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アップセルを成功させるには

by ニール・パテル
 
アップセルは多くのビジネスモデルにとって、必要不可欠なものです。
企業の中には、将来のアップセルを当てにして、損を覚悟で商品やサービスを販売しているところもあります。
 
いくつかのSaaS企業のリーダーとして、私は試行錯誤しながら、アップセルを成功させるテクニックを見つけてきました。
 
ビジネスは、ひとつとして同じものはありません。
また、顧客も一人ひとり異なるものです。
けれどもこの手法は、あなたのビジネスにかならずアップセルをもたらすでしょう。
 
その前に、そもそもアップセルとは何なのでしょうか。
 
アップセルとは、顧客が最初に考えていたものより、高額の商品を購入してもらう販売テクニックのことです。
 
すでに購入に乗り気の顧客の弾みを活かし、利益を倍増させることを目指します。
私のアップセルのモデルは、ビジネスの利益の30%以上をアップセルから上げることです。
現在の顧客にアップセルしてもらえれば、新規顧客を獲得するコストの1/5-1/10のコストしかかからないため、
きわめて理にかなっているのです。
 
では、以下にその方法を明らかにしていきましょう。

1. 顧客の最初の購入品と関連するものを

マクドナルドで注文したことがある人は、レジで「ご一緒にポテトもいかがですか?」と聞かれたことがあるはずです。
フライドポテトはハンバーガーに良く合うものです。
マクドナルドのアップセルは、あなたのもともと予定している購入品と、関連するものになっているのです。
 
ホスティング・サービスのブルーホストも、同じことをしています。
ブルーホストはさまざまなアップセルの商品紹介を行なっていますが、
ホスティングの拡張や、ドメインのセキュリティ、追加ドメインなど、どれも関連商品です。
 
関連性が、アップセルの成功のカギです。
顧客は、ある商品を買うことによって、顧客となります。
その商品を増やす、またはグレードアップすることがアップセルであるということを確認しておいてください。
 
以下に例をいくつかあげておきます。
・ ナイフを売っているのなら、ナイフ・シャープナーも売ってください。
・ ソフトウェアを売っているのなら、プレミアム・サポートも売ってください。
・ サングラスを売っているのなら、マイクロファイバー・クリーニング・クロスも売ってください。

2. 顧客に自発的に購入させる

SaaS企業の中で、アップセルにきわめて優れている会社として、セールスフォースがあります。
彼らは「ストレージ容量の制限」という形で、アップセルを行っています。
容量や処理能力に、あらかじめ制限を組み込んでおくことは、SaaSプロバイダーにとってはすばらしいアップセルの方法です。
ユーザーはもっとデータ保存や容量が必要になったときに、購入しなければならなくなるからです。
この方法を使うことによって、アップセルのために大きな労力を払う必要はなくなります。
顧客自身がその必要性を理解し、良識的な決断をしてくれるからです。
 
ジョエル・ヨークはこのことを「発見のデザイン」と呼んで、このように説明しています。
「顧客は、ニーズの成長とともに、ジャストインタイムの能力を自然に探りあて、自分のものにしていくでしょう」
何よりも成功する確率が高く、苦情も起こらないアップセルとは、
 
顧客が自分に必要なものを理解して、自発的に購入する場合です。

3. アップセルを割引する

顧客はアップセルの気配を、すぐに察知します。
彼らはアップセルに関しては、ただひとつの観点からしか考えません。
それはいくらするのだろう?
アップセルがあまりに高価なら、彼らは話に乗ってはきません。
ところが割引価格のアップセルだと聞くと、興味を示します。
経験則から、このようなことが言えます。
 
アップセルは、最初の購入品の価格の1.5倍(もしくはそれ以下)に収めなければなりません。
 
顧客はその価格を合理化しようとします。
「そうだな、自分はこれをもう買っている。これは100ドルだ。でも、こっちを買ったがもっと良いらしい。
50ドル余分に払うぐらい、いいじゃないか」
 
もし、もっと高額のアップセルを提案したければ、かならず分割払いのプランを提示してください。
たとえば6か月間、わずか1か月29ドルの支払い、と伝えることで、
お買い得であるというイメージを、相手に持たせることができるのです。

4. アップセルは初回購入後に

あるSaaS企業でのアップセルの失敗として、私が気づいたことに、
顧客が支払いを完了する前に、アップセルを持ちかけたケースがあります。
 
顧客によっては、あまりに売ろうとする気持ちがあからさまに感じられると、嫌気がさしてしまうことがあります。
顧客が買い物を止めてしまう最大の理由は、価格が上乗せされたり、引き上げられたりすることなのです。
 
支払手続きが完了する前のアップセルは、リスクがあると考えた方が良いでしょう。
それを避けるために、顧客が購入した後、アップセルの提案してはどうでしょうか。
 
顧客の手間を省くために、二回目の購入時には、支払い情報の入力を省略するのです。

5. 問題解決につながる商品を販売する

顧客が購入する商品のほとんどには、興味深い特徴があります。
そうした商品は、問題を解決しながら、さらに新たな問題を提示しているのです。
 
・ ハンバーガーを買う。→塩気があって、カリカリした食感のものがほしくなる。→フライドポテトを買う。
・ ナイフを買う。→切れ味が鈍る。→シャープナーが必要になる。
・ ソフトウェアを買う。→それを習う必要ができる。→補助教材を買う。
・ サングラスを買う。→指紋がついてしまう。→拭くためのクロスが必要になる。
 
自分が売ろうとする商品のことを、よく考えてみてください。
そうして、その商品が新たに引き出す問題や課題がないか、考えてみてください。
そうして、その新しい問題の解決策を、アップセルとして顧客に提示するのです。
何も思いつかなくても、類似の品目を紹介することもできます。
 
たとえばアマゾンが顧客に提案するのは、いずれもアップセルやクロスセルの商品です。
「よく一緒に購入されている商品」
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
「この商品に関連するスポンサー プロダクト」
「関連商品と比較」
「関連商品をお買い上げいただいたことのあるお客様に、商品のご案内」
 
あなたもこうやって、つねに何かを販売することができます。
問題を解決することに焦点を当てた商品の提案をしてみてください。

6. リスクを除去する

成功する販売プロセスには、かならず保証が含まれています。
 
アップセルの場合、それはさらに重要になってきます。
顧客はアップセルの気配を感じると、自然に用心し始めます。
あなたが顧客の信用を得ようと懸命に取り組んでいけば、アップセルが成功するチャンスも高くなります。

結論

アップセルのすばらしい点は、利益幅が高いことにあるのではありません。
 
アップセルを通して、あなたは顧客を、より長く確保できるのです。
多く買う顧客は、長く留まる顧客でもあります。
アップセルによってあなたは、販売実績を上げ、より多くの利益を上げるだけでなく、
顧客をつなぎとめ、新しいものに目移りさせないことができます。
 
付加価値のある優れた商品と、アップセル戦略によって、あなたは満足する顧客を、数多く獲得できるでしょう。

 

 

 


元記事:http://onforb.es/1PjyXuz

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

6つの顧客タイプと最適な販売方法

by ジェフ・ウィリアムズ

 

顧客は6つのカテゴリーのいずれかに分類されます

タイプごとのアプローチ方法を紹介しましょう

 

顧客というのは、ひとひらの雪のようなものです。

ひとりとして同じ顧客はいませんが、

雪の結晶にいくつかのタイプがあるように、

いくつかのタイプに分類することができます。

ここでは一般的な顧客の6つのタイプに向けたマーケティング・プランを

作成するお手伝いをしていきましょう。

1. けちな人

かならず安売りになってから買う人もいれば、

倹約を選ぶ人もいます。

けれども、そうした人をひきつけようと、

商品やサービスがどれだけ安いか、吹聴することは

あなたの商品やサービスの価値を貶めることになりかねません。

より良いアプローチ:

競合の商品やサービスが、どれほど高くつくものか、説明してみてください。

「消費者が比較できるように、より高価な代替物を利用します」

そう助言するのは、ニューヨークに拠点を置く

マデリーン・ジョンソン・マーケティング&P.R.社のCEO、マデリーン・ジョンソンです。

「私は全国のホールフーズマーケットで、家庭用ヘアカラーの中での1番の売れ筋商品を

市場に出す手伝いをしています。

高所得者向け食料品店で、高価なオーガニック食品を買うような女性や男性が、

価格のことを気にするとは、思わないでしょう。

けれども自分の身の回りのことになると、一変して彼らは気にするようになるのです。

私たちが値上げしたとき、その反動は大きなものでした。

私たちの販促資料やソーシャルメディアを通じて、

私たちは自社商品と、美容院でのヘアカラーの比較を行いました。

この商品を使えば、15ドル99セントで白髪を染めることができる、

しかもひと目にさらされることなく、自宅で染髪ができる、と訴えたのです」

二番目の、自宅で染めることができる、という点は重要です。

自宅で利用できるシステム、家を出ることなく、

ひと目にふれない、という、顧客にこの商品を買う大きな理由を提案しています。

2. 上質なものに目がない人

「けちな人」の対極にあるのが、価格を一切気にかけない顧客です。

彼らは高品質な商品やサービスを求めています。

こうした人に対しても、品質を強調することが重要であると、ジョンソンは言います。

というのも、彼らが喜んで高いお金を支払うのは、

お金に価値を置いていないからではありません。

先ほどのヘアカラーの例でいくと、こうしたクライアントに対しては、

「グレイヘアーを100%カバーする」「色が長持ちする」「髪を健やかに保つ高い品質」

「時間をかけて髪質を改善する」といった、価値を高めるようなフレーズが効果がある、

とジョンソンは言います。

品質に注目する顧客が、他のタイプと大きく異なるのは、

マーケティングのなかで、直接、価格に言及しない方が良い、という点です。

もしあなたのマーケティングが、ビジネス・オーナーに向けてのものであるなら、

費用対効果を明示することが役立つこともあります。

それを指摘するのは、ペンシルバニア州ランカスターのマーケティング・エージェンシー、

EZSolutionのコンテンツ・マーケティング戦略家であるマイケル・ジュバです。

 

ビジネス・オーナーは頑固な人が多いんです。

そうして、自分のビジネスは、全部自分でやりたがる傾向があります。

こういう人にアウトソーシングを提案するときは、投資利益率を見せ、

アウトソーシングを行うことが、適切であると説得することが大切です。

3. ブランド愛好家

もしあなたが、競合の顧客を引きつけようと考えていて、

その競合が、熱心な支持者を抱えている場合こそ、まさにあなたの出番です。

アリゾナ州グレンデールに拠点を置く、Your Marketing Universityの共同創設者、

イーライ・ディレーニーは、試しにやってみる価値のある簡単な方法を教えてくれます。

「自分に聞いてみるのです。ブランド愛好家は、どこに熱狂しているのだろう、と」

そうして、彼らを狙ったマーケティング・キャンペーンを作ってみます。

 

「私は長いこと、マイクロソフト・ユーザーでした。

ですが、マックにも気持ちを引かれていたのです」

ディレーニーが何年もためらった原因は、アップルの広告でした。

「アップルが広告のターゲットとしていた商品購買層に、私はぴったりはまっていました。

2006年から2009年にかけてのマーケティング・キャンペーンです。

彼らはそうした購買層の性格を、見事に言い当てていました。

流行に敏感で、若く、元気がありあまっていて、

ただのマック・コンピューターが与えてくれるもの以上のものを求めている人々です」

そのキャンペーンの結果、ディレーニーはマック・ユーザーになりました。

4. 買い物にうんざりしている人

こうした顧客は、あなたのキャッチ・コピーや広告のグラフィックに、

心を動かされることはありません。

とはいえ幸いにも、彼らを説得する方法はあるのです。

もし、その商品が訴えていることを裏づける研究を、あなたが知っているなら、

その情報を、マーケティング・コピーに盛り込むことを、ジョンソンは提案しています。

もちろんそれを裏づける研究が実際にはないのに、

「研究で明らかになった」などという言葉を、文章の中に放り込んではいけません。

たとえば、あなたがアンチ・エイジング用のスキンケア商品を

市場に出そうとしているのなら、

ジョンソンは、あなたが臨床研究を行った研究者と、主要成分の一覧を表示することで、

疑い深い消費者に、あなたの商品が実際の裏付けを持つことを、説得できる、と言います。

写真を販促資料に載せる場合は、

「その写真が加工されていないこと、

直接、研究をしているところを撮影したものであることを明らかにする1文を、

加えることが必要です」とジョンソンは提案しています。

 

5. 優柔不断な人

彼らは、自分が本当は何を望んでいるか、はっきりとわかっていない人々です。

彼らには説得する前に、少し手助けが必要かもしれません。

彼らはあなたの商品やサービスについて、あまり知らない可能性があります。

あなたの商品やサービスを知ってもらう、良いチャンスかもしれませんが、

このタイプの見込み客を、教育できるかどうかは、あなた次第です。

ディレーニーは、いくつかの質問から始めてみるのが良い、とアドバイスしています。

 

彼らのことをもっと知るのです。

そうすることで、あなたが適切な方向で、彼らとの会話をリードできるような

情報が得られるでしょう。

こうした人々は、あなたを専門家とみなします。

そこへ、彼らが本当は何を望んでいるかを教え、それを与えることができるなら、

彼らはあなたのことを魔術師と思うようになるでしょう。

6. 内気な人

優柔不断な人々が、あなたを敬遠するのは、彼らが内気だからかもしれません。

それを指摘するのは、The Introvert Entrepreneur(内向的な起業家)の創設者であり、

『洞察力 与えられた能力についての覚え書き』の著者でもあるベス・ビューローです。

 

「内向的な人は、研究家であり、買おうとする店に関して、詳細な評価をする傾向があります。

あなたのサイトを訪問したり、店に行くかもしれませんが、

それは販売してもらうための基本的な説明より、

もっと多くのものを手に入れるためかもしれません。

あなたの質問やサービスについて、きわめて特殊な質問がある可能性が少なくないのです。

 

私たち、内向的な人間は、書いたものに重要な情報が含まれていることの方を

好むことが多いのです。

書いたものは、話されることより、その情報を処理する時間が

私たちがの側にゆだねられるからです。

 

もうひとつ、直接、あまり個人的なことを聞いてほしくありません。

また、あまりやかましく話しかけられたくもないのです。

関係を作るためには、来訪に対して、ありがとう、と言ってくれるだけで良いのです。

そうして、何かお役に立てますか、とだけ、聞いてください。

そうして、パーソナル・スペースを十分に取ってあげてください。

もし、あなたに何か探してほしい、と頼むようなことがあれば、

それは親しくなった、という、とても良いサインです。

フレンドリーに、あまり強引になることなく、誘ってみてください。

押しつけがましく、売り込みされている、と感じたら、

内向的な人は、出て行ってしまうでしょう」

 

 

大多数の顧客は、いくつかの性格タイプの組み合わせです。

それぞれのタイプに近づく方法を理解することで、

あなたはさまざまなタイプの顧客を引きつけ、

より多くの売上につなげていくことができるでしょう。

 

 

 

 


元記事:http://amex.co/1M8stb3

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本:『アスク 質問すること』

Ask: The Counterintuitive Online Formula to Discover Exactly What Your Customers Want to Buy…Create a Mass of Raving Fans…and Take Any Business to the Next Level

 

『アスク 質問すること―顧客の買いたいものを見つけ出し

熱狂的ファンを生み出し ビジネスをレベルアップさせるための

反直感的オンライン・ビジネスの方程式』

著者 ライアン・レベスク

 

オンライン・ビジネスに革命を起こす「マインド・リーディング」システム

 

人が本当に買いたいものをどうやって当てればいいのか、知りたいですか?

(人が買いたいとあなたが思っているものではなく、

また買いたいと本人たちが言っているものでもなく、

本人たちが本当に買いたいものです。)
鍵は、正しい質問をすることにあります。

あなたには想像もつかない質問かもしれません。

 

見込みや既存の顧客が何を考えているのか推測などすることはもはや必要ない、

というのが『アスク 質問すること』の前提です。

 

本書で明らかにされているアスク方程式は、

23の異なる業界で何百万ドルものビジネスを確立する力になり、

その過程で1億ドルを超える売り上げを作り出しているのです。
本書を読めば、なぜ、アスク方程式が人々が買いたいものを正確に見つけ出し

それを供給するための、間違いなく最もパワフルな方法なのかがお分かりいただけるでしょう。

また、これはある意味では、あなたとあなたの会社を好きになってもらう方法でもあるのです。

 

著者のライアン・レベスクはオンライン・マーケティングのエキスパートで

CNBC、ヤフー・ファイナンス、ザ・マイアミ・ヘラルド、ザ・サンフランシスコ・クロニクル、

マス・マーケット・リテイラー、ブルームバーグ・ビジネスウィークなどに掲載された実績があります。

余すところなく描かれた本書では、

著者がこれまであなたが顧客サーベイについて知っていた全てをひっくり返してしまうでしょう。
サーベイに則った、カスタマイズできるセールスファネルを作り出すためのシステムを、

ライアン・レベスクがいかにして開発したか、本書が説明いたします。

そして、あなた自身が、業種を問わずこのシステムを導入するための方法も解説します。

アスク方程式は、誰でも取り入れることができるように、

わかりやすく、細かなステップを追って構成されているのです。

 

あなたがインターネット起業家であれ、経験を積んだオンライン・マーケターであれ、

あるいは実績のある経営者であれ、本書がインスピレーションをあたえてくれるでしょう。

そしてまた、単に正しい質問をこれまでとは全く異なった方法で投げかけるというだけで、

オンラインの収入を急成長させる方法をお教えいたします。

これは、その過程で熱狂的なファンを生み出すことにもなるのです。

ビジネスの規模を成長させたい場合も、本書があなたが持っている消費者行動と

オンライン販売についての考え方を変えてしまうでしょう。
例えば、下記のような事柄を学ぶことができます。

・ 潜在顧客に、少し変わった4語の質問を尋ねるだけで、収入を36%増やす方法。

・ なぜ、多くのビジネスがサーベイの方法を誤ってしまうのか。

また、見込み顧客に決して尋ねてはならない質問とは何か。

第一線のマーケター達がなぜアスク方程式を利用し、推薦しているのか、

ご自身で確かめてみてください。

 

 


元記事:http://amzn.to/1OC5oBv

(翻訳:角田 健)

 

 

 

 

本:『誰でも書ける』

Everybody Writes: Your Go-To Guide to Creating Ridiculously Good Content

(原題)『誰でも書ける: びっくりするほど良質のコンテンツを制作するための頼りになるガイド』

 著者: アン・ハンドリー

 

 優良コンテンツを書くためのガイドブック

 

『誰でも書ける』は、インターネットで顧客を引き寄せ、離さないための、

頼りになるガイドブックです。

 

コンテンツ主導型の世界では、事実上、誰もがライターです。

もしあなたがウェブサイトを持っているなら、あなたは出版者。

あなたがソーシャルメディアの一員なら、マーケターでもあります。

ということは、誰もが自分のマーケティング・メッセージを伝えるために、

言葉に依存して生きている、ということにほかなりません。

私たち全員が、ライターなのです。

 

でも……、誰がいまさら書くことなど、気にしているでしょうか?

 

このやっかいな世界を牛耳っているのは、短くてぴりっとした言葉。

クリックさせるための見出しや、ツイッターのタイムライン、インスタグラムのフィード、

gifアニメやビデオやスナップチャット、

YOLO(「人生は一度しかない」)や

LOL(「大笑い」)や

#tbt(「木曜日には過去の写真をアップしよう」)などの略語……

書くことに焦点をあてるなど、まるで衒学趣味、さえない話ではありませんか。

 

ところが実のところ、書くことは以前にも増して重要になっています。

ネットをかけめぐる私たちの言葉は、私たちの通貨です。

言葉は顧客に、私たちが誰なのかを伝えているのです。

 

私たちの文章は、私たちを頭がよさそうにも、バカにも見せます。

おもしろい人間にも、あたたかい人にも、仕事ができそう、とも、信頼できそう、とも感じさせます。

逆に、凡庸な印象を与えたり、混乱させたり、退屈させたりするかもしれません。

 

そのため、うまく言葉を選び、すっきりと簡潔な文章、

顧客に対して誠実で、共感が伝わる文章を書かなくてはならないのです。

 

しかも、これまでコンテンツ・マーケティングで見過ごされてきたスキルを身につけることは、

自分に新しい価値を付与することにもつながります。

 

どのように書くか。

どのようにほんとうの話を、ちゃんと、しっかり伝わるように、語るのか。

あなたが書いているのがリスティクル(※タイトルとリストだけの記事)であろうと、

スライドシェアのキャプションであろうと、

あなたが今、ここで読んでいるような文章であろうと……。

 

書くことを通して、コミュニケーションをうまく進行させることは、

もはや、単なる良いことではありません。

必要不可欠なことなのです。

書くスキルは、これまで見過ごされがちでしたが、

コンテンツ・マーケティングの基盤となるものといえるでしょう。

 

『誰もが書ける』のなかで、一流のマーケターでもあるアン・ハンドリーは、

コンテンツ制作上のプロセスと戦略、コンテンツをどのように公開するか、

すぐに実践できるハウツー、どのようにデザインし、どのように結果を出すか、など

専門家としてのアドバイスと知見を明らかにしています。

これらのレッスンとルールは、あなたのホームページやトップページ、

ランディングページ、ブログやeメール、

マーケティングの提案、フェイスブック、ツイッター、リンクトイン、

その他のソーシャルメディアなど、あらゆるところに適用できるものです。

 

アン・ハンドリーは、戦略をいったん解体し、

びっくりするほど良質のコンテンツを作成するための実践的なアプローチとして展開しています。

あなたが大きなブランドの一員であろうと、小さなブランドの一員であろうと、個人であろうと、

誰でもネット上のコンテンツを制作でき、発表するための頼りになるガイドとして、書かれているのです。

本書には以下の章が含まれています。

 

・ もっとうまく書くには

あるいは「大人になって書き始めた人」にとっては「どうしたら少しでも書くことがイヤにならないか」

・楽しくて忘れない、ビジネス向けの簡単な文法と語法

頭が良さそうに見せるけれど、嫌みなほどには見せない

・読者におもしろくて真実の物語という贈り物をあげよう

共感と人間味あふれることがここでのカギ。だから本でもそうしよう

・ジャーナリズムの伝統的なルールに則した、効果的で信頼感を抱かせるコンテンツを制作するための実践

というのも、顧客にコンテンツを公開したり、直接話したりすることは、本来、特別な権利であるから。

・マーケターが書くもの

マーケターが制作すべき基本的な17種類のコンテンツ

・コンテンツのためのツール

手際よくこなすための役に立つツール

 

伝統的なマーケティング手法では、もはや十分とは言えません。

『誰でも書ける』は、優良なコンテンツが、デジタル世界で成功するためのカギであることを知っている、

頭の良い業界人のためのフィールド・ガイドです。

 

関連記事:12ステップのライティングGPS


元記事:http://amzn.to/1xId95c

(翻訳:服部聡子)

本:『絶対的価値』

 

Absolute Value: What Really Influences Customers in the Age of (Nearly) Perfect Information

原題:『絶対的価値:(ほぼ)完全情報の時代に顧客に本当に影響を及ぼすもの』

著者 イタマール・サイモンソン、 エマニュエル・ローゼン

 

従来のマーケティングの通説に対して、

本書 『絶対的価値』は、

今日の顧客に影響を与えているのは、

実際には何なのかを明らかにするとともに、

「複合的影響力」という新しいフレームワークを提案しています。

これは、消費者の意志決定とマーケティングについての

まったく新しい考え方で、

より効果的なビジネス戦略を進めていくためのものです。

 

人の購買スタイルは、根本的な変化を遂げました。

にもかかわらず、消費者の意志決定とマーケティングについての基本的な考え方は、

変わっていません。

大部分のマーケターは、いまだに自分たちが、消費者の意識を形成し、

消費行動を誘導できると考えています。

 

けれども、この刺激的な本の中で、

スタンフォード大学教授イタマール・サイモンソンと

ベスト・セラーの著者エマニュエル・ローゼンは、

どうして今日のブランド・マントラが、妥当性を失っているかを示します。

消費者が購買を決定するときに依拠するものが、

ほかのユーザーのレビューや、簡単にアクセスできる専門家の意見、

価格比較アプリなど、新しく登場した技術などとなり、

すべてが変わってしまったのです。

 

本書は、この新時代の顧客にどうしたら影響を及ぼすことができるのか、

差し迫った問題に答えるものです。

著者のサイモンソンとローゼンは、

保守的なマーケティングの概念が、変更を迫られている点を指摘し、

企業がコミュニケーション戦略やマーケティング・プログラム、

新しい環境に対するセグメント戦略をどのように立案していくべきなのか

について語っています。

深い分析と数多くのケース・スタディ、最先端の研究が盛り込まれた、

前向きの思考に貫かれた本書は、マーケティングについて、

まったく新しい考え方を、提供してくれます。

 

 

関連記事:ガイ・カワサキの「情報の高速化はマーケティングをどう変える?」

新時代の消費行動に後れを取る学術研究


元記事:http://amzn.to/1b3e0Cs

(翻訳:服部聡子)

小企業が顧客を魅了する方法

by ガイ・カワサキ
元記事:http://bit.ly/1LPVjO1
(※著者の承諾を得て翻訳しています)
 
私は小企業と取引することが大好きです。
小売店であろうと、ネット上であろうと、自分自身の買い物、ほかの人のため、あるいは趣味や娯楽、仕事上の取引であろうと、そんなことは関係ありません。
何とか世界を変えてやろうとがんばっているスタートアップが生み出した、商品やサービスを見つけることが、私は大好きなのです。
そうして、そんな小企業のオーナーを手助けしたいと心から願っています。
だってその人たちは、社用のジェット機で飛びまわったり、投資銀行家とランチしたりしませんからね。
 
ですからここで、小企業が顧客を魅了するための10の方法をお話したいと思います。

「魅了する」とは?

私は「魅了する」という言葉を商品やサービスや組織やアイデアで、人を喜ばせる作用 と定義しています。
顧客に愛されることで、双方とって利益となるような、 自発的で長続きのする支持が得られるのです。
あなたの営む小さな企業がもっと愛されるようになったらいいと思いませんか?

1.  現場には、感じが良く、有能で、熱意のある人を配置する

私はいつも笑顔で、自分が話していることの内容をしっかりと把握していて、自分が売ろうとしているものが大好きなスタッフとやりとりするのが好きです。
 
ところが少なからぬ企業が、もっとも給料の安く、経験の浅いスタッフを、カウンターやフロントデスクに配置して、最善の結果を期待しています。
これでは意味がありません。
 
一度、自問してみてください。 「うちの会社の第一印象は良いだろうか?」と。
もし、良くないなら、誰よりもふさわしくない人を最前線に置いているのかもしれません。

2.  信頼していることを示す

自分を信頼してくれないような人を、信頼することはできません。
スタート時は小さかったのに、のちに巨大になった企業を見てみましょう。
オンラインで靴の小売りを始めたザッポスは、 送料ばかりでなく返送料も無料にすることで、私に対する信頼を示してくれています。
デパートのノードストロームは、もし私が商品に欠陥があったと言えば、言葉をそのまま信じてくれます。
アマゾンは、7日間以内ならキンドルの電子書籍を返品できます。
7日間もあれば、たいていの本なら読んでしまえるというのに、です。
 
もしあなたが私を信頼してくれるなら、私もあなたを信頼します。
そうして、そこから関係が始まっていくのです。

3. 加入するときの障害を取り除く

初めての人にも、製品やサービスが簡単に利用できるようにしてあげてください。
アカウントを新しく作るときに、10の領域にもわたる 個人情報を記入させたりしないで。
キャプチャ・システム(※登録時にゆがんだ文字を読み取らせる画像認証)の際に、サンスクリット語の知識など求めないでください。
相談には事前予約など求めないでください。
その代わりに、いつでも、誰でもが、あなたの企業と取引にすんなりと入っていけるように、間口をスムーズにしておいてください。

4.  支払いは簡単に

ひとたび商品やサービスを購入すると決めたら、 注意書きや「目」のマークなどを使って、簡単に支払いできるようにしてください。
そのためには、何種類かの支払い方法や使いやすいショッピングカート、手ごろ感のある送料・手数料を導入することが大切です。
 
ガラクタを売りつけてお金を巻き上げようとする企業よりタチの悪いものがあるとしたら、
それは、立派な商品があるにもかかわらず、支払うのがとんでもなく厄介な企業でしょう。

5.  ひとつの領域を深く掘り下げる

香港にあるスタンリー・マーケットには、数多くの店があり、その多くがTシャツやみやげもの、おもちゃ、カバン、電子機器、カメラなどを売っています。
1ドルのもうけが出るなら、なんだって売ってやろう、という種類の店です。
ここで私が買い物をする店はたったひとつ。
タムズ・アート・ギャラリーです。
というのも、この店は、石作りの印章だけを売っているからです。
タムの店で扱うものはたったひとつ。
ですから、この店が、自分が扱っている商品を深く理解していることが、すぐにわかります。
 
私からのアドバイスは、ひとつのものに焦点をしぼりなさい、ということです。
Tシャツだけを扱っている「スレッドレス」や、 おもちゃだけを扱っている「チーキーモンキー」、カバンの「エドワーズ・ラゲッジ」、 エレクトロニクスの「フライズ」、カメラの「キーブル・アンド・シュチャット」、 ヨーグルトの「ミヨ・ヨーグルト」のように。

6.  DICEEを売る

DICEEとは、すばらしい製品やサービスの持つ、
Deep(深い)
Intelligent(知的な)
Complete(完全な)
Empowering(力を与える)
Elegant(エレガントな)
という5つのクオリティの頭文字を表しています。
 
DICEEの製品、サービスとは、 フル機能が搭載されたものであり(深い)、
顧客にとって「必要なのは何か」を理解したものであり(知的な)、
サポートがしっかりしたものであり(完全な)、
それを使えばよりよいことができるものであり(力を与える)、
使いやすいものである(エレガント)ことを指しています。
自分が提供しているものが、DICEEにかなっているかどうか、自問してみてください。

7.  実際に試してもらう

顧客は賢明な人であると想定してください。
脅して無理やり買わそうとするのではなく、買うかどうかの決定を、相手に委ねるのです。
 
そのために、製品やサービスを実際に試してもらいます。
それが車の試乗であれ、デザートの試食であれ、カメラの試し撮りであれ、機械工具であれ、 実際に試してもらうことには、効果があります。
 
でも、試してもらうことができたとしても、戦いはまだ半分。
試したからには買ってもらわなければ、とでも言おうものなら、 顧客はたちまち去っていきます。

8.  特色を伝えよう

「1ギガバイトの容量」とはどういうことか、 本当に理解している人がどれくらいいるでしょうか?
製品やサービスにはどれほどの性能があるか、 どれほどのことができるかを伝えるためには、特色を打ち出すことです。
 
たとえば、あるデバイスに、何曲保存できるかといえば、記憶容量が何ギガバイトある、と説明するよりも、相手にはっきりと伝わります。
私なら、この料理を食べればどれほど体重が増えるか教えてくれるレストランに足繁く通いたいと思います。
というのも、この店は、私の健康に気を配ってくれている、という突出した点を感じることができるからなのです。

9.  悪い知らせは早く

緊急事態は起こるものです。
商品には問題が出ますし、 配達は遅れます。
スタッフが病気になることもあります。
 
多くの企業は、悪いニュースから生じる影響を、可能な限り抑えようとします。
けれども、回避できない事態が起こったら、顧客の耳に入る前に、こちらから率先して知らせましょう。
自分たちが問題の存在を把握していることを知らせるだけでなく、かならず解決すると告げることで、問題の主導権を自分たちが握っていることを示すのです。

10.  影響力を持っている人に考慮する

お金を払う人と、これを買おうと決める人が異なっている場合があります。
多くの企業は、それが同じ人であることを前提にしていますが、実際にはかならずしもそうではありません。
 
購入に重要な影響を及ぼすのは、配偶者であったり、兄弟や同僚であったり、親や祖父母、子供のこともあります。
昨今では、だれがその家庭の本当のトップなのかはそれほど明白ではないので、影響力のあるさまざまな人にアピールするものであることが大切なのです。
ついでながら、わが家ではそれが娘に当たります。

「yes」の持つ力

私をとりこにするたったひとつの、けれども力強い言葉は、
コンピュータのデフォルトの「Yes」という言葉です。
 
というのも、この言葉は上記の10の点をすべて含んでいるからです。
この「Yes」は、顧客が間違っていて、不合理なことをしていることが証明されない限り、顧客が正しく、合理的であると信じてくれていることを示しています。
特別注文? Yes!
早期出荷? Yes!
返品は全額クレジットカードに払い戻し?  Yes!!と。
 
もし誰にでもそんなことをしていたら、倒産してしまうよ、 と数学は教えてくれるかもしれません。
けれども全員がそのような扱いを求めてくるわけではありません。
実際のところ、ほんの少数の、例外的な人々です。
けれども、ひとたびそのような扱いをしてもらえれば、人々はあなたがしてくれたことを多くの人に伝え、広めるエバンジェリストとなってくれるでしょう。
 
だとしたら、それは価値ある例外といえます。
あなたが魅了されたのは、どんな小企業ですか?

 

元記事:http://bit.ly/1LPVjO1


(翻訳:服部聡子)

本:『誰が何を、そしてどのようにして手にいれるのか?』

Who Gets What and Why: The New Economics of Matchmaking and Market Design

by Alvin E. Roth

原題:誰が何を、そしてどのようにして手にいれるのか?:マッチング市場の新・経済学

アルビン・E・ロス著

 
取るに足らない日常的なことも、人生を変える判断も、

私たちの行動を左右しているのはどのようなルールなのでしょうか。

また、そのルールではお金の役割はとても小さなもの、あるいはゼロだと言います。

ノーベル賞を受賞した著者が明らかにしていきます。
求人に応募するかまたは人を雇う場合でも、

自分で大学入試を受けるかまたは子供を幼稚園に入れる場合でも、

誰かをデートに誘うかまたは誘われる場合でも、

これら全てはある種の市場への参加と捉えることができます。

 

一般的な経済学の研究は、

売り手と買い手が商品の価格によって繋がれるコモディティー市場を扱っています。

ですが、例えば、名門イェール大学に入学できることや、

検索最大手グーグルでの仕事を得ることなど、

他の種類の「商品」ではどうでしょうか?

 

これらは、マッチング市場と言われるものに含まれるのであり、

「売り手」と「買い手」はお互いを選定しなければなりません。

また誰が何を手にするかを決めるのは、価格だけではないのです。

 

Alvin E. Roh

アルビン・E・ロスは、マッチング市場の研究で世界をリードする専門家の一人です。

また、医学生を実習受け入れ先に割り振る斡旋機関を企画したり、

腎臓移植のドナーと患者のマッチングを効率化するシステムを構築し

移植件数を増やした実績もあるなど、実際のマッチング市場を作り上げることにも携わっています。

 

「誰が何を、どうして手にいれる?」では

ロスが、私たちのまわりにあるマッチング市場を暴き出し、

良いマッチングを見極めて、自信を持って賢い選択をする方法を明らかにします。

 


元記事:http://amzn.to/1HtgGSH

(翻訳:角田 健)

 

情報の高速化はマーケティングをどう変える?

 

 

『絶対的価値:(ほぼ)完全情報の時代に顧客に本当に影響を及ぼすもの(原題)』の中で、

著者のエマニュエル・ローゼンとイタマール・サイモンソンは、

新製品や新しいサービスの認知を確立するための、新しいアプローチを説明しています。

absolute value

 

 旧約聖書で、モーゼはたったひとり、神に会いに行き、

 与えられた神の言葉を、今度は各部族の長老に伝えます。

 ところがこうした徐々に伝播する、トリクルダウンアプローチは、

 今ではしだいに当てはまらなくなっている、というのです。

 というのも、インターネットを通じて、情報はどんどん速く、

 安価に、しかも完全なかたちで伝わるようになってきたからです。

 

 たとえば、新製品が出荷されて、わずか数時間の後には、

 大勢の人が、シーネットやアマゾンのようなサイトで、

 レビューを読むことができます。

 

イノベーター、アーリーアダプター、そうしてアーリー・マジョリティのユーザーは、

発売直後の数分以内に、自分の意見を表明します。

リークがあれば、出荷以前に。

 

情報は、もはやトリクルダウン方式で届くものではありません。

それは速やかに、無料で、遠くまで拡散するものなのです。

新刊が出る。

誰がニューヨーク・タイムズに書評が載るまで待って、それからアマゾンで買うでしょうか?

 

この 〈 速く、無料で、完全 〉 ?という新しい情報の本質が、マーケティングを根本的に転換させるのです。

 

1. 有名人は重要でなくなる

 

製品を評価し、自分の意見をすぐに拡散させることは、多くの人に可能になっています。

有名人の発売後のレポートは、今でも重要視されてはいますが、

購入やトライアルのきっかけ作りという意味では、さほど必要はなくなっています。

「どこにでもいる人」が、新しい「重要人物」なのです!

 

2. ブランドは重要ではなくなる

 

情報が不完全で時間のかかるものであった時代、品質を保証するものとして、

人々はブランドのお墨付きに依存していました。

ところが書籍販売ビジネスを見てみると、

アマゾンの星の数の平均や、一般人が投稿した最初のいくつかのコメントの方が、

出版社の名前よりも、重要視され、目立つようになっています。

 

3. ブランドに対する愛着心は一時的なものに

 

理想社会では、あなたが過去に製品を買ったメーカーは、将来に渡ってもすばらしい製品を作りだすはずです。

現実社会では、かならずしもそうではありません。

たとえば、フェイスブックで記事をシェアするのが好きでも、

フェイスブックのメール・サービスを使ったことがない人もいるでしょう。

こうしたことを総合すると、メリットとは新しいマーケティング戦略なのです。

 

以下は、この新しい世界で勝ち残る方法です。

 

4. コントロールするという幻想を捨てる

 

全知全能は、幻想でしかありません。

誰が可能で、誰が助けてくれるか、あなたにはわからないのです。

また、あなたのマーケティングや広告で、誰かをコントロールすることもできません。

ですから、あなたの製品をとにかく送り出し、流れに身をまかせましょう。

 

5. 多くの種をまく

 

プランターではなく、野原に種をまくのです。

これは数の戦略です。種が多ければ多いほど、たくさんの花が咲くのです。

あなたにはどの種がヒマワリを咲かせるか、わからないのですから。

 

Sunflower

 

ピラミッド方式で、頂点にいる有名人を通して接触できる人もいれば、

何千という種をまくことによって接触できる人もいます。

起業に関する多くの問題と同じく、

どちらが正しく、どちらがまちがっているというものではありません。

何が効果があって、何が効果がないかということでしかないし、

何が効果があるかは、実験によって初めて明らかになるのです。

 

 

このコラムはガイ・カワサキの最新刊『スタートの技術 2.0』(原題)の一部分を元にしたものです。

一読後、飛躍されんことを。

The_Art_of_the_Start_2.0

 

著者:ガイ・カワサキ


元記事:http://linkd.in/1G2MdQl

(翻訳:服部聡子)

3つではなく2つ:少ない選択肢が売上を増大させる

 

1950年代に、靴のセールスマンからキャリアをスタートさせたベン・プロバーは、

やがて女性用シューズのチェーン店を経営するまでになり、大きな成功を収めました。

 

彼の店の価格は、どこよりも安いというわけではありませんでした。

品揃えも、街にある他の店とさほど違いはありません。

また、店舗自体も、ごく普通の店構えでした。

確かに良い店ではありましたが、

現代のデザインと感覚を極度に重んじる時代の目から見ると

競合に勝る点はありませんでした。

とりわけ巧みな売り込みがあるわけでもなく、付加価値があるわけでもなかったのに、

どうしてプロバー・シューズは毎年毎年、競合を上回る販売を成し遂げたのでしょうか?

成功の秘密を聞かれて、ベンは短くこう答えました。

 

「2つだからです。3つではなく」

 

ベンは、現代のビジネスが長らく忘れている、人間の本質を理解していたのです。

すなわち、選択肢が多いことは、決して良いことではない、ということです。

彼の店にやってきた女性が、1足以上の靴の試着を希望した場合、

彼女が靴を買う確率はかなり高いものです。

 

仮に、その女性がすでに2つの型の靴を選んでいて、

さらに他の種類のものも試そうしたら、ベンはこう答えます。

 

「かしこまりました。お客様がお好きな型のものをお持ちいたします。

このふたつのどちらの型がお好みでしょうか?」

West  Vancouver Archives

2つの選択肢を前にした顧客は、自分がどちらが気に入っているか、簡単に決めることができる、

ということを、ベンは知っていたのです。

 

ところが3つ、あるいはそれ以上の中から選ばなければならなくなると、

決めることはとたんにむずかしくなります。

そうして多くの場合、何も買わずに店から出て行ってしまうのです。

たとえ顧客がもっと多くの選択肢を求めたとしても、

実際にはその中から選ばれることはありません。

 

私たちは、多くの選択肢の中から選ぶことを強いられる場合よりも、

少ない選択肢から購入する場合が多いだけでなく、

自分の選択に自信を持ち、選択の結果に満足するのです。

 

これを別の言葉で言うと、「多」は「少」に及ばない、ということになります。

売り手が、買い手が決定を下すのを助けていた時代をふり返ってみるのは、

役に立つものです。

 

市場にこれほど多くの商品を出せるまでに、私たちは進歩したにもかかわらず、

人間の意志決定の方法は、少しも変わっていないことがわかるのです。

 

 


元記事:http://bit.ly/1GnnqDR

(翻訳:服部聡子)

著者:Simon Sinek 文筆家、スピーカー

Simon Sinek

貧乏人の名刺、稼ぐ人の名刺

言わずもがな。

名刺に力を入れている方の多いこと。
近頃は「集客できる名刺」セミナーまであるという。
が、ちょうど、うちの娘が鋭い指摘をしていたので、名刺について、ちょっと書いてみました。
厳しいようですけども、本当にそんな風に、周囲に見られています。

  1. 貧乏人の名刺

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・わざわざスタジオで撮影したポージング写真
・聞いたことのない「斬新な」肩書きや職業
・いろいろアピールポイントがいっぱい

どう考えても、仕事に困らない人は、こんな名刺は作らないのです。
チラシじゃないの?という名刺。
キャッチコピーまで。
あれもこれも、引き受けます!とアピールしまくってます。

ポジショニングと、「言うたもん勝ち」は違います。
本来なら外から評価されるはずの立ち位置を、自ら考案!
まともなビジネスパーソンにどう映るかの他者目線が必要です。

常識的な人は、相手の名刺フォルダに、
こんな自分の「恥」が収まるのを許しません。
取材など受ける立場になってもいないのに、ポーズ付けて写真を撮られる、その自分を恥じたいところ。
「ぼくは仕事に困ってます」とアピール度抜群になってしまいます。

 


2. 稼いでいる人の名刺

シンプル、趣味のよい間がある。奇をてらわない。必要最低限の事項が書いてある。

そんなに頻繁に連絡されたら困るんです。忙しいんですから。だから、携帯電話とか載せないのは常識。
秘書が対応するオフィシャルの連絡先のみ。

なるべく顔写真なんて、外出ししたくないんです。
でも、ビジネスで必要な場合は最低限、撮影に応じている。
そういう感じです。

 

3. 本物の成功者の名刺

名刺なんて持ってない!名刺交換なんて、する必要がありません。


つまり、言いたいことは、名刺とか、プロフィールとか、肩書きとか、ホームページとか、ブログとか、
なんじゃかんじゃと工夫をしてみても、所詮は、「やってること」だけで人間は評価される、ということ。

結果を出すこと。それが全て、です。

もっといえば、なぜに「結果」を持ってない修行中の段階で、独立してしまうのだろうか?と云う事です。

 

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。