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実店舗からオンラインへ そしてその先は

 

カーラ・ゴールディンは甘くないフレーバー・ウォーターを販売するHint社の創設者です。
会社が顧客の需要の変化に対応するために、eコマース(電子商取引)に参入したとき、
彼女は自分の社が大きな変化に直面していることを知りました。
リスクが高いばかりではなく、どうやって支払いをっすれば良いかも、
よくわからなかったのです。
ゴールディンはジャーナリストのダレン・ダールに、彼女が経験した大きな変曲点と、
財政面での柔軟性が、成功へと導いたことを語りました。
– – – – – – –
私たちの飲料会社ヒントは、着実な成長を遂げる反面、
大きな問題を解決する必要がありました。
食料品店の棚に、商品の置けるスペースが不足している、という問題です。
本来なら私たちの商品が置いてあるはずの棚が空っぽで
その横を見込み客が通り過ぎていくことが数週間も続いて、
私たちは何とかしなければならないと思うようになりました。
どんな解決策を取ったか?
オンラインで消費者のもとに直接届けられるよう、インターネット上に店を起ち上げたのです。
良いアイデアだと思いませんか?
けれども、送料は高い、手続きは面倒、しかも高額の広告費もかかります。
私たちの投資家は、一目見てこう言いました。
「ムリですね」
だとしたら、お金はどこで見つければ良いでしょうか?
消費者と直接、つながることができる、というのは、ものすごい力になることがわかっていました。
ですから、何とか方法を探さなければならなかったのです。

新しい会社が具体化する

2001年の初め、時には1年で30万km以上も飛び回る会社勤めを12年間続けたあと、
休みを取って、家族に専念しよう、と考えました。
けれども、同時に、次のキャリアのステップを、考えるようになってもいたのです。
もっと本当に大切な仕事がやりたいと思っていました。
3年が過ぎ、私の子供たちも学校に行くようになり、
私は体も心も、前の状態に戻すことに、時間をかけられるようになりました。
トレーニングを始めるようになり、ロー・カロリーの有機食品を食べ
ダイエット・ドリンクを飲むようになりました。
それでも体調が良いとは感じられません。
体重は重すぎたし、肌の調子も良くなく、エネルギーが感じられなかったのです。
そこで私はダイエット・ソーダを飲む習慣をやめ、水に変えることにしました。
すぐに9kg体重が減り、エネルギーがよみがえってきたように感じられました。
けれどもただの水を飲めば飲むほど、味気なく思えてきたのです。
何かもっとおいしいものはないかと思っていろいろ見てみましたが、
砂糖や人工甘味料の添加していないものは、店にはなかったのです。
そこで私はスライスした果物や、イチゴを2,3個つぶしたものを水に加えてみました。
すると、とてもおいしくなったのです。
それから数か月間、私は飲み物を作る方法を研究し始めました。
飲料専門家はみんな、防腐剤なしで甘味がなく、
しかもおいしいフレーバー・ウォーターを作ることなどできない、と私に言いました。
しかも誰もが、アメリカ人は甘い味のしない商品は買わないと考えていたのです。
つまり、私がしたいことは、飲料業界にとっては無意味だと考えたのでした。
私は夫のテオに、8か月以内に甘くないフレーバー・ウォーターを商品化し、
発売するつもりだ、と言いました。
一緒に、4番目の子供が生まれる時期と重なるので、少し助けてほしい、とも言ったのです。
テオと私は、商品を別の方法で作る実験をする傍らで、
商品を作ってくれそうな業者や、流通業者と会うようになりました。
8か月後、私たちは最初の飲料を生産ラインに載せることができたのです。
3年のうちに私たちの商品は、国内の主要な小売業者の棚に並べられるようになっていました。

販売の転換とオンラインの顧客

全国規模で市販されるようになったことは、私たちのビジネスを大きく押し上げるものとなりました。
けれども、問題が起こったのです。
私たちの商品は、顧客が見つける端から買っていったので、すぐ在庫切れになってしまいました。
週のうちの、買い物客でもっともにぎわう曜日にも、棚が空っぽ、ということもしばしばでした。
私たちは、大手飲料販売業者と契約し、高いお金を払って販売組織を設立しなければならないことを理解するようになりました。
そうでないとしたら、創造的になるか、です。
私たちは創造的になる方を選びました。
もしヒントのファンが商品をオンラインで買ってくれるなら、
食料品店でも、もっと早く売上を伸ばすことができるだろうと考えたのです。
オンラインショップを起ち上げる必要があります。
ところが問題が1つありました。
投資家は、そのアイデアが気に入らなかったのです。
けれども、消費者と直接つながることは、驚くほどの力になることはわかっており、
その方法もわかっていたのです。
そこで私はサンフランシスコの会社と提携し、
初期費用なしでウェブサイトを作ってもらいました。
しかも彼らの驚くほど低い輸送料金を、利用させてもらうこともできるようになりました。
宣伝は、とてもシンプルな手法を取りました。
毎月、私たちは翌月までにどのくらいの利益を上げられるか、推定します。
その数字をオンライン広告に充てるのです。
私たちは広告費をビジネス用のカードで借り、
オンラインを通じて顧客が払ってくれた代金で、その支払いをしました。
翌月見込まれる利益より、決して多く借り入れることのないよう気を付けながら、
このプロセスを毎月繰り返しました。
そうするうちに、私たちは12か月もしないうちに、投資も受けないまま、
年間当たり500万ドルのオンラインビジネスを構築しました。
まったくとんでもない1年間でしたが、
いまや私たちは、すばらしいオンラインビジネスを運営しています。

健全な成長を遂げるために

今日、ヒントを扱う小売業者が記録的な売上(あるニューヨークを拠点とする店舗では、
今年の夏、では100万ドルの売り上げを予定しています)を出していますが、
私たちは自社製品の最大の小売店でもあります。
私たちの拠点はずっとサンフランシスコですが、アメリカ全土には35人の社員がおり、
4つの都市に工場があります。
私たちの商品を、誰よりも愛してくれているお客様は、
小売店に卸さない限定フレーバーを含め、どのようなフレーバーでも
オンライン上で購入することができます。
また、drinkhint.comで注文すれば、戸別配達の日時を指定することもできます。
こうすれば、品切れになる心配もありません。
セールスよりも、私たちのお客様のことを良く知ることによって、
20万人以上のファンが集う活発なコミュニティを
オンライン上にスタートさせることができました。
私たちはスタッフとして、またパートナーとして、栄養士や栄養学者を擁しています。
そうして、私たちのニュースレターに記事を書いてもらい、
また、私たちのソーシャルメディアでのブログやメールにも参加してもらっています。
またビデオ・コンテンツも制作し、情報をわかりやすく発信しています。
私たちの目標は、健康的な生活を、簡単に、楽しく、おいしくしていくことです。
そうして、お客様をその対話に参加してもらえるように誘うことです。
お客様が私たちにどんな話を聞かせてくれるかには、いつも驚いてしまいます。
みんな糖尿病やガンの経験を語ってくれ、
あわせてヒントが水分補給にどのように役立っているかを聞かせてくれます。
あるいはまた、水を好んで飲んだことのなかった人たちが、
今、どんなにヒントに夢中になっているか、ということも。
結局のところ、誰もが水と恋に落ちることになります。
私たちは、水を飲むことを喜びにしたいのです。

(翻訳:服部聡子)

顧客がほしいなら個人向けカスタマイズを

現在は企業規模の大小にかかわらず テクノロジーの助けを借りて

新しい方法で顧客をターゲットにすることができるようになりました

でも顧客カスタマイズは十分なされているでしょうか

by リーバ・レオゾンスキー
商品やサービスを売るために、小企業は個人的なつながりに頼ることが少なくありません。
けれども今日のテクノロジーのおかげで、規模の大きなビジネスでさえも、
個人向けカスタマイズが可能になっています。
ここでは個々の顧客に対してカスタマイズすることの、良い面と悪い面、
あなたが知っておくべきことを上げていきましょう。

なぜ個人向けカスタマイズが重要なのでしょうか

多くの人が、自分のことを昔からの友人のように扱ってくれるビジネスを
ひいきにする傾向があります。
そんな店では、店員も顧客の名前をよく知っているし、
ウェイターが「お変わりありませんか?」などと声をかけてくれます。
個人とのつながりを大切にすることは、長い間、小企業が大企業に太刀打ちできる
数少ない方法の1つでした。

なぜ個人的な関係を築くことが 他企業との差別化につながるのでしょうか

今日の消費者は、選択の幅がますます広がっています。
歯磨きペーストは何十種類もあるし、
同じ商品を扱うサイトは、何千とあります。
消費者は、つまらない商品に引っかからないように、
商品やサービスを基準にして、購入するかどうかの意思決定を行うことが減り、
むしろ、これまでの取引の経験を元に判断することの方が多くなっているようです。
企業の側は、顧客それぞれにカスタマイズされたものを提供することによって、
多くの競合から目立とうとしています。
また、ショッピングを単純化し、買い手の時間も節約できるように工夫しています。

個人向けカスタマイズには どのようなものがありますか

ユーザーの好みを割り出すことができるサイトは、
個人カスタマイズに秀でていると言えるでしょう。
たとえば、再訪した顧客に対して、名前を呼んで挨拶するだけでなく、
過去の購入品やブラウズ歴、口コミなどから割り出したお勧め品を
すぐに表示しているようなサイトです。
そうしたサイトは、顧客の購入回数が増えるにつれて、
顧客が好みそうなものも、簡単に見つけ出すことができます。

カスタマイズのせいで訪問者は監視されていると感じないでしょうか

個人データを知られることを嫌がる人は多いのではないでしょうか

何のデータかによります。
トランセラ社のアンケート調査によると、顧客の2/3が、ある程度の個人情報
(名前や人種、年齢、収入、教育レベル、就業状況、居住地域などのデータ)は
もっと自分に合った商品やサービスが提供されるなら、
企業に渡してもかまわない、と考えていることがわかりました。
ただし、そのレポートは、消費者はかならずしもすべてを招致した上で
そのように答えているわけではないことも指摘しています。
半数以上の消費者は、ウェブサイトを訪問することによって、
彼らのオンライン上の動きや、オンラインショッピングの習慣をモニターされているとは
考えていないのです。

小企業は個人向けカスタマイズをどのように利用したらよいのでしょうか

個人向けカスタマイズには3つのレベルがあります。
おそらく基本的なものはすでに導入している人は多いでしょう。
たとえば、メールやダイレクトメールのメッセージで、相手の名前で呼びかけるなどです。
それから少数の人に限定された個人向けカスタマイズがあります。
これは名前や人種、年齢、収入、教育レベル、就業状況、居住地域などのデータや、
出費レベル、その他の基準を元に、顧客をセグメント化して、
それぞれのセグメントに合わせたマーケティング・メッセージを作成することです。
上級の個人向けカスタマイズは、もっとはっきりとしたちがいがあります。
上級カスタマイズは、複数の個人化要素を含み、リアルタイムで表示されるように
プログラムされています。
たとえば、サイトを開くと「ハイ、リーバ」と呼びかけ、
相手が買いたくなるようなものを勧め、
前回購入したものについてレビューを書いてくれないか、と頼み、
先日送ったオファーが間もなく期限切れになることを思い出させるようなものなどがあります。

大企業の顧客向けカスタマイズとどのように対抗すれば良いでしょうか

「小企業は大規模小売店ができないようなやり方で、
顧客とコミュニケーションすることが可能です」
そう語るのはサンフランシスコに拠点を置くステッチ・ラボの創始者ジェイク・ガザウェイです。
手紙や個人向けのメッセージ、顧客チェックなどは小企業の方がうまくやれます。
購入するときに、良い経験をした、と顧客に感じてもらえれば、
小企業である方が顧客の心に強く印象付けられ、今後の愛着心を育むことになるのです。
事実、高度なマーケティング・オートメーション・ツールが少しずつ小企業にも広まり、
最先端の個人カスタマイズを導入することは、簡単になってきています。
以下のようなツールは、あなたのビジネスのウェブサイトや
マーケティング・メッセージの個人カスタマイズを助けてくれるでしょう。
・既存の顧客/新規顧客
・住所(郵便番号、州、国)
・デスクトップ/モバイル機器
・プラットフォーム
・顧客データ(年齢、収入、職業など)
・顧客の心理的データ(行動、価値観、興味など)
・購入履歴
・ブラウジング履歴
・どのサイトから流入し、どこへ行くか
・ショッピングカートの商品
リストラックの調査では、81%の消費者が、
自分向けにカスタマイズされたメールを受け取ったら、
少なくとも何か購入したいという気にさせられる、と答えています。
そうした買い物客のほんの数人でも獲得できれば、
あなたの顧客カスタマイズツール導入にかかった費用も、
十分採算が取れるでしょう。

(翻訳:服部聡子)

6つの顧客タイプと最適な販売方法

by ジェフ・ウィリアムズ

 

顧客は6つのカテゴリーのいずれかに分類されます

タイプごとのアプローチ方法を紹介しましょう

 

顧客というのは、ひとひらの雪のようなものです。

ひとりとして同じ顧客はいませんが、

雪の結晶にいくつかのタイプがあるように、

いくつかのタイプに分類することができます。

ここでは一般的な顧客の6つのタイプに向けたマーケティング・プランを

作成するお手伝いをしていきましょう。

1. けちな人

かならず安売りになってから買う人もいれば、

倹約を選ぶ人もいます。

けれども、そうした人をひきつけようと、

商品やサービスがどれだけ安いか、吹聴することは

あなたの商品やサービスの価値を貶めることになりかねません。

より良いアプローチ:

競合の商品やサービスが、どれほど高くつくものか、説明してみてください。

「消費者が比較できるように、より高価な代替物を利用します」

そう助言するのは、ニューヨークに拠点を置く

マデリーン・ジョンソン・マーケティング&P.R.社のCEO、マデリーン・ジョンソンです。

「私は全国のホールフーズマーケットで、家庭用ヘアカラーの中での1番の売れ筋商品を

市場に出す手伝いをしています。

高所得者向け食料品店で、高価なオーガニック食品を買うような女性や男性が、

価格のことを気にするとは、思わないでしょう。

けれども自分の身の回りのことになると、一変して彼らは気にするようになるのです。

私たちが値上げしたとき、その反動は大きなものでした。

私たちの販促資料やソーシャルメディアを通じて、

私たちは自社商品と、美容院でのヘアカラーの比較を行いました。

この商品を使えば、15ドル99セントで白髪を染めることができる、

しかもひと目にさらされることなく、自宅で染髪ができる、と訴えたのです」

二番目の、自宅で染めることができる、という点は重要です。

自宅で利用できるシステム、家を出ることなく、

ひと目にふれない、という、顧客にこの商品を買う大きな理由を提案しています。

2. 上質なものに目がない人

「けちな人」の対極にあるのが、価格を一切気にかけない顧客です。

彼らは高品質な商品やサービスを求めています。

こうした人に対しても、品質を強調することが重要であると、ジョンソンは言います。

というのも、彼らが喜んで高いお金を支払うのは、

お金に価値を置いていないからではありません。

先ほどのヘアカラーの例でいくと、こうしたクライアントに対しては、

「グレイヘアーを100%カバーする」「色が長持ちする」「髪を健やかに保つ高い品質」

「時間をかけて髪質を改善する」といった、価値を高めるようなフレーズが効果がある、

とジョンソンは言います。

品質に注目する顧客が、他のタイプと大きく異なるのは、

マーケティングのなかで、直接、価格に言及しない方が良い、という点です。

もしあなたのマーケティングが、ビジネス・オーナーに向けてのものであるなら、

費用対効果を明示することが役立つこともあります。

それを指摘するのは、ペンシルバニア州ランカスターのマーケティング・エージェンシー、

EZSolutionのコンテンツ・マーケティング戦略家であるマイケル・ジュバです。

 

ビジネス・オーナーは頑固な人が多いんです。

そうして、自分のビジネスは、全部自分でやりたがる傾向があります。

こういう人にアウトソーシングを提案するときは、投資利益率を見せ、

アウトソーシングを行うことが、適切であると説得することが大切です。

3. ブランド愛好家

もしあなたが、競合の顧客を引きつけようと考えていて、

その競合が、熱心な支持者を抱えている場合こそ、まさにあなたの出番です。

アリゾナ州グレンデールに拠点を置く、Your Marketing Universityの共同創設者、

イーライ・ディレーニーは、試しにやってみる価値のある簡単な方法を教えてくれます。

「自分に聞いてみるのです。ブランド愛好家は、どこに熱狂しているのだろう、と」

そうして、彼らを狙ったマーケティング・キャンペーンを作ってみます。

 

「私は長いこと、マイクロソフト・ユーザーでした。

ですが、マックにも気持ちを引かれていたのです」

ディレーニーが何年もためらった原因は、アップルの広告でした。

「アップルが広告のターゲットとしていた商品購買層に、私はぴったりはまっていました。

2006年から2009年にかけてのマーケティング・キャンペーンです。

彼らはそうした購買層の性格を、見事に言い当てていました。

流行に敏感で、若く、元気がありあまっていて、

ただのマック・コンピューターが与えてくれるもの以上のものを求めている人々です」

そのキャンペーンの結果、ディレーニーはマック・ユーザーになりました。

4. 買い物にうんざりしている人

こうした顧客は、あなたのキャッチ・コピーや広告のグラフィックに、

心を動かされることはありません。

とはいえ幸いにも、彼らを説得する方法はあるのです。

もし、その商品が訴えていることを裏づける研究を、あなたが知っているなら、

その情報を、マーケティング・コピーに盛り込むことを、ジョンソンは提案しています。

もちろんそれを裏づける研究が実際にはないのに、

「研究で明らかになった」などという言葉を、文章の中に放り込んではいけません。

たとえば、あなたがアンチ・エイジング用のスキンケア商品を

市場に出そうとしているのなら、

ジョンソンは、あなたが臨床研究を行った研究者と、主要成分の一覧を表示することで、

疑い深い消費者に、あなたの商品が実際の裏付けを持つことを、説得できる、と言います。

写真を販促資料に載せる場合は、

「その写真が加工されていないこと、

直接、研究をしているところを撮影したものであることを明らかにする1文を、

加えることが必要です」とジョンソンは提案しています。

 

5. 優柔不断な人

彼らは、自分が本当は何を望んでいるか、はっきりとわかっていない人々です。

彼らには説得する前に、少し手助けが必要かもしれません。

彼らはあなたの商品やサービスについて、あまり知らない可能性があります。

あなたの商品やサービスを知ってもらう、良いチャンスかもしれませんが、

このタイプの見込み客を、教育できるかどうかは、あなた次第です。

ディレーニーは、いくつかの質問から始めてみるのが良い、とアドバイスしています。

 

彼らのことをもっと知るのです。

そうすることで、あなたが適切な方向で、彼らとの会話をリードできるような

情報が得られるでしょう。

こうした人々は、あなたを専門家とみなします。

そこへ、彼らが本当は何を望んでいるかを教え、それを与えることができるなら、

彼らはあなたのことを魔術師と思うようになるでしょう。

6. 内気な人

優柔不断な人々が、あなたを敬遠するのは、彼らが内気だからかもしれません。

それを指摘するのは、The Introvert Entrepreneur(内向的な起業家)の創設者であり、

『洞察力 与えられた能力についての覚え書き』の著者でもあるベス・ビューローです。

 

「内向的な人は、研究家であり、買おうとする店に関して、詳細な評価をする傾向があります。

あなたのサイトを訪問したり、店に行くかもしれませんが、

それは販売してもらうための基本的な説明より、

もっと多くのものを手に入れるためかもしれません。

あなたの質問やサービスについて、きわめて特殊な質問がある可能性が少なくないのです。

 

私たち、内向的な人間は、書いたものに重要な情報が含まれていることの方を

好むことが多いのです。

書いたものは、話されることより、その情報を処理する時間が

私たちがの側にゆだねられるからです。

 

もうひとつ、直接、あまり個人的なことを聞いてほしくありません。

また、あまりやかましく話しかけられたくもないのです。

関係を作るためには、来訪に対して、ありがとう、と言ってくれるだけで良いのです。

そうして、何かお役に立てますか、とだけ、聞いてください。

そうして、パーソナル・スペースを十分に取ってあげてください。

もし、あなたに何か探してほしい、と頼むようなことがあれば、

それは親しくなった、という、とても良いサインです。

フレンドリーに、あまり強引になることなく、誘ってみてください。

押しつけがましく、売り込みされている、と感じたら、

内向的な人は、出て行ってしまうでしょう」

 

 

大多数の顧客は、いくつかの性格タイプの組み合わせです。

それぞれのタイプに近づく方法を理解することで、

あなたはさまざまなタイプの顧客を引きつけ、

より多くの売上につなげていくことができるでしょう。

 

 

 

 


元記事:http://amex.co/1M8stb3

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

新時代の消費行動に後れを取る学術研究

by ルイス・リー

 

デジタル・マーケット時代の購買意志決定プロセスはどのようなものか

 

マーケターは、消費者が購買を決めるまで、どのようなプロセスをたどるか

豊富な知識を持っています。

けれども学術研究の側は、インターネットやモバイル機器が

買い物という行為をどのように変貌させていったかについては、

すっかり遅れを取ってしまっています。

消費者がどのように製品を選ぶかについて、研究者の知識には、

大きな穴が空いたままになっているのです。

 

消費者行動とマーケティングについて、今日の教科書は

もはや時代遅れになってしまっています。

 

そう語るのは、スタンフォード大学経営大学院のマーケティング学部

イタマー・サイモンソン教授です。

消費者の購買決定プロセスの研究には、新しい指針が必要であることを、

同教授は指摘しています。

 

ネット上のレビューは、従来の情報ソースより役に立っているのか?

ブランド・ネームは、品質を保証する面で、重要ではなくなってきているのか?

こうした問いは、サイモンソンが『マーケティング・ビヘイビアー・ジャーナル』最新刊に発表した論文で、

さらに掘り下げながら、考察を進めているものです。

 

予想通りに不合理数年前、行動決定理論や、

判断や意志決定を調査する研究者たちは、

人が時として不合理なふるまいをすることを、実証的に明らかにし、

大きな成果を達成したと考えていました。

 

 

「今日では、合理性の基本原理と

相容れない証拠があまりに多くあがっています」

とサイモンソンは語ります。

「このことは、実にさまざまな方法で、おもしろおかしく主張されてきました。

本も、学術分野にとどまらない、幅広い人々の手によって、書かれるようになっています」

 

同時に、最近の研究では、人が既に知っている情報を、実際の消費行動に

どのように適用しながら意志決定をおこなっているかについての研究も、進んでいます。

たとえば、人がデフォルト・オプションを優先する傾向を用いて、

健康に良いものを選ぶようにする方法、というものなどです。

 

けれども意志決定が、新しいインターネット環境によってどのように変化したかについては、

これまでのところほとんどなされていない、とサイモンソンは語っています。

 

Photo:Online Shopping By:InspirationDC

 

今日では、かつてよりはるかに多くの情報に、すばやく、しかも簡単に

アクセスできるようになりました。

これは、人々の意志決定が、根本的に変わったことを意味します。

そこには、様々な種類の新しい研究課題や、理論の可能性があります。

 

膨大な量の情報に囲まれた ―― 圧倒されたとさえいえる ―― 消費者がどのように考え、

意志決定をおこなうのか、

マーケティング・エグゼクティブもブランドマネージャーや販売者も、

もっと多くの情報を渇望しています。

 

ブランドについて考えてみましょう。

ブランドのおもなはたらきのひとつは、品質の保証です。

 

けれども、製品の品質について、もっと確かな情報にアクセスできるなら、

おそらくブランドネームや、価格、どこで作られたか、などという不明瞭な保証より、

消費者はそちらを信頼することでしょう。

 

さらにオンラインレビューや、品質に関するその他の情報をふまえた消費者が、

ブランドネームを考慮するかどうかについても、研究の対象となるでしょう。

 

さらに考察されるであろう領域として、

革新的な製品を、見たり試したりするのが簡単になっている時代に、

製品を選択する上で、ブランドネームや価格などの旧式な要因が、

どこまで影響力を持つかということもあります。

 

今日の消費者は、ユーチューブで製品のデモンストレーションを視聴できるし、

ソーシャルメディアでコメントを読むこともできる、

PDFをダウンロードして、製品の仕様書やマニュアルも見ることができます。

 

私たちは製品について、通知される前に、詳細に知っているのです。

 

動画投稿サイトなどのオンライン情報が、消費者の新製品の受容に、

どれほどの影響を及ぼしているか、今後、研究されていくでしょう。

 

Photo:Medwinds event By:The Style PA

これまで研究者は一般の人々に向けて、人間は時として不合理である、と説いてきました。

ところが皮肉なことに、新しい情報ソースが示すのは、

人間が不合理なものに影響されにくいことであると、サイモンソンは指摘します。

 

たとえば、今日ではマーケターが消費者に、製品Aを買わせようと、製品Bを見せて、

BがAにくらべてどれほど劣っているか示すような誘導が、むずかしくなっています。

 

今日の消費者は、製品CやD、Eまでも簡単にチェックすることができるので、

Aがほんとうに望ましいものなのか、単にBほどひどくはないというだけのことなのか、

すぐにわかってしまうからです。

 

消費者が、サーバースペースにある膨大な量の情報の中から、

どのように情報を引き出し、どのように選択する方法を決定しているかは、

マーケターにもいまだほとんどわかっていない領域です。

 

消費者が選択するのは、どのような要因が影響を及ぼした、どのような情報なのか?

そうして消費者はそれをどのように整理し、分類しているのか?

こうした問いが、決定的に重要になってきます。

 

というのも、消費者が何を調べようと選び、どのように閲覧するかが、

実際に何を買うかを決定する主な要因となってきているからです。

たとえば、オンラインレビューはいたるところにありますが、

意志決定に関しては、レビューを読むことが、他の要因、

たとえばブランドネームや価格などの影響力を弱めることにつながっているか

など、さらに突っこんだ研究が必要になっています。

 

消費者が無視するのはどのようなレビューか、

相反するレビューが、購入パターンにどのような影響を及ぼしているかなど、

いまだほとんどわかっていません。

伝統的に、買い物客が目を通す一連の商品、いわゆる「考慮集合」は、

かつては予測しやすく、2、3 の有名なブランド、

もしくはそれより安価なモデルに限られていた、とサイモンソンは言います。

 

けれども、今日の消費者は、購買決定をしようとする際に、

よく知っているものも、検索結果に表示されて知ったなじみのないものも、考慮に入れています。

明らかに「考慮集合」の枠が、拡大しているのです。

サイモンソンによると、こうした問いは

「消費者行動の中心に関わるものであり、

広く意志決定やマーケティングの研究にとっても重要なものである」ということです。

 

関連記事:本『絶対的価値』

ガイ・カワサキの「情報の高速化はマーケティングをどう変える?」

 

スタンフォード・ビジネス・インサイト


元記事: http://stanford.io/1BwbhaN

(翻訳:服部聡子)