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ダニエル・ピンクのセールス成功戦略

by ブルーナ・マーティヌッチィ

 

 

たとえあなたが本来の意味での「販売」の地位にいなくても、

あなたはセールスに携わっています。

そう主張するのは、ダニエル・H・ピンクのベストセラー

人を動かす、新たな3原則 売らないセールスで、誰もが成功する!

です。

 

To_Sell_is_Human_

 

関わっているビジネスが何であれ、

あなたは自分のアイデアを取り入れてもらおうと、

人を説得し、おだて、動かそうとすることに、

多くの時間を費やしているはずです。

 

私たちはこの、ピンクが呼ぶ

「売らないセールス」

をもっとうまくやることで、

大きな成功をつかむことができる、と続いていくのです。

 

社会科学の最新研究を援用しつつ、わかりやすい言葉で、

ピンクはこの「売らないセールス」の素晴らしい新世界のロードマップを

提供してくれます。

私たちは先日、販売の心理学、セールスにおけるEQ(感情指数)の役割や、

ビジネスを成功に導くツールなどについて質問しました。

 

もし相手が何を感じているか理解できれば、

あなたはもっと効果的に、その人の役に立つことができるでしょう。

結局のところ、新しいセールスの世界とは、そういうことなのです。

 

 

今日の経済では9人のうち1人が販売に携わり、

残りの8人もまた、あなたの言う「売らないセールス」、

たとえば、購買には関係のない行為ではあっても、

ほかの人に影響を及ぼしたり、説得したりするような「セールス」に関わっている、

と述べておられます。

この極めて重要な領域で成功を収めるために、重要な戦略を3つ挙げるとしたら、

何でしょうか?

 

第1に、自分ではない人の視点から眺めてみることです。

たいていの場合、私たちは人に何かを強制することはできません。

その代わりに、彼らの視点と関心を理解し、一致点を見いだす必要があります。

第2に、比較してもらうことです。

人の決定は、絶対的というより、むしろ相対的に行われるものです。

あなたのアイデアや商品やサービス、提案を、単独で提示するのではなく、

もうひとつの選択肢と比較してもらうのです。

第3に、「出口車線」を用意してください。

誰かに何かしてほしいときは、気軽にできるようにしてあげる必要があります。

 

EQは私たちのセールスの能力を高めるために効果があるでしょうか?

相手の感情的な状態を理解するということは、有能な売り手にとってだけでなく、

立派な人であるためにも効果的な極めて重要なスキルです。

セールスの場面では、相手の気持ちを理解していれば、

相手の役に立てる機会は増えるでしょう。

「セールスの素晴らしい新世界」とは、結局のところ、そういうことなのです。

セールスのプロセスでの「視点取得」(※他者の視点から世界を見ること)とは、

共感とは違うのですか?

これは極めて重要な質問です。

社会科学者は視点取得と共感を、2卵性双生児に喩えることがよくあります。

極めて関係は深いけれども、同一のものではありません。

視点取得は、認知能力、つまり、思考に関するものです。

共感とは、情動的な反応、つまり、感情に関するものです。

どちらも極めて重要ですが、セールスに関していうなら、

視点取得がいっそう大きな力を持つ場面が多いでしょう。

 

「リーダーシップの新しいモデル」について、教えていただけますか?

新しい環境で成功するために、

ビジネスオーナーに必要な役割やスキルはどんなものでしょうか?

やがては時代遅れになるようなスキルはありますか?

リーダーシップの世界では、過去10年間で、影響力と説得の考え方が

大きく変わっていったことを、考慮に入れなくてはなりません。

第1に、リーダーはもはや従業員や仕入先、顧客に対して、情報の優位性はありません。

そのため、透明性に逆らうことは、恥ずべき行為、またはそれ以上のものである、と

考えられるようになっています。

そのことは同時に、情報にアクセスすることの重要性よりも、

私たちの周囲で渦巻く、錯綜する情報に筋道をつけることの方が

重要だということでもあります。

つまり、情報を整理し、意味づける「センスメイキング」のスキルが、

いっそう重要になっているのです。

第2に、今日では才能がある人は、組織が才能がある人を求めるほど、

組織を必要とはしていません。

この力関係の変動は、リーダーはもはや強制的であったり、支配的であってはならず、

個々人の自己主導性やチャレンジ、成長を促進するために、

より多くのことをしなければならない、ということです。

最後に、リーダーは、モチベーションとは一体何なのか、

正しく理解していなければなりません。

モチベーションとは、人が別の人のために何かをすることではありません。

自分自身のために行うことなのです。

ですからリーダーの仕事は、人々が自己主導性や創造性、生産性が発揮できるような

情況を整えることです。

あなたの最新の「ドライブ・ワークショップ」から、

小企業のオーナーが次の段階にステップアップするために、何かヒントはありませんか?

従業員が何でもやりたいことができる、

彼らが自治権を持った「小さな島」を設置してください。

「ハック・デイ」や「ハッカソン」「金曜夜の実験場」、何でも良いので名前をつけ、

1日あたり15分、日常の仕事とは別に、みんなが自分に興味のあることや、

気になっている問題の解決に取り組むことのできる時間を確保するのです。

きっと驚くほどの結果が現れるでしょう。

もうひとつ、公式の勤務評定を撤廃します。

大企業の中でもアドビやアクセンチュアなどは、すでにそうしています。

その代わりに従業員と共に、もっと定期的で、活発な、フィードバック・セッションを行うのです。

たとえば週1回のマンツーマンのセッションや、定期的な面談、

同僚間の会話でさえも、前進を手助けし、彼らの遂げた進展を見る上で、

驚くほどの成果を上げることができます。

 

 


元記事:http://amex.co/1WbI8BO

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『未完の仕事』

Unfinished Business: Women Men Work Family

『未完の仕事:女性 男性 仕事 家庭』

著者 アン=マリー・スローター

 

男性と女性 仕事と家庭の平等に向けた長い闘いに

終止符を打つ?力強く説得力のあるビジョン

 

アン=マリー ・スローターが2009年、

夢の仕事ともいえるアメリカ国務省政策企画本部長の職を、女性として初めて引き受けたとき、

彼女はワシントンD.C.での仕事と、ニュージャージー州郊外の自宅での家庭生活での責任を、

両方ともうまくこなしていく自信を持っていました。

夫と、まだ幼いふたりの息子たちも、彼女が仕事を続けることを、応援してくれていました。

しかも上司のサポートはこの上ないもの。

なにしろ当時の国務長官は、ヒラリー・クリントンだったのです。

ロースクール時代から注目を集めていた彼女は、出世コースを順調に走っていました。

ところがそこに生活が介入してきたのです。

結局、子育てのために、彼女は国務省を去る決心をしました。

そうして家族のためにもっと時間を取ることができるよう、大学での研究生活に戻っていったのです。

 

子育てのためにワシントンを去るという彼女の選択は、

彼女も属していたはずの、フェミニズムの思想に疑問を投げかけるものではないか、

という反応も見られました。

 

アトランティック誌に寄稿した彼女の記事

「なぜ未だに女性はすべてを手にすることはできないのか」は、

アメリカ中で激しい議論に発展し、

アトランティック誌の歴史をさかのぼっても、

もっとも読まれた記事のひとつとなりました。

以来、アン=マリー・スローターは、前進を続け、

仕事、生活、家族に対する長年の考え方から、自由になっていきました。

多くの女性のために「ガラスの天井」や「母親の育児ペナルティ(※注)」の解決策が

模索されてきましたが、トップクラスの女性と底辺の女性の収入の格差は、広がるばかりです。

(※注:スタンフォード大学社会学部准教授のシェリー・コレルらの研究によって、
男性にとって父親となることは、社会的に賞賛され、昇進にもつながる「育児ボーナス」
として働くのに対して、女性は出産・育児に伴って仕事を辞める場合が多く、
子供を持つことが「育児ペナルティ」として働くことがあきらかになった)

そんな中、アン=マリー・スローターは、男性と女性が、本当の意味で対等であるとは

どういうことか、そうして、私たちはどのようにしてそれを実現できるのか、

彼女は自分のビジョンをひっさげて、私たちの前にふたたび現れたのです。

彼女は女性解放運動を、ふたたび団結させ、

同じ旗の下、男性と女性が共に前進し、成長していくために

失われたピースの断片を見つけます。

アン=マリー・スローターは、私たち全員が、

自分の物語や、個々人の行動計画、変革に向けての広汎な輪郭を行動に移すことで、

女性と男性、仕事と家族の平等という「未完の仕事」を終わらせることができることを

明らかにするのです。

 

 


元記事:http://amzn.to/1iP6xeg

(翻訳:服部聡子)

意味の意味

by ガイ・カワサキ
元記事:http://bit.ly/1QJhQ2M
(※著者の承諾を得て翻訳しています)

私は評判や名誉のことを考えて、曲を書いたことがない。
心の中にあるものを外に出さなければならないからだ。
だから私は作曲する。  
   ――ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

私がベンチャー・キャピタリストだったころ、
金儲けを第一目的にして起業した人々は、たいてい失敗していることに気がつきました。
 
というのも、金儲けを目指す起業家が引き寄せることができるのは、
金儲け以外には関心のないような人だけ。
 
その会社がすぐに巨額の利益を出さないとわかると、(実際、そんな新規事業があるはずがないのですが)
彼らはさっさと別の猟場を探しに行ってしまうからです。
 
会社を立ち上げる前に、厳しく自己分析することをすすめる人は、多くいます。
確かにそれは良いことではあるのですが、 起業しようとする人は、たいてい自分に対して間違った質問をしています。
 
長時間、低賃金で働くことができるだろうか?
断られ続けても、粘り強く働きかけられるだろうか?
大勢の従業員に対する責任を果たすことができるだろうか?
 
実のところ、このような質問にあらかじめ答えることは不可能です。
しかも、こうした問いには、さほど意味がないのです。
言葉だけ、強がってみせるだけなら安いもの。
「やってみせる」という言葉は、実際にやることとは関係ありません。
 
他方、自分に対する疑いの念や、不安がある人が、かならずしも企業を大きく育てられないわけでもありません。
 
こうした質問にどのように答えようと、 いいアイデアが生まれたとき人が実際にどう行動するかは、 何も教えてはくれないのです。
そのときになってみるまでは、そんなことは誰にもわかりません。
実際、そのときですら、わからないこともあるのですから。
新しい事業を始める前に、 自分自身に問うてみなければならない重要な質問はこれです。
 
自分は意味のあることがしたいのだろうか?
 
Photo:Work @ Starbucks By:Matt Kowal
Photo By:Matt Kowal

 「意味がある」 ということの意味

意味がある、とは、お金や、力や、名声のことを言っているのではありません。
そんなものでは、楽しい職場を作ることさえできません。
「意味がある」という言葉の意味は、 世界をより良いところにする ということです。
 
これには、ふたつのやり方があります。
 
第一に、何か良いものを、作りだしたり、使えるようにしたり、 増やしたりする、ということです。
たとえば、Macコンピューターは 人々の創造力と、生産性を向上させました。
グーグルやウィキペディアは、実質的に無限の情報に、
豊かな人も貧しい人も、誰でもがアクセスできるようにしました。
 
第二に、何か悪いものを防いだり、なくしたり、減らしたりする、ということです。
たとえば、テスラは大気汚染と、私たちの石油依存を減らそうとしています。
パランティアやその他のサイバー・セキュリティ起業は、私たちのコンピュータに侵入しようとする悪者を防ごうとしています。

 「意味」 を持つ人の強み

世界を変えたい、という情熱は、厳しい道を進もうとする人にとって、 とてつもないほどの強みとなります
というのも、高い目標を掲げている人は、 単に金を儲けたい、というだけの人より、
エネルギーが生まれてくるものだし、 才能ある人を引きつけられもするからです。
それに、もし意味を作りだすことができたなら、 自然な帰結のひとつとして、収益もあがっているはずです。
 
私が「意味の意味」を理解するようになるまで、20年かかりました。
 
1983年、アップル社のMac部門で第一歩を踏み出したとき、
私はIBMを打ち負かし、セレクトリック・タイプライター・ボールを作っていた頃の
タイプライター事業に逆戻りさせてやろうと考えていました。
 
1987年になると、こんどはウィンドウズとマイクロソフトを 潰してやろうと思っていました。
 
やがて私も、こうした野心が、愚かとまでは言わないまでも、 くだらないことだと気がつくようになりました。
競争心を抱いていては、ほんとうに大切なことから目がそらされてしまいます。
立派な組織のDNAには、「意味のあることをしたい」 という情熱が、含まれています。
 
顧客や従業員のために、 世界をよりよいものにしたい、という 「意味」 が。
 
この情熱は、成功を保証してくれるものではありません。
でも、仮に失敗したとしても、 少なくともその失敗には、やっただけの価値はあったのです。
ですから、会社を立ち上げようと考えている人は、 自分の送り出そうとする製品やサービスが、
どのような意味を持つのかを明らかにして、 それを出発点にしてください。

 

 


元記事:http://bit.ly/1QJhQ2M

(翻訳:服部聡子)

 

好感の持てる人になるために

by ガイ・カワサキ
元記事:http://bit.ly/1LLllX7
(※著者の承諾を得て翻訳しています)

そこにいれば、誰もが幸せになるような人がいる。
そこからいなくなれば、誰もが幸せになるような人もいる。
―― オスカー・ワイルド

人を引きつける魅力は、ジャングルだろうと、市場だろうと、インターネット上だろうと、かならず表面に現れます。
そんな魅力は、自然に人に作用し、人の気持のありようを変化させるのです。
しかも、持続性があります。
(少なくとも気持ちを変えたテロリストが、小屋を出て行く間ぐらいは)。
 
こうして気持に生じた変化ゆえに、人の行動までもが変わっていきます。
 
人を引きつける魅力は、人を操るためのものでもなければ、ものごとを自分の思い通りにするためのものでもありません。
 
それでも、私たちは人を魅了することを通して、結果的に状況と関係を変えることになります。
少々性格に難があろうと、正当な理由があれば、それを不問にしてもらうことはできます。
けれども、もし周囲の人が好意を持ってくれたなら、人は自分の能力を、いっそう高いレベルで発揮できるでしょう。
 
ですから人は、能力を持つだけでなく、みんなに好意を持ってもらえるようになることもまた、大切なのです。
たいていの人は、気楽に、ありのままで、自由につきあえる人が相手なら、気持ちの良い人間でいられるのですから。

 他者を受け入れるということ

まずは心がまえから始めましょう。
もしあなたがある人を好きでないなら、相手も決してあなたのことを好きになってはくれません。
単純なことです。
人を好きになるためには、まず相手を認め、受け入れること。
あなたが受け入れさえすれば、相手の側も受け入れてくれるでしょう。
他者を受け入れるために理解しておかなければならないのは、その点です。

人は二進法で生きているわけではありません

人は、1 か 0 か、賢いかバカか、価値があるか無価値か、ではありません。
誰もが強さと弱さを持ち、ポジティブであると同時にネガティブでもあり、
有能なところと無能なところをあわせもっています。

誰もがあなたよりすぐれた何かを持っています

もし誰かを受け入れたことで、がまんを強いられるとき、
おそらくあなたは相手が自分より劣っているからこんな目に遭わされるのだ、と考えることでしょう。
けれども、すべての点において、あなたの方が優れているわけではないのです。

人は相違点より共通点の方を多く持っている

基本的に、ほとんど誰もが家族をもち、意味のある何かをし、人生を楽しみたいと考えています。
これは人種や宗教、肌の色や国籍を超えて、変わらないことです。
あなたがきらいな人とも多くの共通点を持っていることでしょう。

チャンスをあげましょう

ストレスにさらされ、しかも組織に属していない人が、あなたが持っているような有利な点もないまま、
自閉症の子供や、暴力的な配偶者、老いていく両親、ガンなどと向き合っているのかもしれません。
その人と同じ状況に身を置いてはいないのなら、簡単に相手に対して判断を下してはいけません。
その代わり、彼らにチャンスをあげるのです。

死は平等に訪れる

やがてあなたも骨になり、あらゆる人と同じように、塵に帰ります。
ですから、尊大な気持は捨てましょう。
死の前では、あらゆるものが平等です。
Photo:Stained glass By:Broo_am (Andy B)
Photo By:Broo_am (Andy B)

 目尻に皺を刻みましょう

良い印象を与えるには、人に笑いかけることです。
笑顔になるのに、お金がかかりますか?
とんでもない。 もし笑顔を見せないでいると、何かを犠牲にしますか?
あらゆること、とは言わないまでも、少なくとも笑わないままの人には、誰も魅力を感じません。
もし笑顔が役に立たないと思うのなら、以下の質問に答えてください。

  •  あなたは不機嫌な人と仕事をするのが好きですか?
  •  誰か不機嫌な人が好きな人を知っていますか?
  •  怒っている人が、望むものを手に入れると思いますか?

 
ジョージ・クルーニー風の笑顔になる秘訣は、頭の中に気持の良い考えを抱くことです。
心の中で腹を立てていては、部屋がパッと明るくなるような笑顔を見せることはむずかしいでしょうし、
せいぜい「愛想笑い」になるのが関の山でしょう。
 
解剖学的にいうと、愛想笑いは頬筋、つまりは顎関節から口角まで伸びている筋肉だけを使っています。
これはコントロールするのが簡単なので、愛想笑いや、いわゆる「パン・アメリカン・スマイル」
(というのも、パン・アメリカンのフライト・アテンダントは、乗客を見ても心からハッピーにはなれなかったからです)
になってしまうのです。
Photo:Smile please... By:J Kaps
Photo By:J Kaps
 
本物の笑顔は、眼輪筋も一緒に動きます。
この筋肉は、目を囲む筋肉です。
この筋肉を使うと、目は細くなり、目尻に皺が刻まれます。
本物の笑顔には、特別な名前があります。
「デュシェンヌ・スマイル」
フランスの神経科医であるギヨーム・デュシェンヌにちなんでこの名前がついているのです。
ですからあなたが人に会うときは、何か感じの良いことを考え、眼輪筋を働かせ、
水がたまるくらいに深い皺を刻んでください。
あなたの感じの良さを増すためには、ボトックスや美容整形などは無視してかまいません。
 
 

元記事:http://bit.ly/1LLllX7


(翻訳:服部聡子)

 

7つのステップで自信にあふれる人になる

by マインダ・ツェトリン

 

 

怖れは不景気よりもあなたのビジネスに悪い影響を及ぼします。

怖れを克服する方法をお教えしましょう。
もっと自信を持ちたくありませんか?

そう尋ねられれば、ほとんどの人は、イエス、と答えるでしょう。

日常生活でも仕事でも、自分の前に立ちはだかる怖れや不安を克服できれば、

もっと多くのことができることを、私たちは知っています。
著作家であり、ロシア系マフィアの専門家でもあり、このほど

『怖れを克服する:大胆になり、夢を生きるための50のレッスン』

を著したジョー・セリオによると、

私たちはかならず怖れを克服できると言います。

 

世間では、わずか20%の人しか、日々を全力で生きていません。

これは悲劇的なことではないでしょうか?

セリオ自身、若い頃、怖れに苦しめられたと言います。

けれどもある日、もうたくさんだ、と心を決めたのです。

 

彼は政治学と犯罪学を学んでいましたが、やがてロシアに魅了されるようになり、

言葉を学び、ロシアで暮らし始めました。

そうして数ヶ月、モスクワでクロール調査事務所を開くようになったのです。

 

私のおもな仕事は、欧米の企業が、ロシア・マフィアを避ける手助けをすることでした。

やがて、起業には、独特の恐怖感があることに気がつくようになりました。

起業し、会社を経営するということは、怖ろしい冒険であるとも言えるのです。

 

けれども、怖れはビジネスに、不景気やまずいビジネス・モデルよりも大きなダメージを与えかねません。

 

あなたが怖れに飲みこまれてしまえば、それで終わりです。

利益を上げることも出来ないし、会社を閉めてしまうしかなくなるのです。

 

それを避けるためには、あなたも自分の怖れを克服し、

勇気を出してビジネスの問題に取り組むことを学ばなければならない、と彼は言います。

あなたにはできます。

そうして、これがその方法です。

 

1. 自分が怖れを抱いていることを認めるところから始めよう

 

自分に言うのです。

『そうだ、私は怖れている』と。

そうすることで、無用な完全主義をなくすことができますし、

問題の先送りを回避することもできます。

 

世間に向かってそのことを告げる必要はありませんが、

あなたが信用している人、大切な友人や、

その方がよければ、自分自身でもかまいません。

 

2. 自分が何を怖れているか、具体的に明らかにする

 

自分が怖れているものの正体を、正確に見きわめるように、と彼は言います。

 

その怖れは、間違いを犯すことなのか、

それとも間違えた結果、自分が抱く感情を怖れているのではないか?

それをはっきりとみきわめることが重要です。

本当の問題が何であるか、自分がわかっていないと、解決することはできません。

 

3. 自分の怖れに点数をつける

 

あなたの怖れを、それぞれ比較しながら点数を付けてみてください。

 

数年前、人前で話すことは、10点の恐怖でした。

けれども、オオカミに食べられることと比べてみると、

人前で話すことの恐怖感は7-8点へと変わっていったのです。

こうすると、怖れは扱いやすいものになります。

人前で話すことがビジネスの根本であるビジネスを始めようとするる場合にとっては、

言うまでもありません。

 

 

4. 最悪のシナリオを想定してください

 

起こりうる最悪のことは何ですか?

その質問に答える前に、少し考えてみてください。

 

あなたの想像は現実より悪いことが非常に多いのです。

マーク・トウェインはこんな風に言っています。

「私は人生で何度も大惨事に遭ってきた。

ほとんどは実際には起こっていない大惨事に」

何が危険にさらされているのか、

あなたの怖れは根拠があるものかどうか、突き止めてください。

その多くは、しっかりとした根拠などないはずです。

 

5. 少しでも知識を持つ

 

経験のある人と話をすることは、怖れを減じる大変良い方法です。

あなたの状況のとらえかたに、別の視点やバランス感覚を持ちこんでくれます。

しかも、彼らもまた始めたばかりのときは、怖れを抱いていた可能性が高いのです。

あなたがしようとしていることについて、

何でも良いので、本や雑誌の記事を読むよんだり、セミナーを受けたり、

その領域に関連するグループを探したりしてみてください。

知らないからこそ怖れを抱くので、知識が多いほど自信が生まれてくるはずです。

 

6. 過去の成功体験をふり返る

あなたはこれまで数え切れないほどの成功を収めてきました。

話し方を覚えたり、歩けるようになったり。

セリオは言います。

 

あなたは自分が強いことを忘れてしまっていることが多いのです。

そのことを思い出したければ、あなたが良い仕事をしたことに対する

感謝状やメール、カードなどのファイルを用意しておきましょう。

あなたの内側に怖れが生まれたら、そのファイルを開いて、

自分はできるということを思い出してください。

 

7. あなたの成功を、たとえ小さなものであってもお祝いしてください

 

仰々しいものや、これみよがしのものである必要はありません。

良い仕事だったと、自分の背中を叩くような、

せいぜいがあなたの身近な人と喜びを分かちあうようなもので良いのです。

私たちは、お祝いにふさわしいのは、大きな成功でなければならないと思いがちですが。

小さな成功を、忘れないでお祝いするということは、

あなたが自分のなした努力に報いるということです。

そうすれば、つぎにその努力が、もっと楽にできるようになるでしょう。

 

 

 

著者:Minda Zetlin(ビジネス・テクノロジー関連著作家)


元記事:http://bit.ly/1gPyktI

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

起業家が克服しなければならない6つの怖れ

by  ポール・モレロ

 

 

多くの人が、起業を夢見ていることでしょう。

けれども、起業には怖れがつきものだし、その怖れが克服できないせいで、

たいていの人はその夢を実現きずにいます。

あなたのアイデアが、仮にどれほどの潜在性を持っていたとしても、

以下に挙げた6つの怖れを克服する勇気を持たない限り、そのアイデアには意味がありません。

 

 1. リスクを負うこと、失敗することの怖れ

 

もし、なにか意義のあることをしたい、と心の底から望んでいるなら、

リスクを負うこと、失敗することに対する怖れは、 両方ともかならず克服できるにちがいありません。

マーケティング・ソフトウェア会社のCEOとして成功したマーク・オーガンは、 このように言っています。

「起業家がリスクを負うことなく、生計を立てていくことはできません」

 

リスクを伴っているからこそ、実りある結果が得られるのです。

多くの人は、リスクをネガティブなイメージでとらえることが多いのですが、

リスクは受け入れなくてはならないものです。

 

それを避けたり、逃れようとしたりするよりは、 むしろ、リスクを理解し、

軽減するための手段を講じるべきです。

 

リスクは失敗につながるじゃないか。

確かにそのとおり。

 

けれども、失敗からチャンスが生まれるのです!

 

失敗の可能性を受け入れようとしないなら、 起業家として成功できるチャンスもまた、

決して手に入れることはできません。

Jump By:kagey_b

 

 

 2. 周囲の人に対する怖れ

 

私たちが生きているのは、他人の成功より失敗を喜ぶ人間の世界です。

あなたが失敗するのを待ち望んでいる人々のことを怖れていては、

成功はひどく困難なものになってしまいます。

 

映画『幸せのちから』の主人公の言葉は、このことをあますところなく伝えてくれます。

 

おまえにそんなことできない、だなんて、 誰にも言わせちゃいけない。

絶対に、だ。 パパにもだよ。 わかったね?

夢があるんだろう? だったら、それを守らなくちゃ。

みんなは自分ではそれができないんだ。

だから、おまえだってムリだって言いたいんだ。

ほしいものがあるんだろう?

だったらそれをつかみとれ。

そういうことだ。

 

起業家が、友人や身近な人々から批判されることは、 少なくありません。

だからこそ、自分が実現しようとしているものを 信じることが大切です。

そうでなければ、起業家になるチャンスは 決してめぐってきません。

 

 3. まちがった決断をしてしまったのではないか、という怖れ

 

起業家志望者をためらわせる共通の怖れとして、 自分がまちがった決定をしているのではないか、

と疑ってしまうことがあげられます。

 

起業家にあこがれる人の中には、フルタイムの仕事を持ちながらも、

自分自身で仕事をやってみたいといつも考えている人が、数多くいます。

そのような人は、いまの仕事を辞めて、 将来の保証のない起業をして後悔することになるのでは、

という怖れにかられるものです。

 

独立はまちがいである、という考えを捨てることがむずかしいのなら、 自信をつける方法があります。

 

自分のアイデアが利益を生み出すものであるかどうか、 マーケット・リサーチをしたり、

メンターや成功を収めている起業家と話したり、

自分の製品を、対象となるグループに試してもらったり、 事業計画書を練ったりして、

成功の機会を、できるだけ自分で作りだしてみるのです。

 

Photo:deskwork By:ezola

 

 4. 経験や専門知識が不足していることへの怖れ

 

自分に教育がなかったり、経験が不足しているのではないか、 という怖れは、

始めたばかりの起業家にとって、 あたりまえのことです。

 

誰もが、成功した人の華麗な経歴を見て 「自分にはこんなことはできそうもない!」と思います。

でも、あなたにはできるのです。

 

リチャード・ブランソンは、このように言いました。

「学ぶことの最良の方法は、やってみることだ」

 

世界中で大きな成功を収めた起業家のほとんどは、 正規教育と闘ってきています。

正規教育を修めていることが、 ビジネスを始める上での前提条件ではありません。

であるならば、どうして自分には大卒の資格がないから、と、 自分に限界を決めてしまうのでしょうか?

やってみるのです!

 

自分のやろうとしていることに情熱を持ち続けられるのなら、

その情熱だけで、どんな卒業証書よりも遠くまで進むことができます。

 

  5. 財政的に失敗することへの怖れ

 

財政面での不安定さに対して怖れを抱くことは、 起業家なら無理もないことです。

夢を実現するために、 自分の貯金とライフスタイルを危険にさらすのには、度胸がいります。

 

ウェルズ・ファーゴ/ギャラップ中小企業指数によると、 ほとんどの小企業は、

創始者の個人貯蓄である1万ドルでスタートするということです。

 

創業時には、大きな借金を避け、 やりくりにやりくりを重ねていけば、

財政不安のリスクを回避する役に立つはずです。

 

 

また、入念な準備は、 財政上の不安定さを和らげることになります。

また、経過報告と販売予測に従ったビジネスプランがあれば、 事業の方向性を定めることができ、

また、軌道を外れていないかどうか確かめる助けになってくれます。

 

Photo:Business card origami

 

 6. 自分の人生を無駄にしてしまうのではないかという怖れ

成功するためにどんなチャンスでもつかもうとビジネスを始めれば、 長時間のハードワークが待っています。

起業家として一歩を踏み出す前に、 このことを受け入れ、慣れておくことが重要です。

 

仕事は多大な献身を要求するでしょうし、 このことは同時に、

家族や友人から長時間、離れることも意味します。

 

ほかの人に任せることのできる部門を見つけ、 プロセスをできるだけ簡略化して、

管理しやすいようにしてください。

 

そうすることで作業負担を軽減することができるし、 家族や友人と過ごす時間を見つけることもできます。

 

飛躍をとげて起業家になることを考えているのなら、 ハードワークの覚悟が必要です。

ひたすら前に進み、 励ましの言葉が得られるなら、どんな機会でも利用して、

自分の士気を高めていってください。

 

モチベーションを維持し続けられれば、 あなたもかならず成功した起業家となることができるでしょう。

 

 

著者:Paul Morello(起業家)


元記事:http://bit.ly/1tODyX2

(翻訳:服部聡子)

 

「正しく」 失敗するために

by インゲ・ギーデンス

 

私はこれまで失敗の大切さについて、何度も書いたり、話したりしてきました。

人は、折々の失敗を経ないまま、成功することはできない

というのが私の持論です。

失敗こそ、人生で何よりも価値ある教訓を得るためのチャンスなのです。

 

前回の記事も、大勢の人が共感してくれたようです。

さらに、講演でこの話をしていたときにも、こんな質問を受けるまでになりました。

 

どうやって「正しく」失敗したらいいんですか?

 

最初のうち、私はからかわれているのだろうか、ととまどっていました。

けれどもじきに、その人たちは本気なのだ、とわかったのです。

 

でも、失敗に、正しいやり方とまちがったやり方がある?

そんなこと、聞いたことがありますか?

そんな観点から「失敗」にアプローチした本もないのではないでしょうか。

私はそのことについて考えるようになりました。

 

Photo:State of Grace By:CarbonNYC

 

 大切なのは、立ち直ること

 

失敗は、大切なことです。

けれども、もっと大切なのは、そこから立ち直ることです。

「正しい」失敗とは、

結局は、どうやって立ち直るか、

どうやって自分の足でふたたび立ち上がるか、ということなのです。

 

学ぶこと。

適応すること。

進化すること。

自分が優位にたてるようなはずみを利用すること。

前進すること。

 

間違った失敗とは、解決できない問題にとらわれることです。

ものごとを修正しようとしてエネルギーを浪費し、

決して見つからないリセットボタンを探すことです。

 

Photo:Nuvem By:GraceOda

 

 早く立ち直る

 

うまく失敗することのカギになるのは、

「すばやく」立ち直ることだと、私自身は確信しています。

 

その方法は、人によって異なるでしょう。

個人的には、ひとりになる時間が必要だと感じています。

短ければ短いほど、良いのです。

そうすれば、平常心を失わないですみます。

 

自分のことを考えて、悲しい気分になり、

悲嘆に暮れる数時間が必要です。

これが「底」に早く達する、私にとって最適な方法なのです。

 

「平常通り」仕事をこなし、私は大丈夫、という顔でオフィスにとどまっても、

あまりよいことはありません。

 

そうしていると、立ち直るまでにもっと多くの時間とエネルギーを消費することになるのです。

その代わり、私は家に帰って閉じこもるか、走りに行くかします。

それが私にとっては、よく考え、すばやく立ち直るのに、

もっとも良い方法なのです。

 

しかもそうしていれば、関係者に向かって、

後日、後悔するようなことを言わないですみます。

 

これが、実際に効果のある私のやり方です。

2,3時間で立ち直ることもあれば、もっと時間がかかることもありますが。

けれどもその日のうちに、わたしは元に戻り、すぐに自分の足で立っています。

生まれ変わり、

いつでもエンジン全開にできる、という準備をして。

 

Photo:1 2 3 (4) 5 6 By:GraceOda

 

 自分なりの立ち直り方を

 

もし私のアドバイスが必要なら。

自分が早く立ち直れる、自分に合った方法を見つけてください。

その方法を使って、ふたたび自分の強さを取り戻してください。

これに対する、あなたの意見を楽しみにしています!

 

 

 

 

関連記事:「失敗しない者は何も学べない」

著者:インゲ・ギーデンス(ベルギー起業家・スピーカー)


元記事:http://bit.ly/1KVhRAr

(翻訳:服部聡子)

 

 

失敗しない者は何も学べない

by インゲ・ギーデンス

 

先日、私はベルギーのヘントで行われたアイマインズの

「フェイル・カンファレンス(失敗協議会)」に、 講演者として招かれました。

 

そのタイトルに反して、失敗に焦点をあてたカンファレンスは、

大きな成功をおさめていることがわかりました。

 

私たちの国、ベルギーでは、失敗はタブーです。 とりわけ、ビジネスにおいては。

 

倒産などということは、起こりうる限り、最悪のことです。

 

ほぼ確実に、「失敗」の烙印が職業上の経歴を損ない、 人間関係にまで、ひびを入れてしまいます。

 

負債を完済するまでは、新規事業の資金を借りるどころか、

セカンドチャンスを手に入れるのも、ほとんど不可能です。

 

ベルギーでは、ブラックリストは深刻なものだし、 人の間を行き交ううわさは、重要な情報チャンネル。

起業家は、いともたやすく打ちのめされてしまいます。

 

ですから、講演者としてアイマインズの招待を受けたとき、

少々不安になったことを認めなければなりません。

 

私が「失敗の専門家」とみなされるにちがいない、と思ったからです。

 

でも、そのカンファレンスの趣旨には賛同していましたし、 私もできるだけのことをやりました。

ステージ上でも、それ以外のときも、そのイベントを、心から楽しんだのです。

 

 「失敗」 は大切なこと

 

実のところ、私は「失敗」という言葉が大きらいです。

職場での「罪悪感」や「過失」や「非難」という言葉がきらいなのと同じくらい。

 

Photo:Layback failure By:Bryce Bradford

 

けれども、「失敗しなければ何も学べない」ことも学んできました。

そうして私は、実に多くのことを「学んで」きたのです……。

 

ですから、もしあなたが何か失敗したとしても、私に「ごめんなさい」とわざわざ言う必要はありません。

それより、あなたが何を学んだかを聞きたいのです。

私自身、しょっちゅう「失敗」しています。

それでも私は自分ができるだけのことはやった、と確信しています。

だから、自分を責めたりしませんし、他の誰かを非難したりもしません。

 

その代わり、先に進みます。

あるいは、最初に戻ります。

もう一度やってみて、自分が学んだことを忘れないようにします。

 

トーマス・エジソンは、そのことをもっとうまく言っています。

 

人生に失敗した人の多くは、 諦めたときに

自分がどれほど成功に近づいていたか 気づかなかった人たちだ。

 

最近、あなは何か、失敗から「学び」ましたか?

もちろん私は学びましたよ。

 

カンファレンスに出席したことで、こんな記事が書けて、

おかげで私の学習曲線はまた一段階上がりました。

 

(引き続き「正しく失敗するには」をお届けします)

 

著者:インゲ・ギーデンス(ベルギー起業家・スピーカー)


元記事:http://bit.ly/1KEfVYE

(翻訳:服部聡子)

 

本:『大胆であれ』

 

Bold: How to Go Big, Create Wealth and Impact the World

『大胆であれ:成功し、富を築き、世界に影響を与える方法』

  著者 ピーター・H・ディアマンディス

 

ニューヨークタイムズ・ベストセラー『楽観主義者の未来予測』の共著者、

ピーター・ディアマンディスの待望の新作です。

この『 Bold (大胆であれ)』は、

進歩が速まる一方のテクノロジーや、

常識を打ち破る思考、

クラウドパワー・ツールを使って、

莫大な富を産み出し、

数十億もの人々にインパクトを与えたい人に向けた、

ラディカルなガイドブックです。

 

『大胆であること』は、3つの部分から成り立っています。

 

第1部は、飛躍的な成長を続けるテクノロジーに焦点が当てられています。

 

今日の速まる一方の技術は、

フォーチュンの世界企業500社に選ばれるような大企業を混乱させる一方、

「アイデアがあります」という起業家を、

「10億ドルの会社を経営しています」と言うようになるまでに押し上げることを

可能にしています。

著者が取り上げるのは、今日の3Dプリンターや人工知能、ロボット工学、

ネットワークとセンサー、合成生物学などが持つ力。

ディアマンディスは、それに対して、卓越した洞察力を示していきます。

 

第2部でスポットが当てられているのは、心理学から見た「大胆さ」についてです。

 

億万長者となった起業家の、ラリー・ペイジ、イーロン・ムスク、

リチャード・ブランソン、ジェフ・ベゾスの行動の動機について、描かれていきます。

 

さらに、ディアマンディスはこれまでに、

シリコンバレーを拠点とするユニークな教育機関、シンギュラリティ・ユニバーシティ、

Xプライズ財団、プラネタリー・リソーシズ、法人ヒューマン・ロンジェビティ

など15の起業をおこなっていますが、その経験を通じて得た

起業家としての秘訣を明らかにしていきます。

 

第3部で取り上げるのは、社会資本についてです。

 

今日、誰もが、ますます緊密に結びつく人間の集団に大きな影響を及ぼす

チャンスがあります。

ここで著者は、インセンティブ競争や、百万ドルのクラウドファンディングの立ち上げを

企画する方法を教えてくれます。

 

そうして最後に描かれるのは、コミュニティをいかに作るか、ということです。

 

急速に伸びていく集団は、自ら進んで参加する人々を生み、

今日の起業家が思い描く、大胆な夢を実現するのを助けていく、

とディアマンディスは語ります。

 

『大胆であれ』は、マニフェストであり、マニュアルでもあります。

今日の指数関数的に増加する起業家にとって、新しく登場した技術を利用するための

頼りになるリソースであり、思考を測るものであり、

人々の集団の持つすさまじい力を明らかにした書です。

 


元記事:http://amzn.to/1DR9ek2

(翻訳:服部聡子)

ビジュアルシンキング 10と1/2の戒律

by ダン・ローム

 

ビジネスにおける問題解決の未来は、ビジュアルシンキングにあります。

 

ビジュアルシンキングとは、 私たちが生まれながらにして持っている、

目と心の眼を通してものを見るという能力を活用して、

表面には現れてこないアイデアに光を当てるものです。

 

? さらに、そのアイデアを直観的に引き出し、ほかの人にも

簡単に理解してもらえるような方法でシェアするものなのです。

 

誰もが知っているように、 実はビジュアルシンキングは少しも「新しい」ものではありません。

人間が大昔、進化の過程で言葉を介したコミュニケーションを おこなうようになる以前から、

問題解決のために使っていた道具です。

 

さらに、私たちが読み書きできるようになる前、 幼稚園児のころから培われてきた、

自分の考えをたどり、説明する能力です。

 

グローバル化した流通ネットワークと、新興市場の登場によって 世界はフラット化し、

情報過剰が通常の状態となり、 コミュニケーションチャンネルは増殖を重ねる・・・。

 

そんな中にあっては、問題解決は複雑さを増していくばかり。

 

言葉を換えれば、かつてないほどに多くのデータが、 さまざまな形と言語で存在し、

ビジネスパーソンが正しく決定し、 自分の考えを伝えなければならない必要性は

これまでにないほど高まっているといえます。

 

ビジネスパーソンとして、ふたたび視覚的な技能に親しむこと、

すなわち、 複雑な情報を見て、現れてくる重要なパターンを見抜き、

新しい可能性を描き出し、 そうした発見を他者に見せる能力を養っていくことは、

もっとも価値あるスキルとなりつつあります。

 

WHAT TO DO WHEN WORDS DON’T WORK

 

 ”BLAH BLAH BLAH:

 WHAT TO DO WHEN WORDS DON’T WORK”

(『言葉が役に立たないときはどうしたらいいか』)

 

の中で私は、

ビジネスパーソンが自分の目を使って考えることで、

 どのように複雑な問題を解決したか

という例をいくつもあげていきました。

 

 

もっと大切なのは、この中で紹介した4つの基本的なビジュアルシンキングのツールです。

これを使えばいつでも誰でもどんな問題にでも対処できるのです。

 

私は本をできるだけ「ハウツー」に絞りたかったので、

一番好きな章を削除することに決めました。

 

その章を、あらためて 『ビジュアルシンキング 10と1/2の戒律』とタイトルをつけて公開できることを、

私はうれしく思っています。

 

みなさんにとって役に立つもの、 そうして目覚めをうながすものであってほしいと願っています。

 

 

1. 図にすればどんな問題も解くことができる

 

 

 

戦略上の問題、財政上の問題、営業上、個人的、感情的な問題…。

直面する問題の性質がどんなものであろうと、

私たちがそれをイメージし、図に描けさえすれば、 問題はたいしたものとはなりません。

 

図にしてみれば、それまで気がつかずにいた側面や、 解決できるかもしれない方策が浮かび上がってきます。

 

図解は、どんなときでもやってみる価値があります。

たとえ情況が最悪で、はっきりとした解決策が見えてくることはないようなときでも、

自分たちを取り巻く情はが、それまでよりもずっと鮮明になっていることでしょう。

 

2. 誰もが「図なんて描けないよ、でも…」と言いながら始めている

 

 

図なんて描けないよ、と思うのは、あなた一人ではありません。

今日では、自分に図が描けると考えている集団は、

唯一、幼稚園に存在するだけです。

 

ちょっと待って…。でも、あなたもかつては幼稚園児ではありませんでしたか?

実は、私たちはみな、 生まれながらにしてすぐれたビジュアルシンキングの資質を備えているのです。

 

つまずいたりしないで部屋に入ってこれるくらいの視力があるなら、

図解しながら問題を解決していくには十分の視覚的センスはあります。

 

 

3. テーブルリネンには描かない(笑)

 

「ナプキンに描く」ことの本質は、 いつ思っていることを視覚的に明らかにしたくなるか、

決して予想がつかない、という点にあります。

ペーパーナプキンならどんな問題でも描きつけることができます。

だからこそ、カフェやバーは、人とアイデアを共有できるすばらしい場所なのです。

 

けれども、リネンのナプキンが出てくるしかるべき場所にいるのなら、

JKM(J=自分の、K=紙を、M=持ってくる)が必要となるでしょう。

 

ベストな教訓:メモ帳とペンをいつも持っておく。

(*ヒント:立派なレストランならウェイターはいつも喜んでペンを貸してくれるでしょう。

ちゃんと返すことをお忘れなく)

 

4. 最初にマルを描いて名前をつける

 

最初のひと筆が何よりむずかしい…なんてことは、夢にも思わないで。

紙の真ん中にマルを描いて、心に浮かんだ最初のものの名を書けばいいのです。

「自分」「あなた」「彼ら」

「今日」「昨日」「明日」

「利益」「損失」「自社製品」

「我が社」「競争相手」

「地球」「天気」……

何でもかまいません。

 

この段階では何から始めようがたいしたことではありません。

大切なのはあなたが始める、ということです。

 

 

5.「基本6タイプ」から最適なものを選ぶ

 

ひとたび最初のマルを描いたなら、 あとはもうそのマルが、私たちが解決すべき問題を

もっともよくサポートしてくれる「基本6タイプ」のどれに当てはまるのか、

選んでいくだけでいいのです。

 

A. 問題が「誰が」もしくは「何が」ということに関するときのイラスト

B. 問題が「どれほどの」ということに関するときのグラフ

C. 問題が「どこの」ということに関するときの地図

D. 問題が「いつの」ということに関するときのタイムライン

E. 問題が「どうするか」ということに関するときのフローチャート

F. 問題が「なぜ」ということに関するときの多変数(※注)グラフ

 

これらの6つのタイプは、どんな問題も解決できる図の基本的な枠組みです。

 

(※訳注) 多変数グラフとは、ダン・ロームの編み出した パワーポイント用のグラフである。

縦軸に平均寿命、横軸に一人当たりの収入、 グラフに示される折れ線の代わりに丸いバブルが人口を表し、

アニメーションによって時間の推移が示される。

 

6. あらゆるものを擬人化する

 

人間は人間に反応します

 

ラフスケッチであっても、棒人間に顔がついたようなものでも、

あっという間に注意や理解や反応を引き出すことができます。

 

因果関係と量を示すものであろうが、 あるポイントを強調するためものであろうが、

単にどのくらいの規模かを示すためだけであっても、 人を描くことによって人を引きつけるのです

(同様に、手描きのスケッチがセールスと コミュニケーションの面できわめて強い力を発揮するのも、

目の前の棒人間が、完璧とは程遠いからです。

「完成途上」に見えるからこそ、見る側に、参加して手伝ってください、

と呼びかけられているような気持ちを起こさせるのです)。

 

7. 脳のあらゆるトリガーを活用する(別名「認知以前」の属性を利用する)

 

7

▲どちらが上か(左)、この上を歩いてはいけないのがどこか(中央)、どちらが食べられる生き物か(右)

人間は瞬間的に認知できる

 

人間の精神は、たとえ「見た」と意識されていなくても、

目に入るさまざまなシグナルを 即座に処理するための進化を重ねてきました。

だからこそ「認知以前」という言葉があるのです。

 

人間はものごとについて、考え始めるよりずっと前に、

大きさ、形、向き、位置、形状の意味を認識し、判断し、

さらにそれらの特色を結びつけたり、ちがいを識別したりしています。

 

私たちは、ものごとの基本的な性質を処理する 「高レベル」認知サイクルをまったくムダにしていません。

ですから、情報が多ければ多いほど、私たちの 「もっと深い意味を知りたい」という意識が

いきいきと動き出すのです。

 

8. しゃべりながら描き、消すときはもっと大きな声で消す

 

 

昔の人は 「一枚の絵は千語に匹敵する(百聞は一見にしかず)」と 言いましたが、

それを言った誰かのおかげで、 私たちの絵に対する理解はすっかりねじ曲げられてしまっています。

 

良い絵のポイントは、言葉を排除するところにあるのではなく、

私たちがおびただしい言葉で言いあらわそうとすることがらを、

たった一枚の絵で置き換えることができるということなのです

(組み合わせや位置、比率、性質や量を言葉で説明するよりも、

図にすれば、意味するところをはるかに短時間で示すことができます)。

 

ですから、図を描くときはかならず説明を心がけてください。

たとえ自分の頭を整理するためであっても。

 

この箇所は何を意味しているのか、どうして自分はこれらを描いているのか、

どこに自分はいるのか、などなど。

 

たとえそれが意識の流れに浮かぶ泡でも、 図の中に現れ、位置づけられれば、そこで意味を成します。

何かがおかしいと思ったら、それも言葉にしながら消してしまうのです。

創造することと語ることを同時に進めていくことで、魔法が生まれるのです。

 

 

9. 別世界にあるものを描かず、いま、ここにあるものを描く

(別名 空はわざわざ「青くない」と言わない限りは青いもの)

 

私たちの誰もが、ものごとの「本当の姿」について 独自の考えをもっていますが、

誰もほんとうのことは知りません。

問題解決のために図解することの本質は、偉大な芸術に寄与することではありません。

 

私たちは「向こう側の世界」(真の世界)ではものごとがどう見えるかを、

明らかにしようとしているのではなく、

「いまここ」でものごとがどう見えているのか

(私たちがそれを自分の頭の中でどう見ているか)を描き出すのです。

 

人間の脳は、問題解決のためのすばらしい装置です。

たいていのとき、私たちはすでに問題の解決法を知っています

 

多くの場合、以前どこかで経験したからなのですが、 それが何かを理解する前に、

どこかにしまいこんでしまったのです。

自分の問題が、目の前で図となって展開されるうち、 解決がページの外に飛び出すこともよくあることです。

 

その図がどんなふうに見えるか気にするのはやめて、 図が示すものに意識を集中させてください。

 

 

10. 結論を描いて引き出す

 

図を描くという単純な行為は、 視覚を用いた問題解決の中で、最も重要な部分です。

描き出すことによって、私たちはものごとをじっくりと見るようになり、

全体を眺めるようになり、想像できるようになり、

ペンを取る前はどこかに潜んでいたアイデアを、 明らかにできるようになります。

 

つまり、何か新しいものが出現しようとしているところに、 私たちの図を連れて行くことは、

十分に価値あることなのです。

 

もうおしまいだ、と思ったら、 もう一度、 タイトルを、結論を、考えを、

コメントを書くために ペンを取り上げてください。

あなたのビジュアルシンキング・マッスルを 最後の一滴まで絞り出せば、

かならずや「ユウレカ!(わかった)」の声が出て来ることでしょう。

 

 

10.5 ウソはつかない(自分に、相手に、何よりも自分の絵に)

 

絵というのは強力なものです。

というのも、イメージを処理する脳の活動は、

言葉だけのときよりはるかに脳の奥深くに関わっていくので、

私たちは自分の見たものを信じる傾向があるからです。

 

しかも目で見た映像は、耳で聞くだけより、はるかに脳内に定着します。

どんな問題も図で描くことで解決ができる反面、

まちがった図は、事態をいっそう悪くもします。

 

ですから、図を描き終わったら、 最初に戻ってもういちど見直してみてください。

自分が誤解したまま描いたせいで、

図解の持つ素晴らしい働きを引き出していないのではないか、

と確かめるためだけでも。

 

 

著者:ダン・ローム (著述家、Napkin Academy主催)


元記事:http://www.theartof.com/articles/the-ten-and-a-half-commandments-of-visual-thinking

(翻訳:服部聡子)