実店舗からオンラインへ そしてその先は
こんにちは、トイアンナです。
女性のささいな髪形の変化に気付くことができない。これは年齢問わず男性からよくご相談いただくものです。
前髪だけ1cm切った、髪色を少しだけ明るくした……そんな違いに毎回気付くことができる男性がいるならばさぞモテることでしょう。
とはいえ男性も学ぶもの。友人男性はある朝、女性スタッフが出勤してから、得意げにフロアを歩いているのが目に留まりました。こういうときは髪型が変化したときだ、と察した彼。「髪、切った?」と質問したところ「いいえ、髪は何も……変えたのはネイルです!」とたしなめられてしまったそうです。
ネイル、タイツの色、スカーフに化粧……いったいどうやってこんな違いに気付けと? と呪いたくなる、些細な変化を見抜くのは難しいものです。ですがそんな男性も趣味の領域となれば事態は一変。「この時計は盤面が全て手塗りで……」「革靴はパティーヌの最上級品で……」「手帳には結構こだわってて、こいつは各ページに糸綴じ製法が……」うっとりとした表情で語る、こんな男性をご覧になったことはありませんか?
男性だって、自分の好きな分野になればプロ顔負けの微細な違いに気付くことができるのです。
こんな風に、私たちは自分が熱中している部分なら細かな変化を察知することができます。しかしその一方で深い興味を持たない分野で起きた変化に対しては鈍感なもの。
ここでビジネスに立ち返って考えていただきたいのが「あなたの製品・サービス」です。
あなたの製品やサービスへ1番深い興味を持っている人は誰でしょうか。答えは、あなた自身です。
例えばマーカーペンを販売している私の友人は、同じ「赤色のペン」でもインクの色からにじみ、長持ちする度合いまで誰よりも詳しく知っています。彼が扱っているペンは確かにインクがにじみにくいのが魅力です。しかしその魅力を誰も知りません。なぜなら、99%の人にとってペンのにじみ度合いは、深い興味を持たない分野だからです。
同じようなことは、他の業界でも起こります。
・ 他社より1.25倍ゴミをキャッチできる排水溝のネット
・ 今までで一番薄くて丈夫なスーパーの袋
・麻酔が上手な歯医者
・ 自由にメニューを組み合わせられるヘッドスパ
これらは全て同じ業界の人間であれば「すごい差別化だ!」と思うような変化でも、一般人には「どこが違うの?」と思われかねないものです。残酷な現実ではありますが、あなたが10年かけて作った盛大なイノベーションも、お客様から見たときには「女子のネイルが変わった」くらいにしか見られないというリスクがあるのです。
といっても「技術をどれだけ磨いても、差別化へは繋がらないから研究開発はいらない」という暴論を伝えたいのではありません。
まず、よい差別化とは「メッセージがお客様目線」になっているものです。先ほどの「差別化」は全て、製品やサービスを提供する側の目線でしか違いがわかりません。しかし全て下記のように言い換えてみたら、いかがでしょうか?
・カレーの残りも三角コーナーでキャッチ、排水溝が詰まらないネット
・5kgのお米を運んでも千切れないスーパーの袋
・無痛抜歯を約束できる親知らず専門の歯医者
・20種類のメニューから自由に選べるヘッドスパ
訴求している内容は全く同じでも、より「一般の方が興味を持つ言い方」に変わったと思います。このように差別化のほとんどは言い換えるだけでお客様の心に届く強いメッセージになります。
その一方で「差別にならない」差別化もあります。たとえばこんな例です。
・友達を呼んだら300円オフになる割引券…「そのサービス、どこでもやってるよね?」と思われてしまいます。他社でもやっているようなキャンペーンを作っても、差別化にはつながりません。
・ 最寄りの喫茶店がわかる携帯電話の新機能…「それができたところで、何の役に立つの?」とお客様は考えてしまいます。お客様が直感的に今までと違ってすごい! と思っていただけるのでなければ、差別化にはつながりません。
このような差別化のダメ事例は、他業種であれば「なんでこんなのが差別化になると思ったの?」とすぐ気付くものです。しかし実際に自分が携わる製品になるとつい「これこそが差別化だ!」と妄信してしまいがちな落とし穴もあります。
自分が作った製品やサービスはわが子のように愛おしいもの。その子が市場でモテようがモテまいが「なぜ売れないんだ、こんなにいい子なのに」と考えてしまうのはごく自然な感情です。ですがもし、あなたが「市場でモテる」製品を作りたいのであれば差別化の最低条件は、下記を満たす必要があります。
(1)競合と比べて大きな差があること
(2)買い手にとっても「大きな変化」であること
従って、差別化をするためには競合とお客様の深い理解が必要となりますし、できれば製品ができた後ではなく「商品開発を始める前」から熟考する必要があります。差別化に繋がらない研究開発へ多額の投資をしてしまった後では、取り戻すのが難しくなるからです。
次回は、誰でも始められる簡単な競合分析のテクニックをお伝えしてまいります。
合わせて読みたい:男友達止まりの俺と 女を落とすアイツの違いは?「差別化」の秘密
トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com
著者:アリアナ・ハフィントン
私たちは、睡眠不足の危機の真っただ中にいます ― そう警告するのは
ハフィントンポストの共同創設者であり、編集長でもあるアリアナ・ハフィントンです。
そうして私たちの健康や、業績、私たちの人間関係や幸せは、
睡眠に深い関係があるのです。
ハフィントンは大胆に主張します。
いま必要なのは、睡眠革命にほかなりません、と。
睡眠と私たちの関係を変えることだけが、
私たちの手に生活の管理を取り戻させるのです、と。
ベストセラー『サード・メトリック しなやかにつかみとる持続可能な成功』
の中で、ハフィントンは、私たちが、幸福、知恵、驚き、思いやりを通して
成功を再定義する必要があることを、主張しました。
より充実した生活を送るために、?睡眠は、その入り口として重要だという彼女の議論は、
十分な調査に裏打ちされながら、彼女が理解した睡眠の神秘と、その変革する力について、
力強く語られていきます。
その結論は、あらゆる角度から見て、またあらゆる睡眠の歴史から見ても
包括的で、科学的に見て厳密なものです。
私たちの生活に対する夢の役割、睡眠不足の結果や、目覚めが
さまざまな健康の側面、たとえば肥満や糖尿病、心臓疾患、ガン、アルツハイマー病などに
大きな影響を与えているのです。
『睡眠革命』の中でハフィントンは、私たちの文化が睡眠を、時間の無駄として、
いかに排除してきたかを明らかにします。
そうして私たちの健康や、意思決定を損ね、仕事や私生活、性生活さえも損なってきたかも。
ハフィントンは、最新科学をもとに、私たちが眠り、夢見ている間に
何が進行しているのかを探求していきます。
また、睡眠薬産業の危険や、睡眠を妨げるテクノロジーへのさまざまな依存を取り上げます。
さらに、最先端の科学者が勧める、私たちの睡眠を回復させ、より良いものにし、
その信じられないほどすばらしい力を活用する方法を教えてくれます。
早いペースで進み、常時インターネットに接続され、つねに追い立てられ、
睡眠が奪われる世界では、私たちにとって、
夜の深い眠り以上に大切なものはあるでしょうか。
『睡眠革命』は、世界規模の睡眠の危機に警鐘を鳴らし、
私たちの生活やコミュニティ、世界を変革するために役立つ
より良い睡眠と目覚めを教えてくれる、洗練されたロードマップを提供してくれます。
(翻訳:服部聡子)
by スティーバー・ロビンス
攻めのCMと商品開発が評判の日清食品。
日本を代表する世界のNissinを、
天晴れと感じる人も多いことでしょう。
その日清が、「斜め上をいく」CMを中止にしました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160408-00010004-bfj-bus_all
最初に断っておきますが、日清食品は、尊敬する大好きな会社です。
友人もいますし、その社風や、
創業者 安藤百福氏の壮絶な人生、
カップヌードルを開発したのが氏の60歳だったという
攻めの姿勢にも、僭越ながら共感を感じています。
ただ、中止するにせよ、企業へのダメージを
最小限に抑えないといけません。
中止自体が、「弱腰」と評判になってしまっては
元も子もありません。
まず、大前提として、企業広告と商品広告の違いがあります。
通常、我々のような小規模企業は、まずは商品やサービスを売るための広告が必要で、
企業広告は、企業のイメージを売るものです。
「やっちゃえ、日産」などは、その良い例。車のCMも別途放映しています。
ドモホルンリンクルの再春館製薬所は、サンプルを無料オファーする商品CMと、
企業自体を紹介するCMを、組み合わせて放送しています。
今回の中止になった、日清の北野武さんを採用したCMは、
たとえカップヌードルを売っていたとしても、彼らの規模になると、
企業CM同様の扱いで、神経を使う必要があります。
2. SNSで評判の良い日清CM
日清は、批判精神をうまく昇華させたCMが、
「攻める」企業イメージの定着に役立っています。
商品もCM同様に、新商品を続々登場させるなど、
若いターゲットに合わせた、「バズられる」話題作りに長けています。
担当者は、次々と攻めのCMが評判になり、
少し油断をしていたのではないでしょうか?
中止になったCMの中で北野武氏は
「世間の声とかどうでもいい。大切なのは自分の声を聞くってことだろう。
おりこうさんじゃ時代なんて変えられないよ」
と伝えていたのです。
ところが、早々のCM中止の判断は、このメッセージに反して、
「世間の声にあまりにもあっけなく負けた」のだと
受け取られてしまいました。
負けるなら、あんな強烈なメッセージ性のある広告を
最初からやらなければ良いじゃないか、という気持ちが
「天晴れ」と感じていた人の心に芽生えます。
3. 批判精神は、真摯でなくてはならない
「バカになれ」とは、スティーブジョブズの有名な講演の一文で、
このメッセージ自体は、非常に崇高なものです。
北野氏やムツゴロウ氏、小林幸子さんらの起用は、
このメッセージに一致するものであったはずです。
ところが、
谷口真里さんが「二兎を追うものは一兎も得ず」と
大学で講義していたり、
新垣隆氏が二人羽織でピアノを教えている図は、
SNS上のエイプリルフールネタでなら、「くすっ」と笑いを誘えたかもしれないですが、
これだけの大型のCMに入れる必要があったのかどうか。
不倫問題や学歴詐称で、TVから降板する人たちがいる中、
それらを「バカになろう」という高尚なメッセージに
ねじ込むことで、このメッセージ自体を、
卑下してしまう結果になるとは、なぜ、誰も指摘できなかったのか?
つまりは、
私は、CM制作や企画に当たった取引先の人間性の問題が一つ。
カップヌードルのように若いターゲット向きには、
若者のアイデアが必要です。
SNS向けでは好評だった、若い者の浅知恵をそのまま
ホクホクとデータだけで採用してしまうことの危険性が
別の問題としてあると思います。
それらが、
経営戦略のほころびとして、かならず出てしまうということです。
ほころびは、小さく、あちこちから現れます。
言いたいことは、
たまたま、今回は残念だったね、ちょっとやりすぎたな、
という問題ではなく、
これは、管理にほころびが出ているという、
非常に大きなボトルネックを呈示しているということなのです。
4. どんな企業も、完璧にはなれないからこそ・・・
経営は、常に危険との背中合わせです。
まさに、戦国武将の危機管理が必要です。
ですが、社長が隅々の業務まで目を通すことはできません。
ただしCMは、企業がどのように受け取られていくか、
どのようなターゲットに、どのようなインパクトを残すか、
経営から切っても切り離せない問題です。
これら、マーケティングの問題を軽視し、
チェック能力が機能しなくなった時、
経営自体が、徐々に蝕まれてしまいます。
若い才能を引き上げつつも、
手綱を緩めない管理は絶対不可欠です。
(島藤真澄)
こんにちは、トイアンナです。
今までに500人以上から人生相談を承ってきましたが、過去にこういったご相談がありました。
「仙台でしがない中小企業を経営している者です。たまに友達とパーティへ行くと「いい人だね」とは言ってもらえますが、いつも男友達止まりです。それに対してルックスも年収も俺より下で、ただの会社員をしている弟は女の子の手をいきなり握ったり、セクハラまがいのことをしたりするのにモテます。こういうのって、何でなんでしょうか?」
答えは、弟さんが他の人と「差別化」できているからです。
合コンのように「自分のよさ」を見せたい場面では、みんな無難な「いい人」になりたがります。
「好みのタイプは、優しい人」
「あ、お肉取り分けるね」
「グラスが空になってるけど、もう1杯飲む?」
こういった言葉は「いい人」になりたがる男性がよく言ってしまうフレーズ。こういう発言であなたを悪い人だと思う人はいないでしょうが、誰もがこういう振る舞いをすることで、「たくさんいる男性の1人」に埋もれてしまいます。
ですが、堂々と振舞う男性は別です。モテる男性は「下の名前を呼ぶ」「軽いボディタッチ」など、下手をすると嫌われるかもしれない行動をさらりとやってのけます。もちろん拒否反応を示す女性もいますが「この人、ステキかも」とドキドキする女性も生まれるわけです。
この時点で「合コンに参加してきた5人の”いい人”たちと、1人の気になる彼」という差別化が生まれるのです。
この事例は、仕事にたとえても同じです。身近な例で、コンビニの棚に並んでいる菓子パンを想像してください。
ずらりと一列に100個以上の菓子パンが並んでいる店内で、各企業のパンが自社製品を選んでもらおうとひしめき合っています。
季節限定の桜メロンパン、大食漢の男性も食べたいチキンカツサンド、女性の小腹に入るミニあんぱん……といった涙ぐましい企業努力の中で、誰よりもヒットした企画があります。
それはY社の商品にシールを貼り付け、数十枚溜めると必ずお皿と交換するというものでした。美味しさ、安さ、量と「パンと直接関係した」宣伝が並ぶ中で、なぜかお皿との交換を提案したY社のキャンペーンは、たちまち人気沸騰。今では毎年春になると必ず実施される風物詩となっています。
このように「他社とはちょっと違う」ことをアピールするだけで、商品そのものはたとえ優れていなくても、飛ぶように売れる仕組みを作ることができるのです。
とはいっても、何でもかんでも差別化すればいいわけではありません。ここで、合コンの事例に戻って考えてみましょう。
合コンで女性から「私、スピリチュアルが趣味で。好みのタイプは前世が武士だった人」と言われたら95%の男性はドン引きしませんか?
これが悪い差別化の例です。
同じように合コンで男性が「俺、数学の勉強にはまってて。知ってる? xの36乗ってさ……」と2時間語ったとしましょう。
確かに他の男性と彼は差別化されるでしょうが、合コンの二次会も吹っ飛ぶに違いありません。
対していい差別化は「狙った相手の心へ響く」ものです。
合コンで、もし「ほんわかした、優しそうな女性」へ差別化したいのであれば「でも優しくしてるのって、くたびれない?」と相手の愚痴を引き出すといいでしょう。逆にサバサバした、キツめの女性が好きならば友達の口から「コイツ、本当にいい奴なんだけどいい人過ぎて癒し系にしかならないって女に振られたことがあってさ~」と語ってもらえば「私も癒されたいかも……」と心を動かせるかもしれません。
いい差別化をしたいならば、相手のことを深く知らねばなりません。
相手が「この人、今までに会った人と違う!」と思わせるものを提供するためには、今までに出会ってきた商品や人を知る必要があるからです。合コンであれば元彼の話を聞いたり、恋愛観について質問してみたりすると、
「意外とグイグイ引っ張ってくれる男性が好きなんだな」
「前に趣味が同じ相手と付き合って大喧嘩した挙句に別れてるから、全然違う趣味の男性を選びたいんだ」
といった情報を得ることで「いい差別化」を図ることができます。
同様にビジネスであれば、今までにどんな商品を使ってきたかを顧客へ質問します。
過去にどんな商品が好きだったか、あなたの製品・サービスを選ぶ前の「元彼」を聞きだすことで、顧客の「心が動く」ポイントを調べてゆくのです。
次回は「差別化できているつもりで、できていない? 差別化ごっこのリスク」についてご案内いたします。
トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com
by ジュリー・ボーデン・デイビス
元記事:https://goo.gl/vQq2Zyからの翻訳
ビジネスの場で活躍する女性にとって、時代は変わりつつあります。企業のオーナーとして成功を収めた女性は、男女平等や今日のビジネスの状況、とりわけ女性の起業について、どのように考えているのでしょうか。
テクノロジーの進歩のおかげで、遠隔地でも働くことができるようになり、また、資本へのアクセス方法も増えたために、女性が夢を実現することは、以前より簡単になったと言えるでしょう。
実際に、インクレディブル・ワン・エンタープライズのオーナーであるダニエル・A・ジャービーは、
自分のキャリアを決定し、作り上げ、自分自身の進路を進んでいこうとする女性にとって、女性が起業しやすい今ほど、良い時代はなかった、と考えています。
ジャービーはこのように語ります。
「伝統的に、家庭内での決定権を握っているのは女性であると考えられていました。
ですから、もっと大勢の女性が自分の才能を起業に活用していけばいくほど、市場にも多くの価値が付与されることになります。私は多くの女性がビジネス情報に詳しくなり、自信を持ち、ビジネスを真に変革していくために自分たちのビジネスの基盤を活用しようと一生懸命になっている時代を、今、まさに目の当たりにしているのです」
私は女性実業家と面談し、ビジネスに携わる女性の状況や、男女平等の問題だけでなく、女性起業家が今後直面するであろう変化についても聞きました。
― ゲイブリエル・エドワーズ (ミクソロジー・クロージング経営者兼主任バイヤー)
著者 サンジート・ポール・ショーダリー、マーシャル・W・V・アルスタイン、ジェフリー・G・パーカー
ウーバー、エアービーアンドビー、アマゾン、アップル、ペイパル。
これらの企業はいずれも、創業とともに市場に大きな影響を与えました。
そうして今日では、業界のリーダーとなっています。
その成功の秘密は、いったい何なのでしょうか?
こうした最先端のビジネスは、プラットフォーム(基盤)の上に築かれています。
私たちのビジネスの方法を革命的に変えていった、2つの市場をつなぐプラットフォームです。
目下引っ張りだこのプラットフォームビジネスの専門家3人によって書かれた『プラットフォーム革命』は、
プラットフォーム・モデルについての信頼できる、事実に基づいた最初の本なのです。
売り手と買い手であろうが、家主と旅行者であろうが、ドライバーと車に乗りたい人であろうが、
プラットフォームが両者を結び付けます。
そうしてジェフリー・G・パーカー、マーシャル・W・ヴァン・アルスタイン、サンジート・ポール・ショーダリーは
プラットフォーム・ビジネスにおける成功を生み出すために、
プラットフォーム革命とは何か、どのようにすれば良いのか、
なぜ起こったのかを明らかにするとともに、
初めての「オーナーのためのマニュアル」を準備しました。
『プラットフォーム革命』は、新規参入者に対して
成功するプラットフォーム・ビジネスをいかに起ち上げ、運営するかを教えます。
また、主要な市場を見極める方法と、ネットワークをマネタイズするやり方を
説明してくれるのです。
現在のビジネスリーダーに向けては、著者たちは
今日有望なプラットフォーム(たとえばティンダーやスキルシェアのような)の背後には
どのような戦略があるかを明らかにします。
そうして伝統的な企業が、変貌を遂げる市場に、いかに適応していけばよいのかを
説明していくのです。
また、著者たちは、セキュリティやレギュレーション、消費者の信頼といった
重要な問題を押さえるだけでなく、
ヘルスケアや教育、エネルギーといった、
プラットフォーム革命の機が熟している市場を調べていきます。
デジタル・ネットワークが張りめぐらされるにつれ、
プラットフォームの力を利用し、より良い仕事をするビジネスだけが、成功を収めます。
必要不可欠なガイドである『プラットフォーム革命』は
プラットフォームの輝かしい未来を描き出し、
それが数百万人の人々の生活と仕事を決定的に変えていくかを明らかしています。
(翻訳:服部聡子)
著者 スティーブ・ケイス
超一流の起業家の1人であり、
インターネットを日常生活の一部に組み込んだパイオニア、
また、ビジネス史上最大の合併をまとめた人物が、
急速に変化を遂げるテクノロジーの世界で
誰でも成功できるロードマップを語ります。
スティーブ・ケイスのキャリアは、1985年、AOLの共同創設者になることから
スタートしました。
当時、インターネットを利用するアメリカ人は3%でしかありませんでした。
AOLが成功した企業の主流に躍り出るまで、10年かかりました。
それまでに何度も瀕死の状態や、非常に困難な状況に陥り、
そこから何とか立ち直ってきたのです。
AOLは1990年代に、頂点で活躍する企業となりました。
最盛期には、アメリカでインターネット回線を利用する消費者の約半数が、
AOLのサービスを利用していました。
そのAOLが、タイム・ワーナー社を吸収合併を敢行し、
ケイスはこの複合型ビジネスの会長に就任しました。
メディアと通信が一体となった一大帝国の総帥となったのです。
ケイスが青年期に大きな影響を受けたアルビン・トフラーの著作に敬意を払い、
同名の著作から標題を借りた『第三の波』の中で、
ケイスは起業家として、投資家として、また慈善家、超党派的政策の擁護者として
何十年間も活躍してきたことからくる奥深い洞察を提供してくれるだけでなく、
きわめて重要で、興味深くもあるビジネス上の決定がなされる舞台裏に、
私たちを連れていってくれるのです。
ケイスの解説を通して、私たちはインターネットの「第三の波」と呼ばれる
新しいパラダイムに入っていきます。
第一の波とは、AOLや他の企業が、消費者のインターネット接続という基盤を整えたこと。
第二の波とは、グーグルやフェイスブックのような企業が、
サーチエンジンを開発し、ソーシャルネットワークの可能性を広げ、
インターネットの頂点を築いたことを指します。
またスナップチャットやインスタグラムなどのアプリは、
スマートフォン革命を押し進めることになりました。
そうして今、ケイスは、私たちは第三の波に入っていこうとしている、と言うのです。
「現実世界」の主要な分野、すなわち健康や教育、輸送、エネルギー、食糧などの領域は
起業によって広範に転換していくだろう、
そうして私たちの生きる日常生活において、まさにその変化が起こっている、と言います。
けれども、第三の波で成功するためには、これまでとは異なったスキルの組み合わせが
求められる、とケイスはその先を描いていきます。
『第三の波』は、過去を描き、宣言であり、同時に未来への戦略の書でもあります。
情熱と明晰さをもって、ケイスは新興のテクノロジー企業(シリコンバレーに
拠点を置かない企業群が圧倒的な増加を見せている、とケイスは主張しています)は
顧客や競合、政府との関係のあり方を、見直していかなければならない、と言っています。
そのほかにも、起業家がビジネスの決定や戦略において、勝利を収める方法や、
私たち全員が、デジタル時代の変化について理解するためのアドバイスが述べられています。
(翻訳:服部聡子)
こんにちは、トイアンナです。
飲み会の席で「可愛い子、紹介してよ」と言われたことはありませんか?
実はこの一言に、あなたの仕事で売上を爆発的に伸ばすメカニズムが詰まっています。
恋愛で、あなたの心がぐっと動く好みのタイプ。
たとえば「顔が石原さ○み」かもしれませんし「ぐいぐいデートで引っ張ってくれる」かもしれません。
こういう心を動かす便益のことを、ビジネス用語では
「ブランド・エクイティ」と呼ぶことを、前回の記事でお伝えしました。
今回はここからさらに踏み込んで、お客様の心にぐっと来るブランド・エクイティの作り方を
恋愛でたとえつつお伝えできればと思います。
ある飲み会で、あなたが冗談混じりに「ちょっと可愛い子、紹介してよ」と友達へ相談したとします。
律儀なあなたの友人は、1週間後に「紹介したい子がいるんだけど、ご飯会でもセッティングしようか?」と連絡してくれました。
あなた「いいね!で、具体的にどういう子?」
お友達「顔は可愛くて、趣味は料理って言ってたかな。
この前肉じゃがを作ってくれたけど美味しかったよ。
仕事は医療事務なんだけど、結構やりがいもあってがんばってるって言ってた。
穏やかな性格で、あんまり怒ったり泣いたりしてるのは見たことないかな……
ただ、男関係は結構ガードが固くて、清純派って言われてる子だよ」
あなたはここまで聞いて「すごくいいじゃん! ぜひ紹介してよ!」とお願いするかもしれません。
しかしここで1つだけ質問させてください。
3日後に、「今度、お友達から紹介される子はどんな子でしたか?」と質問されたらあなたは答えられますか?
料理上手、温厚な性格、可愛い顔……それぞれ素晴らしい特徴ですが、あまりに情報が多すぎて、覚えられないのではないでしょうか。
逆に、お友達からこんな情報を言われたらいかがでしょうか。
あなた「で、具体的にどういう子?」
お友達「とにかくガンダムがめちゃくちゃ好きな子でさ。お前ときっと気が合うと思って」
1つしか紹介される子の情報はないのに「自分に合うか・合わないか」が一瞬で判るのではないでしょうか。
そしてきっと3日たっても、あなたは今度紹介される子が「ガンダムが好きな子」として覚えられるのではないでしょうか?
これは商品やサービスを売る上でも、同じです。
「私の治療院は渋谷駅から近く、全員国家資格を持っているプロのマッサージ師が対応します。事前アンケートで体質をチェックしてから施術を行いますので、短期間で効果を実感できます。さらにアジアンリゾート風の内装で高級感を味わいながらリラックス。料金は60分で3,500円とお得です!」
と書くよりも「高級リゾートでリラックス」と一言で説明されたほうが、心に残るのです。
経営をしているとどうしても製品やサービスの良さを伝えたいあまりに、たくさんのことを伝えたくなってしまいます。
しかし実は「1つだけのフレーズ」を思い切ってブランド・エクイティに選んだほうが、大人数の心に届くのです。
もうひとつ、いいブランド・エクイティが持っている条件があります。
それは「顧客でない人を排除する」点です。
たとえば冒頭の「可愛い子、紹介してよ」の答えとして出てきた「とにかくガンダムが好きな子」という紹介は、ガンダムが好きな男性には刺さりますが、アニメに興味がない男性からすれば「別にどうでもいい」条件です。
このように「あるターゲットの心を強く動かす」ブランド・エクイティは、逆に全く心が動かない層も作ります。
「高級リゾートでリラックス」できるマッサージ治療院の例でも、価格さえ安ければいいと考えている顧客や、余計な設備を好まない顧客は始めからお店に呼び寄せない効果があります。
「多くの人に来てもらうのが一番なんだから、ブランド・エクイティでお客様を排除しちゃダメじゃないか」と思われるかもしれませんが、この世に誰からも好かれる製品はありません。
世界中で老若男女問わず売れているコーラやマクドナルドでさえも、苦手な人がいます。
誰からも好かれる製品を作ろうとして無個性なアピールをしてしまうくらいなら、特定の人に愛されたほうが、売上は長持ちします。
「いくら出してもあなたの製品を買いたい」と言ってくれる人がどれほど見つけられるかは、ブランド・エクイティにかかっているのです。
まとめると、よいブランド・エクイティは「バチっと決まる1つのフレーズがある」特徴があります。
自社製品のブランド・エクイティを考えてみるときはぜひ1つのフレーズで、あなたの製品の良さを考えてみてください。
次回は、他社との差別化をブランド・エクイティで見せる方法について書いてゆきます。
関連記事:美容室をヒットさせるにはイケメンを雇え!? 成功する企業が持つ「ブランド・エクイティ」の秘密
トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com