「正しく」 失敗するために
by インゲ・ギーデンス
私はこれまで失敗の大切さについて、何度も書いたり、話したりしてきました。
人は、折々の失敗を経ないまま、成功することはできない
というのが私の持論です。
失敗こそ、人生で何よりも価値ある教訓を得るためのチャンスなのです。
前回の記事も、大勢の人が共感してくれたようです。
さらに、講演でこの話をしていたときにも、こんな質問を受けるまでになりました。
どうやって「正しく」失敗したらいいんですか?
最初のうち、私はからかわれているのだろうか、ととまどっていました。
けれどもじきに、その人たちは本気なのだ、とわかったのです。
でも、失敗に、正しいやり方とまちがったやり方がある?
そんなこと、聞いたことがありますか?
そんな観点から「失敗」にアプローチした本もないのではないでしょうか。
私はそのことについて考えるようになりました。
大切なのは、立ち直ること
失敗は、大切なことです。
けれども、もっと大切なのは、そこから立ち直ることです。
「正しい」失敗とは、
結局は、どうやって立ち直るか、
どうやって自分の足でふたたび立ち上がるか、ということなのです。
学ぶこと。
適応すること。
進化すること。
自分が優位にたてるようなはずみを利用すること。
前進すること。
間違った失敗とは、解決できない問題にとらわれることです。
ものごとを修正しようとしてエネルギーを浪費し、
決して見つからないリセットボタンを探すことです。
早く立ち直る
うまく失敗することのカギになるのは、
「すばやく」立ち直ることだと、私自身は確信しています。
その方法は、人によって異なるでしょう。
個人的には、ひとりになる時間が必要だと感じています。
短ければ短いほど、良いのです。
そうすれば、平常心を失わないですみます。
自分のことを考えて、悲しい気分になり、
悲嘆に暮れる数時間が必要です。
これが「底」に早く達する、私にとって最適な方法なのです。
「平常通り」仕事をこなし、私は大丈夫、という顔でオフィスにとどまっても、
あまりよいことはありません。
そうしていると、立ち直るまでにもっと多くの時間とエネルギーを消費することになるのです。
その代わり、私は家に帰って閉じこもるか、走りに行くかします。
それが私にとっては、よく考え、すばやく立ち直るのに、
もっとも良い方法なのです。
しかもそうしていれば、関係者に向かって、
後日、後悔するようなことを言わないですみます。
これが、実際に効果のある私のやり方です。
2,3時間で立ち直ることもあれば、もっと時間がかかることもありますが。
けれどもその日のうちに、わたしは元に戻り、すぐに自分の足で立っています。
生まれ変わり、
いつでもエンジン全開にできる、という準備をして。
自分なりの立ち直り方を
もし私のアドバイスが必要なら。
自分が早く立ち直れる、自分に合った方法を見つけてください。
その方法を使って、ふたたび自分の強さを取り戻してください。
これに対する、あなたの意見を楽しみにしています!
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著者:インゲ・ギーデンス(ベルギー起業家・スピーカー)
(翻訳:服部聡子)