社内起業家として成功するために

 

大企業で働きながら、同時に起業家として働いている人もいます。

彼ら社内起業家も、会社に属さない起業家と同じように、

革新的な製品を作りだすことを夢見ています。

 

彼らもまた、試作品を作り、宣伝し、売り込み、自力で立ち上げ、人材を募集し、

資金集めをし、パートナーを探し、販売し、サポートしなければなりません。

このコラムでは、企業の一員でありながら、なおかつ起業を考えている人のために、

何をしなければならないか、説明したいと思います。

 

皮肉にも、名の知れた会社の社員をうらやましく思っている起業家は、少なくありません。

ラッキーな連中は、莫大な資金と、大規模な営業部門、フル装備の研究室、

いくらでも拡張していける工場、確立されたブランドを好きなように使えるじゃないか、

おまけに医療と歯科治療の給付まで……。

そんな贅沢な環境で新製品の開発ができるなんて、どれほどすばらしいだろう。

ガレージで開発を続ける起業家たちは、そのように思っているのです。

 

でも、もう一度、考えてみてください。

そんな最新設備の中で新しい製品を作りだすのは、簡単なのではなく、ただ、違うのです。

私はこの点に関して、ニール・アナリティックスのデータ・サイエンス所長、ビル・ミードと共同で分析しました。

その上で私たちは、社内起業家に向けた提案リストを考案しました。

 

 1. 優先するのは会社である

 

社内起業家の第一の(唯一ではないにしても)モチベーションは、

つねに自分を雇っている会社の業績アップでなければなりません。

 

社内起業家制度は、自分が注目を浴びたり、帝国を築いたり、

会社から全速力で飛び立つためのカタパルトを設置するためのものではありません。

 

あなたが製品の良いアイデアを持っていれば、最初から大勢の同僚を引きつけることができます。

あなたが自分の個人的な利益のためではなく、会社のために働いているならば、

同僚はみんなあなたを応援してくれるでしょう。

 

Beth concepting ideas for the Health Axioms

 

2. 金の卵を産むニワトリは殺してしまおう

 

会社にありのままをぶちまけて、敵を作る必要はありません。

ですが、あなたの任務は新しい製品を作りだすこと。

そのために、いまある製品が用済みになってしまうことも、起こりうる事態です。

 

たとえば、マッキントッシュ・コンピューターは、アップルIIを殺すことになりました。

アップルにとっては、競合している会社がマッキントッシュを開発した方が良いことだったのでしょうか?

それとも、マッキントッシュなど、決して開発されず、その道が閉ざされてしまった方が良かったのでしょうか?

とんでもないことです。

 

3. こっそりと行動しよう

 

ガレージで開発していたふたりの男にとっては、できるだけ大きな注目を集めることが、重要でした。

努力の成果を知ってもらえれば、資金調達も容易になるし、

パートナーシップを結ぶことも、取引を成立させることも、従業員を雇うことも、簡単になります。

 

けれども、社内起業家にとっては、その逆が真なのです。

あなたのプロジェクトが、誰も無視できないほど、先に進んでいるか、

会社全体が、それが必要だと認識してもらえるようになるまで、

経営陣からは放っておいてもらえるようにしておきましょう。

 

4. ゴッドファーザーを見つけよう

 

多くの会社に、「ゴッドファーザー」的な存在がいます。

しかるべき何かを支払っておけば、日々のちょっとした政治的な力関係から、

私たちの身を安全に保ってくれるような存在です。

彼らはどちらかというとアンタッチャブルで、経営陣からも気を使われています。

 

社内起業家は、そうしたゴッドファーザーを見つけ、アドバイスや、技術的・経営的な面からの意見をもらい、

いざというときには自分たちのプロジェクトを守ってもらわなければなりません。

 

5. 別のビルに部屋を持とう

 

社内起業家が大企業のメインストリームで仕事をすることは、死を意味します。

あらゆる部署の上司が、こんなアイデアは無駄だと主張して、切り刻まれてしまうからです。

 

ピーター・ドラッカーはこのように言っています。

「現実に進行中の堅固な仕事の前では、

新しいことはいつでも、取るに足らない、見込みのないものに思える」

 

Correspondance visuelle 5

 

6. 夢を持っている人に希望を与えよう

 

どんな会社にも

「こんなばかでかくて間抜けな会社じゃ、イノベーションなんて起こせない」

と考える、シニカルな人はいるものです。

 

実は彼らは、イノベーションが現実のものとなるのを見たい、理想家でもあるのです。

大企業には、無視され、忘れられ、屈辱を感じつつ、服従を強いられている、有能な人がいます。

彼らは踏みつけにされているかもしれませんが、死んではいません。

 

そんな人々に、あなたが体制の中心部に杭を打ち込もうとしていることを知らせれば、

かならず物心両面の助けが得られるでしょう。

こうした人々のイノベーションを求める気持ちが、あなたを助け、実を結んだとき、

あなたのゴールは、彼らの昇進につながります。

 

7. 社内の転換を予測し、うまく利用しよう

 

会社が変化することを、社内起業家は歓迎しなければなりません。

市場の変化などの外部要因や、新しいCEOの就任などの内部要因によって会社の構造が転換するときは、

あなたにとって、チャンスかもしれないのです。

 

有能な社内起業家なら、こうした変化を予想し、いざその段になれば、新製品を公開できるようにしておくべきです。

「これが私たちが取り組んできたことです」 と。

 

それが、社内に巣食う愚か者だと、こんな具合。

「配置転換を今、知ったところです。

6ヶ月間の猶予とアナリストのお許しがいただければ、新製品戦略を作成いたします」

 

8. いまあるものを足がかりにしよう

 

大企業の内部でイノベーションをおこなおうとすることのマイナス面は、

明確に文書化することを求められる点です。

 

イノベーションを少しでも簡単にするために、

会社のいまあるインフラを有効活用することを、躊躇しないでください。

設備だけではなく、ほかの部署にいる社員までもが、チームの一員であると感じられるように、

友だちの輪を拡げていくのです。

 

9. データを集め、共有しよう

 

経理担当者や法律家の呼び出しを受け、あなたのプロジェクトの存在理由を問われる日が来るでしょう。

運が良ければ、そんな日が来るまで、もう少し時間の余裕があるでしょうが、いずれにせよ、やってくるのです。

 

その日のために、

(1) 使用した金額と、得た金額のデータを集めておく

(2) そのデータを公開し、シェアする

 

大企業では、データを公開していれば、反対勢力の出現を抑えることができます。

けれどもひとたび反対勢力が登場してから、データを入手しようとしても、手遅れになりかねません。

 

9. 副社長にお越し願おう

 

副社長にプロジェクトを賛同してもらうことが、第一歩でしょうか?

 

いいえ、ちがいます。

賛同は、最後の一歩です。

 

副社長には、あなたのアイデアを「自分のもの」にしてもらい、

支援というより自分が「発見し」、

自分が後ろ盾となってあなたにやってもらうのだ、と思いこませるのです。

 

機が熟したら、あなたは確実に、副社長に「偶然」発見してもらわなければなりません。

これは、プロジェクトのスタート許可を求めることとは、まったくちがうものです。

 

10. 完了後は解散しよう

 

社内起業の利点は、社のメインストリームより早く、新製品を開発できる点にあります。

起業家グループがもし、全体から切り離され、超然としたままで存在し続けると、

あれほど効果をあげたはずのグループ内部の一体感が、不幸なことに、

グループの失墜を招くことになりかねません。

 

11. 脳を再起動しよう

 

ここで説明した実践は、社内起業家の多くがこれまでに経験したり、学んだりしてきたこと、

時には大企業で教えられてきたりしたこととも、異なっているかもしれません。

ほんとうのことは、既存の会社の内部で要求される新しい行動パターンを編みだしながら、

何か新しいことを始めることによって明らかになります。

何より大切なことは、あなたの脳を活性化することなのです。

 

 

このコラムはガイ・カワサキの最新刊『スタートの技術 2.0』(原題)の一部分を元にしたものです。

ご一読後、飛躍されんことを。

 

著者:ガイ・カワサキ


元記事:http://linkd.in/1EOuQlD

(翻訳:服部聡子)

イノベーションの技術

 

 

    イノベーションとは、起業家精神にとって、特殊な道具である。  

    イノベーションが源となり、富を創造するという能力が花開く。   

                       ― ピーター・ドラッカー

 

 

ピーター・ドラッカーは正しいことを言っています。

イノベーションとは、富を生むものです。

イノベーションとは、実際、ひどく困難なことですから、 もうけが出るのもあたりまえなのかもしれません。

 

このコラムの目的は、イノベーションの原理を説明することです。

私はそれを、アップル社の前線で、また、私が起こした3つの企業で、

アドバイザーを務めた多くの企業を通して、学んできました。

私は間違いなど犯したことがなかった…、と言えれば良いのですが、 きっとそれは事実ではないでしょう。

私の言うとおりにやってください

― 実際に私がやった通りではなく。

 

1. 意味を作りだす

 

あなたが、何かほんとうに意味のあることを通して、

どのように世界を変えていこうとしているのか はっきりと決めてください。

アップルはコンピューターを大衆のものにしました。

グーグルは情報を大衆のものにしました。

イーベイは商取引を大衆のものにしました。

 

これらの企業は意味を作りだし、意味を作ることによって、結果的に大きな利益を生み出しました。

 

2. マントラを作る

 

なぜ、自分が意味を作りだそうとしているのか、説明できるような、

3つから4つの言葉からなる、自分のマントラがあるはずです。

 

たとえばナイキのマントラは、私が思うに「本物のアスリートのパフォーマンス」にちがいないと思います。

またイーベイは「大衆化された商取引」でしょう。

私のマントラは「人々に力を与える」。

 

要するに、なぜ自分が存在しなければならないのか、マントラが説明してくれるのです。

 

3. つぎのカーブにジャンプしよう

 

あまりに多くの企業が、同じ成長カーブ上で争っています。 1880年代に、氷を切り出す産業がありました。

 

 

冬の間、氷の塊を切り出す会社がいくつもあったのです。

ところが氷工場ができて、氷を切り出す会社はいずれも廃業に追い込まれました。

 

 

というのも、氷工場なら、天候の制限を受けないからです。

やがて冷蔵庫会社ができて、今度は氷工場が廃業に追い込まれました。

 

 

個人で冷却装置を所有すれば、よりいっそうの利便性が得られるからです。

つぎの成長カーブにジャンプするときに、 さらにいえば、つぎのカーブを作り出したときに

ほんとうのイノベーションは起こります。

 

4. すばらしい製品はDICEE

 

DICEEとは、Deep(=深い)

Intelligent(=知的な)

Complete(=完璧な)

Empowering(=力を与える)

Elegant(=エレガントな)

の頭文字を取ったものです。

 

「深い」とは、多方面における特徴と力を持っている、ということです。

 

「知的」というのは、人の感じている痛みと必要性を、 その企業が理解している、ということです。

「完璧な」というのは、満足できるトータルソリューションを、その企業が提供している、 ということです。

 

「力を与える」というのは、顧客がその製品と格闘するのではなく、

その製品を使って、より良いことができるようになる、という意味です。 ?

「エレガント」というのは、製品がうまくできている、ということです。

 

5. 安っぽく思えても心配しないで

 

革新的な製品の中に、チャチな側面があったとしても、 出荷するとき、不安にならないでください。

イノベーションが、最初から完成された状態で起こることはまずありません。

 

たとえばMacコンピュータはソフトウェアがなく(私のせいです)、

ハードディスクもなく(ソフトウェアがなければ、いずれにせよさほど意味がないのですが)、

スロットもなく、色もありませんでした。

 

もし会社がすべてが完璧になるまで出荷を待っていたら、 そんな日は来ないだろうし、

市場は素通りして先に行ってしまいます。

6. 「100の花を咲かせよう」

 

私はこの言葉を毛沢東から拝借しました。

イノベーターは、人々がその製品をどのように使うかについては、 柔軟である必要があります。

エイボンは「Skin So Soft」という製品を、肌をやわらかく保つために開発しましたが、

子供のいる人々が、それを虫除けに使っても、そのままにしておきました。

 

アップル社は、スプレッドシート/データベース/ワードプロセッサー機能のコンピュータを開発しましたが、

顧客はそれをデスクトップパブリッシング・マシンとして利用していることがわかりました。

教訓は、種は植木鉢ではなく、野原にまこう、ということです。

さまざまな花を、好きなように咲かせてやれば良いのです。

 

7. 両極化を怖れない

 

ほとんどの企業は、 統計上のいかなる年齢層にも、

いかなる社会的経済的バックグラウンドを持つ人にも、

どのような地域に居住する人であっても、 すべての人がほしくなるような、聖杯を作りだそうとしています。

 

けれども、そんなものを求めても、得られるのは、確実に凡庸なものとなります。

それより、ある一部の人々を幸せにするような、すばらしい製品を作ってください。

それ以外の人々が不幸になったらどうしよう、と心配するのはやめてください。

最悪なのは、結局、どんなリアクションも引き出すことができない場合です。

そんなことが起こるのは、企業があらゆる人を幸せにしようとしたからなのです。

 

8. 新しい考えを生みだそう

 

私は、製品には安っぽい側面があってもかまわない、と言いました。

けれども、安っぽいままであってもかまわない、とは言っていません。

企業はバージョン1.0を改良し、1.1、1.2 … 2.0と進化させていかなければなりません。

イノベーションを出荷すること自体が大変なので、これを実行に移すのはむずかしい教訓といえます。

なにしろ社員というものは、自分たちの送り出した完璧な製品に、

ケチをつけられることがたまらなくいやなものだからです。

けれども、イノベーションは、 終わってしまった出来事などではなく、進化し続けるプロセスなのです。

 

9. ニッチであろう

 

イノベーションという輝かしい聖杯は、ユニークであり、しかも価値のあるものを創造するところにあります。

イノベーションを起こしたければ、意味を作りだし、限界に迫り、歴史を作っていかなければなりません。

エンジニアであれば、これまでに類のない、しかも価値のあるものを作るのです。

マーケターであるならば、製品がユニークで、価値あるものだと、世界に向かって伝えるのです。

 

10. 完璧なキャッチフレーズを

 

比類のない展示販売をおこなうには、3つのカギがあります。

第1に、導入部をカスタマイズします。 聞き手を大切にし、その相手に合わせてやてみせる必要があるのです。

第2に、製品を通して、夢を売るのです。

この製品によって、人生がどのようにすばらしいものになるか伝えます。

業界用語を使わず、これを所有することで、どのような利益があるのかを説明するのです。

 

第3に、プレゼンテーションでは、10-20-30ルールを守ることです。

スライドは10枚、説明は20分、フォントサイズは30です。

 

11. 傍迷惑な人のせいで気持を腐らせない

 

傍迷惑な連中は、そんなことやっても無駄だ、とか、やらないほうがいい、とか、

必要ない、とかと言いたがるものです。

そんな連中の多くは、どう見ても負け犬です。

負け犬など無視するのは簡単。

 

でも、金持ちで、セレブで、権力を握っているような「ボケナス」は、危険です。

というのも、彼らは賢い、と見なされているからです。

けれども、そんな連中は運が良かっただけ。

彼らにはつぎの上昇曲線など理解できないし、なおさら受け入れることなどできはしません。

イノベーションというのは、読む(あるいは書く)のは簡単でも、成し遂げるのは、困難なものです。

 

これまでにあげた11は、イノベーションの基礎にすぎません。

けれども、意味を作り、上昇カーブにジャンプするまで、休まず仕事を続けていけば、

いつかイノベーションに到達するはずです。

 

著者:ガイ・カワサキ


元記事:http://bit.ly/1gAzTMc

(翻訳:服部聡子)

 

働き方のアドバイス:人間らしくあれ

(※この記事はhttps://www.theatlantic.com/business/archive/2015/08/job-advice-be-cool/401954/?utm_source=SFTwitter#disqus_threadを翻訳したものです)
by ジリアン・B・ホワイト (アトランティック・シニア・エディター)
 

社会的スキルが職場での成功につながる

今日の就職市場で一歩抜きん出るためには何が必要なのでしょうか?
厳しさを増す経済状況の中で戦うためには、専門的で技術的なスキルを身につけるしかないと思われがちですが、そうではないのです。
一歩先を行くために本当に必要なのは、社会的なスキルなのです。

どうしてでしょうか?
最近の研究によると、アメリカでは今後20年の間に、およそ半分近い数の仕事が、オートメーション化のせいで必要なくなってしまうと言います。では、働く者たちは何をなすべきなのでしょうか?

より人間らしくあることだと、ハーバード大学のデビッド・J・デミングは言います。
社会的スキルの重要性はここ数十年でもすでに高まってきており、特に給与が高く競争が激しい仕事に就きたければ、その傾向はさらに強まるとデミングは言います。

デミングによると、認知能力と社会的なスキルの両方が求められる仕事と、高水準の数学的あるいは分析的な訓練は必要なものの社会的な胆力を要しない仕事とを比べると、前者の方が過去数十年の間で給与の伸びは大きいというのです。そして、その給与の差は、職位の高低に関わらず存在すると言います。

将来、オートメーション化されにくい仕事というのは、単調な分析仕事をこなすだけでなく、同僚や顧客とのやりとりが頻繁に必要となる仕事です。また、これらの仕事は人間の本質的な活動、つまり他者の視点でものを考えることなどを要します。こういった人間的なやりとりのニュアンスというのは、コンピューターはまだマスターできていないものなのです。

社会的なスキルが真価を発揮するのは、チームを組んで、スキルや能力に応じてタスクを交換しながら働くときです。デミングはこのように言っています。

職場でのやりとりはチームでの仕事を伴います。
働く者たちは、お互いの強みを利用しながら、変わり続ける環境に柔軟に対応していくのです。
このような、人間同士の規則性のないやりとりこそが、機械に対する人間のアドバンテージの核心なのです。

研究ではさらに、社会適性の価値がもっと注目されるようになれば、男女間の給与格差を埋めることもできるかもしれないと述べています。なぜなら、女性の方が、男性よりも高いレベルのEQ(心の知能指数)を示す傾向があるからです。

上向いている教育水準と相まって、優れた社会的なスキルが女性の職場進出を後押ししてきたということなのかもしれません。

 

 

著者:ジリアン・B・ホワイト (アトランティック・シニア・エディター)


元記事:https://www.theatlantic.com/business/archive/2015/08/job-advice-be-cool/401954/?utm_source=SFTwitter#disqus_thread

(翻訳: 角田 健)

 

 

ネガティブイメージ・キャンペーン

最近、大手カジュアル衣料品チェーン店で買い物をした。
いつものとおり会計をしていると、レジの店員が最後に
「ご意見をお聞かせください」というようなことを言いながら、
アンケートはがきを商品の袋に入れた。
 
その申し訳なさそうな顔が何とも印象的だった。
他の店舗でも同様だった。最後に必ず一言添えながら、アンケートが同封された。
そのとき私が思い出したのは2つ。
1つはそのチェーン店の売上高が大きく減ったという最近のニュース。
 
それからもう1つは、昔勤めていた会社で、破たんした山一證券出身の人が言っていた
「アンケートって会社が行き詰まるとやるんですよね」という言葉だった。
 
絶好調のときのその衣料品チェーン店のレジの店員は、こんな顔はしていなかった。
 
勢いがあって、さすが大手と思わせる接客ぶりであった。
今でももちろん、みな感じが良いとは思うのだが
(競合の某海外アパレルの接客態度には、本当にあきれるときがある)、
はがきを入れるときの店員さんには、何だかみな一様に負のオーラが漂っているような気がした。
 
ビジネスは結局イメージに尽きると思う。
とくにこういった小売業であればなおさらであろう。
「売上が前年比大幅減」で
「店員がはがきを申し訳なさそうに入れる」店の服は、
たとえそれがまったく同じでも、
「売上が絶好調」で「店員の威勢が良い」店の服とは違うような気がするのである。
 
顧客の声が聞きたいのなら、他にもっと方法があるはずである。
単純に、すべてのレジで一言添えてはがきを挟み込むコスト自体が膨大なことに加えて、
店員も顧客も、みんなの気持ちが盛り下がるマイナス効果絶大のキャンペーンである。
 
ちなみにその山一證券出身の同僚が言っていたのは、山一がつぶれる直前の時期は、
やたら社内アンケートのオンパレードであったという話であった。
 
そのとき私(とその同僚)が勤めていた会社も業績が低迷し、社内調査を繰り返していたので、
彼の一言は、周りの空気を凍らせるのに十分な説得力のあるものであった。
 
あなたの会社はどうだろうか。
社内であれ社外であれ、アンケートをしているだろうか。
 
もちろんそれが効果的な場合もあるだろう。
貴重な情報やリストが手に入るかもしれない。
しかしそれは、そのコストと効果と影響を十分見積もった上でやっているものだろうか。
 
ちょっときつい言い方をするならば、自分で考えることをあきらめた末に、
「我々には顧客や社員の声が分かりません」
と丸投げしてはいないだろうか。
 
私はちなみにこの衣料品チェーン店を応援したいと思っている。
日本を背負って立つ存在として、海外でもいっそう頑張ってほしいと思っている。
 
だからこそぜひ彼らにはお願いしたい。
同じ膨大なコストをかけて顧客の意見を収集しようとするのなら、
当然ながらはがきをそのまま捨ててしまった私でも思わず返信してしまうような、
何か秘策を考えてほしいのである。
 


(新海祥子)

 

日本人のあいづち

人の感情の90%は、言葉以外の要素、身ぶりや表情、声のトーンなどで相手に伝わっているといいます。
ところが私たちは、自分の言葉に向けているほどの注意を言葉以外のものに向けているでしょうか?
私たちが気づかないところでコミュニケーションを左右している身ぶりについて、考えてみました。

あいづちというのは、日本人特有のしぐさだというと、
驚く人もいるかもしれません。

もちろん外国人も、相手の話に合わせて、うなづいたり、”Un-huh”と言ったりすることもありますが、
あくまでもこれは「同意」を表明するというニュアンスがあり、日本人のあいづちとは、少しちがうように思われます。

社会学者の多田道太郎も『しぐさの日本文化』の「あいづち」の章で、

日本人のしぐさということで私がまず思いつくのは「あいづち」である。

と言っています。

あいづちとは、多田によると、「鍛冶で、弟子が師と向かい合って互いに槌を打つこと」から来ているといいます。

弟子と師が槌をトンカントンカンと打ち合わすところを、向かい合うふたりの仕草になぞらえているのでしょう。
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wikipedia「刀工」

外国人は打ってくれないあいづち

あいづちというと、私が思い出すのは、こんな経験です。

高校時代、私は近所に住む外国人の家に、英語を習いに行っていたのですが、
そこで最初に気がついたのは、先生があいづちをまったく打ってくれないことでした。
私の眼にぴたっと視線を合わせたまま、通じているのかいないのか、じっと黙ったままなのです。

私もまだろくに言葉も出ないころで、”come” と “go” を言い間違えたりするときだけ訂正をしてくれるのですが、
それ以外は私が言葉に詰まって四苦八苦していても、じっと次の言葉を待っているのです。
相手の視線をはね返しながら話し続けるだけで、全身汗びっしょりになりました。
おそらくそれは、単に語学力の問題や、相手が外国人であるという緊張感ばかりではなかったはずです。

そのとき初めて、日本人が相手ではないと、あいづちというのは打ってくれないことを知ったのでした。
そうして、日本人である私にとって、あいづちのない話というのが、どれほど緊張感を増し、疲れるものかということに、
このとき初めて気がついたのです。

相手によっては誤解されることもあるあいづち

ふだん、私たちは意識しないまま、人の話を聞きながら、あいづちを打っています。
日本人同士なら、お互い、気にも留めないしぐさですが、外国人が相手だと、こんな摩擦を生むこともあります。

以前、聞いた話なのですが、あるアメリカ人が、日本人に頼み事をしました。
日本人はうなずきながら、”Oh, yes,” “yeah” ” I see.” としきりに言います。
アメリカ人は、てっきり相手が頼み事を聞いてくれるものだとばかり思っていたのですが、
最後に「それはできない」と断られてしまったというのです。
アメリカ人は、日本人は不誠実だ、何を考えているか本当にわからない、と、腹を立てた、というのです。
おそらくこの日本人は、日本でのあいづちを、そのまま英語でやってしまったのでしょう。
私はあなたの話を聞いています。
あなたも大変なのですね。
あなたの気持ちもよく理解できます。
それで、それからどうしたのですか?
もっと聞かせてください。
そういう意味でのうなづきや、”Oh, yes,” “yeah” ” I see.”だったのでしょう。

このことは逆に、私たちが無意識にしているあいづちがどういうものか、教えてくれます。
日本人のあいづちは、相手の言葉に賛同を示すというより、私はあなたの話を聞いていますよ、というサインなのです。

Photo by:Dean Wissing

話を引き出すのは「聞いている」という身ぶり

子供の頃、授業中におしゃべりしていると、先生が怒るのは、あたりまえの光景でした。
子供だった私は、別に悪いことをしているという意識もなく、
怒られた時だけ静かにして、じきにおしゃべりを再開したものです。
やがて、人前で話をする機会を得て気づいたのは、
自分が話しているときに私語を交わされるのは、なんともいえず辛い、ということでした。

聞いてもらえないと、事態に支障をきたすという実際的な理由より、むしろ、精神的に辛くなってくるのです。
そのとき初めて、先生が怒っていた本当の理由に思い至りました。
私語を交わしている側は、軽い気持ちでそうしているのでしょうが、話す側からすれば、自分の話を無視して、私語に興じる姿は、
おおげさに言うと、自分の存在が否定されているような気持ちになるのです。
逆に、こちらと目を合わせて、うなずきながら聞いてくれる人がいるのがわかると、
話す口調にも自然に力がこもって、あとでふり返っても、良い話ができたな、と満足できるのでした。
結局のところ、話を引き出すのは、話し手の側よりも、聞き手の「聞いている」という身ぶりということになるのでしょう。

「聞いている」という身ぶりは、さまざまな文化によって異なる現れ方をするものです。
日本人のように、頻繁にあいづちを打ったり、うなずいたりする文化もあれば、
相手の眼をじっと見つめ、ほとんど身動きもせず「一心に聞く」という文化もあるのでしょう。

けれどもそれは「聞いている」というサインであることには変わりはないはずです。
おそらくあいづちを打ってもらえず、冷や汗をかいたかつての私も、日本人の最後のノーに腹を立てたアメリカ人も、
異なる文化に直面したとまどいだったのでしょう。

そうしてその根底にあったのは、相手は自分の話を本当に聞いてくれているのだろうか、
という不安だったのだろうと思うのです。

コミュニケーションというと、私たちはどこかで、
「自分の考えや思いを、相手に伝えること」という風には思っていないでしょうか。

けれども、「伝えること」を引き出すのは、相手の「聞いている」という身ぶりだとしたら。
真摯な「聞いている」という態度こそが、コミュニケーションを支えているのだとしたら。

面接でも、ミーティングでも、商談でも、私たちのコミュニケーションのあり方は、少し、変わっていくのかもしれません。

 

 


(服部聡子)

 

行動のためのデザイン

近頃目にする「デザイン思考」という言葉は、一体、何を指しているのでしょうか?

また、今日の市場で成功を収めている製品の多くが、

デザインを強く意識したものであることを見ても、

デザインの持つ意味が高まりを見せていることに気付かされます。

 

ですが同時に、存在感を増し続けるデザインも、今日、ある課題に直面しているといいます。

それはどのようなもので、どうやって解決していけばいいのでしょうか?

ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された”Design for action”という記事では、

米デザインコンサルタント会社IDEOのCEOティム・ブラウンと、

「デザイン思考」や「統合思考」を提唱し多くの著作を持つロジャー・マーティンが、

実例を交えて解き明かしていきます。

ここではその記事の内容をご紹介していきます。

 

新しい挑戦

目に見え、手に触れられるものを形作ることから始まったデザインが、

その対象の幅を広げています。

ハードウェア、インターフェイス、さらにはユーザーが製品に対して持つ印象、

体験の全てを含むユーザーエクスペリエンスが、

デザインの対象とされてきました。

そして今日に至り、企業の戦略立案や、

様々な組織とステークホルダーが効率的に協働するための仕組み作りにまで、

デザインの概念が適用されるようになっています。

 

しかし、デザインの対象物がより複雑化するにしたがって、

ある課題が浮き彫りになってきました。

作り上げられたデザインの対象物を、異なった利害関係を持つ複数のステークホルダーに、

どのようにして受け入れさせればいいのか、という問題です。

従来のような、ハードウェアのデザインであれば、

このような問題を意識することは多くありませんでした。

記事では、このように述べています。

 

既存製品に類する新製品のローンチは、普通は、良いことと考えられています。

例えば、自動車であれば、既存車種のハイブリッド車のバージョンなどが

あげられるでしょう。

新しい売り上げを生み、組織全体にとってネガティブな点はないように思われます。

組織やそこでの人々の働き方に大きな変化をもたらすものではなく、

そのため本質的に、新しいデザインのせいで誰かの首が危うくなるとか、

既存の権力構造が揺るがされるといった恐れはないのです。(”Design for action”

 

ですが、デザインの対象物がより複雑さを増すに従って、

それがもたらす波及効果は無視できないものになってきています。

新しい、複雑化されたデザインには、導入にあたっても、

デザイン的な視野から注意を向ける必要があるのです。

本文中では、自動運転車を例にとっています。

 

長大なサプライチェーンや幅広い関連産業が互いに依存しあっているビジネスの場合は、

新しいデザインを現状に統合させることが、さらに大きな課題として立ちはだかります。

例えば、自動運転車が成功するためには、自動車メーカー、技術を開発する者、

制度の面、市や国の当局、関連するサービス業、

そしてエンドユーザーがこれまでなかったやり方で一致団結して、

取り組む必要があります。

保険業者は、リスク査定ではユーザーとどのように関わるのか?

自動運転車から得られたデータが交通の把握や規制のために供される場合、

プライバシーはどのように守られるのか? (引用同)

 

介入のデザイン

このように、対象物が複雑化するにつれ、デザインは周囲を幅広く巻き込み、

関与するステークホルダーも数を増し、受け入れが容易でなくなってきます。

ですが、大規模で画期的なデザインの導入に際しては、

下記の二つのアプローチを同時にとることで、定着の可能性が増すというのです。

すなわち、対象物のデザインと、現状への介入のデザインです。

 

従来、製品のデザインを行う者は、ユーザーを調査し製品概要を作成するところから始めていました。

その上で、実際の製作に入ってデザインを作り上げ、クライアント企業が製品ローンチを行う。

しかし、このやり方では、ユーザーの反応を正確に予想することは困難でした。

 

そこでデザイナー達は、できるだけ早い段階でユーザーのもとを訪れ、

完成度の高いものでなくても、プロトタイプを提示して、フィードバックを得ることを始めたのです。

そしてこれを繰り返し、ユーザーが満足するまで試作を繰り返したのです。

 

こうすることで、クライアント企業が製品をローンチする頃には、

市場での成功はほぼ約束されたものとなっていたのです。

また、これを行うことで、資金やクライアント企業の内部での承認も得やすくなったといいます。

つまり、現状への介入の仕方にデザイン的な思考を取り入れることで、

新しい製品デザインそのものの導入が容易になった、ということです。

 

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新しいペルーのデザイン

さらに本文では、より大規模な仕組みのデザインと介入のデザインの例として、

ペルーのインターコープ・グループをあげています。

CEOのカルロス・ロドリゲス=パストールJr.は、

銀行グループのCEOでありながら社会変革を胸に抱き、

ペルー経済を変貌させるには厚い中産階級の存在が不可欠であると考えていました。

そのためにロドリゲス=パストールが行ったものの中に、

農村部でのスーパーマーケットの経営があります。

 

もし、インターコープが従来と同じようなビジネスの知恵にならうなら、

すでに中産階級が形成されつつあった首都リマの

富裕な地域に注目していたでしょう。

ですが、ロドリゲス=パストールは、

地方にも同じように中産階級が必要であると考えました。

地方での中産階級の育成に雇用創出が必要なのは明らかです。

雇用創出のためにインターコープができることは、

スーパーマーケット・チェーンを出店することでした。

2003年にロイヤル・アホールドから購入して、

スーペルメルカドス・ペルアノスと名前を変えさせていたのです。(引用同)

 

しかし、ロドリゲス=パストールは、

スーパーマーケット・チェーンの展開が雇用創出には寄与するものの、

地方の農家の生活を困窮させていることにも気がつきました。

地方の小規模農家は衛生基準が低いことも多く、

大規模生産者に比べて倦厭されてしまっていたのです。

 

そこでインターコープは、地方の農家とのつながりを通じて、

地方での農業生産を活性化する必要性が出てきたのです。

インターコープは、2010年には、コ

ルポラシオン・アンディーナ・デ・フォメント(NGO)とワンカヨ地方政府の助けを借りて、

ペルー・パシオン・プログラムを始めました。

このプログラムは、農家と小規模な製造業者が、

近隣のスーペルメルカドス・ペルアノスに商品を供給できるように、

生産能力を高める援助を行うものです。

そして時間が経つうちに、それぞれの地域一帯、

あるいはペルー全体に、独力で商品を納める事業者も出てくるようになったのです。(引用同)

 

このようにしてインターコープは、ビジネスをデザインし、

その現状への導入をデザインし、中産階級の拡充という目標を達成してきました。

ステークホルダーの利害を注意深く読み取り、

巻き込んでいくための手順を入念に計画してきた結果です。

そして記事は、下記の文章で終わるのです。

 

デザイン思考は、手に触れられる製品のデザインのプロセスを

改善するためのものとして始まりました。

ですが、それで終わりではありません。

インターコープや他の成功のエピソードが示すのは、

画期的な新しいアイディアと体験に人を巻き込んでいくことに伴う、

目に見えない課題に取り組むときこそ、

デザイン思考の原則はより力を発揮する可能性を秘めているということなのです。(引用同)

 

 

 


角田 健 (引用:「行動のためのデザイン」:ハーバード・ビジネス・レビュー)

 

 

 

貧乏人の名刺、稼ぐ人の名刺

言わずもがな。

名刺に力を入れている方の多いこと。
近頃は「集客できる名刺」セミナーまであるという。
が、ちょうど、うちの娘が鋭い指摘をしていたので、名刺について、ちょっと書いてみました。
厳しいようですけども、本当にそんな風に、周囲に見られています。

  1. 貧乏人の名刺

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・わざわざスタジオで撮影したポージング写真
・聞いたことのない「斬新な」肩書きや職業
・いろいろアピールポイントがいっぱい

どう考えても、仕事に困らない人は、こんな名刺は作らないのです。
チラシじゃないの?という名刺。
キャッチコピーまで。
あれもこれも、引き受けます!とアピールしまくってます。

ポジショニングと、「言うたもん勝ち」は違います。
本来なら外から評価されるはずの立ち位置を、自ら考案!
まともなビジネスパーソンにどう映るかの他者目線が必要です。

常識的な人は、相手の名刺フォルダに、
こんな自分の「恥」が収まるのを許しません。
取材など受ける立場になってもいないのに、ポーズ付けて写真を撮られる、その自分を恥じたいところ。
「ぼくは仕事に困ってます」とアピール度抜群になってしまいます。

 


2. 稼いでいる人の名刺

シンプル、趣味のよい間がある。奇をてらわない。必要最低限の事項が書いてある。

そんなに頻繁に連絡されたら困るんです。忙しいんですから。だから、携帯電話とか載せないのは常識。
秘書が対応するオフィシャルの連絡先のみ。

なるべく顔写真なんて、外出ししたくないんです。
でも、ビジネスで必要な場合は最低限、撮影に応じている。
そういう感じです。

 

3. 本物の成功者の名刺

名刺なんて持ってない!名刺交換なんて、する必要がありません。


つまり、言いたいことは、名刺とか、プロフィールとか、肩書きとか、ホームページとか、ブログとか、
なんじゃかんじゃと工夫をしてみても、所詮は、「やってること」だけで人間は評価される、ということ。

結果を出すこと。それが全て、です。

もっといえば、なぜに「結果」を持ってない修行中の段階で、独立してしまうのだろうか?と云う事です。

 

月5,800円から本格的なビジネスが学べるビジネスクラブなど
弊社提供講座の一覧はこちらから


島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

 

経営に男も女も関係ないって本当ですか?

あるアナウンサーのブログにありました。

女性の少子化対策として、女性の社会進出を促進なんて馬鹿げている。
もし本当に少子化が困るなら、 専業主婦か 専業主夫を増やすべし。
女性の登用は少子化には逆効果だ。 そもそも、「経営者になれば男も女も関係ない。結果が全てだ」  

本当ですか???

たしかに、経営者ともなれば、経営者の実力のみが 勝負の世界。スポーツも同じ。
では、伺いますけども、経営者の男女比をお調べになったことがありますか?


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帝国データバンクの2014年「全国社長分析」(約117.5万社のデータを分析)の女性社長比率(全社長数に占める女性社長の比率)は、7.4%。うち、過半数が同族継承、つまり身内からの引き継ぎ。創業社長は、女性社長のうちの34.7%にすぎません。しかも、日本政策金融公庫2013年レポートでは、中小企業の起業社長比率は18.0%。20人以上の会社・事業所の経営者は9.5%。ただし、飲食店や個人を相手にしたサービス業が多い、とのこと。起業とは言っても、カフェやエステ、ネイルサロンなど、小規模事業主が多いことは想像に難くないです。

さらには、一部上場企業における女性経営者となると、2010年で29社で、親や配偶者から引き継いだ場合が多くなります。
そもそも、100人に7人の狭き門をくぐり抜け、社長になっている女性が、いかに、男性に比して優秀か、私は、こっそりと主張したいのです。

一方、女性が子どもを産まないことを、「けしからん」とする風潮もいかがかとは思っています。
たしかに、少子高齢社会は、国家の消滅をも意味します。呑気に構えているわけにはいかないですが、だからと言って、子どもの数が増えればそれで良いのでしょうか。

それとも、国家として、安心して年を重ね、死に向きあえる幸せな社会を目指すのが優先課題でしょうか。

大国なのか、小さき幸福国なのか、そもそもの目的論がない中で、少子化論を語ってもらっても、という気はするのです。

国としては、低所得者層がガンガンと子どもを作っても、税金を払えない層が増えるだけでは、意味ないはずです。だから、単純に専業主婦や専業主夫が増えても、まったくもって、解決にはならないはずなんです。

 

2002年に『キャリアダウンのすすめ』を発刊いただいた時も、世の中は、専業主婦不要論が大きな声になっていて(そもそも、個人の生き方を国が語るのが、嫌いですが)専業主婦の肩身の狭さを身近で感じていましたし、働きたくても働けない彼女たちの涙を知っているだけに、猛烈な怒りを感じました。その「怒り」が、100回以上の企画書の書き直しの原動力となり、何十社へもの企画持ち込み、そして出版への執念となったのです。

言いたいことは、つまり、
「女の問題は、女に聞いてください!!」ということ。

しかも、声の大きい(発言力を持つ)、女性性をないがしろにする女性に聞くのもやめてほしいのです。

わかったような調子で、女性の代弁者のようなことを男性が、つらつらつらとしゃべるのはもうやめませんか。女たちが笑顔の陰でどんな思いをしているか想像していただきたいのです。

 

やはり、まだまだ、この社会は、男性社会なのです。女性の時代になるには、育児を安心してできる社会が必要です。そして、復帰できる社会が。

 

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。