本:『新しいマネジメントの下で』

Under New Management: How Leading Organizations Are Upending Business as Usual

『新しいマネジメントの下で

  :指導的な組織は通常のビジネスをいかに転換させているか』

著者 デイビッド・バークス

 

オープンプラン式の職場(※間仕切りを取って、開放感のある部屋にするやり方)は

本当に効果があるのでしょうか?

従業員の幸福を一番に考え、クライアントを二の次にする会社が実際にあるのでしょうか?

定期的な勤務評定は本当に必要なのでしょうか?

 

影響力のあるビジネススクールの教授であるデイビッド・バークス博士が新しく取り組んだのは、

すでに確立しているビジネス・マネジメントのルールに関してです。

数十年にもわたる調査を経て、バークスは基本的なマネジメントの実践の大半は

見当違いで、正しくないだけでなく、逆効果を招きかねないことを発見しました。

 

今日、非常に優秀な企業は、そうした古いルールを打破しようとしています。

従業員の集中の妨げにならないよう、勤務時間中のメールの使用を制限している企業は

少なくありません。

一方、ネットフィリックスは、通常の2-3週間の休暇規定を撤廃し、

従業員が必要なだけ、休暇を取ることが指示されています。

また、ヴァルブ・ソフトウェアには管理職はいません。

従業員の自主管理によって、運営されています。

 

革新的な洞察を通してバークスが本書で明らかにするのは、

これらの企業の実践が、旧態依然の経営管理を続ける企業を、時代遅れに追いやり、

生産性とモラルを高めていく新たな方法を実践しているということです。

 

 

 


元記事:http://goo.gl/s7L1ho

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

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ユニリーバの挑戦

by デイビッド・アーカー

 

私の現在のベスト・ソーシャルプログラムを選ぶとしたら、
「子供たちに5歳の誕生日を」という手洗い運動です。
スポンサーとなっているのは、アメリカではすでに半世紀前に姿を消したブランド、
ユニリーバのライフブイ石鹸です。
ところがライフブイ石鹸は、国際的には広く受け入れられています。
このブランドは、インドやほかの新興国35か国11,000ブランドを対象とした
カンター・ワールドパネルによる購買頻度調査では、
コカ・コーラ、コルゲート、マギーに次ぐ第4位を獲得しています。

Lifebuoy

▲「1日5回ライフブイで手を洗おう」というキャンペーン

「子供たちに5歳の誕生日を」という運動を通じてライフブイは、
手洗いの習慣が重要であることを世界中に広く訴えることによって、
多くの生命を救おうとしています。
このキャンペーンの背景には以下の2点の要因がありました。
1) 毎年200万人の子供たちが、下痢や肺炎のような病気のために、
5歳の誕生日を迎えることなく亡くなっています。
2) 石鹸で手を洗うことによって、世界中で下痢は45%、肺炎は23%減少します。
これにより乳幼児の死亡率も大幅に引き下げられるのです。
ライフブイの「子供たちに5歳の誕生日を」運動の重要なイベントは、
インドのテスゴーラという1500家族の住む農村をモデルケースとした実践でした。
プログラムでは、実際に36%から6%まで、下痢を減少させ、
そのことは、孫が5歳を迎えた祖父が、誕生日を祝うために逆立ちして歩くという
3分間のビデオのテーマとなりました。
ビデオは現在では1900万回以上も再生され、
ユニリーバがインドや他の24か国での同プログラムを加速させることになったのです。
ライフブイは「子供たちに5歳の誕生日を」プログラムを、創造性と情熱をもって
展開しています。
インドでは、1,500人のユニリーバ従業員が、子供になじみやすいコミックや、
歌や、ゲームやご褒美などを通じて、子供たちに手洗いの重要性を教えることを、
ボランティアで手伝っています。
3度の食事の前、入浴時、トイレのあと、という1日5つのカギとなる出来事で、
20秒間手を洗うことの重要性は、1度の手洗いでも残っている細菌を
照らし出す装置によって、さらに強調されます。
けれどもそれだけではありません。
インドでの乳幼児が死亡する40%以上が、生後28日間に起きていることから、
母親の教育が必須となります。
ユニリーバは子供たちがもっと簡単に習慣づけられるように、給水ポンプを改善しました。
さらに「今日、ライフブイで手を洗いましたか?」という言葉を、
ヒンズー教の祝日に、250万枚以上のロティスという薄いパンに焼きつけました。
さらに同社は子供たちや保護者、地域社会全体に向けて、
このことの重要性を訴える、十数本のビデオを作成しました。
ライフブイは、2008年から始まった、「10月15日国際手洗いの日」の設立にも
大きく関わっています。
2012年10月15日には、ドバイのライフブイ社は72か国の人々に
同時に手を洗ってもらったことで、ギネスの世界記録を作りました。
「子供たちに5歳の誕生日を」は、社会的責任プログラムとして、大きな成功を収めました。
すでに2億5千万人が参加し、2020年までに10億人の達成という目標に、
手が届くところまで来ています。
オブザーバーの1人、TriplePunditのレオン・ケイは、
このプログラムは、これまで多くの人が関わった中でも、最も影響力の高いプログラムだ、
としています。
ブランドに、エネルギーと高い目的意識を持たせ、
社会的にも、感情的にも、大きな利益を生み出すものとなった、とも。
私の考えによると、このプログラムが際立っているのは、以下の3つの理由があるでしょう。
第1に、ユニリーバの中核である国際市場が抱える、具体的で、大きな意味があり、
感情に訴える、乳幼児の平均寿命という問題と、闘おうとしている点です。
そしてユニリーバは、「手洗い」というはっきりとした行動を示すことによって、
それを遂行しているのです。
第2に、このプログラムの企画・実施ともに、創造的であり、効果的であることです。
子供も母親も、さまざまなツールや方法を通して「正しく手を洗うこと」を教えられ、
動機づけられます。
第3に、このプログラムがライフブイ石鹸を使って手を洗うことと結びついていることです。
さらにこの結びつきは、病気と闘う石鹸、という遺産となって、
ライフブイに残っていくことです。
手洗い運動を積極的に行っている組織はほかにもありますが、
ライフブイは多くの面で、そうした運動の模範となっていったのです。

 

― デイビッド・アーカー(ブランド戦略家 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授)


元記事:https://goo.gl/8Yk79b

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『男女平等のデザイン』

What Works: Gender Equality by Design

著者:アイリス・ボーネット

 

男女平等は、道徳的にも、ビジネスの上でも、達成されなければならない原則です。

けれども、私たちは無意識のうちに偏見を抱いており、

偏見から脱することは困難で、大きな犠牲を払わなくてはならないことは、

これまでにも証明されています。

 

多様性のためのトレーニング・プログラムの効果には限界があり、

個人的な努力は、しばしば手厳しい反発を招きます。

そこで、行動デザインが新しい解決策を提案するのです。

 

個人ではなく、偏見から自由な組織によって、

私たちは大きな影響を与えるような変化を起こすことができます。

作者のボーネットは研究に基づいた解決策を提案します。

教室や重役室、雇用や昇進、ビジネスの利益、政府など、

何百万という人々の生活に大きな変化をもたらすような大きな変化が引き起こせるような

ツールを、私たちに提供してくれるのです。

 

『男女平等のデザイン』は、人間の精神に対する新たな洞察に基づいています。

また、企業や大学、オーストラリア、インド、ノルウェー、イギリス、アメリカ、

ザンビアその他諸国のデータが集められており、

無作為比較試験によるデータにも言及されています。

本書が指摘するのは、性的偏見は、今すぐにでも、

科学的根拠に基づいた介入で是正することができるということです。

また、研究がどのように性的偏見について言及しており、

生活や行動を向上させているかについても示しています。

 

『男女平等のデザイン』が明らかにするのは、もっと多くのことができる、ということです。

しかも、それが驚くほどコストがかからず、驚くほどの速やかさで可能なのです。

 

 

 


元記事:http://goo.gl/kaWP9d

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

 

 

 

セールスに影響を及ぼす12の心理的バイアス

by マイク・ラナハン
あなたはこれまでにバスケットボールの選手たちが、試合中、
冷え切った表情をしているのを見たことがありませんか?
立て続けに13ポイントもシュートを決められ、20ポイントも差がついてしまった。
マイボールにもかかわらず、チーム全員がうなだれ、目を落としているのを見て、
あなたは「今度はこっちの番だ。次はシュートが決まるぞ」と心の中で思います。
現実は、13ポイントも立て続けに失点するようなチームは、
次のシュートを決められそうにもありません。
あなたはギャンブラーの誤謬に陥ったのです。
つまり、人生で起こることは最終的に平均値に落ち着く、ということです。
私たちの考えには、このようなバイアスがかかりやすいものです。
そうして、あなたのいる場所に応じて、
あるバイアスが、全体の成功に大きな役割を果たすのです。
セールスにおいては、バイアスは販売員にとって悪夢そのものです。
バイアスのせいで、販売員は見込み客や自分自身について、
まちがった結論に飛躍することにもなりかねず、
結果的に取引に失敗してしまいます。
誰もに独特のバイアスがかかっていることを認識することは、
そこからくるマイナスの影響を克服するための第一歩です。
以下に挙げた12の心理学的バイアスは、
いずれも私たち誰もが影響されやすい、
同時に販売員に大きな影響を与えるものです。

セールスに影響を及ぼす12の心理的なバイアス

1. アンカリング・バイアス

アンカリング・バイアスとは、私たちが意思決定の基準として、
最初に与えられた情報を過大に評価するという傾向を指します
販売員が見込み客の言葉から、最初の痛点をとらえて、
その後に聞いた話よりもそちらを重視するならば、
その販売員はアンカリング・バイアスの犠牲になったといえます。
見込み客が話題にした最初の痛点は、もしかしたら最も重要なものではないかもしれません。
販売員はどんな時にでも顧客の問題を解決しなければならないのに、
顧客にとって優先順位の低い問題を解決したとしても、成約には決して十分ではありません。
販売員は時間をかけて、調査や観察を通じて
見込み客のことをできるだけしっかりと知らなければなりません。
販売員は見込み客の目標や痛点を正確に理解しないうちは、
価値あるアドバイスを提供することはできません。

2) 双曲割引

人は、よく似た報酬が得られるなら、すぐにもらえるものに価値を置く傾向があります。
たとえば、もしあなたが今20ドルがもらえるのと、2か月後に30ドルもらえるのであれば
どちらを選ぶ? と聞かれたら、おそらく今20ドルもらえる方を選ぶでしょう。
販売員は、双曲割引というバイアスを利用することがよくあります。
長期的な計画を立て、見込み客の将来設計に関わろうとするのではなく、
自分のノルマをてっとりばやく達成するために、価格を引き下げるのです。
成約を早く完了したいがために、値引きした価格を提案したい誘惑にかられたとしても、
販売員は顧客との関係に基づく長期的な利益を優先すべきです。
長年にわたってひいきにしてくれる顧客の存在は、
数か月後に入れ替わる見込み客よりも、はるかに価値あるものです。

3. 確証バイアス

確証バイアスとは、情報を、あなたが信じているものを裏付ける方向で解釈する傾向のことです。
販売員が見込み客から特定の答えを引き出そうと誘導的な質問をしていくと、
この確証バイアスの犠牲となるかもしれません。
たとえば販売員が、見込み客には新発売のソフトウェアが役に立つ、と考えていた場合、
このように聞くでしょう。
「短時間で成果を上げる従業員がお望みですか?」
もちろんその答えはイエスでしょうが、だからといってその見込み客に
新発売のソフトウェアが必要だと裏付けられたことにはなりません。
見込み客に実際に話しかける前に、調査に基づいた仮説を立てることは役に立ちますが、
販売員は新しい情報に耳を傾け、自分の推測が間違っているかもしれないと
進んで認める必要があります。

4. クラスター幻想

まったくランダムな出来事が連続して起こる中から
あなたがひとつのパターンを見出したとしたら、
クラスター幻想を抱いている、ということです。
販売員がある販売戦略を用いて、2,3の見込み客に対して取引を成立させた場合、
このようなバイアスに陥ることがあります。
そうしてそれ以降、あらゆる販売でその手法を用いるようになるのです。
このバイアスは、セールスが台本どおりに実現するように思えるものです。
もし見込み客がたった1人なら、それも通用するかもしれませんが、
あらゆる見込み客にそれを当てはめようとするのです。
ひとつのパターンで数人の見込み客相手にうまくいくのは、すばらしいことですが、
あなたのそのアプローチの方法が、今後もあらゆる見込み客に効果的だということではありません。
ワンパターンの考え方では、契約を勝ち取るよりも、見込み客を失うことになるでしょう。
見込み客それぞれに合わせた特別な働きかけを続けることで、
販売員は見込み客と心からつながることができ、
目覚ましい価値を提供できるのです。

5. 計画錯誤

計画錯誤は、ある仕事を完了するまでにかかる時間を
大幅に過小に見積もるようなときに起こっています。
販売員が、ついでに残った仕事を片付けてから電話を取ったとしても問題はなかった、
そこで、どんな時もこうして大丈夫だと考えたとしたら、それは計画錯誤の罠に陥っています。
計画錯誤というバイアスによって、販売員は最小の努力であっても、良い結果が出る、
という期待を抱くようになります。
仕事に十分な時間を割くことが、成功のカギであることに変わりはありません。
最小の努力で最大の結果を期待するのではなく、
あらゆる面において最高の仕事が確実にできるように、
十分な時間を確保しておかなければなりません。

6. 知識の呪い

知識の呪いとは、あなたはすでに適切な情報を持っているために、
その情報を持っていない人の抱える問題に共感することができない、ということです。
専門知識を持ち、見込み客にとってその商品が有益であることを知っている販売員が、
見込み客の反論をはねつけるような場合は、
このバイアスにとらわれていると言えるでしょう。
見込み客の反論に耳を傾け、混乱している点について時間をかけて説明する代わりに、
このバイアスにとらわれた販売員は、このように言います。
「これは効果があるんです! 私の言うことを信じてください!」
商品が見込み客の問題に応えるものだと言い張る代わりに、
販売員は信頼のおけるアドバイザーとしてふるまう必要があります。
販売員は確かな論法やカスタマー・レビューや推薦によって、
見込み客の反論に対処しなければなりませんが、
大切なことは教育にあります。
あなたの見込み客の反論は、実はあなたの商品の価値が理解できなくて、
質問しているだけなのかもしれません。
見込み客は、その商品がどのような働きがあるかに興味があるのではなく、
自分のために役に立ってくれるかどうかが知りたいのです。

7. ガラテア効果

ガラテア効果とは、もしあなたが最高のパフォーマーだと自分のことを信じているなら、
そのマインドセットゆえに、あなたは実際にそうなる、というものです。
ガラテア効果は、販売員が自分こそがこの契約を獲得する(もしくは失う)にちがいない、
と確信したときに、頭をもたげます。
結局、契約がうまくいかなければ、販売員は自分のスキルに疑いを抱くようになり、
その結果、その販売員の行動は、ますますうまくいかなくなってしまいます。
反対に、契約がうまくいけば、自信が生まれ、
以降の連勝の土台となっていくかもしれません。
このバイアスを克服するためには、販売員は報告書のあらゆる要素を検証し、
客観的な立場にある管理者からのコーチングに耳を傾ける必要があります。
販売員が意思決定に重要な役割を果たす反面、
見込み客の購入するかしないかの選択は、さまざまな要因に影響を受けているからです。

8. 選択支持バイアス

選択支持バイアスとは、過去、私たちが選んだ選択肢を肯定的にとらえ、
選ばなかった選択肢を否定的にとらえる、という態度です。
セールスの場面では、選択支持バイアスは失敗をしたことに対するあなたの反応に
影響を及ぼします。
もし見込み客にある商品がふさわしくなかったことがはっきりしても、
このバイアスにとらわれていると、その失敗がなかなか認められません。
自分に対してあまりに厳しい現実から目を背けるために、
過去の否定的な面を忘れ、肯定的なことを思い出そうとするのです。
成功を重ねていくためには、関連する情報にすべて注意を払うようにしてください。
そうして、あなたの決定がかならずどれもすばらしいものだと考えるのではなく、
期待はずれに終わることもあるのだと、認めるようにしてください。
失敗から学んだことは、強力なツールになっていくのです。

9. 新近性バイアス

新近性バイアスとは、最近表れてきたパターンがあると、
それと矛盾する長期にわたるデータがあっても、
新しいパターンが今後も続いていく、と思いがちなバイアスのことです。
販売員が、直近の5つの取引に共通性があることに気がつき、
長い時間をかけて有効性が証明された戦略を捨ててしまったとしたら、
その販売員は、このバイアスにとらわれているといえます。
新しいデータはワクワクするものですが、それは例外かもしれません。
より大きなサンプル、たとえば数か月間にも及ぶ販売の履歴の方が、
正確さの度合いは高いでしょう。
けれども、その共通パターンが継続していくのなら、販売員は新しい洞察を
セールス時の会話に生かしていく必要があります。
直観的な決定は、現代のセールスにふさわしくありません。
データは目に見えてくるはずです。

10. ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬とは、たとえひとつの出来事の結果が、
統計的に見て、将来に何の影響も及ぼさないとしても、
現在、何度も起こったから、将来は起こりそうもない、と考える誤りです。
販売員が4、5回続けて取引がうまくいかなかったとすると、
次こそは、平均から考えて、きっとうまくいく、と思うかもしれません。
けれども、過去の取引は、これからのものに何の影響も及ぼさないことを考えれば、
誤った認識だといえそうです。
このバイアスは、販売員が自分の側の行動を、何ら改めることなく、
幸運を期待しているとすれば、危険なことになります。
販売員は、なぜ取引がうまくいかなかったのか、深く掘り下げて理解し、
自分の戦略を手直しすることで、このバイアスに陥るのを避けることができます。
同じことを何度も繰り返す代わりに、やり方を変えることで、
悪い流れに終止符を打つことができるのです。

11. 熱い手の誤謬

ギャンブラーの誤謬の逆が、
熱い手(※カードゲームでよい手札のことを、ホットハンドと呼ぶことから)の誤謬です。
あなたが1回限りの出来事でうまくいけば(あるいは失敗すれば)、
次もきっとうまくいくだろう(あるいは失敗するだろう)と考えることがそれにあたります。
販売員がいくつかの取引を続けて成約させ、
自分が関われば今後も簡単にうまくいく、と思い込むとき、
その販売員は、熱い手の誤謬に陥っています。
こうした契約が成立したのは、数週間にわたって、一生懸命取り組んだからで、
販売員にツキがあるからではありません。
結局のところ、販売員の成功に影響するのは、セールスの基盤にほかなりません。
見込み客は、販売員が一生懸命に努めること、調査すること、
深い関係性を築くことによって顧客となるのであって、
販売員がツキに恵まれているからではないのです。

12. 共感ギャップ

共感ギャップとは、自分と同じ身体的・感情的状態にない人に対して、
共感することがむずかしい、という現象を指します。
たとえば、自分が怒っているときは、ほかの人が幸せであることが
なかなか理解できません。
販売員と見込み客が、まったく異なった心情にあるとき、
販売員は、見込み客の感情を無視したり、極力避けたりするのではなく、
できるだけ彼らの立場に身を置いて、気にかけなければなりません。
共感ギャップがあると、共通の基盤に立つことがむずかしくなり、
販売員と見込み客の間に信頼関係が生まれることを損ね、
軽蔑感が生じかねません。
最終的に言えるのは、私たちはその場その場で自分にどのようなバイアスがかかっているか、
どのバイアスが私たちの行動に影響を及ぼしているか、気が付くことはできない、ということです。
けれども自分にも固有のバイアスがかかっていることを意識し、
行動を調節することを学ぶことはできます。
セールスとは、感情に密接に関わる仕事です。
できるだけ偏りのない気持ちでいられるなら、半ば成功を手にしていると言えるでしょう。

(翻訳:服部聡子)

本『オリジナルな人々』

Originals: How Non-Conformists Move the World

『オリジナルな人々:非協調的な人間が世界を動かす』

著者:アダム・グラント

 

ニューヨークタイムズのベストセラー

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の著者が

新たに探求しようとしたのは、

人々が新しいアイデアをどのように支持し、

指導者が組織の中に生まれたオリジナリティの萌芽を、

どのように育てていくのか、ということでした。

 

『GIVE&TAKE』を通してアダム・グラントは、

成功についての新しい考え方を紹介しただけでなく、

同時に同時代の中で、もっとも魅力的で刺激的な思想的リーダーとしての

地位を確立しました。

 

この『オリジナルな人々』の中で、彼はふたたび世界を良くすることに挑戦しているのですが、

今回はオリジナリティを持つ、という視点からアプローチしていきます。

新しいアイデアや、生まれつきのものに逆らい、

慣習と戦い、伝統にあらがうことの価値に焦点を合わせるのです。

 

どうしたらリスクを冒すことなく、新しい思想やポリシー、実践を

創出することができるのでしょうか。

 

ビジネス、政治、スポーツ、娯楽などのさまざまな分野にわたる

驚くべき研究と、ストーリーを活かしながら、

グラントは良いアイデアを認識する方法や、

言葉に詰まらずに話し続ける方法、

提携関係を築く方法、

行動するのにふさわしい時を選ぶ方法、

不安感や疑念をうまくなだめる方法、

さらには親や教師は子供の創造性をどのように養ったら良いのか、

リーダーはいかにして集団思考*と戦うべきか、

(※まとまりの強い集団では、意思決定の際にまとまりを重視するあまり、現実的でない判断を下してしまうこと)

反対意見をいかに歓迎すべきか、などを探求していきます。

 

自分のスタートアップに投資しない理由に焦点を当てて売り込みを行う起業家、

アップル社で3ランクも役職が上のスティーブ・ジョブズに異議申し立てを行った女性、

CIAの守秘義務を破ったアナリスト、

自分に対して批判を行わない従業員をクビにした金儲けの天才、

番組の仕事はしなかったけれども、当時人気のなかった「となりのサインフェルド」を

お蔵入りにさせないで、後の大ヒット番組を救うことになったTV局の重役、

こうした人々から学んでください。

そうすることによって、大勢順応主義を振り捨て、現状を前進させていく、

画期的な洞察力を手に入れることができるでしょう。

 

 


元記事:http://goo.gl/R6DAk5

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

 

 

 

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セールスを台無しにする10の行動

by マイク・マイカローイッジュ

 

あなたは取引を成立させる場面で、自分からぶちこわしにしていませんか?

どれほど営業努力を重ねても、台無しにしてしまう行動があります

 

私たちの多くが、今自分がやっていることが効果的かどうか、1歩下がって考えることもなく、
毎日の仕事を同じ方法、同じ手順でやろうとしています。
販売努力が実を結ばないことが、何かの拍子にはっきりしたときは、
私たちの戦略を支えている悪い習慣をと、すべて取り除く必要があるでしょう。
以下にセールスをダメにする10の習慣を上げていきます。

1. 意識の中心が自分にばかり向いている

セールスの1つ1つがあなたの会社にとっては死活的に重要であり、
また、次の成約で家賃が払えたり、セールス目標でトップに立てるなど、
あなたなりの事情があることでしょう。
ところが厳しい現実をいうと、あなたの顧客にとっては
あなたやあなたの会社など、どうでもよいのです。
あなたのセールストークが、顧客が求めるもの、必要とするもの以外に焦点を当てているとしたら、
おそらく第一歩からうまくいきません。

2. しゃべりすぎる

あなたに耳が2つ、口が1つあるのには理由があります。
自分が話すことの2場倍、聞かなければならないということです。
販売員の面接で、私はよく、自分と相手の間にペンを置いて、
「私にこれを売ってみてください」と言います。
ほとんどの志望者が、このペンがどれほどすばらしいか、あれこれまくしたてます。
けれども、何より効果的な戦略は、もっと単純なもの。
優秀な販売員は質問をするのです。
「ペンをお探しですか?」と。
もしあなたが見込み客に何の関心もない話をしているならば、
それは単なる騒音にすぎません。

3. 質問をしない

覚えておいてください。
質問した場合、会話をコントロールするのはあなたであることが多いのです。
適切な質問をし、それを注意深く聞けば、
見込み客を顧客に転換するために必要な情報を得られるかもしれません。
あなたの見込み客が何を求めているか、突き止め、
それを相手に差し出すのです。

4. しつこく売り込む

営業担当者が大規模なプレゼンテーションを計画することはよくありますが、
思ったよりもすぐに見込み客の賛同が得られることがあります。
機転の利く営業担当者なら、それ以上、言葉を重ねることなく取引を終了させます。
ところが多くの営業担当者は、それでもなお売り込みを止めません。
消費者はプレッシャーや押しつけがましさを嫌いますが、
それだけでなく、あなたがあまりに長々と商品を絶賛していることも、
逆効果になりかねません。
見込み客が購入を決心してからも、特徴や利点を話し続けるようなことをしていては、
販売のチャンスを失うことにもなりかねません。

5. 間違った相手に売り込んでいる

セールスの現場であなたがどれほどすばらしいくても、
あなたのサービスがどれほど優れていても、
あなたが相手にしているのが購入を決定をする人でなかったら、
意味がないかもしれません。
あなたが売り込みをしている人が、あなたのために、その意思決定者に話をしてくれる、
と考えて、時間を無駄にしないでください。
そんなことは、まず起こりません。
本当に重要な人と会ってください。

6. 信頼できる人間だと(態度で示すのではなく)口で説明しようとすること

可能なかぎり、説明するのではなく、示す必要がありますが、
信頼についても例外ではありません。
見込み客に、「私は1,000人のお客様に満足していただいております」と説明するよりも、
クライアントに1,000人分の「お客様の声」を見せた方が説得力があります。
あなたの主張を裏付ける証拠を見せなければ、信頼性を疑わせるリスクがあるのです。

7. 顧客の言葉で話していない

不特定多数の人に売り込むことは、困難をともないます。
それよりも、焦点を当てる市場を絞って、
あなたの対象とする人々の話す言葉と特徴を学ぶ必要があります。
見込み客の使っている言葉をあなたが使うことによって、
あなたは「その他大勢」から際立つことができるし、
見込み客に「同じグループ」だと受け入れてもらいやすくなります。

8. いつでも応じられる準備ができていない

取り返すことのできる失敗はありますが、
見込み客からの面会や見積もりの依頼に応えられなければ、
おそらくそれは取り返しがつきません。
いつでも問い合わせに応じ、クライアントが必要な時に対応することは、
あなたの責任です。

9. 相手に敬意を払わない

待ち合わせの時間に遅れない、適切な服装をする、
あるいは単に「ありがとうございました」というだけでもかまいません。
あなたのクライアントの時間とビジネスに対する敬意を
かならず要所要所で示してください。
あなたが顧客に敬意をもって接していないことが伝われば、
じきに顧客は離れていき、多くの競合を喜ばせることになるでしょう。

10. 困っていることが態度に表れている

おそらく顧客をうんざりさせる大きな要因のひとつに、
お願いだから買ってくれ、と懇願する販売員の存在があるでしょう。
顧客が必死に働いて得た賃金の一部を、あなたの社の販売員に、
ノルマを達成できないから、年間最優秀賞を取りたいから、といった理由で
出してくれ、と頼みこむようなまねをさせてはいけません。
成功が成功を生む、ということを、忘れてはいけません。
もしあなたから悲壮感が漂っているとしたら、
あなたのセールストークは効果をあげることはないでしょう。
セールスのコツを短い言葉でまとめるとしたら、
質問し、メモせよ」ということになります。
販売プレゼンテーションを、見込み客のニーズを満たす、または上回ることに
重点的に取り組むことによって、
成約の確率は格段に上昇するでしょうし、
あなたの顧客の満足度もこれまでより格段にアップするでしょう。

(翻訳:服部聡子)

 

 

本『ディープ・ワーク』

Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World

『ディープ・ワーク 注意散漫な世界で成功に集中するためのルール』

著者 カル・ニューポート

 

ディープワークとは、むずかしい仕事をする時でも、

集中力がとぎれることなく、集中して仕事をやり続ける能力のことです。

複雑な情報を素早く理解し、短時間により良い結果を生み出すことのできる

スキルのことでもあります。

つまり、ディープワークとは、競争の激化する21世紀の経済社会において、

すばらしい力なのです。

 

ところがほとんどの人は、1日の大部分を、

ばくぜんとメールやソーシャルメディアに費やしており、

他にもっと良い過ごし方に気付きもしないまま、

その能力を失ってしまっています。

 

『ディープワーク』の中で、作家であり、大学教授でもあるカル・ニューポートは、

常時接続の時代を生きる私たちに、衝撃的な物語を投げかけます。

集中しないことをとがめるのではなく、その対極にある集中力を称揚するのです。

 

この本は2つのパートに分かれており、最初のパートでは、

どんな職業であっても、ディープワークの持つ倫理観を深めることが、

大きな利益をもたらすことを説きます。

後半では4つのステップからなる「ルール」として、

人々の気持ちと習慣を変えるためのトレーニングが提示されます。

 

現代の文化に対する批判と、行動につながっていくアドバイスを通して、

『ディープワーク』は読者を印象的な数々のストーリーに誘います。

カール・ユングが自分の精神に集中するために、森の中で石を積み上げ、塔を作った話から始まり、

ソーシャルメディアのパイオニアは、アメリカと東京を往復するビジネスクラスの航空券を買い、空を飛びながら執筆に集中した話、

それとともに、実際的なアドバイスも上げられています。

たとえば、真剣にひとつのことを極めようと思うなら、ソーシャルメディアはやめなければならないという主張や、

人は「退屈する」ということを練習しなければならない、という主張なども含まれています。

『ディープワーク』は、注意散漫な世界で成功に集中しようと考える人にとって、

欠くことのできないガイドブックとなっていくでしょう。

 

 

 


元記事:goo.gl/GiDujQ

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

学生が今すぐ起業できる10のビジネス

by ハンター・ホフマン

 

マイクロソフト、デル、ナップスター、フェイスブック

これらの企業の共通点はなんでしょうか?

20世紀末、市場に激震を起こした企業であるだけでなく、

いずれも学生によって設立されたことです。
もちろん誰でも次のマーク・ザッカーバーグになれるわけではありません。

けれども学生である間に起業することは、誰でもできることなのです。

資金もオフィスもなくても、起業する選択肢がいくつかあります。

大学在学中に起業することによって、

授業料や食費、高額の教科書にかかる費用をまかなうことができるだけでなく、

有益なコネクションを形成することもできるのです。

あなたの大学の寮の一室で起業する10のアイデアを、以下にあげてみました。

1. ITコンサルティング

IT業界というのは、実際のところ、長年の経験を積んだことが、

決して有利には働かない分野です。

総じて学生は、この領域では業界の古参よりも、高いスキルを持っており、

最新テクノロジーの知識も豊富です。

あなたが自分をITコンサルタントとして売り込む自信がないのであれば、

キャンパス内で「コンピューター関連の問題があれば、いつでもお手伝いします」と

告知し、そこから始めていきましょう。

 

2. ソーシャルメディアコンサルティング

ソーシャルメディアのトレンドの最先端を行くのが学生であるのも、

めずらしいことではありません。

その知識と経験を活かして、企業のソーシャルメディア戦略を補佐してください。

企業をフェイスブックやリンクトインの先へ導き、

新しいチャネルを教えて、メッセージを広く届けてください。

 

3. グラフィックデザイン

グラフィックデザインのコンサルティングは、経験年数よりも

創造性や才能がものをいう世界です。

デザインを専攻する学生は、授業で学んだことの中から

自分のプロジェクトのポートフォリオを作成しなければなりません。

その他にも印象的な名刺を印刷したり、

自分のウェブサイトを立ち上げたりすることから

始めていきましょう。

 

4. ウェブデザイン

昨今の学生は、以前にも増して、ウェブサイトの作成に携わる機会が増えています。

ほとんどの人がやってきたのは、学内グループやクラブのサイトだったり、

仲間内や個人的なブログだったでしょうが。

とはいえ、そうしたサイトもサンプルとして利用できるし、

営利目的のウェブデザインに手を広げるために、活用することができます。

 

5. カメラマン

ピンタレストやインスタグラム、スナップチャット、フェイスブック

などのようなプラットフォームのおかげで、

人々はコミュニケーションに画像を利用することになじんできました。

ビジュアルコンテンツの需要の増大に対応するために、

アマチュア・カメラマンに依頼することにも不安はなくなっています。

テクノロジーの向上によって、アマチュアであっても、品質の高い仕事を

大量にこなすことができるようになったからです。

 

6. イベント企画

大学生ならパーティに参加する機会も多いでしょうが、

そうした経験をうまく活用することは、また別の話です。

イベント企画に要求されるのは、細部にいたるまでの注意力と組織力、

マルチタスクの能力と創造力です。

もしこの仕事をこなす能力が備わっていると思うなら、

まずはキャンパスの周辺でビジネスを始めて、

学内のサークルやグループ活動の企画を行い、人気を集めましょう。

 

7. パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、時間に融通が利いて、

どこでもトレーニングを行うことができます。

パーソナルトレーナーになるためには、所定の組織を通して

資格を取る必要がありますが、求められる条件は、

CPR(心肺停止時の蘇生救急法)やAEDの試験にパスすることなど

それほど厳しいものではありません。

 

8. クリーニングサービス

クリーニングサービスは、自由な時間を使って働ける仕事だし、

オフィスも必要ありません。

言うまでもないことですが、ビジネスに必要な用具は、

地元のスーパーで購入することができます。

汚れ仕事をしてくれる人に、喜んでお金を払う人は大勢います。

大きな試合があった翌日の大学の寮は、まさに金鉱といえるでしょう。

 

9. フリーランス・メイクアップアーティスト

政府の資料によると、アメリカでは女子学生の数は、

35年間にわたって、男子学生を上回っています。

このことは、彼女たちを対象とした小規模ビジネスを立ち上げるのに

大きなチャンスとなっています。

フリーランス・メイクアップアーティストは、特別なイベントで

顧客のメイクアップを行って収益を上げるビジネスですが、

最近ではソーシャルメディアを通じて

チュートリアルビデオを提供することもできます。

大勢の視聴者を引きつける魅力的なコンテンツを作成すれば、

YouTubeを通じて収益化することができます。

10. 造園業/除雪

造園業と除雪サービスは、長期休暇や学期中に従事できる

季節限定の仕事です。

シャベルや丈夫な長靴、園芸店で買える備品を用意して、

大学に通う自宅生や、大学周辺の居住者からの依頼を募ります。

 

たとえ大学に籍を置いたまま、学生としてビジネスを始めるとしても、

相応の報酬を受け取り、リスクもあるという意味で、

本物のビジネスに変わりありません。

ビジネスの種類や会社の規模によらず、学生時代に起業する人は、

保険に加入しておくことが重要です。

ITコンサルタント保険のように特化したものや、

もっと一般的な専門職賠償責任保険などは、

万が一の場合にも、会社がトラブルに巻き込まれないように

保護してくれるものです。

 

大切なことは、学生時代の起業は、いくばくかのお金を稼ぐ手段であるだけでなく、

卒業後に続く、成功への道を切り開くことにあります。

 

 

 

―Hunter Hoffmann(Head of US Communications at Hiscox)


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/254664

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『産業界の未来』

The Industries of the Future

著者 アレック・ロス

 

イノベーションの先導者であるアレック・ロスは、この世界で次に起こること、

次の10年で私たちがどこまで前進するか、どのような障害にぶつかるか、

そうして私たちがどのように進んでいけば良いかを明らかにします。

 

著者であるアレック・ロスは、国務長官の下で、イノベーションに関する上級顧問を務める一方で、

世界中40か国を訪ねて、あらゆる大陸で出現した最新の発明を探求しました。

ケニアのスタートアップが集中する場所から、韓国の研究開発所まで、

ロスは、将来、起こりうるものに目をこらして来たのです。

 

『産業界の未来』の中で、ロスは、来たる10年間に変わるものを私たちに見せてくれます。

前進するためのチャンスに光を当て、繁栄を遂げる国、衰退する国を示します。

また、ロボティックス、サイバー・セキュリティー、ゲノミクスの商業化、

ビッグ・データの次の1歩、デジタル技術がお金や市場に与える影響といった

私たちの未来の経済をなによりも形づくる特別な分野を、分析していきます。

 

これらのそれぞれの領域において、ロスは、きわめて厳しい問題を指摘します。

仕事の質の変化に、私たちがどのように適応していけば良いのか。

サイバー戦争の可能性は、次の軍拡の引き金になっていくのか。

世界の新興国のイノベーション中心地は、シリコン・バレーに匹敵するのか。

今日の親世代は、子供たちにどのような未来の準備をさせればよいのか。

 

ロスは、たくみなストーリーテリングと経済分析をブレンドしながら、

広汎な世界的趨勢が、私たちの生き方にどのような影響を与えていくか

鮮明で、情報に裏打ちされた見解を、明らかにしてくれます。

テクノロジー産業の大御所から防衛専門家にいたるまで、

幅広い分野の指導者の知見が集まった『産業界の未来』は、

私たちの多くが重要だと感じながらも、その複雑さに尻込みている話題を、

要約し、明確に、解き明かしてくれるのです。

 

本書は、今日と明日、世界がどう動いていくのかを理解するために、

あらゆる国の、あらゆる分野のビジネスに携わる人々が読まなければならない、

必須の一冊と言えるでしょう。

 

 


元記事:http://amzn.to/1na9FV3

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

あなたの会社のニッチを見つけるには

 

あなたが自分でニーズを満たすことができるというのに、

どうしてトレンドを追いかけようとするのでしょうか?

ファッションブランドであるスティーブンアランCEOが、あなたのチームに対しても、

消費者に対しても、ユニークで価値のあるブランドを築く方法について、語ります。

 

ファッションとライフスタイルのブランドであるスティーブンアランの創設者・CEOとして、

私はデザイン業界でニッチを作りだすことで、成功をを手にしてきました。

スティーブンアランは、私のコレクションと、小売や卸売販売の中から登場した

新進デザイナーの作品の双方を含んでいます。

私のビジネスを築いていく過程で、試行錯誤しながら、

私はこのような質問を、自分自身に問うていました。

私にしかできないことは何だろう?

どうしたらこのアイデアを、他の誰にもコピーさせずにすむだろう?

デザイナーとしてのビジョンに忠実でありながらも、

他者の参入に障害を設けることができるだろうか?

私はチャンスをとらえ、信頼する人に情報を求めることを通して学んできました。

ここにあなた自身のニッチを見つけ、そこからあなたのビジネスを拡大できる

3つの方法を上げています。

 

ギャップを見つけ、それを埋めよう

私は、複数ブランドの小売業者としてスタートしてからすぐに、

活動規模の小さなデザイナーは、製品の流通を助けてくれたり、

代理店を探していることに気がつきました。

この発見と、自分自身の起業を通じて、自分のニッチが

デザインと小売、卸売業者を結ぶことにあるのに気づいたのです。

それ以前は、私はデザイン、小売、卸売を、

3つの独立したビジネスとして、運営していました。

そうしてあとでそれをまとめて処理しなければならなかったのです。

キャッシュフローの観点から見れば、3つのビジネスは、

それぞれ資金繰りにおいて必要とするものがまったく異なっています。

確かに、それぞれ1つだけを追求した方が、簡単なのかもしれません。

けれども、この3つを一体化したモデルがあるからこそ、

スティーブンアランというブランドが、ユニークであり、強くなれるのです。

しかも、統合することによって、仕事が非常におもしろくなっていったのです。

また、ひとつの分野がほかをサポートすることも知りました。

 

厳しい質問を投げかけ、チャンスを活かそう

あなたは自分の仕事を、とことん追求できるほど、その仕事に愛情を抱いていますか?

それとも、ただ流行を追っているだけでしょうか?

あなたが今やっていることを、心から信じているなら、

どんどん深く掘り下げていき、遠くまで進むことができるでしょう。

信頼できる人と一緒に、戦略的なブレーンストーミングの会議を重ね、

あなたのアイデアの有効性をテストし、

試しにやってみて、何がうまくいくかどうかを見極めてください。

あなたが正しい方向に向かって進んでいるという証拠を見つけてください。

早い段階から、私たちは自分たちの手に余ることをやろうとしていたのです。

たとえば靴や革製品のような、当時の私たちに管理できる以上の生産規模のものです。

もしあなたにそれだけの力があるならば、市場を分析して、

一度はあきらめざるをえなかった分野に、結局は戻ってくることができるのです。

 

相談役を設置しよう

あなたに客観的な真実を話し、意欲をかき立ててくれるような、

少人数のグループを、形成してください。

私には率直で、議論好きな家族や、勤続年数の長い従業員がいます。

彼らの目的が、ビジネスをより良いものにすることであることをわかっているため、

私は彼らの意見を大切にしています。

また、イノベーションのために研究している友人を頼ったり、

ファッション業界で、数々の荒波をかいくぐってきた人に相談したりしています。

 

 

― スティーブン・アラン


元記事:http://amex.co/1SHbwNC

(翻訳:服部聡子)