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サメのようにイノベーションをおこなうには

(※この記事は”http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html“を翻訳したものです)

by サイモン・シネック

 

1975年のことです。
大作映画に名を連ねた経験のない若い映画監督が、ホラー映画を撮ろうとしていました。彼の名は、スティーブン・スピルバーグ。

スティーブンは、サメが襲ってくる血みどろの暴力的な映画を構想していました。 人を殺すことしか考えていない巨大な化け物が、何も知らない餌食を襲うところを、観客に見せつけたいと思ったのです。

ところが問題がひとつありました。映画で主役を演じるはずの機械仕掛けのサメは、期待通りの動きがほとんどできなかったのです。若い監督が想定していたサメの襲撃は、まったく撮ることができませんでした。

機械仕掛けのサメに不満を覚えた撮影チームが、ついに解決策を見つけました。彼らは暴力を、私たちの想像にまかせたのです。

観客が見るのは背びれだけ。
次にある人物の姿が海中に消えます。
すると海面が真っ赤に染まる。

それだけでした。ほかのシーンでは、私たちは背びれさえ目にしません。

私たちは、黄色い樽が海面を横切っていくのを見て、深いところにサメがいる、樽にとりつけられたロープを引っぱりながら、次の獲物に向かっているのだ、と想像するのです。

その効果はあまりにも強烈で、私たちの社会全体に大きな影響を及ぼしたほどでした。

もちろん、サメの存在は、誰もが知っていましたが、サメがビーチに近づくことなど、ほとんど考えたことがなかったのです。

ところが『ジョーズ』の映画以降、サメに対するヒステリックな反応が急増し、今日にいたるまで残っています。実は毎年、イヌに殺された人の方が、サメに殺された人よりも多いのですが。

スピルバーグがブレインストーミングの会議で『ジョーズ』のストーリーを語ったときは、そのような計画はまったくありませんでした。自分の望んでいるとおりのものが得られないとわかったときに、その解決法が浮かんだのです。ろくに動かない機械仕掛けのサメが、彼にもうひとつの解決法を見つけさせたのです。

私たちは、イノベーションというものは、豊富な資金とリソースのあるところに生まれる、という誤った信念を持っています。

実際は、まったく反対なのです。リソースの不足しているところに、資金の足りないところに、何かがうまくいかなくなったそのあとに、私たちにほんとうのイノベーションが可能になるのです。どうやったら効果があがるのだろう、と、繰りかえし想像力を働かせたのちに。

そこに、大企業がほんとうの意味で、革新的な商品を製造することがまれな理由があります。望むものなら何でも作れるほど、豊富な資金もリソースもあるからこそ、なのです。

問題は、彼らが新しい方法をどうしても見つけなければならないというせっぱ詰まったものを感じておらず、そこまで革新的なものを求めていない、というところにあります。

一方、小さな会社というのは、大企業に比べて、大きなアイデアが生まれやすいといえます。お金もリソースも乏しく、彼らには自分たちの持っているものを、いかに働かせればよいかを、わかっているからです。

そうして大企業はそのアイデアのために、小さな会社を買収するのです。

誤解のないように言っておくと、スピルバーグもまた、映画学科の学生でした。機械仕掛けのサメがなくても、自分の知識から解決できたかもしれません。

彼はアルフレッド・ヒッチコックが、サスペンスを盛り上げるために用いたテクニック、不吉な音楽や、単純な小道具の使い方、出来事がすべて終わってからの見せ方などを知っていました。サスペンスとは、私たちの目の前で起こるものではなく、想像力の内部で起こるものだと知っていたのです。

知ってはいても、その知識をどうしても使わなければならないときが来るまで、活用する必要はありませんでした。

そうして、多くの人がもっと多くのものを生み出すことができない理由もそこにあります。

大企業には頭の良い人も大勢いるのに、必要がないために、自分の聡明さを活用しないのです。必要なリソースならすべてそろっているからです。

それに対して、賢い実業家は、自分の知性に頼るしか選択肢はありません。そうして、彼らは大企業の外で、毎日イノベーションを成し遂げているのです。

イノベーションは、夢から生まれるものではありません。苦闘から生まれるものです。イノベーションの核心は、未来を築くためのものではありません。今、ここでの問題を、解決しようとするものなのです。

そうして、最高のイノベーションとは、ちょうど『ジョーズ』のサメのように、そこにいることに気がついていない「何か」なのです。

 

著者:サイモン・シネック


元記事:http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

 

 

チェーンに学ぶビジネスの勝ち方:1億杯のコーヒーを1週間で売る

こんにちは、トイアンナです。

イギリスといえば紅茶のイメージがありますが、実はその国に激震が起きています。
実は現在、イギリスはコーヒー大国。コーヒー店業界の売上は17年連続で上昇しており、
昨年だけでも10%市場が拡大しなんと1兆円市場へ到達。夢のような成長ぶりです。

それをけん引したのが、日本でいうならエクセルシオール、ドトールのようなコーヒーチェーン店です。
イギリス国内でコーヒーショップの数は20,000店舗を超えており
日本のスターバックスやドトールコーヒーの1,000~1,400店舗数と比較すれば、
非常に大きな市場であることがわかります。

そこで今回は、代表的な3ブランドをご紹介することで日本のカフェ経営にも応用できる
「成功の秘訣」をお伝えいたします。

なお、実際の3ブランドの店舗写真をご覧になりたい方はこちらをご参照ください。
イギリス情報 | お気に入りのカフェはどれ?

コスタ:コーヒーの先駆けという誰にも勝てない強み

初めてイギリス人を紅茶党からコーヒー党へと動かしたのがカフェ「コスタ」です。
コスタは1971年創業の老舗で、イギリスへコーヒー文化を持ち込む先駆者となりました。

特に大きなカップで紅茶を何倍でもお代わりするイギリス人にとって、
の直径10cmはあろうかという大きなカップで
コーヒーを「ごくごく飲む」という発想がぴったりフィット。
在でも2,000店舗以上の大規模チェーンとして愛されています。

日本で応用できる点:イノベーションを起こし業界をけん引する

マーケティングで最も影響力が強いとされるのが
「この世に無かったものを消費者に提案すること」、通称イノベーションです。
まだ流行っていない製品やマニア向けサービスを一気に広げることでブームを巻き起こします。

製品を広めた最初の1社目はその後もトップシェアでいられることが多く、
「コーヒーと言えばコスタ」といったイメージを植え付けられます。
日本の例なら「コーラといえばコカ・コーラ」あるいは「航空会社と言えばJAL」といったものです。
ただし、イノベーションを巻き起こすためには認知度を急激に上げる必要があり、得てして広告費がかかります。

カフェ・ネロ:美味しいコーヒーが飲める唯一の店

さて、業界1位のコスタには大きな欠点がありました。
コーヒーがそこまで美味しくなかったのです。
決してマズいとまでは言いませんが、当時のコーヒーは「紅茶ほどは美味しくない」くらいの位置づけでした。

そこでカフェ・ネロは「どこよりもおいしいコーヒー」を純粋に追及し、
イタリア風の濃いコーヒーを展開して一気に質を向上させました。
カフェ・ネロが登場するまで、多くのコーヒー店では目の前でインスタント粉コーヒーを入れるだけ、という店も多かったイギリス。

カフェ・ネロはひき立てコーヒーを提供することで、
チェーンに限らず全国のコーヒー品質を向上させる革命を起こしたのです。

日本で応用できる点:質で勝ることで1位の座を揺るがす

イノベーションを繰り返す企業は先進的な反面で、品質に劣ることがあります。
たとえばソニーのウォークマンは1990年代まで時代の寵児でしたが、
その一方で「ソニータイマー」とも揶揄される品質の欠陥が指摘されていました。
そこで品質を求めた消費者はパナソニックなどの他ブランドを選んでいました。

このように先頭を走るブランドが逃している品質に目を向け、
そこで圧倒的な差別化をすればトップを揺るがすライバルになれるのです。
現在でも誰もが知っている製品で、質で劣るものはないでしょうか。
そこが、あなたが次に勝てる場所です。

プレタ・マンジェ:オーガニックという新しい軸で独自展開

「プレタ・マンジェ」は他ブランドに比べて創業も遅く、コーヒーチェーンでは後塵を拝していました。
ただの品質、ただのイノベーションでは勝てない。
圧倒的不利な状態から生まれたのは「大規模チェーンが決してできない戦略」を狙うことでした。

まず、「プレタ・マンジェ」は添加物を使わないオーガニック食品を使い、都心に展開しました。
特に環境や有機野菜に関心がある都会の裕福なビジネスパーソンを狙ったのです。
こういった「全国的に人数が少ない」相手へ売り込むことは、
すでに大きくなりすぎたチェーン店にとって難しくなります。

「プレタ・マンジェ」の手作りサンドイッチは味も美味しく、健康志向の富裕層へ大ヒットしました。
日本で例えるならナチュラルローソンや、成城石井の成功例がこれに近いと言えるでしょう。

現在はより激しくなった競争に打ち勝つため「筋トレ用の美味しいたんぱく質メニュー」や
「ベジタリアンが満腹になるお弁当」といった、
これまで「味に妥協してきた人」を満足させる品ぞろえとなっています。

日本で応用できる点:大規模チェーンができない「少ない人数」を狙い撃ち

日本でもダイエット中の方、筋トレに励んでいる方向けのメニューを用意できているカフェはほとんどありません。
日本でも「偏食しませう」という強烈なキャッチコピーで
筋トレしている方が食べられるお店「b-ZONE」がヒットしています。

このように「今まで誰も狙ったことのない消費者」へ目を向けることで、
コアなファンを作るのもマーケティングの手法です。
メリットは広告費が無くても口コミで広がりやすいこと、
デメリットはある程度人口がない地域で実施すると
「該当する人が10人くらいしかおらず、商売にならない」恐れがあることです。
この戦略を取られるのであれば、必ず
お住まいのエリアにどれくらいコアなファンがいるかを概算してからにしてください。

ここまで、イギリスのコーヒーチェーンを参考に
日本で勝てるマーケティングの方法をご案内してまいりました。
大規模な市場も、街中のお店も初めは同じ1店舗。
そこからあなたが成功するためにも、先人の知恵を活用していってください。

参考資料:
スターバックス 店舗数
http://www.starbucks.co.jp/company/history/
ドトールコーヒー 店舗数
https://www.doutor.co.jp/about_us/ir/report/fcinfo.html


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

新著に『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書)

イノベーションを引き出すシンプルな質問

by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1H05xu2
(※この記事は著者の承諾を得て翻訳しています)
 
成功した会社には、創業者が壮大な抱負を抱いて第一歩を踏み出した……という神話がつきものです。
この話が言外に匂わしているのは、起業家が成功しようと思えば、
誇大妄想的な目標を掲げてスタートしなければならない、ということです。
 
ところが私の見るところでは反対に、多くの大企業は、ごく単純なことを
「なぜだろう?」と考えるところからスタートしているのです。
つまり、単純な疑問こそが会社を生みだす、と言えるでしょう。
 

「ということは、どういうことなんだろう?」

 
この質問が起こってくるのは、何かを見つけたり、トレンドを予測したあと、その先に思いを馳せるときです。
この質問は、実際にはこのように現れていきます。
 
「誰もがカメラ付きでインターネットにアクセスするスマートフォンを持つようになるだろう」
「ということは、どういうことなんだろう?」
「みんな、写真を撮るようになり、人に見せたいと思うはずだ」
「ということは、どういうことなんだろう?」
「みんなが自分の撮った写真をアップロードしたり、人の写真を評価したり、
コメントを投稿したりできるようなアプリを開発しなければならない」
 
そうして、ジャーン、インスタグラムが出来上がりました。
(参考 : エイドリアン・J・スライウォツキー  『ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか』
 

「これはおもしろくないか?」

 
この問いかけが原動力となって、知的好奇心が発動し、偶然の発見が生まれます。
電化製品のセールスマンだったレイ・クロックは、人里離れたところにある小さなレストランが、
8台もミキサーを注文したことに気がつきました。
好奇心からそのレストランを訪ねてみると、そこが大変繁盛しているのを見て、強い印象を受けたのです。
クロックは、ディックとマックのマクドナルド兄弟に、同様のレストランを数多く出店するよう強く勧めました。
その後どうなったかは、周知の通りです。
McDonald's #1 Store Museum, Des Plaines, Ill
Photo By:Jerry Huddleston

「もっと良いやり方はないだろうか?」

現状の技術の状態に対するフラストレーションが、この言葉には端的に表れています。
かつてフェルディナンド・ポルシェは、こう言いました。
「最初、私はいろいろ見て回ったのだが、自分の夢にかなうような車は見つからなかった。
だから、自分で作ろうと決心したのだ」(参考:フォーブス2003年冬号)
 
スティーブ・ウォズニアックがアップルIを作ったのは、政府や大学や大企業で働かなくても、
コンピューターを使える方法を考えたからでした。
Apple I Computer
Photo By:Ed Uthman

「どうして我が社はこうしないのか?」

現在の雇い主に対する不満は、以下のような情況では触媒として働きます。
あなたは顧客や彼らが求めているものをよく知っています。
そこで経営陣に、顧客が必要とするものを作るべきだと訴えるのですが、彼らはあなたの言葉に貸そうとしません。
とうとうあなたは説得をあきらめて、自分で作り始めます。
 

「可能性があるんだから、やってみないか?」

 
あらかじめ、成功が約束されているイノベーションなど存在しません。
ですから、「失敗したっていいじゃないか、やってやるぞ」という態度を言葉にすると、こうなります。
 
たとえば1970年代に、モトローラが携帯電話を考案したときも、ほとんどの人にとって、理解不能なものでした。
当時、電話といえば人ではなく、場所につながるものだったからです。
ところが、マーティン・クーパーとモトローラ社のエンジニアたちは前進し、やり遂げたのです。
それからどうなったかは周知の通りです。
「お告げでもあったのか?」などと言われても、無視することです。
 

「業界トップの弱点は何だろう?」

市場最大手は、以下の3つの面で、脆弱性を抱えています。
第1に、ビジネスのやり方。
IBMが再販業者を通じて販売していたので、デルは直接販売という方法でイノベーションに成功しました。
 
第2に、顧客が最大手に対して不満を抱いているとき。
ブロックバスターでビデオを借りようと思えば、車で行き、また返すときにも車を使わなければなりませんでした。
ネットフィリックスのチャンスはそこにありました。
 
第3に、最大手に金の卵を産むニワトリがいて、イノベーションを怠ったとき。
これはマイクロソフト・オフィスがグーグル・ドキュメントに影響されていることに端的に現れています。
 
good question
Photo By:Eric
 
「どうやったら大金が稼げるだろう?」という質問は、種類がちがうものです。
私のことを理想主義者と呼んでもらってもかまいませんが、偉大な企業は、金持ちになりたいという欲望ではなく、
 
「どうやったら世界を変えることができるのだろう」
 
というシンプルな質問に答えようとしているのです。

 

 

 

 


元記事:http://linkd.in/1H05xu2

(翻訳:服部聡子)

既存の価値を打ち破れ―起業家のための10の名言

by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1zmOt0g
(※著者の承諾を得て翻訳しています)
 
多くの人は、イノベーションとは〝仲間とすわっていると、不意に魔法のような考えが浮かんできて、そこから始まる”ものだ、とでも思っているようです。
あるいは、顧客がやってきて、自分にはこれこれこういうものが必要だ、と訴え、その通りのものを作り上げればイノベーション達成……とでもいうふうに。
 
実際は、そんなに甘いものではありません。
イノベーションというのは、骨の折れる、混乱しきった作業の積み重ねであって、てっとりばやく達成する方法など、どこにもないのです。
始まりはいつも、あなた自身が、あったらいいな、と思っている何かを作りたい、
それがあれば、きっとみんなの生活がもっと良いものとなるだろうな、と思えるような何かを作りたい、
と強く願うところから。
 
そうしてつぎは、あなたの作りだしたものやサービスがここにある、と言葉を探して、声をあげていかなければなりません。
成功が訪れるのは、自分には世界を変えることができるのだ、と信じている、情熱的で、ちょっと頭のおかしい人のところです。
「専門家」や「折り紙つきの人」のところに、成功はやってきません。
 
セコイア・キャピタルのマイケル・モリッツ (彼はグーグルの出資者でもあります) は、自分が投資したいのは、どのような起業家であるか、語っています。
私の言葉で言いかえてみましょう。
「30歳以下で、自分自身が使いたいものを作っている人間だ」
そのとおり!
 
あなたにインスピレーションが新鮮なひらめきがえられるよう、ここに既存の価値を打ち砕くような名言を、10 あげておきます。
 
”人生と仕事において、世界と自分のためにできるだけ大きなことをやろうと思えば、情熱に従うしかない。”
                 (リチャード・ブランソン)
 
”すばらしいチャンスが目の前にやってきたら、自分にできるかどうか自信がなくても、やります、と言う。
どうしたらいいかは、あとで学べばいい。”
   (リチャード・ブランソン)
 
”重要なことであれば、たとえ条件が悪くても、それをやるべきだ。”(イーロン・ムスク)
 
”アイデアであれ、問題であれ、自分が正したいと思っている誤りであろうが、燃えるような思いを持つことが必要だ。
スタート地点で激しい情熱を抱いていなければ、決して持ちこたえることはできない。”
(スティーブ・ジョブズ)
 
”偉大な起業は、創業者が世界を変えたいと願ったところから歩みはじめる。
手っとりばやく儲けるためではなく。”
  (ガイ・カワサキ)
 
”世界を変えたい? 現状をひっくり返したい? 
そのためには、ありきたりの関係以上のものが必要だ。
あなたの見る夢と同じ夢を、人にも見させることが必要なのだ。”
  (ガイ・カワサキ)
 
”完璧な計画を乱暴に実行するよりも、不完全な計画を猛烈に遂行する方が、より大きな進展が得られる。”
        (ヒューバート・ハンフリー)
 
”改善とは変化のことである。
完璧になるとは、変化を繰りかえすことである。”
   (ウィンストン・チャーチル)
 
”夢の中なら、創造することも、デザインすることも、世界で一番美しい場所を作ることもできる。
けれども、人びとに求められているのは、それを現実にすることだ。”
  (ウォルト・ディズニー)
 
”世の中で大切なことのほとんどは、絶望的な状況にあっても、挑戦をしつづけた人によって成し遂げられたものである。”        (デール・カーネギー)

 
元記事:http://linkd.in/1zmOt0g


(翻訳:服部聡子)

イノベーションの技術

 

 

    イノベーションとは、起業家精神にとって、特殊な道具である。  

    イノベーションが源となり、富を創造するという能力が花開く。   

                       ― ピーター・ドラッカー

 

 

ピーター・ドラッカーは正しいことを言っています。

イノベーションとは、富を生むものです。

イノベーションとは、実際、ひどく困難なことですから、 もうけが出るのもあたりまえなのかもしれません。

 

このコラムの目的は、イノベーションの原理を説明することです。

私はそれを、アップル社の前線で、また、私が起こした3つの企業で、

アドバイザーを務めた多くの企業を通して、学んできました。

私は間違いなど犯したことがなかった…、と言えれば良いのですが、 きっとそれは事実ではないでしょう。

私の言うとおりにやってください

― 実際に私がやった通りではなく。

 

1. 意味を作りだす

 

あなたが、何かほんとうに意味のあることを通して、

どのように世界を変えていこうとしているのか はっきりと決めてください。

アップルはコンピューターを大衆のものにしました。

グーグルは情報を大衆のものにしました。

イーベイは商取引を大衆のものにしました。

 

これらの企業は意味を作りだし、意味を作ることによって、結果的に大きな利益を生み出しました。

 

2. マントラを作る

 

なぜ、自分が意味を作りだそうとしているのか、説明できるような、

3つから4つの言葉からなる、自分のマントラがあるはずです。

 

たとえばナイキのマントラは、私が思うに「本物のアスリートのパフォーマンス」にちがいないと思います。

またイーベイは「大衆化された商取引」でしょう。

私のマントラは「人々に力を与える」。

 

要するに、なぜ自分が存在しなければならないのか、マントラが説明してくれるのです。

 

3. つぎのカーブにジャンプしよう

 

あまりに多くの企業が、同じ成長カーブ上で争っています。 1880年代に、氷を切り出す産業がありました。

 

 

冬の間、氷の塊を切り出す会社がいくつもあったのです。

ところが氷工場ができて、氷を切り出す会社はいずれも廃業に追い込まれました。

 

 

というのも、氷工場なら、天候の制限を受けないからです。

やがて冷蔵庫会社ができて、今度は氷工場が廃業に追い込まれました。

 

 

個人で冷却装置を所有すれば、よりいっそうの利便性が得られるからです。

つぎの成長カーブにジャンプするときに、 さらにいえば、つぎのカーブを作り出したときに

ほんとうのイノベーションは起こります。

 

4. すばらしい製品はDICEE

 

DICEEとは、Deep(=深い)

Intelligent(=知的な)

Complete(=完璧な)

Empowering(=力を与える)

Elegant(=エレガントな)

の頭文字を取ったものです。

 

「深い」とは、多方面における特徴と力を持っている、ということです。

 

「知的」というのは、人の感じている痛みと必要性を、 その企業が理解している、ということです。

「完璧な」というのは、満足できるトータルソリューションを、その企業が提供している、 ということです。

 

「力を与える」というのは、顧客がその製品と格闘するのではなく、

その製品を使って、より良いことができるようになる、という意味です。 ?

「エレガント」というのは、製品がうまくできている、ということです。

 

5. 安っぽく思えても心配しないで

 

革新的な製品の中に、チャチな側面があったとしても、 出荷するとき、不安にならないでください。

イノベーションが、最初から完成された状態で起こることはまずありません。

 

たとえばMacコンピュータはソフトウェアがなく(私のせいです)、

ハードディスクもなく(ソフトウェアがなければ、いずれにせよさほど意味がないのですが)、

スロットもなく、色もありませんでした。

 

もし会社がすべてが完璧になるまで出荷を待っていたら、 そんな日は来ないだろうし、

市場は素通りして先に行ってしまいます。

6. 「100の花を咲かせよう」

 

私はこの言葉を毛沢東から拝借しました。

イノベーターは、人々がその製品をどのように使うかについては、 柔軟である必要があります。

エイボンは「Skin So Soft」という製品を、肌をやわらかく保つために開発しましたが、

子供のいる人々が、それを虫除けに使っても、そのままにしておきました。

 

アップル社は、スプレッドシート/データベース/ワードプロセッサー機能のコンピュータを開発しましたが、

顧客はそれをデスクトップパブリッシング・マシンとして利用していることがわかりました。

教訓は、種は植木鉢ではなく、野原にまこう、ということです。

さまざまな花を、好きなように咲かせてやれば良いのです。

 

7. 両極化を怖れない

 

ほとんどの企業は、 統計上のいかなる年齢層にも、

いかなる社会的経済的バックグラウンドを持つ人にも、

どのような地域に居住する人であっても、 すべての人がほしくなるような、聖杯を作りだそうとしています。

 

けれども、そんなものを求めても、得られるのは、確実に凡庸なものとなります。

それより、ある一部の人々を幸せにするような、すばらしい製品を作ってください。

それ以外の人々が不幸になったらどうしよう、と心配するのはやめてください。

最悪なのは、結局、どんなリアクションも引き出すことができない場合です。

そんなことが起こるのは、企業があらゆる人を幸せにしようとしたからなのです。

 

8. 新しい考えを生みだそう

 

私は、製品には安っぽい側面があってもかまわない、と言いました。

けれども、安っぽいままであってもかまわない、とは言っていません。

企業はバージョン1.0を改良し、1.1、1.2 … 2.0と進化させていかなければなりません。

イノベーションを出荷すること自体が大変なので、これを実行に移すのはむずかしい教訓といえます。

なにしろ社員というものは、自分たちの送り出した完璧な製品に、

ケチをつけられることがたまらなくいやなものだからです。

けれども、イノベーションは、 終わってしまった出来事などではなく、進化し続けるプロセスなのです。

 

9. ニッチであろう

 

イノベーションという輝かしい聖杯は、ユニークであり、しかも価値のあるものを創造するところにあります。

イノベーションを起こしたければ、意味を作りだし、限界に迫り、歴史を作っていかなければなりません。

エンジニアであれば、これまでに類のない、しかも価値のあるものを作るのです。

マーケターであるならば、製品がユニークで、価値あるものだと、世界に向かって伝えるのです。

 

10. 完璧なキャッチフレーズを

 

比類のない展示販売をおこなうには、3つのカギがあります。

第1に、導入部をカスタマイズします。 聞き手を大切にし、その相手に合わせてやてみせる必要があるのです。

第2に、製品を通して、夢を売るのです。

この製品によって、人生がどのようにすばらしいものになるか伝えます。

業界用語を使わず、これを所有することで、どのような利益があるのかを説明するのです。

 

第3に、プレゼンテーションでは、10-20-30ルールを守ることです。

スライドは10枚、説明は20分、フォントサイズは30です。

 

11. 傍迷惑な人のせいで気持を腐らせない

 

傍迷惑な連中は、そんなことやっても無駄だ、とか、やらないほうがいい、とか、

必要ない、とかと言いたがるものです。

そんな連中の多くは、どう見ても負け犬です。

負け犬など無視するのは簡単。

 

でも、金持ちで、セレブで、権力を握っているような「ボケナス」は、危険です。

というのも、彼らは賢い、と見なされているからです。

けれども、そんな連中は運が良かっただけ。

彼らにはつぎの上昇曲線など理解できないし、なおさら受け入れることなどできはしません。

イノベーションというのは、読む(あるいは書く)のは簡単でも、成し遂げるのは、困難なものです。

 

これまでにあげた11は、イノベーションの基礎にすぎません。

けれども、意味を作り、上昇カーブにジャンプするまで、休まず仕事を続けていけば、

いつかイノベーションに到達するはずです。

 

著者:ガイ・カワサキ


元記事:http://bit.ly/1gAzTMc

(翻訳:服部聡子)