ゴールが見えるから社員は走り出せる 全員が活躍したくなる会社とは

こんにちは、トイアンナです。
私は外資系企業2社で経験を積んでから、他企業の外注マーケターとしても活動しています。
フリーランスになってからは自分の足で営業することも増え、昨年だけで少なくとも50社は訪問いたしました。

その中で分かったのは、社員が生き生きと活躍している会社と「給料のためだから仕方ない」と割り切って働く会社は、部外者にも一目瞭然だということです。今回は社員がやりがいを持って働けている会社の特徴をお伝えします。

明確なゴールがあると人は頑張れる

社員が全力で走っている会社に共通していたのは数値目標の存在。
それも、直観的に現場社員がいつでも確認でき、
あとどれくらい頑張れば達成できるか見えている目標値です。
私が訪問した企業では、こういったものが例として挙げられます。

・来年までにライバルのA社を超えて絶対に1位になろう
・この部門で昨年比120%の売上を達成するぞ!

ライバルの○○に勝つといったシンプルな数字であることや、
部門別に割り振られた数字であれば、社員はすぐ
「今自分がどこにいて、あとどれくらい頑張ればいいのか」
を考えることができます。

ここまでご覧になって、「ウチにもそういう目標はあるな」と思った方も多いのではないでしょうか。
実はここからが肝心なパート。

社員が活躍する会社には、数値目標と一緒に「5つの神器」が揃っていたのです。

<社員が生き生きと働ける5つの神器>

①目標があいまいな言葉ではなく、数字になっている
② ビジネスの目標が個人レベルの数字に落とし込まれている
③ その数字は社員が自分で決めた数値である
④ 社員がその数字を達成することで、社員もスキルが手に入る
⑤ゴールを達成した社員には休みやボーナスを支給する

特に最後の「ゴールを達成した社員には休みやボーナスを支給する」については、
うっ……と考える方も多いのではないでしょうか。
私も会社を支援していたときよく見た光景ですが、
社員が1番やる気をなくすのはゴールを達成した結果、頑張っていない人より仕事を増やされること

これをしてしまうと
「ゴールなんて達成しないほうが仕事は減るから適度にサボればいいや」と考えさせてしまうだけでなく、
下手をすれば離職まで思いつめてしまう方もいます。

あなたはもし10kmマラソンを走り切った後で、あと5km走ってこい!と言われたらどう思いますか?
それが「数値目標がんばったな!じゃあ残った期間であと500万稼いでこいよ!」
と言われた社員の気持ちです。

生き生きと働きたくなる魔法のフレーズ

もしモチベーションを上げる道具が足りないのなら……
イベントや慰安旅行よりも手軽な風土改革の方法があります。

「目標達成おめでとう!ボーナス乗っけるから、楽しみにしておけよ」
「よく頑張ったな!ところでお前ちゃんと休んでるか? 今度部長に休ませるよう言っておくから、羽を伸ばしてきたらどうだ」

この2つだけでいいのです。
日本ではまだ一般化していませんが、海外ではボーナスの代わりに追加の休みを部下へ与える制度があります。
たとえば有給をチケット制など目で見えるものに変えて、自由に上司が追加できるシステムにするのもいいでしょう。

数値目標を設定すれば、浪費を減らすことができる

ここまで経営論に近い話をしてきましたが、実はこのゴール設計、マーケティングで欠かせない要素です。
社長が達成したい目標を数字に落とし込んだものが全社でゴールとなり、ゴールに合わせて社員が現場で動くからです。

優れた数値目標は「余分な浪費」を減らす役目も果たします。

たとえば、社員からこんな提案があったとします。

・新しい携帯アプリが今ヒットしているんで、投資しましょう!
・A社もB社もこれをやって大成功ですから、追随しない手はありません
・これをやらなかったらC社に後れを取ります

新しいもの、競合がすでにやっているもの……これらはつい「それで行こうか」と言いたくなりませんか?

特に若手社員が提案してくる最新テクノロジーを使った提案などは、分かったフリをするだけで精一杯。
とても会議中に決断などしたくない状態でも
「申し訳ないけれど、その技術についてイチから教えてくれないか。なにぶん疎くてね」
と頭を下げられる責任者は少ないでしょう。
ひどい場合は若手と一緒に提案している直属の上司すら、勝手がわかっていないことがあります。

こんなとき、数値目標は
「あなたがどこへ集中すべきか」を示してくれます。
会議中にこう質問するだけでいいのです。

「それでゴールは達成できるのかな。
もし達成できるとしたら、どういう風にしてゴールの数字に繋がるか、説明してもらえますか」

この一言で社員は「新しい」「誰もがやっている」からといって手を出すだけでは
大やけどに繋がることを、あなたから学ぶことができます。
こうしててんでバラバラの投資をすることなく、社員はまっすぐ目標に向かって成果を出せるのです。
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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

テストプランの重要性をプレゼントから学ぶ

こんにちは、トイアンナです。
マーケティングの専門知識をわかりやすくお伝えする本連載、今回は「好きな子へあげるプレゼント、どうやって選んでいますか?」
という質問から始めさせていただきます。

彼女の好きなブランドから、それとも最近自分が気に入ったものから?
まずは、実際にあった失敗例をご覧ください。

キャバクラ嬢へ入れ込んだ男性の例
ある男性がキャバ嬢に本気の恋をしてしまいました。
この話をすると「もう21世紀になってしばらく経つのに、まだこんなことあるんですか?」
と女子大生なんかには呆れられてしまうのですが、惚れた腫れたはどうしようもない。

男性はそれまで勉強一筋のまじめが取り柄なサラリーマン。
趣味もなかったのでコツコツ貯めて、なんと30代前半で1,000万円をため込みました。
ところが取引先との付き合いで行ったはずのキャバクラで運命の恋に落ちてしまいます。

そこで彼はとんでもない冒険をします。
今までの貯金を全部切り崩し、なんと彼女へマンションを買ってあげたのです。
キャバクラでこのように有り金を全部注ぎ込んでしまう客は、かえって嬢に警戒されます。
有り金を使い果たして「パンク」してしまうと、ストーカーになってつきまとうケースも少なくないからです。

参照:キャバ嬢のちょっと怖い話
パンクした客がストーカー化。近所からの苦情で引っ越しするハメに…
http://npn.co.jp/article/detail/41090915/

そこでカレンさんも怖気づいたのか、彼との連絡をカット。
一緒に住むつもりだったマンションも受け取ってもらえず、今は彼ひとりで住んでいるそうです。

しかし、彼のことを笑う資格は少なくとも私にはありません。
恋愛でも貢ぐタイプだったから……というのもありますが、
仕事で「絶対にいける」と思った投資へ大金を放り込み、無駄にした古傷があるからです。

テストプランの重要性

「初めからそんな女選ぶなよ」と、キャバ嬢に貢いだ男性の話を聞いた私たちは思います。
でもそれをビジネスに置き換えて
「初めから失敗するような場所へ投資するなよ」と言い換えると、
そりゃ無理だと言いたくなりませんか?

恋愛でもビジネスでも、私たちは失敗をします。
時には周りから見さえすれば一目瞭然の間抜けな投資もします。
けれど、投資では失敗の傷を浅く済ませる方法があります。
小規模な投資で試すことです

キャバクラの男性に例えるなら、いきなりマンションを買うのではなく、
例えばバッグや財布など「ちょっとしたプレゼント」をしてもよかったでしょう。
そこで彼女がキャバクラを半年以内に辞めてくれそうな気配があるのか探れば、そんなことないと気づく日が来ます。

ビジネス、特にマーケティング領域では小さい額でまず試してみることを「テストプラン」と呼びます。
1,000万円の企画なら100万円以下で、100万円の企画なら10万円以下で。
懐があまり痛まない額で試し、失敗したときの傷を浅く済ませるのです。

負けないことで勝つマーケティングを

マーケティングの天才、ジェイ・エイブラハムは
「市場で何が起きているかテストしない、改善しないでは結果が得られるわけがない」
と言っています。

冒頭の彼もマンションを貢いでしまう前に
「バッグならどうか」「手料理ならどうか」
と様々な懐がそれほど痛まないテストプランを実施したら、もしかするとどれか1つが心に刺さって
「私、やっぱ仕事辞める。それで付き合いたい」
と言う可能性だってゼロではありません。

ここではさらに深く掘り下げて A/Bテストというテストプランをご紹介します。
まずこの世に出したい販売戦略を何個も考え、そのうち2つをA案とB案として世に低予算で出すのです。
その後はあたかもトーナメント戦のように、より良い売上を出したプランだけを生き残らせ、
もっともよい成果を出したプランだけに大きな投資をします。

たとえばあなたが個人で化粧品を販売しているなら
「日焼け防止に○○」と「焼けてからでも間に合う○○」の2パターンのチラシ配布を、
チラシを持って来店したら割引サービスをつけて試してみます。

もしより多く持ってこられたチラシが「焼けてからでも間に合う○○」だったら、
次の案「日焼け予防と美白を一緒にできる○○」と試し、そしてまた残ったものを別の案と試していくのです。

ここまで精密に比べていく必要があるの? と思われるかもしれませんが、
テストプランを重ねると最初の案とは大きな差が出ます。

実際にA/Bテストを繰り返して100万人に登録されたアプリ「ひまチャット」の事例がわかりやすいので、どうぞご覧ください。

参照:ABテストで「女の子クリエイティブ」の神話崩壊。
まったく出会えないチャットアプリ「ひまチャット」が教える、意外だったABテスト事例4選
http://appmarketinglabo.net/himachat/

マーケティングはあたかも山師のように「荒唐無稽なプランを練って、あてずっぽうに売り込む」と思われていることがあります。
しかし事実はその逆。
しつこいくらい低予算でテストプランを繰り返し、売れると思ったら投資する。
マーケティングは「負けないことで勝つ」考え方なのです。
あなたも必ずビジネスで勝つために、まずは負けない勝ち方を選んでみませんか?

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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

日本で個人コンサルがエセ扱いされる所以

ただでさえ、ノータイに腕組み自撮り画像の自称コンサルタント業への嫌悪感Maxだったところに、タレント・コンサルタントの学歴詐称が発覚し、ますます「コンサルタント業」への風当たりが厳しいです。

そもそもジェイ・エイブラハムも、自身のことをマーケターとも、コンサルタントとも示すことはなかったのですが、そのように日本では紹介されてきた事実があり、「今更コンサルタントのエージェントですか?」と小馬鹿にされることも稀ではありません。

私自身はマネジメント業として、そういう本質と実際のギャップがあるところにこそ、ビジネスチャンスを感じる次第ですが、なかなか負のイメージから出発するのは、まっさらなキャンパスに絵を描くよりは厳しいことには違いありません。なぜゆえにこれほどまで、コンサルタントが嫌われるのか、日々、深く考えざるをえないわけですが、ことさら日本においては、「コンサルタント=口先だけの詐欺まがい」との扱いが否めない理由を、少し整理しておきたいと思います。

間違いのない一つの事実として、コンサル会社や自称コンサルが、何一つ、ビジネスを加速させる結果を出せてなかったというまっこと憤慨せざるをえない現実があります。

ずいぶん以前にブログで紹介した書籍に、米国元大手コンサル会社出身のカレン・フェランが著した『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です』がありますが、

515X2+oHCtL._SX350_BO1,204,203,200_私自身、コンサル会社のやり方が猛烈に嫌いです。フレームワークを見るだけで、うんざりします。ただ、引き受ける企業の側にも問題があり、それっぽい資料がないと、稟議が通せないという判断基準のお粗末な側にも責任があるはずです。

研修にせよ、結果にフォーカスするのではなく、社内稟議の通りやすい企画書が判断材料となる。プラス担当者買収。アジア諸国を小馬鹿にしているものの、精神的途上国なのです、この国はまだ。

加えて、コンサルタントは所詮、外注に過ぎず、結果(利益アップ)への責任なんぞ何一つなく、企業が本当に頼りたい実業家個人へは、「顧問」や「相談役」という形で、囲い込みをするのが慣習であることもまた、一つの大きな理由でしょう。

さらに、アジア諸国の台頭に比し、自信喪失極まりない日本社会全体に、青い目の超高額アドバイザーは、「黒船」同様の脅威に映ることも、事実でしょう。それでもなお、私は、私の「良い」と信じるものを、日本へ正しく紹介することを辞める気はありません。

「当たり前」のことが「当たり前にできる」のなら、日本がこれほど、沈むことはなかったはずです。なぜ、シャープや東芝など一流企業が、情けない結果に終わらねばならなかったのか。

「そんなもの必要ないんだ。日本は成熟している」と言えるなら、なぜ国土が中国資本に買収されまくらないとならないのか、きっちり説明していただきたいと、いつも思います。

私は、すべての税理士や中小企業診断士、研修会社、ホームページ業者、DTP業者、Webデザイナー、商工会議所、などなど、企業の利益支援に関わる人々が、実業とは何ぞや、利益をあげるとはどういうことか、そのアイデア、仕組み、資金繰り、業務提携の方法などを深く理解しているべきだとの信念を持っている。

その知識の底上げこそが、日本全体をライズアップするための唯一の方法だと信じている。

確かに、エセコンサルなぞに、会社は救えない。だが、経営者が判断すらできない末期状態である今の日本で、せめて何が正しい道なのかを教えてくれる指針は必要だ。大義名分など食えるようになった後で良いと言われるだろうが、いや、大義名分がなければ、やり続けることなどできやしません。すべて完璧で安易に見える道になど、果実はないのです。

ただ、その大義名分は、本人の直感でしか判断できず、周りには、ただの「キチガイ」に見える道こそが、イノベーションであることは間違ありません。

いつの時代も、聖なるアホが世界を救うのです。

 

 

月5,800円から本格的なビジネスが学べるビジネスクラブなど
弊社提供講座の一覧はこちらから


島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

 

優秀な経営者だけが知っている「売れない」につける処方箋

こんにちは、トイアンナです。
マーケティング講座をちらりと除くと、そこには必ず
「競合に勝つには」「差別化戦略」
といったギラギラ光る攻撃的な言葉が溢れています。
しかし実際のビジネスで伺うことが多いのは

「そもそも、ウチの商品を売れてないんだけど」
「絶対にいける!と思ったサービスが鳴かず飛ばずの閑古鳥」

といった涙ぐましい現状です。

商品やサービスが売れないと将来の投資もできませんから差別化も難しくなり、人権費にも余裕を持てず職場はピリピリ。
ますます売れ行きが落ちてしまう負のサイクル。
そこから抜け出すにはどうすればいいかをご案内します。

優秀な経営者は立ち返る勇気を持つ

今まで私が様々な商品をマーケティングしてきたうえで信じているのは、優秀な経営者ほど
「そもそも、これ根本的に間違ってないか?」
と立ち返る勇気を持っていることです。

すでに何か月も準備してきた、従業員も休みなく働いてきた……
そういった中で「やっぱりこれ、いらないんじゃない?」と思い直せば批判も浴びますし、自分も傷つきます。

しかし長期的な社員や会社の成長のために今のズレを直せる人こそ、将来ビジネスを何倍にも大きくできるのです。
ですから「売れてない!」と目の前の売上に慌ててる時期こそ実は根本的な部分へ立ち返る大きなチャンス

ここまで読んでくださったということは、あなたもまた勇気あるリーダーでしょう。
ここからはマーケティングの基礎に立ち返って、商品が売れていない理由を紐解いてみます。

同僚が相談してきたら、どうアドバイスしますか?

想像してください。
あなたへ38歳の男性の同僚が相談に来ました。
同僚は仕事もいいけど、そろそろ惚れた腫れたじゃなくって「いい恋愛」したいなあと思っているみたい。
さて、彼が今から運命の恋に落ちるには、どうすればいいでしょうか?

あなたはきっと、これから書く3つのどれかをアドバイスするはずです。

1.出会う女性の数を増やしたらどう?

2.今の女性とはうまくいってないの?そこを繋げたら?

3.出会いは多いみたいだし、気になる相手と会う回数を増やしたら?

まず「出会う女性の数」がそもそも全く無い人は、今から恋愛対象と知り合わなくては話になりません。
ただし、やみくもに出会う女性の数だけを増やしても「いい恋愛」からは遠ざかってしまいます。

今の彼女とマンネリ気味なら「あの子もいい子だと思うよ」と、再度恋の炎を燃やす演出を考えたほうがいいかもしれません。
特定の彼女はいないけど遊び人で深い関係に発展できないタイプなら、週7回合コンするのではなく、
もう気になっている相手とデートする数を増やしたほうがいいでしょう。

こんな風に、いい恋愛をするためには

「出会う数を増やす」

「今の相手を大事にする」

そして「恋人候補と長く時間を過ごす」という3つの対策がありえます。

あなたは同僚の話を根掘り葉掘り聞きながら、どのアドバイスがふさわしいかを自然と選んでいるのです。

さて、恋愛でしているアドバイスは、ビジネスでも応用できます。
恋人を顧客として考えると、「売れない商品を売れるように変える」処方箋になるのです。

あなたの商品が売れない理由は、3つしかない

さて、これをビジネスで考えてみましょう。
どんな業種であれビジネスを大きくする方法は、たった3つしかないとジェイ・エイブラハムは言っています。

お客様の数を増やす

お客様が1回あたりに使う金額を増やす

お客様がいらっしゃる頻度を増やす

いずれも、さきほどの恋愛相談で

デートする回数を増やす

今の相手を大事にして仲良くなる

デートの頻度を増やす

という候補から、あなたが選んでいるアドバイスと似ていますよね。

売れないときは「高単価の商品が売れない」「お昼の時間帯がスカスカ」といった
細かい分析を始めてしまいがちですが、ここで原則に立ち返る勇気を出しましょう。

あなたの商品やサービスが売れていないとしたら、
それはお客様の数・使う金額・いらっしゃる頻度のどれが一番足りていないのでしょうか。

原則に立ち返ってV字回復したクッキー屋さん

ここで実際に「立ち返る勇気」を発揮して売上をV字回復させた例を紹介します。
とあるアイシングクッキーを売るカフェがあります。
お砂糖でデコレーションしたかわいらしいクッキーですが、
30代以上や男性には「甘ったるそう」というイメージで敬遠されがちです。

このお店はしかも初手を誤り40代以上が多く住むエリアへ出店。
最初は完全に閑古鳥が鳴いていました。
しかし実は甘さ控えめで味が美味しく、1度通えば何度でも通いたくなるのが強み。
マーケティングの原則に立ち返って売れない理由を分析した結果、「お客様の数さえ増えれば、魅力が伝わって絶対に売れる」
と確信を得ました。

そこで店舗では隣接していたケーキ屋へコラボレーション企画を持ち込みます。
ケーキの上に、アイシングクッキーを乗せて販売したのです。
アイシングクッキーは手作業でメッセージを書いたりかわいく飾り付けできたりするのが魅力。

受け取ったケーキについてきたクッキーを「なんだこれ?」と試しにかじってみたお客様から
「このクッキー、可愛くて美味しい!」と瞬く間に評判が広がりました。

売れないときこそ割引や目の前の資金繰りに追われがちですが、
そんな時こそ一息ついて

「自分の商品の良さを伝えるためには何ができるだろう? そして今伝わっていないのはなぜだろう?」

と立ち返る勇気を出してください。
資金繰りはスタッフでもできますが、経営判断は責任者であるあなたにしかできない偉大な仕事なのですから。

 

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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

「ペルソナ」で分かるマーケティング

こんにちは、トイアンナです。
今まで500名以上から人生相談をいただいておりますが、
その中でも「結婚したいんです」は断トツ多いです。
そして「結婚したいんです」とおっしゃられるたびに、
私が必ず質問していることがあります。

「どんな方と結婚したいんですか?」と。

具体的なイメージがあると婚活しやすい

質問に対して、たいていは「誠実な人」「優しい人」
「僕を好きでいてくれるんなら何だって……」という答えが返ってきます。
しかしそのフレーズだけでは1人の人間として結婚相手を想像するには至らないので、
もう少し具体的な言葉を入れてみましょう。

たとえば私の友人が創造した結婚相手のイメージは下記のとおりでした。

    1. – – – – – – –
  • 「普段は看護師として仕事を頑張る24歳の女性。
  • 仕事場ではキビキビ働くカッコイイ姉御肌。
  • トラブルもばしっと解決するけれど、プライベートでは家でのんびり過ごしたいタイプ。
  • 趣味は最近始めたパン作りで、よく作りすぎては近所へおすそ分けしている。
  • 彼女のお父さんは無口な人。彼女の進路へも口出ししてこなかったけど、大事な時は娘を守れる人。
  • 彼女の悩みは友達が女子ばかりなこと。
  • 姉御!と頼られるのが嬉しい反面、出会いがなくて悩んでる」
      – – – – – –

いくらなんでも妄想しすぎでしょう! と考えるかもしれませんが、
ここまで細かく設定があると具体的に結婚したい女性像が見えてきませんか?
婚活では理想の相手が出没しそうな場所を探すのも重要な戦略のひとつ。

「1人の人間」として頭に結婚相手を思い浮かべば、
おのずと出会いの場所も見えてくるはずです。

ペルソナマーケティングを知ろう

実はこのように「あたかも1人の人間がいるかのように、狙いたい相手を想像すること」は
マーケティングでもよく採用されており、専門用語で「ペルソナマーケティング」と呼びます。

ペルソナとはもともと演劇で使う「仮面」を意味する言葉。
あなたの狙いたい人が身にまとっている「仮面」を想像することで、
どうやって売り込むか戦略を立てるのです。

ここからは、実際にペルソナマーケティングを実施して大成功を収めている、
スープ専門店A社の事例を見てみましょう。

A社は関東圏の都心駅ナカを中心に発展したスープ専門店。
オープンからわずか10年で売上高42億円、店舗数52店舗を展開しています。
スープを売り出すうえでA社が徹底したのがペルソナマーケティングでした。

社内資料では実際に女性の名前を付けた「ペルソナ」を作成。
春日りさ(仮名)として人格をイメージしていました。
そのペルソナはこんなイメージです。

  • – – – – – –

  独身で経済的に余裕があるキャリアウーマン。

  郊外から都心へ通勤しており、駅ナカにあるカフェで休憩することが多い。

  社交的な性格でありながら、自分ひとりの時間も大切にしている。

  シンプルなインテリアを購入するのが好きで、

  装飾でゴテゴテしたものより機能重視。

  プールではクロールでいきなり泳ぎ始めるタイプ。

  • – – – – – –

スープ専門店のターゲティングなら「駅ナカをよく使う」は大切な情報ですが、
それ以外のインテリアを買う趣味や、泳ぎ方は一見商品と全く関係ありません。
しかしこういった情報が加わることで
「この内装って、春日りさっぽい」
「このテイストは春日りさじゃない」といったイメージを全員で持つことができます。

■ あなたの商品のペルソナは?

ではここから、あなたの商品やサービスで実際に「ペルソナ」を作る方法をお伝えしましょう。
一番簡単なのはすでに常連となっているお客様の顔を思い浮かべることです。
以下に例を挙げてみますので、あなたの事例でも考えるきっかけにしてみてください。

  • – – – – – –

  私のネイルサロンに来てくれるのは高橋麻里さん。

  33歳独身の派遣社員で、デスクワークからの冷え性と肩こりに悩んでる。

  仕事に疲れた瞬間にネイルを見ると癒される。

  選ぶインテリアはブラウン調のものが多いんだけど、

  たまにかわいいものが欲しくなってキャラクターグッズを買う。

  「まあ、しょうがないんだけどね」が口ぐせ。

  休みの日は10時まで朝寝坊するのが楽しみ。

  どっぷりスピリチュアルじゃないけど、カラーストーンとか置いてある。

  • – – – – – –

いかがでしょうか?
もし思いつかなくなったら「料理なら何を注文するか」
「スポーツをするなら何をしたがるか」
「旅行へ行くならどこにするか。それはなぜか」
といった妄想でターゲット像を広げてゆきましょう。

■ ペルソナが「狙いたい像」と違ったら

最後に、あなたが作るペルソナが「本当に売りたい人のイメージ」と異なった場合についてお伝えします。

ペルソナはいまあなたの商品やサービスを使っている人を明確にするだけで、理想像とは限りません。
もしこれから現在のペルソナとは別のタイプへ商品を売りたいのであれば、
まずは「理想のペルソナ」を作りましょう。
そして「理想のペルソナ」がどういった場所に現れるか、
あなたの商品にどういった良さを見出すかを考えてゆきましょう。

次回は「うちの商品を使うペルソナなんて、いないんだけど」
という悲しいご相談を解決いたします。

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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
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第一印象の秘密 私たちはどのように見られているか

第一印象についての新しい研究が
Mixed Impressions: How We Judge Others on Multiple Levels
(「入り混じった印象:私たちは他人を複数のレベルで判断している」)で明らかにされています。
 
人は、一瞬で相手のことを判断します。
この人は信頼できそうだな、とか、頭の切れそうな人だな、というふうに。
ビジネスの場面でも、私生活での交流の中でも、私たちは出会う人ごとに、第一印象で判断しながら、相手とのつきあい方を決めていきます。
交流を重ねるごとに、その第一印象には修正が加えられていきますが、
多くの場合、最初に描いたイメージが、180度変わってしまうことはさほどないように思います。
だからこそ、よく言われるように、「第一印象が大切」なのでしょう。
 
けれども、第一印象というのは、私たちに操作できることなのでしょうか?
実際、私たちにできることといったら、身だしなみを整えるぐらい…
生まれつきの顔は、どうしようもないし…
そう思っている人がほとんどではないのでしょうか。
 
ところが近年、心理学の分野では、この第一印象が、
たった2つの要素で成立していることがあきらかになっています。
 
私たちが他者をいかに判断するかを研究しているハーバード・ビジネス・スクールの教授エイミー・カディ、
プリンストン大学心理学者であるスーザン・フィスク、ローレンス大学のピーター・グリックは、このように述べています。

世界のあらゆる場所で、人は2つの要素で他者を判断しています。
すなわち、暖かさ(彼らが親しみやすく、善意を持っているか)と
能力(彼らはその意図を伝える能力があるかどうか)です。   
Mixed Impressions: How We Judge Others on Multiple Levels

私たちが初対面の人に会うと、私たちは無意識のうちに一瞬で
相手を「暖かい人かどうか」「能力がある人かどうか」の両方で評価している、というのです。
この評価は、私たちの行動にも影響を与えるといいます。

暖かく、有能な人に、私たちは夢中になり、助けようとし、
冷たく、能力のない人であると判断すれば、軽蔑を感じ、そのように行動するのに対し
ふたつの要素が入り混じった人に対しては、態度を決めかねてしまうのです。
たとえばユダヤ人や、アジア人、金持ちに対するステレオタイプに見られるような
有能ではあるけれども、冷たい印象は、妬みや危害を加えたいという欲求を誘発します。
事実、そうしたグループに対して、しばしばそうした事態が起きています。
また、暖かく、能力的に欠けているところのある人、たとえば母親や高齢者に対しては、
憐みをもよおし、見て見ぬふりをします。
                 (引用同)


 
新しい研究では、一瞬で下されるこうした判断が、
しばしば誤っていることも明らかにされています。
というのも、そうした判断は、私たちの抱くステレオタイプや、過去の経験に大きく依存しているからです。
 
近年、心理学者のニコラス・ケルビンらは人の暖かさと能力について、私たちが抱きがちなイメージについての研究を発表しました。
被験者に対して、2つのグループを示します。
一方の人々は以前の実験で、暖かい行動を示し、もう一方は冷たい行動を示します。
被験者たちは、暖かいグループの方が冷たいグループよりも
能力が低いだろう、と予想する傾向がありました。
 
同様に、一方のグループが能力が高く、他方が低いという情報を与えられれば
被験者は直観的に、前者を冷たく、後者を暖かい、と答えることがわかりました。
 
つまり、私たちには
ある性質を取り上げることによって、別の性質を切り落とす場合がある
というのです。

能力の高い人は冷たい(暖かさに欠ける)、というふうに、何かを取り上げ、別の何かを落とすという「補償効果」は
私たちが、人を個人個人で評価するより、他の人と比較することによって起こります。
 
これは有名な「ハロー効果」、優れた点がひとつあれば、他の部分も優れているだろうと考える
私たちの認知バイアスとは逆の、もうひとつの癖です。
 
補償効果もハロー効果も、人が「暖かさ」と「能力」を判断する場合に生じる、いくつかの間違いに表れていきます。
たとえば、私たちは、仮にある人の地位が、たまたまその人の生まれ合わせに過ぎない場合でも、
その人が高い地位にあれば、有能であるとみなします。
 
さらにその人が「暖かい」かどうかの判断は、あなたとの関係にも左右されるのです。
「仮にあなたが誰かに負けたとしたら、その人のことを悪い人だと思うでしょう」
とカディは言います。
 
人がどのような脳のメカニズムで第一印象を判断しているかを理解していれば
私たちには自分の「第一印象」をより良いものにすることができます。
たとえば、あなたの職業や、所属するグループに対して
多くの人がどのような印象(暖かい or 冷たい/能力がある? or 能力がない)を持っているか
さらに、多くの人があなたに対してどのような印象を持っているかを理解すれば
あなたは自分のイメージを変えるよう努力することができるのです。
 
たとえば、世間では冷たいという印象を与えがちな有能な政治家は
自分の暖かさを利用することによって有権者とのより良いつながりを維持することができるのです。
 
とはいえ、カディのこのような指摘は、心に留めておく必要があるでしょう。
「その人の暖かさや能力は、誰であっても、人生のどこかでかならず相手には伝わるのです」

(文章および翻訳:服部聡子)

 

本:『理想のチーム・プレイヤー』

The Ideal Team Player: How to Recognize and Cultivate The Three Essential Virtues

『理想のチーム・プレイヤー 3つの重要な長所をいかに認め 伸ばしていくか』

著者 パトリック・レンシオーニ
 
かつて『あなたのチームは、機能してますか?』で、著者のパトリック・レンシオーニは、
チームワークを破壊し、集団行動を危機に陥れる行為といかに闘うか、独創的なアプローチを示しました。
本書では、個々のメンバーに焦点を移し、理想的なチーム・プレイヤーに欠くことのできない、3つの長所を明らかにします。
 
『理想のチーム・プレイヤー』においてレンシオーニは、ジェフ・シェインリーという架空の登場人物の物語を描きます。
彼は、チームワークを大切にする企業文化を、懸命に復権させることによって、危機に瀕した叔父の会社を救ったのです。
 
ジェフは、現実のチーム・プレイヤーが備えている「3つの長所」という暗号を解読しなければなりませんでした。
そうして、その長所に基づいた企業文化によって、従業員の雇用と育成を図ったのです。
 
物語を超えて、レンシオーニは、人を見抜き、雇用し、理想のチーム・プレイヤーへと育成する、
実践的な体制づくりに向けた、実行可能な手段を提供します。
 
あなたがチームワークに基づく企業文化の創造を目指すリーダーであるにせよ、
また、自分自身を成長させようとするチーム・プレイヤーであるにせよ、
本書は、きわめて魅力的であると同様に、実用的であることも、実証されることでしょう。
 

 


元記事:http://goo.gl/RMjE5I

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

差別化マスターへの道

美人へ「美人だね」と褒めても、女性は落ちない――こんな恋愛の黄金ルールをご存知でしょうか。
たとえば職場にモデル級も美女がいたとします。あまりの美しさに周りの男性も「今日もかわいいね」「本当に美人だね」「モテてしょうがないでしょう」と飲み会などで誉めそやします。もしあなたがこの美女を落としたいなら、どうすべきでしょうか?

こんなとき、あなたが群がっている男性の3倍「今日もきれいだね」と褒めたところで、女性の心はピクリとも動きません。いつも褒められている言葉を聞かされても「またか」と思いつつ、笑顔で「ありがとうございます」と返すことしかできないからです。

女性を落としたいなら「差別化」褒めしよう

ですが、あなたがこんな言葉をかければチャンスは上がります。「○○さんって、本当に仕事を覚えるのが早くていいね」「応用力があるから、とっさのトラブルでも○○さんがいてくれると助かるよ」「手が器用なんだね。仕事も丁寧なのは、そのおかげかな?」

いつも美人、美人と誉めそやされている女性ほど「どうせ皆、私の顔しか気にしてないんだ……。中身は誰も見てくれていないんだ」とコンプレックスを抱くことがあります。そんな女性へ仕事の優秀さや丁寧さを伝えると「この人は私の中身を見てくれた!」と差別化されるのです。

モテてからでも、真実の恋愛はできる

さて、あなたは競合分析をした上で美人に向かって「美人だねと3倍褒める」ような差別化をしてはいないでしょうか? 特に自社製品が優れている企業ほど、他社より機能で秀でていることを売りたくなる傾向があります。
「つい似たサービスで優位に立とうとする」のは、頑張れば実際に優位にたてる企業だからこそ行えるワザだからです。

しかし、実際に自社サービスで優れていることを売りにするよりも、「全く違う強み」をアピールした方が皮肉なことに売れてしまうことがあります。そういった場面で「ウチの強みをわかってない!」と憤懣やるかたない経営者さんを多く拝見しましたが、「社長が売りたい本当の強みは、まず製品がバカ売れしてから伝えてはいかがでしょう」と私は考えています。

売れなければ誰も「本当の強み」を知らないままですが、1,000人に売れれば、10人は間違いなく「本当の強み」に気付いてくれるからです。

まず1,000人にモテよう

男女関係にたとえるなら、年収5,000万円ある方がお金持ちだとアピールすれば、間違いなくモテるでしょう。その上であなたが実は持っている良さ――たとえば音楽に詳しい、スポーツ観戦をする姿が生き生きしていてカッコいい、家庭的で子煩悩……といったものは、モテてから真価に気付ける女性へだけ伝えればいいのです。

1,000人の女性にモテればそのうち10人くらいは「年収なんてなくてもいいの、でもあなたの性格が好き」というファンが生まれるもの。そうして始めて、気に入った女性と付き合うことができます。「年収目当ての女ばかり寄ってくるから、俺は貧乏なフリをするぞ!」とわざわざ強みを隠しても、相思相愛になることは難しいはず。売りたいものより、売れるものを最初は見せびらかすべきなのです。

ここまでをご覧いただければ、下記の例が企業の「売りたいもの」を優先しており「売れるもの」を見せる差別化になっていないと伝わるかと思います。
・ エステの痩身コースを調べたら、他社は10,000円で提供していた! ウチは8,000円で提供しよう!
・ 同じ街にあるあの本屋は、マンガが200種類揃ってるらしい。よし、競合に負けないためにウチはマンガを250種類揃えるぞ!
・  あのマッサージ屋はヘッドスパを売りにしているらしいから、うちは特殊技術を備えたヘッドスパの店員を採用しよう!

差別化とは、競合を徹底的に調べた上で「ライバルと全く違う方向性」で強みを発揮することを言います。競合の強みを真似てしまうとお客様から差が見えなくなってしまうのです。

正しい差別化は「一目で違いがわかる」もの

それでは、均質化ではない正しい差別化は、どうすればできるでしょうか? 簡単にまとめると「一目で違いがわかる」ものを作ればいいのです。たとえば……
・エステの痩身コースが他社は売れてるから、ウチはシワ取りを売りにしよう
・あの本屋はマンガが200種類揃ってるらしいから、ウチは文庫を充実させよう
・プラスチックの原料を1000円/kgで売っている業者があるから、ウチは加工製品を売りにしよう

このように「一目で違う」と伝わる内容であれば差別化に繋がり、1,000人にモテるサービスを提供できます。

最後に宿題として差別化の事例を記しますので、本当の差別化に当たるかを考えてみてください。
1. あの居酒屋は日本酒が揃ってるって人気だし、ウチも5種類くらい入荷しよう
2. オーダーメイドの眼鏡屋が人気だから、ウチは30分で眼鏡をお渡しできるサービスで売ろう
3. 同僚のショップ店員は着合わせの提案が上手だから、私は在庫管理のプロになろう
4. 隣町の学習塾はイギリス人講師を雇ったらしいから、うちはアメリカ人を採用しよう

正解は、スクロールした下にあります。

 

 

正解:1.差別化できていない 2.差別化できている 3.差別化できている 4.差別化できていない

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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

本:『ストーリーテラーの秘密』

The Storyteller’s Secret: From TED Speakers to Business Legends, Why Some Ideas Catch On and Others Don’t

『ストーリーテラーの秘密 :テッド講演者からビジネスレジェンドへ なぜヒットするアイデアとそうでないものがあるのか』

著者 カーマイン・ギャロ

ベニスのビーチでTシャツを売っていた露天商は、
どのようにして、テレビ界で最も成功したプロデューサーになったのでしょうか?

ガレージで第一歩を踏み出した起業家は、
どのようにしてビジネスの歴史を塗り替える、伝説的な商品を世に出したのでしょうか?

内気な牧師の息子が、どのようにして人前で話す恐怖心を克服し、
2度もヤンキースタジアムを満員にしたのでしょうか?

1人の人権弁護士は、どのようにしてTEDで誰よりも長い
スタンディング・オベーションを受け、
フェイスブック重役は『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』を発表し、
どのようにして何百万人もの女性を勇気づけたのでしょうか?

彼らはみんな、すばらしいストーリーを語ったのです。

『ストーリーテラーの秘密 テッド講演者からビジネスレジェンドへ
なぜヒットするアイデアとそうでないものがあるのか』の中で、
基調講演者であり、ベストセラー作家であり、コミュニケーションの専門家でもある
カーマイン・ギャロは、力強いストーリーを語る秘訣を明らかにしていきます。

力強いストーリーは、人にインスピレーションを与え、モチベーションを与え、
ブランドを構築し、ムーブメントを起こし、人の生活を変えていくのです。

ニューヨークタイムズは、うまく語られたストーリーを
「否応なく引き込まれる力を持った戦略的ツール」と呼びます。

その証拠となるのが、本書に収められた成功を遂げたリーダーや、伝説となった50人です。
リチャード・ブランソンやサラ・ブレイクリー、イーロン・マスク、シェリル・サンドバーグのような起業家、
聞く者を魅了してやまないマーチン・ルーサー・キング・ジュニア、
ブライアン・スティーブンソン、マララ・ユスフザイ、スターバックスやサウスウェスト・エアライン、ウィン・リゾーツ、
ホール・フーズ、ピクサーなどの、ビジネスリーダーを輩出した有名ブランドなど。

あなたの目標とするものが教育であろうと資金の調達であろうと、
チームを鼓舞したり、表彰されるような文化を生み出すことであろうと、
あるいは、記憶に残るようなプレゼンテーションをすることであろうと、
ストーリーはあなたの最大の資産であり、競争における強みとなります。

この『ストーリーテラーの秘密』の中で、ギャロは、なぜラブストーリーが脳の中に生まれつき備わっているのか、
とりわけ貧乏人と金持ちのストーリーが、もともと組み込まれているのかを説明します。
そうして、最新科学がどのようにして、心と頭脳を口説き落とす、説得力のある語りを作り出すのを助けてくれるのかを、教えてくれます。

「ストーリーを語る技術は、変化を引き起こすために用いることができる」
そう語るのは、億万長者の起業家であるリチャード・ブランソンです。

次の10年間は、私たちの文化が未だ経験したことのないほどの巨大な変化を目の当たりにすることになるでしょう。
そのせいで、あなたのストーリーは、あなたのビジネスや生活を劇的なまでに変えていくはずです。

多くの人に受け入れられるアイデアは、ストーリーで包まれています。
あなたのストーリーは世界を変えます。
あなたのストーリーをシェアする時ではありませんか?


元記事:http://goo.gl/Nq1rNm

翻訳:服部聡子

 

 

売上を6割上げた奇跡の旅館に学ぶ「競合」の考え方

こんにちは、トイアンナです。
これまで何回か競合分析の方法についてお伝えしてまいりました。
「あなたの奥様を好きになる男は誰?」競合分析とは
今回はさらにステップアップして「意外な競合」の見分け方をお伝えします。

旅館の競合は「予備校」だった!?

ここで例題を出させていただきたいのですが、旅館の「競合」には、どんなものがあるでしょうか? 1分かけて考えてみてください。多分みなさまが思い浮かべる競合には、こういったものが含まれると思います。
・ホテル
・民宿
・キャンプ場
今なら、AirBnB といって一般の方がインターネットで募集して空き部屋に観光客を泊まらせるいわゆる「民泊」も盛り上がっていますね。

これらが競合であることは間違いないのですが、さらに思考の幅を膨らませて旅館とは『休みを過ごす場所』として価値があると考えてみましょう。そうすると、同じ『休みを過ごす場所』の競合が浮かび上がります。たとえば……。
『休みを過ごす場所』で競合する相手
・海外旅行
・予備校
・テーマパーク
・別荘
・テレビゲーム
・本
こうして見るともともと「競合」と考えていた企業とは全く関係ない企業が、競合になる可能性があることがわかりました。
子供の成績が下がれば、「旅館に泊まるのはやめて、そのお金で予備校に通わせなくちゃ」と親は考えますし、気になるマンガを一気に買ってしまったら、全巻読破するために休日を家で過ごすかもしれません。

婚約指輪の費用がかさむと旅館が閑古鳥になる

同じように旅館を今度は『大事な1日を過ごす場所』と捉えてみましょう。
『大事な1日を過ごす場所』で競合する相手
・高級レストラン
・葬儀のプレミアムプラン
・婚約指輪
・ビーチリゾート
・結婚式場
たとえばドラマでハワイのチャペルで挙式を行うシーンがヒットしたとしましょう。結婚を考えているカップルが海外へ流れてしまうので、日本の旅館は不利になります。婚約指輪の予算を増やしたら、その分新婚旅行で使う旅館へのお金はグレードダウンしてしまうかも。
このように「限られた予算でどこへお金を割くだろうか」と考えると、さまざまな競合が明らかになってきます。

奇跡の復活を遂げた旅館の競合分析

実は「優れた競合分析」ができたおかげで、売上を6割アップさせた「奇跡の旅館」があります。神奈川にある旅館Mは、もともとオーナーの本業が部品の製造業。旅館は製造業のお客様をもてなす「迎賓館」としての扱いでした。そのため一時は借入金が売上の3倍に膨らみ、オーナーの病没後は経営危機に陥っていました。しかしそこで新オーナーとなった息子さんは旅館を「他のホテルや宿泊施設」と戦わせない決意をします。交通の便が悪い旅館Mでは、太刀打ちできなかったからです。

その代わりに新オーナーが取ったのは、旅館を「特別な1日を過ごす部屋」として見直すことでした。実はこの旅館、かつて明治天皇陛下がご宿泊された部屋がありました。倒産直前の時期はその部屋を見学できる場所としていましたが、方針を一転。「天皇ゆかりのお部屋に泊まることができる」ことを売りにしました。泊まることができるだけならお客様も迷われたかもしれません、しかし新オーナーはさらに贅を尽くした料理を提案。チャレンジ試食回として原価を気にせずシェフへ新メニューを提案してもらい、最上級のコースでおもてなしする素地を作りました。

ただの高級レストランやホテルであれば、都内にいくらでも溢れています。しかし「天皇陛下がご宿泊されたお部屋」に自分も泊まり、最高の料理で「特別な1日を過ごす」場所であればどうでしょうか。結果として旅館Mへは富裕層や新婚旅行のお客様だけでなく、金婚式・銀婚式のご夫婦が多数来訪。売上は6割アップし、倒産の危機から一転、奇跡のV字回復を果たしました。

この成功は、あなたの成功事例にできる

旅館Mの成功事例は、決して他人の成功ではありません。あなたのお届けしている商品やサービスの「本当の競合」を考え直すだけで、ブレイクスルーとなる戦略を立てることができるのです。

ここからはぜひお客様が使う「時間」や「お金」という複数の目線であなたの競合分析してみましょう。
最後に例題を残しておきますので、私の書いたリスト以外にも競合を書き足してみてください。

・ 携帯充電器の意外な競合例
「いますぐ充電したい」という視点なら……電源プラグつきカフェ、友達の家、終電の遅い電車
「誰かに連絡を取りたい」という視点なら……ネットカフェ

・ 居酒屋の意外な競合例
「お酒を安くたくさん飲みたい」という視点なら……お酒のデリバリー店、業務用酒屋
「人に話しを聞いて欲しい」という視点なら……愚痴聞きサービス、カウンセリング、占い
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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com