あなたはマーケティングでSNSを活用すべきか?

こんにちは、トイアンナです。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、Twitterやfacebookなどインターネット上で、個人や法人が相互にやりとりできるサービスのこと。いまや30代以下なら、誰もが1つは使っている通信手段となりました。

そして、「いまはSNSの時代です、ぜひ活用しましょう」と営業をかけられている法人様も多いのではないでしょうか? 「そうなのか、なら弊社も導入しなくちゃな」と鵜呑みにされるのは少々お待ちください。

SNSは確かに便利なツールですが、「必要としない業種」も必ずあるのです。

  • 新しいツールを導入するときは、鵜呑みにしないでください

企業を経営されている方なら、SNSに限らず「〇〇を導入すれば売上アップへつながります」という文言で何度も営業を受けていらしたことでしょう。なかでもメールマガジン、ブログ、SNS、ホームページ作成と、昨今はオンラインの案件が増えました。

しかし社内にあるていど「わかっている」人がいなければ、せっかくの導入もお金の無駄になってしまうことが多々あります。使い方のわからない複雑な機械を工場へ導入するなら、使用できる作業員が必要です。同様にオンラインで集客や販促をかけるなら、少なくともSNSのひとつやふたつは日常的に使っている社員がいなければ外注業者の予算感すら見誤ることでしょう。

特にSNSは「導入して終わり」ではありません。SNS上では、多くの方がリアルタイムでニュースに反応したり、最新情報で盛り上がっています。うまくいけば自社の情報も低コストで認知してもらえるいっぽう、継続的に情報発信をしたり、時事ネタに乗って拡散されるコメントを残したりする必要があるなど継続的にコストもかかります。

弊社も「法人でTwitterを担当してほしい」とお見積りのご相談をいただきますが、相場から見て、中小企業さんでも月50万~100万円はかかるとみてよいでしょう。単に情報発信するだけでこの価格ですから、広告を打つならさらなる追加必要が生じます。

もちろん、自社であらかじめ用意した原稿を投稿させるだけ、あるいは誰の目にも留まらなくていいからただ投稿してほしい……というなら安い業者はいくらでもあります。けれど誰の目にも触れないプロモーションを打つことはシンプルにお金のムダです。きちんと集客戦略を立て、マーケティングをして売上アップへつなげるならそれなりのお金はかかります。

だからこそ導入される前には、「そもそもSNSは弊社に必要なのか?」を問い直してみてください。

  • 選ぶ基準は「自社のターゲットが発信された情報を見ているか?」

まず、絶対にSNS戦略を導入しなくてよいのは「70代以上の方へものやサービスを売っている」法人様です。70代以上は、会社へお勤めされていた現役時代もパソコンを使わなかった方が少なくありません。専業主婦も多い世代ですから、女性はなおさらネット環境から遠く離れています。

一部の先進的な方はタブレットやPCを使いこなしてはいるものの、新聞やテレビが主な情報源という方が、圧倒的多数でしょう。もし貴社が「タブレットを使いこなすシニア」へ特殊な製品を売るなら話は別ですが、特段の理由がないかぎりSNSを使う理由はありません。

さらに、SNSも種類によって微妙に世代がずれてきます。たとえばfacebookは、30代以上が主なユーザーです。そこへティーン向けの広告を出しても反応はよくないでしょう。逆にTwitterのユーザーは若年層が多いため、「老眼に悩んでいませんか?」といったミドル世代へのアプローチには限界があります。

このように、新しいツールを導入するときはSNSに限らず「自社のターゲットは、その製品を見ているか」を常に意識してください。

  • 育成するか、外注するかでコストダウンを図ろう

また、SNSを活用するにしてもやみくもな外注はやめておきましょう。一見高額に見える50万円のSNSを使いこなすセミナーと、月々30万円でSNSを運用してくれる広告代理店を比較するなら、長期的に見て社内人材を育成したほうが費用対効果が高いかもしれません。

広告代理店さんは「全部おまかせ」できる楽さがメリットです。一方、SNS運用やメールマガジンのように長期契約が前提となるツールの導入では「お金を使っても使っても、売上へつながらない。他社も導入しているから、やめることはできないけれど……」と頭痛の種になるおそれもあります。

新しいツールがうまれるたび、使い方を学ぶのは管理職、経営陣のみなさまにとって大変でしょう。こうして書いている筆者も、10代に次々と流行しては去っていく流行へヒアリング調査を通じ、必死でついていく状態です。できることなら外注したいと思うこともあります。けれど数十万円の投資で社員がエキスパートになってくれるなら、外注だけが答えとは限りません。

もしこれから自社でSNS戦略を導入されるなら、

  • 自社のターゲットは誰か? 自社ターゲットはSNSに反応がよさそうか?
  • 自社のターゲットがよく使うSNSはどれか?
  • 育成と外注、どちらが質・量ともにコストパフォーマンスが高いか?

この3点を意識して、決定なさってください。

 

 


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com