本:『絶対的価値』
Absolute Value: What Really Influences Customers in the Age of (Nearly) Perfect Information
原題:『絶対的価値:(ほぼ)完全情報の時代に顧客に本当に影響を及ぼすもの』
著者 イタマール・サイモンソン、 エマニュエル・ローゼン
従来のマーケティングの通説に対して、
本書 『絶対的価値』は、
今日の顧客に影響を与えているのは、
実際には何なのかを明らかにするとともに、
「複合的影響力」という新しいフレームワークを提案しています。
これは、消費者の意志決定とマーケティングについての
まったく新しい考え方で、
より効果的なビジネス戦略を進めていくためのものです。
人の購買スタイルは、根本的な変化を遂げました。
にもかかわらず、消費者の意志決定とマーケティングについての基本的な考え方は、
変わっていません。
大部分のマーケターは、いまだに自分たちが、消費者の意識を形成し、
消費行動を誘導できると考えています。
けれども、この刺激的な本の中で、
スタンフォード大学教授イタマール・サイモンソンと
ベスト・セラーの著者エマニュエル・ローゼンは、
どうして今日のブランド・マントラが、妥当性を失っているかを示します。
消費者が購買を決定するときに依拠するものが、
ほかのユーザーのレビューや、簡単にアクセスできる専門家の意見、
価格比較アプリなど、新しく登場した技術などとなり、
すべてが変わってしまったのです。
本書は、この新時代の顧客にどうしたら影響を及ぼすことができるのか、
差し迫った問題に答えるものです。
著者のサイモンソンとローゼンは、
保守的なマーケティングの概念が、変更を迫られている点を指摘し、
企業がコミュニケーション戦略やマーケティング・プログラム、
新しい環境に対するセグメント戦略をどのように立案していくべきなのか
について語っています。
深い分析と数多くのケース・スタディ、最先端の研究が盛り込まれた、
前向きの思考に貫かれた本書は、マーケティングについて、
まったく新しい考え方を、提供してくれます。
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(翻訳:服部聡子)