起業適性テスト

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日本の「おもてなし」のウソ 本当の気遣いを見せる集客とは?

こんにちは、トイアンナです。
2020年東京オリンピック関連のニュースも増える昨今、外国人観光客も増加しています。2013年に1036万人だった訪日外国人観光客が、なんと2016年には2404万人。わずか3年で倍以上の外国人観光客が日本へ押し寄せているのです。

外国人観光客が増えて影響を受けるのはホテルや遊園地など観光に直結している産業だけではありません。エステサロンや飲食店など「旅行中に使いたくなる関連施設」から、いざというときの病院や歯科医院も多言語の対応を迫られるでしょう。さらには観光をきっかけにビジネスチャンスを見出した外国人パートナーとの取引もありえます。ですから誰にとっても外国人観光客増加は他人事ではないのです。

そこで今回はそのチャンスを逃さない方法を再考してみましょう。

「お・も・て・な・し」は本当に意味があるのか?

ここで少しさかのぼって、オリンピック招致が決まった瞬間を思い出してください。当時の映像で私たちが必ず思い出すのは「お・も・て・な・し」と滝川クリステルさんがスピーチする場面でしょう。

確かに細やかな気を遣ってくださる日本のサービスは素晴らしい……と語る滝川クリステルさんのスピーチ。しかし現実は相反します。融通がきかない、杓子定規だと外国人から不評も多いのが日本のサービスなのです。

たとえば京都では市内観光バスがすし詰めとなってしまい急遽値上げに踏み切るなど観光客増に追いつけない受け入れ態勢が課題となっています。

以前の連載でも申し上げましたが、日本には富裕層向けサービスが不足しています。そのせいで富裕層が訪問したくても高級ホテルの数が「ベトナム並」しかないからと、訪問自体が白紙になるケースも報告されています。

また、いまだに英語への苦手意識からお客様を受け入れない方も多いのではないでしょうか。簡単な相談をしているのに「ノーイングリッシュ、ノーイングリッシュ!」とかわされてしまうことで、外国人も敬遠してしまうことが少なくありません。

「嫌なら来るな」と突っぱねるのは簡単ですが、外国人観光客を誘致したのは外ならぬ日本です。宣伝しておきながらいざ訪れたら冷たい対応をされる国との悪評が広まってしまえば「日本嫌い」の外国人が増えるリスクもはらんでいます。

実はこの兆候、すでにデータでも表れています。先述のとおり日本を訪れる観光客は増えたにもかかわらず、訪日客が使った金額は6.7%減となっているのです。

その背景には東京、京都など有名都市へ観光客が集中してしまい、すし詰め状態で観光客の満足度も下がっているようすがうかがえます。せっかくお金を使いに観光客が押し寄せているのに、魅力的な使い道を私たちが提案できていないのです。

地方への誘致は、バス1本でできる

さて、この記事をご覧になっている方には地方にお住まいの方も多いでしょう。そして日本の良いところは地方ごとに特色が強い点でもあります。世界のどこを見渡しても、スキーとビーチリゾートが両立しうる国はさほどありません。北海道でスキーを楽しんでから沖縄で海遊びなど、四季の違いを数日間で味わえるのは大きな魅力です。

さらに地方ごとに文化、言語、食べ物が違うのも魅力的です。都内から少し足を延ばすだけでも長野や仙台、鎌倉、日光など色とりどりの文化を体験できる環境が整っています。

しかし日本に足りないのは「簡単な交通手段」です。

都心へ上京された方なら誰しも、新宿や渋谷駅の複雑さに舌を巻いたことがあるでしょう。
出口の数は無限、複雑な矢印の案内図にくらくらします。東京住まいが10年弱となる私も、いまだに新宿からバスに乗らねばならないときはハラハラします。

そもそも電車の出口にたどりつけるのか、バスターミナルにたどり着いたところで難十か所もある中から正しいバス停へたどり着けるか。日本語でもわかりづらい表示のバス停一覧。英語表記も容易に見つかりません。

しかしもし、わかりやすい駅から近隣都市へ出られるバスが1本出ていたらいかがでしょうか。そしてバスに乗るだけで、その土地の良さを味わえるツアーが外国人向けに存在していたら?

地域の「熱愛なファンになる」ターゲットを考えよう

すでに熱海や箱根などの有名観光地はこの手段を取っていますが、まだまだ外国人向けの簡単なツアーは発掘されていません。

また「グルメ」「歴史」といったおおざっぱなツアーではなく廃墟巡りやアニメの聖地巡礼、伝統工芸の1日体験など特定の地域だからこそつかめるニーズは眠ったままです。多くの観光客は見向きもしないけれど、特定の層にだけ強く刺さる観光スポットさえあれば地方にとってはうれしい収入源となります。

おおざっぱに「外国人向け」を考えるよりも「イスラム教徒が感動するハラール(教徒に許された食事)を精進料理で提供できる」「地域に縁切り寺が多く、失恋した人ならきっとめぐりたくなる」といった、「熱烈なファンを獲得できそうな長所」を地域のみなさまと一緒に考えてみてください。


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

今の仕事をやめて起業する前に問うべき質問

フルタイムの仕事という安定を捨てて起業することは、危険が伴うことであり、多くのストレスがかかるものです。その大きな一歩を踏み出すにはいつが最適なのか、どうすればわかるでしょうか?今の仕事をやめる前に問うべき質問を、以下にあげます。

1. 現在の仕事がただつらい(不満、つまらない)だけではありませんか?
現在の職務に対して不満があるという理由だけで、起業したいと思う人がいます。綿密なビジネス・プランを立てることで、一時的な感情に任せた決断を避けることができます。今の仕事をやめたいという気持ちに加えて、成功する見込みのあるビジネス・アイデアと、マーケティングと経営に関する良いプランがなくてはなりません。計画を立案するときは、今の仕事と収入をできる限り長く維持しましょう。

2. 複数の役割を進んで果たすことができますか?
ビジネスを始めるということは、いくつもの帽子をかぶるようなものです。あるときは技術担当者、あるときは販売員、あるときは清掃スタッフとなるのです。ですから、今の仕事をやめる前に、「私は、マーケティングからメンテナンスまで、さまざまな役割を果たすことに対して不満を抱かないだろうか」と問うことが必要です。

3. あなたの強みと弱みは何ですか?
複数の役割を考慮するとき、自分の得意なこととそうでないこと(改善・向上させるべきこと)について、自分に正直になりましょう。プログラミングのスキルを強化すべきなら、そのスキルを持つ人を探してパートナーになってもらいましょう。

将来のお客様や競合は誰でしょうか?あなたが考えているビジネスのコンセプトに関わる市場について、すべてテストをすることはできないかもしれませんが、少なくとも、お客様は誰か、どんな競合がいるのか、理解しておくべきです。

4. あなたをサポートしてくれる人たちも乗車していますか?
起業へとスムーズに転換していくために、起業のプランを家族に伝えるべきです。ビジネスを始めるにあたって必要とされる代償や妥協も含めて、家族は応援してくれるでしょうか?起業のリスクについて、はっきりと話しましょう。ある人が起業をすると、その人の家族も何らかの影響を受けるからです。家族をはじめ、あなたをサポートしてくれる人たちが自分のアイデアを支援したがらないという場合は、今の仕事をやめることは考え直したほうがよいかもしれません。

5. バックアップがありますか?
起業する前に代案を用意しておけば、無防備なところを不意に襲われずに済むかもしれません。一時的にお金が必要なときに、パートタイムで何か仕事をすることができますか?または、フルタイムの仕事を新たに始めて、起業プランは保留にしておくことになるでしょうか?リクルーターや現在の(または過去の)雇用主などと関係を築いておきましょう。

6. 取り返しのつかない状況を避けるためには、どうすればよいでしょうか?
今の仕事をやめると決心した場合、その雇用主もあなたの起業を助けてくれるかもしれない、ということを覚えておいてください。突然退職するのではなく、良い関係のまま退職する方法を見つけましょう。


(出典: Dizik, Alina. “10 Questions to Ask Before Quitting Your Job to Start a Business.” Entrepreneur Magazine. March 13, 2013.)


弊社ビジネスクラブのメンバー様向けに、起業適正検査用の質問用紙もご用意しております。クラブに参加を希望される方は、こちらまでお問い合わせくださいませ。

(翻訳:渡部真紀子)

シャネルに学ぶ「度肝を抜くマーケティング・イベント」の考え方

こんにちは、トイアンナです。
シャネル、Dior、エルメス……。ランウェイをさっそうと歩く、ハイブランドたちは「伝統的な顧客を守りつつ、革新的なファッションを発表せねばならない」ジレンマと常に戦います。

伝統と革新は相反する概念ですから、たとえるなら「最高級フレンチのジャンクフード」「手術をしない抜歯」を求めるようなものです。私がもしクライアントから両立した企画を作るよう依頼を受けたら「それで、本当はどっちを優先されたいですか?」と質問してしまうかもしれません。

しかし、本来ありえない真逆の要求を両立させる気概があるからこそ、ハイブランドは優れたマーケティングが生まれる源泉でもあります。今期のシャネルはその好例でした。

シャネルのエッフェル塔を再現した「度肝の抜き方」

シャネルは今期、展示会場内にエッフェル塔を屋内に再現するというまさに度肝を抜くマーケティングを実現しました。パリの大規模展示会場「グランパレ」のガラス張りになった屋内に、高さ50mのエッフェル塔がドライアイスに包まれて登場。エッフェル塔付近にあるキオスクまで再現するというこだわりが魔法のような演出を実現し、新聞を始め取材を大量に獲得しました。

「そんなこと言ったって、大企業の新作発表なのだからPRで掲載されるのは当たり前」と思われるかもしれません。しかしファッションの世界は新商品、コレクション発表、アンバサダーの露出、期間限定ショップ開設などPR企画が月に1回以上発生します。

自社で乱立するイベントのすべてを報道してもらうのは不可能なうえ、ファッション業界には競合も大量に存在しています。エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオール……。ファッション業界はどこも豊富な資金でPRイベントを打ってくるため、単なる「何かを開催します」では取材をしてもらえないレッド・オーシャンです。したがってPR担当者は「伝統の範囲内で最大限革新的な」という難しい課題をクリアし、度肝を抜くことが求められます。

実はローコストでもあるイベント

そしてシャネルのPRイベントには、中小企業だからこそ学びにつながる特徴が1点あります。

実はラグジュアリー業界を俯瞰してみると、世界3グループが大手ブランドをほぼ独占していることがわかります。ルイ・ヴィトンやDior、セリーヌなどを抱えるLVMHグループを筆頭に、世界のほとんどの有名ブランドは3社が独占しているのです。

大手グループはブランドごとの協働イベントも行えるうえ、予算を他ブランドから回すこともでき大変有利です。一方、シャネルは単独のメゾン。他のブランドから利益を回すことができないためイベント予算は限られていたはずです。

こんな「誰も考えたことのない」マーケティング戦略でありながら、エッフェル塔の制作は獲得した取材の量に比してローコストでもあったでしょう。今回の企画は同じ露出を獲得できるほどの広告出稿に比してローコストでありながら、爆発的な成果を出せたと言えるでしょう。このように広告を出すのと比較しても、コストパフォーマンスが高いのがPRの特徴です。

やみくもな広告出稿は「安っぽさ」を出してしまう

さらにシャネルのようなハイブランドは「広告ではなくPRで認知度アップを図る」必要が特にある業界です。安い商品はテレビCMを大量に打ちさえすれば力技で認知度を獲得できますが、シャネルのようなハイブランドが同じ戦略をとると「安っぽい」と思われてしまうからです。

一部雑誌社への広告出稿、銀座のど真ん中に位置する直営店舗などを除くと、高級イメージを維持したまま知名度を上げられる手法は限られています。その中でも今回のシャネルが実施したPRイベントは大成功を収めました。

たとえばあなたが自社製品を高級だと思ってもらいたいなら、闇雲な広告出稿へは1度「待った」をかけてください。その広告が目に触れる場所で、他社はどんな広告を出しているでしょうか。露出さえ増やせば「誰かの目に映る回数」は増えますが、果たしてその相手は自社製品を購入してくれる可能性が少しでもありそうでしょうか? 単に近くへ住んでいる、性別や年代が合っているだけでなく所得やラグジュアリー感も同じでしょうか?

お金さえあれば1日に1度、全国民の目に触れる広告を出すことも不可能ではありません。しかしそれだとコスト以前に「大衆っぽさ」「安っぽさ」を出してしまうリスクをはらんでいます。会員制のバー、富裕層向けの歯科医院、ラグジュアリーなエステサロンなど、高級感を醸し出す必要がある製品やサービスを届けるなら、広告よりもPRが適していると言えるでしょう。

PRで取材を獲得できるかどうかは、当日にならねばわかりません。当日芸能人のスキャンダルや災害があれば、取材も立ち消えになるバクチ要素を秘めているからです。それでも取材を獲得し、安定的に知名度を上げる素晴らしいPRイベントには「伝統と斬新」を両立させる優れたアイディアと、賢いコスト感覚の2点が内包されているのです。


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

「守破離」の変化

ビジネスでも趣味であっても、あらゆる物事の「学び」の過程にはパターンがあり、「守破離」が大切と言われてきました。

ウィキペディアによると以下のように解説されています:

個人のスキル(作業遂行能力)をレベルで表しているため、茶道、武道、芸術等だけでなく、スポーツ、仕事、勉強、遊び等々、世の中の全ての作業において、以下のように当てはめることができる。

・守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 ~ 自律的に作業を遂行できる(1人前)。

・破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。

・離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。

ーーーーーーーーーー

「守」をいつまでも強要する経営者や先生

 

確かに、型を学ぶ時期は大切です。基本がわかっているか、わかっていないかは、後々のアレンジや創造性に大きく影響して来ます。ですので、昔は「石の上にも三年」と、一通りの技術を覚えるまでには、三年は辛抱しろと言われました。

ところが、時代は変わりました。あらゆる知識や知恵が、ググり方が上手ければ(ここはちょっと知性が必要)、瞬時に手に入ります。その「知識」を「使える技術」にまで持ち上げるには、それなりに経験値が必要だとは思いますが、それにしても、若者たちは、そのスピード感で生きているということです。

まだ経営者の中には、下積みを経て今に至る人も多くいらっしゃいます。深層心理にまで「石の上にも三年」が体にしみついているので、この古い考え方を従業員に押し付ける経営者と、軽やかな世代との深い溝が埋まらないケースが、最近増えてきました。

協会ビジネスしかり、サロンビジネスしかり、です。

 

ギャップはギャップ、「ある」ものは「ある」として動く

私は個人的に「世代」や「男女差」というステレオタイプで判断する考え方は好きではありませんが、それでもやはり、生きてきた世代によっての、考え方のギャップは、あります。「意思決定する際の志向性」は、年代によって、確かに偏りがあると感じます。

この偏りについては、どうしようもないものなので、それについて「今どきの若者は」などと言っても、何も始まりません。若者世代の考え方を変えたいですか?そのほうが時間も費用もかかります。いえ、おそらく不可能でしょう。自分の考え方、行動を変える方がずっと早いし、低コストだとは気づきませんか?

それが時代の流れなのですから、「そういうものだ」という前提で動かねばなりません。それは、決して「若者に迎合する」ということではありません。

平素、弊社ビジネス塾などでは「最適化」の思考を徹底して、お伝えし、実践いただいています。従いまして、最適化するには(つまり最も低コストでより大きな結果を導くには)、彼らの思考回路を知り、彼らが最もイキイキと楽しく働ける指示を出すことが、経営者として最優先課題です。

 

守破離の「離」をやらせてみる

ご参考になるかどうかはわかりませんが、ちなみに、弊社のやり方は、「破」からスタートです。様子をみて、なるべく早い段階で「離」に移ります。いきなり「離」という場合も多いです。つまり、全く新しい価値を生み出してもらいます。

その過程で当然、不足している部分が必ず出て来ますので、優秀な人は、自ら「守」を調べて学び、実践していきます。勝手にやります。

これを、「まずは基礎を学んでから」と、いつまでも同じことをやらせていても、それが何につながるかを理解できてない状態では、頭に入りませんし、勘違いもおきます。ミスもおきます。

それを叱っても始まりません。

言っておきますが、スタッフのミスは、経営者の指示ミスです。責めるなんてもってのほか。どうしてそんな結果につながったのか、小さなミスのうちから「改革、改善」の余地を教えてくれているはずです。その改善の努力もせず、叱っても愚痴っても、何も改善しません。

限られた人材で、最高のパフォーマンスを出すには、「本人たちが得意なこと」以外をやらせてはいけません。「好きで好きで仕方ない」ことをやらせれば、勝手に学び、成長します。

ですので、その得意と好きを見極めるために、「守」ではなく「離」をいきなりやらせてみると、適性がよくわかるのです。手取り足取り「守」から始めていては、時代の流れに乗り遅れます。

 

逆に、「離」のチャンスを渡してあげると、「事前準備の時間をもらえなかった」とかなんとか言い訳をして、チャンスをふいにするタイプもいます。こういうタイプは、永遠に、悠久に、「守」をやり続けたいタイプですので、非効率極まりない。AI時代に真っ先に淘汰されるでしょう。弊社にも不要なタイプです。

実際、こういう人は、学ばないので伸びません。創造性がありませんので、言われたことしか(言われたことすら)きちんとこなしません。自分の能力の範囲内の課題しか与えてもらえなくて安心しているような人間は、もう不要になっていくのです。

先出の、「今どきの〜」と愚痴を言うタイプの経営者には、このようなスタッフがぴったりです。お互いに決められたことだけを、決められた範囲で、粛々とこなすのです。

そして、真っ先に、消える運命なのです。

 

 

 

月5,800円から本格的なビジネスが学べるビジネスクラブなど
弊社提供講座の一覧はこちらから


島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。『マネー・コネクション』監訳。著書に『キャリア・ダウンの勧め』

 

ビジネスプラン作成の、その前に

起業の際に、ビジネスプランをコンサルしてもらう際、あるいは事業プランを作る際、そもそもの目的が間違っていては決してうまく行きません。
一見、哲学的に思えるかもしれませんが、私は机上論は大嫌いです。実践としての原則をお伝えしています。現実的に成功への近道として、以下についてまず、理解できねばなりません。

ーーーーーーーーーー

我欲からのビジネスプランは消滅していきます

「我欲を滅する」とは、自分をなくす、という意味でも、欲求をなくすという意味でもありません。

むしろ、自分自身の中心に強く根ざし、芯ある自分であらねばなりません。

それは、「たおやか」でもあり、「しなやか」でもあり、頑固さはありません。相手に合わせて自分の目線を落とすことも平気です。首を深々と垂れます。

信じやすいが疑いやすいことも重要です。
騙されやすいこととは逆です。

「我の強さ」は「意思の強さ」とは別です。

親や上司、はたまた教祖などの意見に無条件に従うことは、「素直」でも「我がない」こととも違います。それは単に「自分がない」というだけのことです。

自分を持ちつつ、我欲を滅するのは、自分が何か欲しいと感じる心を封じ込めることでもなく、我慢することでもありません。もちろん、忍耐することではありません。

それは、人間の心の奥深くにある神性らしきもの、それは良心と呼んでも良いし、意欲と呼んでも良いし、アイデンティティーと呼んでも良いですが、その声を封じ込めることは、我をなくすことではありません。

ーー

「我欲」とは、

例えば、
自分の承認欲求のために、リーダーになろうとしてみたり、(そういう意図でのスピリチュアルリーダーや自己啓発セミナーなどは、その最たるもの)
子どもに良かれと思ってレールを敷いて、自分の意思でもないのに、高額の学校に入れてみたり、勉強を詰め込んでみたり、
自分を自分で愛せない問題を解決してないがために、立場を利用して、部下をネチネチとやりこめたり、
自分が「すごい位置」をキープできるような人間としか付き合わなかったり(常に目下ばかり)、
他人様のアイデアを、そそっと持ち逃げしたり、

ようするに、弱い自己と表裏一体のことを言います。
ーー

私は、ビジネスを通し、このあたりをクリアにすることが、何としても、成功に向かう過程で必要であると痛感しています。

ここをクリアせずに、表面的な自己承認欲求からのビジネスモデルをコンサルしたとしても、根本的なスタートが間違っているので、成功へは結びつきません。

ですので、数回のやりとりで、ビジネスが本当に飛躍できるのは、
実は、ここの問題に気づける人です。

持ちこたえる人の100%に成果が出るのは、本当のところは、初回で、私たちのエネルギーに当たって、逃げていく人が半数以上いるからで、残った人の結果です。

おかしな欲求で、おかしなものを引き寄せてしまっている人は、それを落としてからしか、我々に近づけません。

いや、変なものは、参加しようと決めた段階で、堕ちます。我々が発するエネルギーを、できるだけ、透明で細かいものにできるよう、そういうメンバーが自然と集まります。

最初は我欲からスタートしても構いません。途中で、それではうまくいかないことに気づき、軌道修正すれば良いのです。
ーー

引き寄せエネルギーが強いということは、途中段階で、悪いものもそれだけ引き寄せてしまいます。

普通の人なら、すんなり行くことも、そう簡単には許してもらえません。

でも

それが、力をつけるという意味です。

それが、我欲を落とすという意味です。

したがって、我欲を滅すれば、意思は、強固に強固になって行くものです。

月5,800円から本格的なビジネスが学べるビジネスクラブなど
弊社提供講座の一覧はこちらから


島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

あなたのブランドにお客様を「参加」させよう

(※この記事は”https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand”を翻訳したものです)

by ディビッド・アーカー

もしあなたのお客様があなたのブランドに参加したい、と考えていたらどうでしょうか?

それも、競合よりも優れたブランドだからあなたのブランドを選んだ、というのではなくて、同僚や友だち、パートナー、同じベンチャー企業のチームメイトとして「参加したい」と感じてくれたら?

「人間関係」という言葉が意味するものを考えてみてください。
人間関係というのは、教えたり、説得したり、という関係から始まったとしても、やがて、ともに仕事をし、同じゴールに到達する関係へと変化していきます。

どちらがより有意義で、楽しく、永続する関係でしょうか?
「ブランドに参加する」というのは、比喩的な表現ですが、そう感じてもらうためには2種類の方法があります。

スイート・スポット・プログラム

ブランドの側がお客様に、当社のブランドや製品にはこんな利点がある、と教えても、スイート・スポットは生じません。そうではなくて、お客様の興味や活動、情熱に目を向けていれば、お客様の側が見つけてくれることで、スイート・スポットが生じます。

お客様のスイート・スポットを刺激するプログラムを企画したり、考案したりしながら、そのプログラムで、ともに活動するパートナーとなっていくのです。

乳ガン撲滅のためのエイボン・ウォークは、お客様の乳ガンの経験を理解し、彼らの活動的なライフスタイルに共感していく、という趣旨のプログラムです。参加者やサポーターとして、誰もが進んで参加したくなるようなプログラムとなっています。

また、パンパースの「ラブ、スリープ&プレイ」キャンペーンは、赤ちゃんの成長を5段階に分け、その各段階ごとの情報が提供される、人気の高いものです。そこでは仮に、お客様が実際にはおむつに関心がなくても、赤ちゃんの世話という心躍る体験を共にするパートナーとして、迎え入れてもらえます。

「スイート・スポット」プログラムは、スイートスポットを作るためのものではありません。ブランドが、顧客のパートナーでありさえすれば、自然に企画されているプログラムなのです。

ホーム・デポと「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」(※世界中で住環境問題に取り組むNPO)との関連を考えてみてください。ホーム・デポは、資材や熟練作業員の提供、店内に設けられた告知板や住宅建築プログラムなどを通じて、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」のパートナーとなっています。その結果、ホーム・デポのブランドは、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」の支援を通して、とても良い刺激を受けているのです。

高い目標を掲げる

社会的意味のあるプログラムをサポートすることを通して、企業自体もより高い目標を掲げるようになったところは、驚くほど多くあります。民間企業が社会問題に取り組んでいることを広く認められることによって、その企業に社会的意欲が生じてくるのです。

自分たちにはそれができる、そうしなければならない、という気持ちが生まれ、従業員も自分の仕事に手応えを感じることができる。さらに、お客様の側もブランドに対して、尊敬の気持ちや好意を抱くようになり、さらにはその高い目標をシェアし、彼らと共に行動しようという情熱を持つようになるからです。

ユニリーバは他社との差別化を図るために高い目標を掲げる企業の中でも、最先端に位置しています。

一例をあげると、ユニリーバには、持続性(ユニリーバの持続可能な生活プラン)、子供たちにより良い未来を(口内の健康と栄養のためのプログラム)、第三世界の病気を撲滅するための運動(2012年、200万人が参加した、手洗いプログラム)、女性が自尊心をはぐくむこと(ダブの「ほんとうの美しさ」キャンペーン)などの目標を掲げた、さまざまな取り組みがあります。

それぞれのキャンペーンや運動は、それに関わった人々が、自分の態度を改めたり、行動を変えたり、そのことを話題にする活動を通して、ユニリーバの活動に積極的に加わることができるようになっています。

また、「持続可能性」という目標も、広く採用されるようになっています。ウォルマートやマクドナルド、コカ・コーラのような、一見関係のなさそうな企業も、明確な差別化を図るために、持続可能性という目標を掲げ、消費者が購買習慣や生活習慣を変える活動に参加する機会を提供しています。

ホールフーズ・マーケットは、高品質の自然食品や有機食品を提供するだけでなく、「地域コミュニティをサポート・貢献し、本物の食への愛と喜びをともに祝うために、お客様に喜びと滋養を与える」という、高い目標を掲げる企業です。

ヘルシーな食材で料理することに関心のある人なら誰でもホールフーズ・マーケットの探求に「参加する」ことができます。単にオーガニックの食品があるからそこへ行く、という行為とは、質的に異なることはおわかりでしょう。

「ブランドに参加する」というコンセプトは、顧客のスイート・スポット・プログラムと、高いブランド目標の設定という2種類の方法で精力的に展開できる、強力なものです。

ブランドとお客様の絆は、企業にとってはブランドの構築を刺激するものであり、お客様の側からすれば、ブランド・ロイヤルティの核心をはぐくんでいくものです。その絆こそがブランドの最高の資産なのです。

 

 

著者:ディビッド・アーカー(経営学者、コンサルタント、著述家)


元記事:https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

サメのようにイノベーションをおこなうには

(※この記事は”http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html“を翻訳したものです)

by サイモン・シネック

 

1975年のことです。
大作映画に名を連ねた経験のない若い映画監督が、ホラー映画を撮ろうとしていました。彼の名は、スティーブン・スピルバーグ。

スティーブンは、サメが襲ってくる血みどろの暴力的な映画を構想していました。 人を殺すことしか考えていない巨大な化け物が、何も知らない餌食を襲うところを、観客に見せつけたいと思ったのです。

ところが問題がひとつありました。映画で主役を演じるはずの機械仕掛けのサメは、期待通りの動きがほとんどできなかったのです。若い監督が想定していたサメの襲撃は、まったく撮ることができませんでした。

機械仕掛けのサメに不満を覚えた撮影チームが、ついに解決策を見つけました。彼らは暴力を、私たちの想像にまかせたのです。

観客が見るのは背びれだけ。
次にある人物の姿が海中に消えます。
すると海面が真っ赤に染まる。

それだけでした。ほかのシーンでは、私たちは背びれさえ目にしません。

私たちは、黄色い樽が海面を横切っていくのを見て、深いところにサメがいる、樽にとりつけられたロープを引っぱりながら、次の獲物に向かっているのだ、と想像するのです。

その効果はあまりにも強烈で、私たちの社会全体に大きな影響を及ぼしたほどでした。

もちろん、サメの存在は、誰もが知っていましたが、サメがビーチに近づくことなど、ほとんど考えたことがなかったのです。

ところが『ジョーズ』の映画以降、サメに対するヒステリックな反応が急増し、今日にいたるまで残っています。実は毎年、イヌに殺された人の方が、サメに殺された人よりも多いのですが。

スピルバーグがブレインストーミングの会議で『ジョーズ』のストーリーを語ったときは、そのような計画はまったくありませんでした。自分の望んでいるとおりのものが得られないとわかったときに、その解決法が浮かんだのです。ろくに動かない機械仕掛けのサメが、彼にもうひとつの解決法を見つけさせたのです。

私たちは、イノベーションというものは、豊富な資金とリソースのあるところに生まれる、という誤った信念を持っています。

実際は、まったく反対なのです。リソースの不足しているところに、資金の足りないところに、何かがうまくいかなくなったそのあとに、私たちにほんとうのイノベーションが可能になるのです。どうやったら効果があがるのだろう、と、繰りかえし想像力を働かせたのちに。

そこに、大企業がほんとうの意味で、革新的な商品を製造することがまれな理由があります。望むものなら何でも作れるほど、豊富な資金もリソースもあるからこそ、なのです。

問題は、彼らが新しい方法をどうしても見つけなければならないというせっぱ詰まったものを感じておらず、そこまで革新的なものを求めていない、というところにあります。

一方、小さな会社というのは、大企業に比べて、大きなアイデアが生まれやすいといえます。お金もリソースも乏しく、彼らには自分たちの持っているものを、いかに働かせればよいかを、わかっているからです。

そうして大企業はそのアイデアのために、小さな会社を買収するのです。

誤解のないように言っておくと、スピルバーグもまた、映画学科の学生でした。機械仕掛けのサメがなくても、自分の知識から解決できたかもしれません。

彼はアルフレッド・ヒッチコックが、サスペンスを盛り上げるために用いたテクニック、不吉な音楽や、単純な小道具の使い方、出来事がすべて終わってからの見せ方などを知っていました。サスペンスとは、私たちの目の前で起こるものではなく、想像力の内部で起こるものだと知っていたのです。

知ってはいても、その知識をどうしても使わなければならないときが来るまで、活用する必要はありませんでした。

そうして、多くの人がもっと多くのものを生み出すことができない理由もそこにあります。

大企業には頭の良い人も大勢いるのに、必要がないために、自分の聡明さを活用しないのです。必要なリソースならすべてそろっているからです。

それに対して、賢い実業家は、自分の知性に頼るしか選択肢はありません。そうして、彼らは大企業の外で、毎日イノベーションを成し遂げているのです。

イノベーションは、夢から生まれるものではありません。苦闘から生まれるものです。イノベーションの核心は、未来を築くためのものではありません。今、ここでの問題を、解決しようとするものなのです。

そうして、最高のイノベーションとは、ちょうど『ジョーズ』のサメのように、そこにいることに気がついていない「何か」なのです。

 

著者:サイモン・シネック


元記事:http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

 

 

小さなビジネスが持つ5つの大きな強み

 by アン・ミラー

お客様を引き付けるのに、大きな予算は必要ありません。以下に挙げる5つの秘訣で、あなたの会社もビッグネームのブランドとの競争に打ち勝つことができます。

小さなビジネスの
・柔軟で、
・個人的な対応が可能、
・ニッチを満たす
という強みはいずれも高い利益をもたらすことが実証されています。
 これらの3つの特質を持つことで、成功への道は開かれます。それこそが、小さいということが持つ力です。

このことは、マンハッタンのジャヴィッツ・センターで2016年1月に開催された、全米小売連盟協議会の満員ホールで確認されたことのひとつです。

中小企業経営者を集めて開催されたこの集会では、小規模ビジネスに影響を与えるトレンドや、大企業のような巨額の予算がなくても、顧客基盤育成ができる方法などについて、話し合われました。 以下に、そこで出された秘訣を上げていきましょう。

 1. 人間的なふれあいを強める

 マサチューセッツ州アガワムでペット用品の企業を経営するデイブ・ラトナーは、顧客の本当に必要としているものに重点的に取り組もうと努力しています。

レジ係には決して「メールをお送りできるように、アドレスをご記入ください」とは言わないように、と教えています。顧客が、やたらと売り込みメールやスパムが来るのではないか、と思うことが少なくないからです。

それよりも顧客に連絡先が必要な理由を説明した方が良い、とラトナーは言います。ほとんどの場合、ドッグフードが少なくなっている時期を知らせたり、人気のあるネコ用トイレがセールになっていることを伝えるためだ、と。店のためではなく、顧客にとって価値のある情報を得るチャンスなのだと伝えてください

ケンタッキー州の冷暖房業者ローガンサービスInc.のマーケティング部長であるアマンダ・キンセラは、会社のフェイスブックに、従業員のプロフィールをどのように載せるかについて、議論しました。
 「お客様には、わが社が人間によって運営されていることを、知ってもらいたいのです」

 彼女も社のスタッフも、顧客に対してオンラインで自分自身の話をしてくれるよう働きかけています。そうすることによって、ビジネスと顧客の建設的な関係が、深められていくのです。会社のSNSには、顧客が直接、話や写真を投稿できるページも用意されています。

 2. テクノロジーに投資する

 技術の進歩によって、小企業でも大量の演算処理や、節約型のオプションが可能になりました。たとえばRSRリサーチの業界アナリスト、ニッキ・ベアードは、IBMのワトソン認識コンピューティングテクノロジー、パーソナリティ・インサイツという機能に注目しています。

これはデータを収集して、人のパーソナリティを洞察(インサイト)するというもので、ベアードは、小企業にとっては年間で、およそ1,000ドルの費用がかかると見積ります。

クラウド・ストレージへデータを移行することによって、小企業がハードウェアの購入に経費をかける必要はなくなっている、とベアードは言います。現在のアプリケーションの中には、会費を提供するだけで、ライセンスを購入する必要のないものもあります。

どの企業にも当てはまる、万能の選択肢はないし、すべてのサービスが、成長を前提に設計されているわけでもない、とベアードは警告しています。

それでも、選択肢を研究するために、ある程度の努力を割くことで、それに見合う価値をえられる可能性は十分あるでしょう。
テクノロジー関連のスタートアップと提携することによって、資金を使わないで分析を利用することも可能です、と指摘するのは、プランニング・ショップの創設者であり、社長でもあるロンダ・エイブラムスです。

ロンダは、店内に設置されたビデオの追跡をテストするために、誕生して間もない会社と提携した、ある小売店の話を教えてくれました。ビデオを分析したその会社は、現実の社会でテストでき、しかも将来の売り込みに役立つ結果を得ることもできました。また、小売店側は、店内での消費者の行動について、多くを学んだのです。

「学ぶことや経験することに対して開放的な、人気店になろうと努力を続ける小さな小売店を探していく必要があります」と彼女は言っています。

 3. あなたのニッチを見つける

 エイブラムスは、ある会計士の話を教えてくれました。その会計士は、眼科医の事務専門というビジネスを切り開き、全米規模で成功したのです。

眼科の会計に、特殊な専門性が必要とされたわけではなかったのですが、ひとたび「眼科専門事務」の会社として、1人のクライアントを獲得すると、あとは自動的に成長していきました。市場の小さい領域だけに焦点を当てることによって、他には真似のできない、特定のニッチに適合するサービスを提供できる機会が与えられます。

また、標的市場をしっかりと定めてマーケティングを行うことによって、クライアントのニーズを、真に深く、詳しく理解することができる、とエイブラムスは言います。

4. 大勢の中から際立つ

 創造力があれば、たいていの困難は克服することができるし、小規模のビジネスは、異なるアプローチを試みる際には、大企業よりも柔軟に対処することができます。

ある店にあったネコの登り木が2本、ペットショップの社長であるラトナーの目を引きました。これまで見たこともないほど、巨大な木です。あまりに大きかったので、ラトナーはその価格を尋ねました。

ところが店員は誰も売物だと思っておらず、また、これまで問い合わせもなかったのです。おかげでいろんな人に聞いて回らなければなりませんでした。その登り木は大変値の張るものでした。けれどもラトナーには、予感があったのです。この立派なネコの遊び場は、ネコ好きを彼の店に引き付けるのではないか、と。そうして、実際にその通りになったのです。

シーンを作り出すことです、というのは、タイタン・インダストリーズ社CEOのアンドレア・バーンホルツです。
靴磨きセットを提供するのに、店のショーウィンドウに、椅子と靴磨きをディスプレーしました。その情景は、そこを通りかかる人の視線を引いた、と言います。

 5. 基本を忘れない

 ビジネスプランの専門家であるエイブラムスは、彼女がプランを立てたところを、チームと一緒に定期的に再訪することにしている、と言います。

かつて基本を忠実に守ってきたおかげで、彼女はビジネスを安全に保つことができたことがあります。
ある年、チームはある全国チェーン店から、非常に多くの注文を受けたことがありました。そうして基盤を拡大することに全力を尽くしたのです。ところがそのチェーン店は廃業し、チームは危機的状況に陥りました。けれども定期的な見直しを欠かさなかったために穴を発見することができ、それを修復したのです。おかげで彼女のビジネスは無事、切り抜けることができました。

 「大がかりなものは必要ありません。あなたの店を、買い物客が時間を過ごしたくなるような、居心地の良い場所にしてください」
 と語るのは、タイタン社のバーンホルツです。

服を販売しているのなら、試着室には着映えがするような、明るい照明を設置します。店の周囲に、買い物客と一緒にやってきた連れや友人のために、椅子を用意したり、子供たちが夢中で遊んでいられるように、おもちゃを用意したり。子供たちが店にとどまってくれなければ、買い物客もショッピングはできません。

 テクノロジーが進歩し、大きなものや華々しいもの、高価なものが店舗にあふれたとしても、小さなビジネスの持つ価値は、時代を超えるのです。


元記事:https://goo.gl/1Dx8pQ

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

なぜあなたはブログを始めなければならないのか

これは ”https://www.entrepreneur.com/article/271049” の記事を翻訳したものです。

by マイク・カッペル

農場に行ったことがない人のために説明すると、たいていの農場には、「塩なめ場」と呼ばれる家畜用の大きな塩の固まりがあります。「塩なめ場」とは、まさにその言葉通りのもの。塩を置いて、動物たちが必要な塩分を補充するために、かならずなめに戻ってくるための場なのです。

さて、あなたが読者にコンピューター・スクリーンをなめてもらいたい、と思っているかどうかはわかりませんが、まちがいなくあなたのブログを「栄養源」として、読みに来る読者を望んでいるはずです。

 小企業にとって、ブログとはマーケティング・ツールではありますが、この「マーケティング」という言葉は、とりわけあなたが創業間もない起業家ならば、漠然とした言葉です。
おそらくあなたはマーケティングとセールスを、ほとんど同義語、その定義も、目的も、置き換え可能な言葉だと考えていることと思います。

実際はそうではありません。

セールスとは、購入客を獲得するプロセスです。マーケティングとは、あなたの商品をいかに正しくポジショニングし、顧客を探し、いかに彼らと連絡をとるようにするかを決定することです。

 

したがって、セールスを生み出すためだけにブログを始めるべきではありません。ブログは、あなたが顧客を見つけ、彼らに情報を発信し、デジタル世界での「塩なめ場」としてのあなたの価値を位置づける場です。

なぜ人はインターネットに向かうのか?

 ネットユーザーは、あなたの商品を購入する、というたった1つの目的をもってインターネットに向かうわけではありません。情報を求めてネットのあちこちへ進むのです。情報の提供もないまま、単に商品をクリックするためのブログであれば、広告にかけた多くのお金は無駄になります。さらに悪いことに、そんなブログは、ネットユーザーが情報を調べる上で、邪魔になっています。

このことから、私たちが提供すべきものがわかってきますね?

第1に、多くの人が知りたい、意味のある情報を提供することです。
 第2に、広告に妨げられることなく、知りたい情報が見つけられるようにしなければなりません。
 何かを得るためには、与えなければならないのです。
なぜあなたは起業家になったのでしょうか?
 それは、あなたが誰かの下で働きたくなかったからではありませんか?
 そうして、自分が他の誰よりも、何かがうまくやれると考えたからではありませんか?
 自分がある業界でのエキスパートであり、人に従うのではなく、自分でやり方を決めたかったからではありませんか?
このいずれかに、イエス、と答えるのであれば、あなたはすでにエキスパートなのです。全部にイエスと答えられなくても、少なくともその一部であっても。仮にあなたがエキスパートとまではいかなかったとしても、エキスパートとして、人前に出ているのです。起業家を夢見る人々が、あなたの後に続こうとしているのですから。あなたはうまくやることだけでなく、どのようにそれをするか、なぜそうするのかも重要なのです!

情報公開は無料で

 あなたが現在学びつつあることを、定期的にシェアし、あなたの読者がいつ、どこに行けば、自分の求める情報が手に入るか見つけられるようにしてください。あなたの商品やサービスを知り、フォローするようになった潜在顧客を、読み応えのある分量で、育てていきます。

たとえ彼らが、現在、買うつもりではないとしても、あなたのブランドは彼らの脳裏にしっかりと焼き付き、購入するつもりのほかの人に、シェアしてくれるかもしれません。

 サーチエンジンはあなたをランク付けする

 インターネット上には、膨大な量の情報があります。とてつもない量の情報があるのです。事実、18か月ごとに、世界中のデータの履歴は2倍になっており、しかもその率は加速しています。そんな拡大する一方の情報の海で、どうしたら目立つことができるのでしょうか?

サーチエンジンは非常に賢いものです。あなたがブログを始めれば、すぐにロボットがあなたの書いたコンテンツを、アルゴリズムを通して取り上げてくれます。あなたが正確な文法と表記を使用していれば、あなたのブログは高い評価を与えられるでしょう。

 さらにウェブサイトの訪問者が、気に入り、シェアし、あなたの記事にコメントを残してくれれば、いっそう高位に表示されることになります。検索する人と同様にサーチエンジンも、重要なキーワードを探しています。あなたのウェブサイトの中に、そうした言葉がどれほど使われているかによって、関連するサイトとして、あなたのサイトを押し上げたり、関連性に欠けるとして、取り除いたりします。ですからブログを始める前に、潜在顧客が知りたかる情報と関連する特定の言葉やフレーズを探し、検索でヒットするようにしておく必要があります。

あなたが提供するのは、独創的で事実に基づいており、ユニークで、質が高く、興味深く、そうして何よりも、読者が知りたがることと関連したものであるべきですし、バランスが大切です。私のアドバイスは、知恵を絞って、うまくまとめてあり、人を引き付けるような情報を提供してください、ということです。

 キーワードを散りばめることで、後々サーチエンジンの人気のあるトピックスに載ることもできますが、あなたのコンテンツがしっかりしたものでなかったら、どれほどあなたがサーチエンジンにアピールしても、意味がありません。実際のところ、せっかく人に来てもらっても、あなたの提供するものが気に入らなければ、あなたのブランドにとって、悪影響しか与えません。

 

あなたはブログをスタートさせた方が良いのか?

 ブログを書くことは、簡単なことではありませんし、サーチエンジンはあなたの制作物を監視しています。それでも小企業がブログを維持する意味はあるのでしょうか?
答えは、イエスです。
 ウェブサイトにブログがあれば、サーチエンジンの検索で、ない場合よりも上位に掲載されるからです。多くの人がインターネットを通じて情報を得て、購入を決めている今では、検索順位は重要です。
なぜ検索で「上位」に登場することが重要なのでしょうか? 簡単なことです。自分がどのように情報を得ているかを考えてみてください。あなたは検索するときは、サーチエンジンで上がってきた結果をスクロールしながら、すべて目を通しますか? それとも最初のページのトップだけに目を向け、そこから選びますか? あなたが最初のページのトップだけを見るのであれば、ネットユーザーの95%の内の1人です。

実際、こんなジョークがあるほどです。
「死体を隠すのに最適の場所は、グーグルの検索結果の2ページ目だ」

 あなたのブログは検索結果のどこに表れるでしょうか?  検索結果のトップに来ますか? 2番目? 3番目? それとも400番目ですか? これがいわゆる「ページランク」というものです。
あなたのブログに多くのアクセスがあればあるほど、あなたのコンテンツが魅力的なものであればあるほど、多くの人が好きになり、シェアすればするほど、あなたのランクは高くなります。
つまり、多くの人があなたのウェブサイトに目を留めるということなのです。ブログ、商品、サービス、何もかも、です!

どれくらいの頻度でブログ記事を書けば良いのでしょうか?

ブログを書くということは、エクササイズのようなものです。最高のエクササイズをするためには、あなたが実際にやってみるしかないのです。私のアドバイスは、自分ができると思ったとき、そうして、自分がやろうと思ったとき、ブログを始めてください。ブログにストレスを感じたりしないで、まず一歩を踏み出してください。
たとえ1か月に1度しか更新できなくても、やった方が良いです。毎週ならば、月に1度よりも良いでしょうし、毎日更新できればいっそう良いです。自分にできることから始めてください。書けば書くほど、簡単になっていくでしょう。そうやって生み出される新規顧客の増加は、言うまでもなく。
そうは言っても、あなたがブログに時間をかければかけるほど、本業のビジネスに費やす時間は、少なくなっていきます。そうなのです。マーケティングはあなたのビジネスの一部ではありますが、あなたの最後のブログのタイトルが「ブログに時間を費やすあまり、私がいかにビジネスの経営に失敗したか」であっては困ります。
時間は、えてして起業家にとっては、お金よりも貴重な通貨なのです。自分の時間を、賢く使わなければなりません。

 何を書くべきか?

ブログを始めたら、あなたのビジネスについて書いてください。
 顧客について書いてください。
 商品について書いてください。
 あなたの成功、失敗、教訓、学んだことについて書いてください。
 そうして、もしあなたに勇気があるなら、自分がいかに起業家になることを決意したかについてのおもしろい話を書いてみてください。

私の会社では、上記のことをかならず書くようにしています。私は読者に、給与ソフトを使うことの利点を、折に触れて知らせています。そうやって、読者のために、私の個人レッスンを行い、成長の機会として、教育を続けているのです(ちょうどブログを書くことと同じです)。

そうして、当然のことながら、私のチームが作っている小企業向け給与ソフトが彼らの生活を改善する、さまざまな方法を概説しています。

小企業が行う価値提案は、ほとんどが個人向けにカスタマイズしたもので、そうしたことは大企業にはできません。ブログは、そうした私たちの活動にテコ入れし、手伝ってくれるのです。
あなたのビジネスがうまくいっていたり、いかにあなたが仕事をしてきたか、などの個人的な話は、あなたのブランドに親近感を持つのを助けてくれます。ですから、それは重要なものです。今日のビジネスの世界では、ほんの少しの悪い評判が立つだけで、忘却に追いやられます。逆に言えば、ほんのいくつかの良いレビューがあれば、うまくいくのです。
私がこれまで述べてきたように、人がインターネットに向かうのは、情報を探すためです。その情報の中には、どの商品が良いかというレビューもあります。あなたがブログを通じて、顧客と関係を築いているなら、そのレビューを活用することもできます。というより、そうすべきなのです!

記事を外注できますか?

 はい。プロのブロガーに書いてもらうこともできます。お金を払って、読者が喜ぶコンテンツを書いてもらうことができるのです。こうした行為は、通常コンテンツ・マーケティングに分類されるものです。
けれども、コンテンツ・マーケティングは、うまくやらないと不誠実な印象を与えかねません。仮にあなたがブログを始めて、その記事を外注するつもりなら、優秀で、あなたが書いたものとよく似たトーンとスタイルで書ける人を探してください。また、ボイス・レコーダーに向かって、あなたが書くつもりのことを吹き込んだり、ライターにインタビューしてもらったりしてください。
どのような形式で共同作業するかはともかく、コンテンツと文章のスタイルは、あなたらしいものであることを、確認してください。

 

 記事は何本ぐらいあれば良いのでしょうか?  記事のクオリティはきわめて重要です。それだけでなく、長さもまた重要です。 理想を言うなら、あなたの競合よりも、もっと高い頻度で更新した方が良いし、 競合より多くの記事があった方が望ましいです。
そうすれば、サーチエンジンはあなたのウェブサイトの方が、競合のものよりもアクティブで、着実なサイトであると判断します。さらに、多くの人が検索するとき、ブログの記事が多ければ多いほど、あなたのサイトが目に留まりやすくなります。

こう考えれば良いでしょう。あなたが記事をブログに追加するたびに、あなたは「塩なめ場」に塩を蓄えているのです。その塩が多ければ多いほど、動物(すなわち潜在顧客)はあなたのウェブサイトを見つけやすくなります。

何よりも、あなたが今書いているブログ記事は、これから先の顧客を引きつけていくのです。だからこそ、私はこのように言いたいのです。
「ブログは与え続ける贈り物です」と。

 

― マイク・カッペル(実業家)
翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。