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「守破離」の変化

ビジネスでも趣味であっても、あらゆる物事の「学び」の過程にはパターンがあり、「守破離」が大切と言われてきました。

ウィキペディアによると以下のように解説されています:

個人のスキル(作業遂行能力)をレベルで表しているため、茶道、武道、芸術等だけでなく、スポーツ、仕事、勉強、遊び等々、世の中の全ての作業において、以下のように当てはめることができる。

・守:支援のもとに作業を遂行できる(半人前)。 ~ 自律的に作業を遂行できる(1人前)。

・破:作業を分析し改善・改良できる(1.5人前)。

・離:新たな知識(技術)を開発できる(創造者)。

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「守」をいつまでも強要する経営者や先生

 

確かに、型を学ぶ時期は大切です。基本がわかっているか、わかっていないかは、後々のアレンジや創造性に大きく影響して来ます。ですので、昔は「石の上にも三年」と、一通りの技術を覚えるまでには、三年は辛抱しろと言われました。

ところが、時代は変わりました。あらゆる知識や知恵が、ググり方が上手ければ(ここはちょっと知性が必要)、瞬時に手に入ります。その「知識」を「使える技術」にまで持ち上げるには、それなりに経験値が必要だとは思いますが、それにしても、若者たちは、そのスピード感で生きているということです。

まだ経営者の中には、下積みを経て今に至る人も多くいらっしゃいます。深層心理にまで「石の上にも三年」が体にしみついているので、この古い考え方を従業員に押し付ける経営者と、軽やかな世代との深い溝が埋まらないケースが、最近増えてきました。

協会ビジネスしかり、サロンビジネスしかり、です。

 

ギャップはギャップ、「ある」ものは「ある」として動く

私は個人的に「世代」や「男女差」というステレオタイプで判断する考え方は好きではありませんが、それでもやはり、生きてきた世代によっての、考え方のギャップは、あります。「意思決定する際の志向性」は、年代によって、確かに偏りがあると感じます。

この偏りについては、どうしようもないものなので、それについて「今どきの若者は」などと言っても、何も始まりません。若者世代の考え方を変えたいですか?そのほうが時間も費用もかかります。いえ、おそらく不可能でしょう。自分の考え方、行動を変える方がずっと早いし、低コストだとは気づきませんか?

それが時代の流れなのですから、「そういうものだ」という前提で動かねばなりません。それは、決して「若者に迎合する」ということではありません。

平素、弊社ビジネス塾などでは「最適化」の思考を徹底して、お伝えし、実践いただいています。従いまして、最適化するには(つまり最も低コストでより大きな結果を導くには)、彼らの思考回路を知り、彼らが最もイキイキと楽しく働ける指示を出すことが、経営者として最優先課題です。

 

守破離の「離」をやらせてみる

ご参考になるかどうかはわかりませんが、ちなみに、弊社のやり方は、「破」からスタートです。様子をみて、なるべく早い段階で「離」に移ります。いきなり「離」という場合も多いです。つまり、全く新しい価値を生み出してもらいます。

その過程で当然、不足している部分が必ず出て来ますので、優秀な人は、自ら「守」を調べて学び、実践していきます。勝手にやります。

これを、「まずは基礎を学んでから」と、いつまでも同じことをやらせていても、それが何につながるかを理解できてない状態では、頭に入りませんし、勘違いもおきます。ミスもおきます。

それを叱っても始まりません。

言っておきますが、スタッフのミスは、経営者の指示ミスです。責めるなんてもってのほか。どうしてそんな結果につながったのか、小さなミスのうちから「改革、改善」の余地を教えてくれているはずです。その改善の努力もせず、叱っても愚痴っても、何も改善しません。

限られた人材で、最高のパフォーマンスを出すには、「本人たちが得意なこと」以外をやらせてはいけません。「好きで好きで仕方ない」ことをやらせれば、勝手に学び、成長します。

ですので、その得意と好きを見極めるために、「守」ではなく「離」をいきなりやらせてみると、適性がよくわかるのです。手取り足取り「守」から始めていては、時代の流れに乗り遅れます。

 

逆に、「離」のチャンスを渡してあげると、「事前準備の時間をもらえなかった」とかなんとか言い訳をして、チャンスをふいにするタイプもいます。こういうタイプは、永遠に、悠久に、「守」をやり続けたいタイプですので、非効率極まりない。AI時代に真っ先に淘汰されるでしょう。弊社にも不要なタイプです。

実際、こういう人は、学ばないので伸びません。創造性がありませんので、言われたことしか(言われたことすら)きちんとこなしません。自分の能力の範囲内の課題しか与えてもらえなくて安心しているような人間は、もう不要になっていくのです。

先出の、「今どきの〜」と愚痴を言うタイプの経営者には、このようなスタッフがぴったりです。お互いに決められたことだけを、決められた範囲で、粛々とこなすのです。

そして、真っ先に、消える運命なのです。

 

 

 

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。『マネー・コネクション』監訳。著書に『キャリア・ダウンの勧め』

 

ビジネスプラン作成の、その前に

起業の際に、ビジネスプランをコンサルしてもらう際、あるいは事業プランを作る際、そもそもの目的が間違っていては決してうまく行きません。
一見、哲学的に思えるかもしれませんが、私は机上論は大嫌いです。実践としての原則をお伝えしています。現実的に成功への近道として、以下についてまず、理解できねばなりません。

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我欲からのビジネスプランは消滅していきます

「我欲を滅する」とは、自分をなくす、という意味でも、欲求をなくすという意味でもありません。

むしろ、自分自身の中心に強く根ざし、芯ある自分であらねばなりません。

それは、「たおやか」でもあり、「しなやか」でもあり、頑固さはありません。相手に合わせて自分の目線を落とすことも平気です。首を深々と垂れます。

信じやすいが疑いやすいことも重要です。
騙されやすいこととは逆です。

「我の強さ」は「意思の強さ」とは別です。

親や上司、はたまた教祖などの意見に無条件に従うことは、「素直」でも「我がない」こととも違います。それは単に「自分がない」というだけのことです。

自分を持ちつつ、我欲を滅するのは、自分が何か欲しいと感じる心を封じ込めることでもなく、我慢することでもありません。もちろん、忍耐することではありません。

それは、人間の心の奥深くにある神性らしきもの、それは良心と呼んでも良いし、意欲と呼んでも良いし、アイデンティティーと呼んでも良いですが、その声を封じ込めることは、我をなくすことではありません。

ーー

「我欲」とは、

例えば、
自分の承認欲求のために、リーダーになろうとしてみたり、(そういう意図でのスピリチュアルリーダーや自己啓発セミナーなどは、その最たるもの)
子どもに良かれと思ってレールを敷いて、自分の意思でもないのに、高額の学校に入れてみたり、勉強を詰め込んでみたり、
自分を自分で愛せない問題を解決してないがために、立場を利用して、部下をネチネチとやりこめたり、
自分が「すごい位置」をキープできるような人間としか付き合わなかったり(常に目下ばかり)、
他人様のアイデアを、そそっと持ち逃げしたり、

ようするに、弱い自己と表裏一体のことを言います。
ーー

私は、ビジネスを通し、このあたりをクリアにすることが、何としても、成功に向かう過程で必要であると痛感しています。

ここをクリアせずに、表面的な自己承認欲求からのビジネスモデルをコンサルしたとしても、根本的なスタートが間違っているので、成功へは結びつきません。

ですので、数回のやりとりで、ビジネスが本当に飛躍できるのは、
実は、ここの問題に気づける人です。

持ちこたえる人の100%に成果が出るのは、本当のところは、初回で、私たちのエネルギーに当たって、逃げていく人が半数以上いるからで、残った人の結果です。

おかしな欲求で、おかしなものを引き寄せてしまっている人は、それを落としてからしか、我々に近づけません。

いや、変なものは、参加しようと決めた段階で、堕ちます。我々が発するエネルギーを、できるだけ、透明で細かいものにできるよう、そういうメンバーが自然と集まります。

最初は我欲からスタートしても構いません。途中で、それではうまくいかないことに気づき、軌道修正すれば良いのです。
ーー

引き寄せエネルギーが強いということは、途中段階で、悪いものもそれだけ引き寄せてしまいます。

普通の人なら、すんなり行くことも、そう簡単には許してもらえません。

でも

それが、力をつけるという意味です。

それが、我欲を落とすという意味です。

したがって、我欲を滅すれば、意思は、強固に強固になって行くものです。

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの東アジアディレクター(交渉代理人)。様々な案件のプロデュースや海外とのビジネスマネジメントを行う。

ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

戦を略する

紀元前500年前後に中国で活躍した武将、孫子は

それまでに人々が考えていた「戦とは何ぞや」という

概念をひっくり返したと言われています。

それまでの時代には、戦の勝敗は天命が左右するものと

考えられていたそうです。

孫子は過去の戦を分析し、戦法を書にまとめました。

その中でも特に有名な概念は

「戦わずして、勝つ」というものです。

これが「戦略」つまり「戦を略する」という考えに

つながっていったものと考えられているそうです。

「戦わずに勝つなど、卑怯な!!」

と、思ってしまいそうになる私ですが

これは日本人固有の感覚でしょうか。。(武道の影響とか?)

でもよくよく考えてみるとそれは、スポーツの話でもなく

ゲームの話でもなく、多くの人命が関わる戦の話です。

避けられるのであれば戦いを避けるのは真っ当と言えます。

ジェイさんはよく”Strategy” (「戦略」)という言葉を用いますが

ShimaFuji IEM翻訳チームでは長いこと

この言葉の訳に悩んできました。

もちろん、ジェイさんが語るのは戦ではなくビジネスです。

色々な専門用語を使われる師ですが、軍事用語は

その中でも特に多く使われています。

しかしながら、軍事用語とジェイさんの思想が

相容れないような気がして、私はなんとなく違和感を

感じてきました。

師の考えや方法論は攻撃的なものではなく、

むしろ人間の本質や、ロジックに基を置いています。

それはゲーム感覚で人を操るものでもなく、

むしろ相手を尊重し、その気持ちに寄り添うものです。

そんなときに孫子が言うところの「戦略」つまり

「戦を略する」という考えを知って、腑に落ちました。

孫子は、己を知り、相手を知ることが戦のカギを握る、と

説いています。

そのようにしてはじめて、戦の規模を最小限に抑えて勝つための

出方を知ることができると。

ジェイさんがいつも「自社や競合が、何をどんな動機で

どのように、誰に向けて行っているのかを分析しなさい」と

仰っているのを思い出します。

孫子においても、ジェイさんにおいても

それは「ラクして勝とう、ラクして儲けよう」という

考えとは真逆の思想です。

それはむしろ、損失や疲労を最小限に留めながら

成果をあげるために、よく学びよく考える、という部分に

重きを置いているように思えます。

同時に、「戦略」の第一歩が把握と分析から始まることも

分かります。

ちなみにこの孫子は、冷淡な一面もあったことで

知られているようですが、現代の戦略家・ジェイ師に

冷淡さは感じられません。

ミーティングで大切な話をしている途中でいきなり

「真澄の眉毛はキュートだね!」と言ってきたりと

お茶目な一面に、いつもほっとさせられている私です。

(a_washiyama)


a.washiyama

a_washiyama:
ShimaFuji IEM 翻訳チームのメンバーです。
翻訳家としてまだまだ勉強中ですが、ジェイさんのお考えを分かり易く、正確にお伝えできるよう、邁進して参ります!

本:『戦略の戦略』

Your Strategy Needs a Strategy: How to Choose and Execute the Right Approach?

戦略の戦略:正しいアプローチの選択と実行』

マーティン・リーブス、 クヌート・ハーネス、 ジャンメジャヤ・シンハ 共著

 

 

我が社は必勝の戦略があると思っているでしょう。

本当にそうですか?

ベストセラーになっている経営のアイディアや、

競合を出し抜くための奨励すべき習慣などなど、

エグゼクティブの元には膨大な量の戦略・戦術の類が送りつけられてきます。

しかし、それぞれを見ると矛盾しているように見えることもあるものです。

 

会社は大規模化するべきか、それとも素早いフットワークを重視するべきか?

ブルー・オーシャン戦略をとり新しいマーケットを開拓し、柔軟性を持って、

常に勝てる戦いのみに注力するべきか?

あるいは、競争優位を維持することは考えずに戦うのか?

日一日と、ビジネス環境の変化は加速し、不確かさと複雑さを増していきます。

その中で、戦略というものに対するアプローチの取り方がこれまで以上に重要で、

そして困難だったことはありません。

 

本書では、ボストン・コンサルティング・グループのマーティン・リーブス、

クヌート・ハーネス、そしてジャンメジャヤ・シンハが、

会社にとってベストな戦略的アプローチを選ぶために必要な、

実証された方法論を紹介します。

 

まずはビジネス環境の査定方法の紹介から始まります。

環境の中で予測不可能なものは何か、

環境を変えるのに必要な力を持っているか、

そして環境がどれほど過酷なものなのか

―?これらは、戦略を正しく選ぶために知らなければならない必須項目です。

 

そして、すでに世に出ている多くの戦略アプローチが、

ビジネス環境の予測可能性、柔軟性、過酷さに合わせて

「大規模であれ」、「素早くあれ」、

「先駆者であれ」、「策士であれ」、

あるいは単純に「元気であれ」という、

大きく五つのカテゴリーに分類されることを説明します。

 

これらのアプローチの詳細な説明を読めば、

環境に合わせた戦略へのアプローチを選ぶための決定的な判断力が得られるでしょう。

そして、それぞれのアプローチをいつどのようにして実行し、

また致命傷にもなりうる組み合わせのミスを避けるための知恵を与えてくれるでしょう。

 

圧倒されるような戦略的課題のポイントを明確にしながら、下記のような質問への答えが導き出せるようになるでしょう。

 

  • 年間のサイクルが時代遅れになってしまったら、どうやって計画を見直せばいいか?
  • どのようなタイミングで、自分に有利なゲームを形作れるのか、あるいは形作るべきか?
  • 複数のビジネス部課で、同時に戦略的アプローチを遂行するにはどうすればいいか?
  • 複数の地域、複数のビジネスに適用できる戦略を作成し実行するためには、つきまとう問題点をどのようにマネージすればよいか?

 

これらの問題をまとめあげ、採用すべき戦略的アプローチを理解するための

実際的なツールとなる書籍は、今までにはありませんでした。

あなたの会社でも、今日すぐにでも始めましょう。

 

 


元記事:http://amzn.to/1GizY0T

(翻訳:角田健)