失敗しない者は何も学べない
by インゲ・ギーデンス
先日、私はベルギーのヘントで行われたアイマインズの
「フェイル・カンファレンス(失敗協議会)」に、 講演者として招かれました。
そのタイトルに反して、失敗に焦点をあてたカンファレンスは、
大きな成功をおさめていることがわかりました。
私たちの国、ベルギーでは、失敗はタブーです。 とりわけ、ビジネスにおいては。
倒産などということは、起こりうる限り、最悪のことです。
ほぼ確実に、「失敗」の烙印が職業上の経歴を損ない、 人間関係にまで、ひびを入れてしまいます。
負債を完済するまでは、新規事業の資金を借りるどころか、
セカンドチャンスを手に入れるのも、ほとんど不可能です。
ベルギーでは、ブラックリストは深刻なものだし、 人の間を行き交ううわさは、重要な情報チャンネル。
起業家は、いともたやすく打ちのめされてしまいます。
ですから、講演者としてアイマインズの招待を受けたとき、
少々不安になったことを認めなければなりません。
私が「失敗の専門家」とみなされるにちがいない、と思ったからです。
でも、そのカンファレンスの趣旨には賛同していましたし、 私もできるだけのことをやりました。
ステージ上でも、それ以外のときも、そのイベントを、心から楽しんだのです。
「失敗」 は大切なこと
実のところ、私は「失敗」という言葉が大きらいです。
職場での「罪悪感」や「過失」や「非難」という言葉がきらいなのと同じくらい。
けれども、「失敗しなければ何も学べない」ことも学んできました。
そうして私は、実に多くのことを「学んで」きたのです……。
ですから、もしあなたが何か失敗したとしても、私に「ごめんなさい」とわざわざ言う必要はありません。
それより、あなたが何を学んだかを聞きたいのです。
私自身、しょっちゅう「失敗」しています。
それでも私は自分ができるだけのことはやった、と確信しています。
だから、自分を責めたりしませんし、他の誰かを非難したりもしません。
その代わり、先に進みます。
あるいは、最初に戻ります。
もう一度やってみて、自分が学んだことを忘れないようにします。
トーマス・エジソンは、そのことをもっとうまく言っています。
人生に失敗した人の多くは、 諦めたときに
自分がどれほど成功に近づいていたか 気づかなかった人たちだ。
最近、あなは何か、失敗から「学び」ましたか?
もちろん私は学びましたよ。
カンファレンスに出席したことで、こんな記事が書けて、
おかげで私の学習曲線はまた一段階上がりました。
(引き続き「正しく失敗するには」をお届けします)
著者:インゲ・ギーデンス(ベルギー起業家・スピーカー)
(翻訳:服部聡子)