡散すれば、着実に顧客増につながっていくでしょう。
たとえばツイッターやフェイスブックのシェアはきわめて大切ですし、
いくつかのカギとなるブログ、そこでもコメントも大勢の目に触れるものです。
あなたのビジネスは、複数のストーリーがあるかもしれませんが、
2つ、3つのストーリーは、焦点をぼかしかねず、収益減少に結果する可能性もあります。

あなたのストーリーをビジネスの強みに転換しよう

あなたの戦略的なストーリーをつかって、価格設定や製品構成、
マーケティングメッセージ、メディアに関するビジネス上の意思決定を牽引してください。
たとえば…
・ケチャップ会社は、ヘルシーな自然食品であることをアピールし、
 陳列棚で目立つために、包装デザインを変更するかもしれません。
 高めの価格設定は、品質に関してのポジショニングを強化することになるでしょう。
 高所得者層にアピールしたければ、最新の低温圧搾技術を強調することも良いでしょう。
・レストランのオーナーは、そのデートの夜のストーリーを
 口コミサイトやグーグル向けに手直しして、
 料理の品質や、静かで落ち着いた雰囲気、サービスを強調しながら使います。
 ラルフとメアリーがレストランを検索できるように、
 いかにウェブサイトを強化しているか
 モバイル機器からも応答可能で、メニューを知ることもできる、
 スマホにも最適化されている、というストーリーを利用することもできます。
 こうすれば価格引き下げや、「お薦め料理1品の価格で2品提供」などという誘惑に
 打ち勝つこともできるはずです。
・アプリ制作会社の場合、スプレッドシートへの書き込みの簡略化や会計アプリなど、
 焦点を絞った開発の方が、うまくいくかもしれません。
 そうすれば、アプリストアで具体的なプロモーションを行うことができるし、
 簿記や会計など関連ソフト事業者と、共同プロモーションを行うこともできます。

ストーリーはなぜ、どのように、効果を上げるか

戦略とは、焦点化にほかなりません。
戦略は、誰があなたの標的市場ではないかを明らかにするものでもあり、
また、あなたのビジネスが提供しないものを明確化するものでもあります。
つまり、彫刻のようなものなのです。
大理石の原石は、誰が、何をしても良いものです。
けれどもそれを彫刻に仕上げるためには、焦点化と効果的な戦略が必要なのです。
多くのビジネスオーナーは、この焦点化をいやがります。
というのも、ノーを言いたくないからです。
私たちはみんなに喜んでほしいために、あらゆることをしてあげたい、という気持ちを持っています。
けれども、誰もかれもを喜ばそうとすることは、成功ではなく、失敗の原因なのです。

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

顧客がほしいなら個人向けカスタマイズを

現在は企業規模の大小にかかわらず テクノロジーの助けを借りて

新しい方法で顧客をターゲットにすることができるようになりました

でも顧客カスタマイズは十分なされているでしょうか

by リーバ・レオゾンスキー
商品やサービスを売るために、小企業は個人的なつながりに頼ることが少なくありません。
けれども今日のテクノロジーのおかげで、規模の大きなビジネスでさえも、
個人向けカスタマイズが可能になっています。
ここでは個々の顧客に対してカスタマイズすることの、良い面と悪い面、
あなたが知っておくべきことを上げていきましょう。

なぜ個人向けカスタマイズが重要なのでしょうか

多くの人が、自分のことを昔からの友人のように扱ってくれるビジネスを
ひいきにする傾向があります。
そんな店では、店員も顧客の名前をよく知っているし、
ウェイターが「お変わりありませんか?」などと声をかけてくれます。
個人とのつながりを大切にすることは、長い間、小企業が大企業に太刀打ちできる
数少ない方法の1つでした。

なぜ個人的な関係を築くことが 他企業との差別化につながるのでしょうか

今日の消費者は、選択の幅がますます広がっています。
歯磨きペーストは何十種類もあるし、
同じ商品を扱うサイトは、何千とあります。
消費者は、つまらない商品に引っかからないように、
商品やサービスを基準にして、購入するかどうかの意思決定を行うことが減り、
むしろ、これまでの取引の経験を元に判断することの方が多くなっているようです。
企業の側は、顧客それぞれにカスタマイズされたものを提供することによって、
多くの競合から目立とうとしています。
また、ショッピングを単純化し、買い手の時間も節約できるように工夫しています。

個人向けカスタマイズには どのようなものがありますか

ユーザーの好みを割り出すことができるサイトは、
個人カスタマイズに秀でていると言えるでしょう。
たとえば、再訪した顧客に対して、名前を呼んで挨拶するだけでなく、
過去の購入品やブラウズ歴、口コミなどから割り出したお勧め品を
すぐに表示しているようなサイトです。
そうしたサイトは、顧客の購入回数が増えるにつれて、
顧客が好みそうなものも、簡単に見つけ出すことができます。

カスタマイズのせいで訪問者は監視されていると感じないでしょうか

個人データを知られることを嫌がる人は多いのではないでしょうか

何のデータかによります。
トランセラ社のアンケート調査によると、顧客の2/3が、ある程度の個人情報
(名前や人種、年齢、収入、教育レベル、就業状況、居住地域などのデータ)は
もっと自分に合った商品やサービスが提供されるなら、
企業に渡してもかまわない、と考えていることがわかりました。
ただし、そのレポートは、消費者はかならずしもすべてを招致した上で
そのように答えているわけではないことも指摘しています。
半数以上の消費者は、ウェブサイトを訪問することによって、
彼らのオンライン上の動きや、オンラインショッピングの習慣をモニターされているとは
考えていないのです。

小企業は個人向けカスタマイズをどのように利用したらよいのでしょうか

個人向けカスタマイズには3つのレベルがあります。
おそらく基本的なものはすでに導入している人は多いでしょう。
たとえば、メールやダイレクトメールのメッセージで、相手の名前で呼びかけるなどです。
それから少数の人に限定された個人向けカスタマイズがあります。
これは名前や人種、年齢、収入、教育レベル、就業状況、居住地域などのデータや、
出費レベル、その他の基準を元に、顧客をセグメント化して、
それぞれのセグメントに合わせたマーケティング・メッセージを作成することです。
上級の個人向けカスタマイズは、もっとはっきりとしたちがいがあります。
上級カスタマイズは、複数の個人化要素を含み、リアルタイムで表示されるように
プログラムされています。
たとえば、サイトを開くと「ハイ、リーバ」と呼びかけ、
相手が買いたくなるようなものを勧め、
前回購入したものについてレビューを書いてくれないか、と頼み、
先日送ったオファーが間もなく期限切れになることを思い出させるようなものなどがあります。

大企業の顧客向けカスタマイズとどのように対抗すれば良いでしょうか

「小企業は大規模小売店ができないようなやり方で、
顧客とコミュニケーションすることが可能です」
そう語るのはサンフランシスコに拠点を置くステッチ・ラボの創始者ジェイク・ガザウェイです。
手紙や個人向けのメッセージ、顧客チェックなどは小企業の方がうまくやれます。
購入するときに、良い経験をした、と顧客に感じてもらえれば、
小企業である方が顧客の心に強く印象付けられ、今後の愛着心を育むことになるのです。
事実、高度なマーケティング・オートメーション・ツールが少しずつ小企業にも広まり、
最先端の個人カスタマイズを導入することは、簡単になってきています。
以下のようなツールは、あなたのビジネスのウェブサイトや
マーケティング・メッセージの個人カスタマイズを助けてくれるでしょう。
・既存の顧客/新規顧客
・住所(郵便番号、州、国)
・デスクトップ/モバイル機器
・プラットフォーム
・顧客データ(年齢、収入、職業など)
・顧客の心理的データ(行動、価値観、興味など)
・購入履歴
・ブラウジング履歴
・どのサイトから流入し、どこへ行くか
・ショッピングカートの商品
リストラックの調査では、81%の消費者が、
自分向けにカスタマイズされたメールを受け取ったら、
少なくとも何か購入したいという気にさせられる、と答えています。
そうした買い物客のほんの数人でも獲得できれば、
あなたの顧客カスタマイズツール導入にかかった費用も、
十分採算が取れるでしょう。

(翻訳:服部聡子)

ユニリーバの挑戦

by デイビッド・アーカー

 

私の現在のベスト・ソーシャルプログラムを選ぶとしたら、
「子供たちに5歳の誕生日を」という手洗い運動です。
スポンサーとなっているのは、アメリカではすでに半世紀前に姿を消したブランド、
ユニリーバのライフブイ石鹸です。
ところがライフブイ石鹸は、国際的には広く受け入れられています。
このブランドは、インドやほかの新興国35か国11,000ブランドを対象とした
カンター・ワールドパネルによる購買頻度調査では、
コカ・コーラ、コルゲート、マギーに次ぐ第4位を獲得しています。

Lifebuoy

▲「1日5回ライフブイで手を洗おう」というキャンペーン

「子供たちに5歳の誕生日を」という運動を通じてライフブイは、
手洗いの習慣が重要であることを世界中に広く訴えることによって、
多くの生命を救おうとしています。
このキャンペーンの背景には以下の2点の要因がありました。
1) 毎年200万人の子供たちが、下痢や肺炎のような病気のために、
5歳の誕生日を迎えることなく亡くなっています。
2) 石鹸で手を洗うことによって、世界中で下痢は45%、肺炎は23%減少します。
これにより乳幼児の死亡率も大幅に引き下げられるのです。
ライフブイの「子供たちに5歳の誕生日を」運動の重要なイベントは、
インドのテスゴーラという1500家族の住む農村をモデルケースとした実践でした。
プログラムでは、実際に36%から6%まで、下痢を減少させ、
そのことは、孫が5歳を迎えた祖父が、誕生日を祝うために逆立ちして歩くという
3分間のビデオのテーマとなりました。
ビデオは現在では1900万回以上も再生され、
ユニリーバがインドや他の24か国での同プログラムを加速させることになったのです。
ライフブイは「子供たちに5歳の誕生日を」プログラムを、創造性と情熱をもって
展開しています。
インドでは、1,500人のユニリーバ従業員が、子供になじみやすいコミックや、
歌や、ゲームやご褒美などを通じて、子供たちに手洗いの重要性を教えることを、
ボランティアで手伝っています。
3度の食事の前、入浴時、トイレのあと、という1日5つのカギとなる出来事で、
20秒間手を洗うことの重要性は、1度の手洗いでも残っている細菌を
照らし出す装置によって、さらに強調されます。
けれどもそれだけではありません。
インドでの乳幼児が死亡する40%以上が、生後28日間に起きていることから、
母親の教育が必須となります。
ユニリーバは子供たちがもっと簡単に習慣づけられるように、給水ポンプを改善しました。
さらに「今日、ライフブイで手を洗いましたか?」という言葉を、
ヒンズー教の祝日に、250万枚以上のロティスという薄いパンに焼きつけました。
さらに同社は子供たちや保護者、地域社会全体に向けて、
このことの重要性を訴える、十数本のビデオを作成しました。
ライフブイは、2008年から始まった、「10月15日国際手洗いの日」の設立にも
大きく関わっています。
2012年10月15日には、ドバイのライフブイ社は72か国の人々に
同時に手を洗ってもらったことで、ギネスの世界記録を作りました。
「子供たちに5歳の誕生日を」は、社会的責任プログラムとして、大きな成功を収めました。
すでに2億5千万人が参加し、2020年までに10億人の達成という目標に、
手が届くところまで来ています。
オブザーバーの1人、TriplePunditのレオン・ケイは、
このプログラムは、これまで多くの人が関わった中でも、最も影響力の高いプログラムだ、
としています。
ブランドに、エネルギーと高い目的意識を持たせ、
社会的にも、感情的にも、大きな利益を生み出すものとなった、とも。
私の考えによると、このプログラムが際立っているのは、以下の3つの理由があるでしょう。
第1に、ユニリーバの中核である国際市場が抱える、具体的で、大きな意味があり、
感情に訴える、乳幼児の平均寿命という問題と、闘おうとしている点です。
そしてユニリーバは、「手洗い」というはっきりとした行動を示すことによって、
それを遂行しているのです。
第2に、このプログラムの企画・実施ともに、創造的であり、効果的であることです。
子供も母親も、さまざまなツールや方法を通して「正しく手を洗うこと」を教えられ、
動機づけられます。
第3に、このプログラムがライフブイ石鹸を使って手を洗うことと結びついていることです。
さらにこの結びつきは、病気と闘う石鹸、という遺産となって、
ライフブイに残っていくことです。
手洗い運動を積極的に行っている組織はほかにもありますが、
ライフブイは多くの面で、そうした運動の模範となっていったのです。

 

― デイビッド・アーカー(ブランド戦略家 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授)


元記事:https://goo.gl/8Yk79b

(翻訳:服部聡子)

 

 

セールスに影響を及ぼす12の心理的バイアス

by マイク・ラナハン
あなたはこれまでにバスケットボールの選手たちが、試合中、
冷え切った表情をしているのを見たことがありませんか?
立て続けに13ポイントもシュートを決められ、20ポイントも差がついてしまった。
マイボールにもかかわらず、チーム全員がうなだれ、目を落としているのを見て、
あなたは「今度はこっちの番だ。次はシュートが決まるぞ」と心の中で思います。
現実は、13ポイントも立て続けに失点するようなチームは、
次のシュートを決められそうにもありません。
あなたはギャンブラーの誤謬に陥ったのです。
つまり、人生で起こることは最終的に平均値に落ち着く、ということです。
私たちの考えには、このようなバイアスがかかりやすいものです。
そうして、あなたのいる場所に応じて、
あるバイアスが、全体の成功に大きな役割を果たすのです。
セールスにおいては、バイアスは販売員にとって悪夢そのものです。
バイアスのせいで、販売員は見込み客や自分自身について、
まちがった結論に飛躍することにもなりかねず、
結果的に取引に失敗してしまいます。
誰もに独特のバイアスがかかっていることを認識することは、
そこからくるマイナスの影響を克服するための第一歩です。
以下に挙げた12の心理学的バイアスは、
いずれも私たち誰もが影響されやすい、
同時に販売員に大きな影響を与えるものです。

セールスに影響を及ぼす12の心理的なバイアス

1. アンカリング・バイアス

アンカリング・バイアスとは、私たちが意思決定の基準として、
最初に与えられた情報を過大に評価するという傾向を指します
販売員が見込み客の言葉から、最初の痛点をとらえて、
その後に聞いた話よりもそちらを重視するならば、
その販売員はアンカリング・バイアスの犠牲になったといえます。
見込み客が話題にした最初の痛点は、もしかしたら最も重要なものではないかもしれません。
販売員はどんな時にでも顧客の問題を解決しなければならないのに、
顧客にとって優先順位の低い問題を解決したとしても、成約には決して十分ではありません。
販売員は時間をかけて、調査や観察を通じて
見込み客のことをできるだけしっかりと知らなければなりません。
販売員は見込み客の目標や痛点を正確に理解しないうちは、
価値あるアドバイスを提供することはできません。

2) 双曲割引

人は、よく似た報酬が得られるなら、すぐにもらえるものに価値を置く傾向があります。
たとえば、もしあなたが今20ドルがもらえるのと、2か月後に30ドルもらえるのであれば
どちらを選ぶ? と聞かれたら、おそらく今20ドルもらえる方を選ぶでしょう。
販売員は、双曲割引というバイアスを利用することがよくあります。
長期的な計画を立て、見込み客の将来設計に関わろうとするのではなく、
自分のノルマをてっとりばやく達成するために、価格を引き下げるのです。
成約を早く完了したいがために、値引きした価格を提案したい誘惑にかられたとしても、
販売員は顧客との関係に基づく長期的な利益を優先すべきです。
長年にわたってひいきにしてくれる顧客の存在は、
数か月後に入れ替わる見込み客よりも、はるかに価値あるものです。

3. 確証バイアス

確証バイアスとは、情報を、あなたが信じているものを裏付ける方向で解釈する傾向のことです。
販売員が見込み客から特定の答えを引き出そうと誘導的な質問をしていくと、
この確証バイアスの犠牲となるかもしれません。
たとえば販売員が、見込み客には新発売のソフトウェアが役に立つ、と考えていた場合、
このように聞くでしょう。
「短時間で成果を上げる従業員がお望みですか?」
もちろんその答えはイエスでしょうが、だからといってその見込み客に
新発売のソフトウェアが必要だと裏付けられたことにはなりません。
見込み客に実際に話しかける前に、調査に基づいた仮説を立てることは役に立ちますが、
販売員は新しい情報に耳を傾け、自分の推測が間違っているかもしれないと
進んで認める必要があります。

4. クラスター幻想

まったくランダムな出来事が連続して起こる中から
あなたがひとつのパターンを見出したとしたら、
クラスター幻想を抱いている、ということです。
販売員がある販売戦略を用いて、2,3の見込み客に対して取引を成立させた場合、
このようなバイアスに陥ることがあります。
そうしてそれ以降、あらゆる販売でその手法を用いるようになるのです。
このバイアスは、セールスが台本どおりに実現するように思えるものです。
もし見込み客がたった1人なら、それも通用するかもしれませんが、
あらゆる見込み客にそれを当てはめようとするのです。
ひとつのパターンで数人の見込み客相手にうまくいくのは、すばらしいことですが、
あなたのそのアプローチの方法が、今後もあらゆる見込み客に効果的だということではありません。
ワンパターンの考え方では、契約を勝ち取るよりも、見込み客を失うことになるでしょう。
見込み客それぞれに合わせた特別な働きかけを続けることで、
販売員は見込み客と心からつながることができ、
目覚ましい価値を提供できるのです。

5. 計画錯誤

計画錯誤は、ある仕事を完了するまでにかかる時間を
大幅に過小に見積もるようなときに起こっています。
販売員が、ついでに残った仕事を片付けてから電話を取ったとしても問題はなかった、
そこで、どんな時もこうして大丈夫だと考えたとしたら、それは計画錯誤の罠に陥っています。
計画錯誤というバイアスによって、販売員は最小の努力であっても、良い結果が出る、
という期待を抱くようになります。
仕事に十分な時間を割くことが、成功のカギであることに変わりはありません。
最小の努力で最大の結果を期待するのではなく、
あらゆる面において最高の仕事が確実にできるように、
十分な時間を確保しておかなければなりません。

6. 知識の呪い

知識の呪いとは、あなたはすでに適切な情報を持っているために、
その情報を持っていない人の抱える問題に共感することができない、ということです。
専門知識を持ち、見込み客にとってその商品が有益であることを知っている販売員が、
見込み客の反論をはねつけるような場合は、
このバイアスにとらわれていると言えるでしょう。
見込み客の反論に耳を傾け、混乱している点について時間をかけて説明する代わりに、
このバイアスにとらわれた販売員は、このように言います。
「これは効果があるんです! 私の言うことを信じてください!」
商品が見込み客の問題に応えるものだと言い張る代わりに、
販売員は信頼のおけるアドバイザーとしてふるまう必要があります。
販売員は確かな論法やカスタマー・レビューや推薦によって、
見込み客の反論に対処しなければなりませんが、
大切なことは教育にあります。
あなたの見込み客の反論は、実はあなたの商品の価値が理解できなくて、
質問しているだけなのかもしれません。
見込み客は、その商品がどのような働きがあるかに興味があるのではなく、
自分のために役に立ってくれるかどうかが知りたいのです。

7. ガラテア効果

ガラテア効果とは、もしあなたが最高のパフォーマーだと自分のことを信じているなら、
そのマインドセットゆえに、あなたは実際にそうなる、というものです。
ガラテア効果は、販売員が自分こそがこの契約を獲得する(もしくは失う)にちがいない、
と確信したときに、頭をもたげます。
結局、契約がうまくいかなければ、販売員は自分のスキルに疑いを抱くようになり、
その結果、その販売員の行動は、ますますうまくいかなくなってしまいます。
反対に、契約がうまくいけば、自信が生まれ、
以降の連勝の土台となっていくかもしれません。
このバイアスを克服するためには、販売員は報告書のあらゆる要素を検証し、
客観的な立場にある管理者からのコーチングに耳を傾ける必要があります。
販売員が意思決定に重要な役割を果たす反面、
見込み客の購入するかしないかの選択は、さまざまな要因に影響を受けているからです。

8. 選択支持バイアス

選択支持バイアスとは、過去、私たちが選んだ選択肢を肯定的にとらえ、
選ばなかった選択肢を否定的にとらえる、という態度です。
セールスの場面では、選択支持バイアスは失敗をしたことに対するあなたの反応に
影響を及ぼします。
もし見込み客にある商品がふさわしくなかったことがはっきりしても、
このバイアスにとらわれていると、その失敗がなかなか認められません。
自分に対してあまりに厳しい現実から目を背けるために、
過去の否定的な面を忘れ、肯定的なことを思い出そうとするのです。
成功を重ねていくためには、関連する情報にすべて注意を払うようにしてください。
そうして、あなたの決定がかならずどれもすばらしいものだと考えるのではなく、
期待はずれに終わることもあるのだと、認めるようにしてください。
失敗から学んだことは、強力なツールになっていくのです。

9. 新近性バイアス

新近性バイアスとは、最近表れてきたパターンがあると、
それと矛盾する長期にわたるデータがあっても、
新しいパターンが今後も続いていく、と思いがちなバイアスのことです。
販売員が、直近の5つの取引に共通性があることに気がつき、
長い時間をかけて有効性が証明された戦略を捨ててしまったとしたら、
その販売員は、このバイアスにとらわれているといえます。
新しいデータはワクワクするものですが、それは例外かもしれません。
より大きなサンプル、たとえば数か月間にも及ぶ販売の履歴の方が、
正確さの度合いは高いでしょう。
けれども、その共通パターンが継続していくのなら、販売員は新しい洞察を
セールス時の会話に生かしていく必要があります。
直観的な決定は、現代のセールスにふさわしくありません。
データは目に見えてくるはずです。

10. ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬とは、たとえひとつの出来事の結果が、
統計的に見て、将来に何の影響も及ぼさないとしても、
現在、何度も起こったから、将来は起こりそうもない、と考える誤りです。
販売員が4、5回続けて取引がうまくいかなかったとすると、
次こそは、平均から考えて、きっとうまくいく、と思うかもしれません。
けれども、過去の取引は、これからのものに何の影響も及ぼさないことを考えれば、
誤った認識だといえそうです。
このバイアスは、販売員が自分の側の行動を、何ら改めることなく、
幸運を期待しているとすれば、危険なことになります。
販売員は、なぜ取引がうまくいかなかったのか、深く掘り下げて理解し、
自分の戦略を手直しすることで、このバイアスに陥るのを避けることができます。
同じことを何度も繰り返す代わりに、やり方を変えることで、
悪い流れに終止符を打つことができるのです。

11. 熱い手の誤謬

ギャンブラーの誤謬の逆が、
熱い手(※カードゲームでよい手札のことを、ホットハンドと呼ぶことから)の誤謬です。
あなたが1回限りの出来事でうまくいけば(あるいは失敗すれば)、
次もきっとうまくいくだろう(あるいは失敗するだろう)と考えることがそれにあたります。
販売員がいくつかの取引を続けて成約させ、
自分が関われば今後も簡単にうまくいく、と思い込むとき、
その販売員は、熱い手の誤謬に陥っています。
こうした契約が成立したのは、数週間にわたって、一生懸命取り組んだからで、
販売員にツキがあるからではありません。
結局のところ、販売員の成功に影響するのは、セールスの基盤にほかなりません。
見込み客は、販売員が一生懸命に努めること、調査すること、
深い関係性を築くことによって顧客となるのであって、
販売員がツキに恵まれているからではないのです。

12. 共感ギャップ

共感ギャップとは、自分と同じ身体的・感情的状態にない人に対して、
共感することがむずかしい、という現象を指します。
たとえば、自分が怒っているときは、ほかの人が幸せであることが
なかなか理解できません。
販売員と見込み客が、まったく異なった心情にあるとき、
販売員は、見込み客の感情を無視したり、極力避けたりするのではなく、
できるだけ彼らの立場に身を置いて、気にかけなければなりません。
共感ギャップがあると、共通の基盤に立つことがむずかしくなり、
販売員と見込み客の間に信頼関係が生まれることを損ね、
軽蔑感が生じかねません。
最終的に言えるのは、私たちはその場その場で自分にどのようなバイアスがかかっているか、
どのバイアスが私たちの行動に影響を及ぼしているか、気が付くことはできない、ということです。
けれども自分にも固有のバイアスがかかっていることを意識し、
行動を調節することを学ぶことはできます。
セールスとは、感情に密接に関わる仕事です。
できるだけ偏りのない気持ちでいられるなら、半ば成功を手にしていると言えるでしょう。

(翻訳:服部聡子)

セールスを台無しにする10の行動

by マイク・マイカローイッジュ

 

あなたは取引を成立させる場面で、自分からぶちこわしにしていませんか?

どれほど営業努力を重ねても、台無しにしてしまう行動があります

 

私たちの多くが、今自分がやっていることが効果的かどうか、1歩下がって考えることもなく、
毎日の仕事を同じ方法、同じ手順でやろうとしています。
販売努力が実を結ばないことが、何かの拍子にはっきりしたときは、
私たちの戦略を支えている悪い習慣をと、すべて取り除く必要があるでしょう。
以下にセールスをダメにする10の習慣を上げていきます。

1. 意識の中心が自分にばかり向いている

セールスの1つ1つがあなたの会社にとっては死活的に重要であり、
また、次の成約で家賃が払えたり、セールス目標でトップに立てるなど、
あなたなりの事情があることでしょう。
ところが厳しい現実をいうと、あなたの顧客にとっては
あなたやあなたの会社など、どうでもよいのです。
あなたのセールストークが、顧客が求めるもの、必要とするもの以外に焦点を当てているとしたら、
おそらく第一歩からうまくいきません。

2. しゃべりすぎる

あなたに耳が2つ、口が1つあるのには理由があります。
自分が話すことの2場倍、聞かなければならないということです。
販売員の面接で、私はよく、自分と相手の間にペンを置いて、
「私にこれを売ってみてください」と言います。
ほとんどの志望者が、このペンがどれほどすばらしいか、あれこれまくしたてます。
けれども、何より効果的な戦略は、もっと単純なもの。
優秀な販売員は質問をするのです。
「ペンをお探しですか?」と。
もしあなたが見込み客に何の関心もない話をしているならば、
それは単なる騒音にすぎません。

3. 質問をしない

覚えておいてください。
質問した場合、会話をコントロールするのはあなたであることが多いのです。
適切な質問をし、それを注意深く聞けば、
見込み客を顧客に転換するために必要な情報を得られるかもしれません。
あなたの見込み客が何を求めているか、突き止め、
それを相手に差し出すのです。

4. しつこく売り込む

営業担当者が大規模なプレゼンテーションを計画することはよくありますが、
思ったよりもすぐに見込み客の賛同が得られることがあります。
機転の利く営業担当者なら、それ以上、言葉を重ねることなく取引を終了させます。
ところが多くの営業担当者は、それでもなお売り込みを止めません。
消費者はプレッシャーや押しつけがましさを嫌いますが、
それだけでなく、あなたがあまりに長々と商品を絶賛していることも、
逆効果になりかねません。
見込み客が購入を決心してからも、特徴や利点を話し続けるようなことをしていては、
販売のチャンスを失うことにもなりかねません。

5. 間違った相手に売り込んでいる

セールスの現場であなたがどれほどすばらしいくても、
あなたのサービスがどれほど優れていても、
あなたが相手にしているのが購入を決定をする人でなかったら、
意味がないかもしれません。
あなたが売り込みをしている人が、あなたのために、その意思決定者に話をしてくれる、
と考えて、時間を無駄にしないでください。
そんなことは、まず起こりません。
本当に重要な人と会ってください。

6. 信頼できる人間だと(態度で示すのではなく)口で説明しようとすること

可能なかぎり、説明するのではなく、示す必要がありますが、
信頼についても例外ではありません。
見込み客に、「私は1,000人のお客様に満足していただいております」と説明するよりも、
クライアントに1,000人分の「お客様の声」を見せた方が説得力があります。
あなたの主張を裏付ける証拠を見せなければ、信頼性を疑わせるリスクがあるのです。

7. 顧客の言葉で話していない

不特定多数の人に売り込むことは、困難をともないます。
それよりも、焦点を当てる市場を絞って、
あなたの対象とする人々の話す言葉と特徴を学ぶ必要があります。
見込み客の使っている言葉をあなたが使うことによって、
あなたは「その他大勢」から際立つことができるし、
見込み客に「同じグループ」だと受け入れてもらいやすくなります。

8. いつでも応じられる準備ができていない

取り返すことのできる失敗はありますが、
見込み客からの面会や見積もりの依頼に応えられなければ、
おそらくそれは取り返しがつきません。
いつでも問い合わせに応じ、クライアントが必要な時に対応することは、
あなたの責任です。

9. 相手に敬意を払わない

待ち合わせの時間に遅れない、適切な服装をする、
あるいは単に「ありがとうございました」というだけでもかまいません。
あなたのクライアントの時間とビジネスに対する敬意を
かならず要所要所で示してください。
あなたが顧客に敬意をもって接していないことが伝われば、
じきに顧客は離れていき、多くの競合を喜ばせることになるでしょう。

10. 困っていることが態度に表れている

おそらく顧客をうんざりさせる大きな要因のひとつに、
お願いだから買ってくれ、と懇願する販売員の存在があるでしょう。
顧客が必死に働いて得た賃金の一部を、あなたの社の販売員に、
ノルマを達成できないから、年間最優秀賞を取りたいから、といった理由で
出してくれ、と頼みこむようなまねをさせてはいけません。
成功が成功を生む、ということを、忘れてはいけません。
もしあなたから悲壮感が漂っているとしたら、
あなたのセールストークは効果をあげることはないでしょう。
セールスのコツを短い言葉でまとめるとしたら、
質問し、メモせよ」ということになります。
販売プレゼンテーションを、見込み客のニーズを満たす、または上回ることに
重点的に取り組むことによって、
成約の確率は格段に上昇するでしょうし、
あなたの顧客の満足度もこれまでより格段にアップするでしょう。

(翻訳:服部聡子)