サメのようにイノベーションをおこなうには

(※この記事は”http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html“を翻訳したものです)

by サイモン・シネック

 

1975年のことです。
大作映画に名を連ねた経験のない若い映画監督が、ホラー映画を撮ろうとしていました。彼の名は、スティーブン・スピルバーグ。

スティーブンは、サメが襲ってくる血みどろの暴力的な映画を構想していました。 人を殺すことしか考えていない巨大な化け物が、何も知らない餌食を襲うところを、観客に見せつけたいと思ったのです。

ところが問題がひとつありました。映画で主役を演じるはずの機械仕掛けのサメは、期待通りの動きがほとんどできなかったのです。若い監督が想定していたサメの襲撃は、まったく撮ることができませんでした。

機械仕掛けのサメに不満を覚えた撮影チームが、ついに解決策を見つけました。彼らは暴力を、私たちの想像にまかせたのです。

観客が見るのは背びれだけ。
次にある人物の姿が海中に消えます。
すると海面が真っ赤に染まる。

それだけでした。ほかのシーンでは、私たちは背びれさえ目にしません。

私たちは、黄色い樽が海面を横切っていくのを見て、深いところにサメがいる、樽にとりつけられたロープを引っぱりながら、次の獲物に向かっているのだ、と想像するのです。

その効果はあまりにも強烈で、私たちの社会全体に大きな影響を及ぼしたほどでした。

もちろん、サメの存在は、誰もが知っていましたが、サメがビーチに近づくことなど、ほとんど考えたことがなかったのです。

ところが『ジョーズ』の映画以降、サメに対するヒステリックな反応が急増し、今日にいたるまで残っています。実は毎年、イヌに殺された人の方が、サメに殺された人よりも多いのですが。

スピルバーグがブレインストーミングの会議で『ジョーズ』のストーリーを語ったときは、そのような計画はまったくありませんでした。自分の望んでいるとおりのものが得られないとわかったときに、その解決法が浮かんだのです。ろくに動かない機械仕掛けのサメが、彼にもうひとつの解決法を見つけさせたのです。

私たちは、イノベーションというものは、豊富な資金とリソースのあるところに生まれる、という誤った信念を持っています。

実際は、まったく反対なのです。リソースの不足しているところに、資金の足りないところに、何かがうまくいかなくなったそのあとに、私たちにほんとうのイノベーションが可能になるのです。どうやったら効果があがるのだろう、と、繰りかえし想像力を働かせたのちに。

そこに、大企業がほんとうの意味で、革新的な商品を製造することがまれな理由があります。望むものなら何でも作れるほど、豊富な資金もリソースもあるからこそ、なのです。

問題は、彼らが新しい方法をどうしても見つけなければならないというせっぱ詰まったものを感じておらず、そこまで革新的なものを求めていない、というところにあります。

一方、小さな会社というのは、大企業に比べて、大きなアイデアが生まれやすいといえます。お金もリソースも乏しく、彼らには自分たちの持っているものを、いかに働かせればよいかを、わかっているからです。

そうして大企業はそのアイデアのために、小さな会社を買収するのです。

誤解のないように言っておくと、スピルバーグもまた、映画学科の学生でした。機械仕掛けのサメがなくても、自分の知識から解決できたかもしれません。

彼はアルフレッド・ヒッチコックが、サスペンスを盛り上げるために用いたテクニック、不吉な音楽や、単純な小道具の使い方、出来事がすべて終わってからの見せ方などを知っていました。サスペンスとは、私たちの目の前で起こるものではなく、想像力の内部で起こるものだと知っていたのです。

知ってはいても、その知識をどうしても使わなければならないときが来るまで、活用する必要はありませんでした。

そうして、多くの人がもっと多くのものを生み出すことができない理由もそこにあります。

大企業には頭の良い人も大勢いるのに、必要がないために、自分の聡明さを活用しないのです。必要なリソースならすべてそろっているからです。

それに対して、賢い実業家は、自分の知性に頼るしか選択肢はありません。そうして、彼らは大企業の外で、毎日イノベーションを成し遂げているのです。

イノベーションは、夢から生まれるものではありません。苦闘から生まれるものです。イノベーションの核心は、未来を築くためのものではありません。今、ここでの問題を、解決しようとするものなのです。

そうして、最高のイノベーションとは、ちょうど『ジョーズ』のサメのように、そこにいることに気がついていない「何か」なのです。

 

著者:サイモン・シネック


元記事:http://blog.startwithwhy.com/refocus/2012/08/how-to-innovate-like-a-shark.html

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

 

 

小さなビジネスが持つ5つの大きな強み

 by アン・ミラー

お客様を引き付けるのに、大きな予算は必要ありません。以下に挙げる5つの秘訣で、あなたの会社もビッグネームのブランドとの競争に打ち勝つことができます。

小さなビジネスの
・柔軟で、
・個人的な対応が可能、
・ニッチを満たす
という強みはいずれも高い利益をもたらすことが実証されています。
 これらの3つの特質を持つことで、成功への道は開かれます。それこそが、小さいということが持つ力です。

このことは、マンハッタンのジャヴィッツ・センターで2016年1月に開催された、全米小売連盟協議会の満員ホールで確認されたことのひとつです。

中小企業経営者を集めて開催されたこの集会では、小規模ビジネスに影響を与えるトレンドや、大企業のような巨額の予算がなくても、顧客基盤育成ができる方法などについて、話し合われました。 以下に、そこで出された秘訣を上げていきましょう。

 1. 人間的なふれあいを強める

 マサチューセッツ州アガワムでペット用品の企業を経営するデイブ・ラトナーは、顧客の本当に必要としているものに重点的に取り組もうと努力しています。

レジ係には決して「メールをお送りできるように、アドレスをご記入ください」とは言わないように、と教えています。顧客が、やたらと売り込みメールやスパムが来るのではないか、と思うことが少なくないからです。

それよりも顧客に連絡先が必要な理由を説明した方が良い、とラトナーは言います。ほとんどの場合、ドッグフードが少なくなっている時期を知らせたり、人気のあるネコ用トイレがセールになっていることを伝えるためだ、と。店のためではなく、顧客にとって価値のある情報を得るチャンスなのだと伝えてください

ケンタッキー州の冷暖房業者ローガンサービスInc.のマーケティング部長であるアマンダ・キンセラは、会社のフェイスブックに、従業員のプロフィールをどのように載せるかについて、議論しました。
 「お客様には、わが社が人間によって運営されていることを、知ってもらいたいのです」

 彼女も社のスタッフも、顧客に対してオンラインで自分自身の話をしてくれるよう働きかけています。そうすることによって、ビジネスと顧客の建設的な関係が、深められていくのです。会社のSNSには、顧客が直接、話や写真を投稿できるページも用意されています。

 2. テクノロジーに投資する

 技術の進歩によって、小企業でも大量の演算処理や、節約型のオプションが可能になりました。たとえばRSRリサーチの業界アナリスト、ニッキ・ベアードは、IBMのワトソン認識コンピューティングテクノロジー、パーソナリティ・インサイツという機能に注目しています。

これはデータを収集して、人のパーソナリティを洞察(インサイト)するというもので、ベアードは、小企業にとっては年間で、およそ1,000ドルの費用がかかると見積ります。

クラウド・ストレージへデータを移行することによって、小企業がハードウェアの購入に経費をかける必要はなくなっている、とベアードは言います。現在のアプリケーションの中には、会費を提供するだけで、ライセンスを購入する必要のないものもあります。

どの企業にも当てはまる、万能の選択肢はないし、すべてのサービスが、成長を前提に設計されているわけでもない、とベアードは警告しています。

それでも、選択肢を研究するために、ある程度の努力を割くことで、それに見合う価値をえられる可能性は十分あるでしょう。
テクノロジー関連のスタートアップと提携することによって、資金を使わないで分析を利用することも可能です、と指摘するのは、プランニング・ショップの創設者であり、社長でもあるロンダ・エイブラムスです。

ロンダは、店内に設置されたビデオの追跡をテストするために、誕生して間もない会社と提携した、ある小売店の話を教えてくれました。ビデオを分析したその会社は、現実の社会でテストでき、しかも将来の売り込みに役立つ結果を得ることもできました。また、小売店側は、店内での消費者の行動について、多くを学んだのです。

「学ぶことや経験することに対して開放的な、人気店になろうと努力を続ける小さな小売店を探していく必要があります」と彼女は言っています。

 3. あなたのニッチを見つける

 エイブラムスは、ある会計士の話を教えてくれました。その会計士は、眼科医の事務専門というビジネスを切り開き、全米規模で成功したのです。

眼科の会計に、特殊な専門性が必要とされたわけではなかったのですが、ひとたび「眼科専門事務」の会社として、1人のクライアントを獲得すると、あとは自動的に成長していきました。市場の小さい領域だけに焦点を当てることによって、他には真似のできない、特定のニッチに適合するサービスを提供できる機会が与えられます。

また、標的市場をしっかりと定めてマーケティングを行うことによって、クライアントのニーズを、真に深く、詳しく理解することができる、とエイブラムスは言います。

4. 大勢の中から際立つ

 創造力があれば、たいていの困難は克服することができるし、小規模のビジネスは、異なるアプローチを試みる際には、大企業よりも柔軟に対処することができます。

ある店にあったネコの登り木が2本、ペットショップの社長であるラトナーの目を引きました。これまで見たこともないほど、巨大な木です。あまりに大きかったので、ラトナーはその価格を尋ねました。

ところが店員は誰も売物だと思っておらず、また、これまで問い合わせもなかったのです。おかげでいろんな人に聞いて回らなければなりませんでした。その登り木は大変値の張るものでした。けれどもラトナーには、予感があったのです。この立派なネコの遊び場は、ネコ好きを彼の店に引き付けるのではないか、と。そうして、実際にその通りになったのです。

シーンを作り出すことです、というのは、タイタン・インダストリーズ社CEOのアンドレア・バーンホルツです。
靴磨きセットを提供するのに、店のショーウィンドウに、椅子と靴磨きをディスプレーしました。その情景は、そこを通りかかる人の視線を引いた、と言います。

 5. 基本を忘れない

 ビジネスプランの専門家であるエイブラムスは、彼女がプランを立てたところを、チームと一緒に定期的に再訪することにしている、と言います。

かつて基本を忠実に守ってきたおかげで、彼女はビジネスを安全に保つことができたことがあります。
ある年、チームはある全国チェーン店から、非常に多くの注文を受けたことがありました。そうして基盤を拡大することに全力を尽くしたのです。ところがそのチェーン店は廃業し、チームは危機的状況に陥りました。けれども定期的な見直しを欠かさなかったために穴を発見することができ、それを修復したのです。おかげで彼女のビジネスは無事、切り抜けることができました。

 「大がかりなものは必要ありません。あなたの店を、買い物客が時間を過ごしたくなるような、居心地の良い場所にしてください」
 と語るのは、タイタン社のバーンホルツです。

服を販売しているのなら、試着室には着映えがするような、明るい照明を設置します。店の周囲に、買い物客と一緒にやってきた連れや友人のために、椅子を用意したり、子供たちが夢中で遊んでいられるように、おもちゃを用意したり。子供たちが店にとどまってくれなければ、買い物客もショッピングはできません。

 テクノロジーが進歩し、大きなものや華々しいもの、高価なものが店舗にあふれたとしても、小さなビジネスの持つ価値は、時代を超えるのです。


元記事:https://goo.gl/1Dx8pQ

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

なぜあなたはブログを始めなければならないのか

これは ”https://www.entrepreneur.com/article/271049” の記事を翻訳したものです。

by マイク・カッペル

農場に行ったことがない人のために説明すると、たいていの農場には、「塩なめ場」と呼ばれる家畜用の大きな塩の固まりがあります。「塩なめ場」とは、まさにその言葉通りのもの。塩を置いて、動物たちが必要な塩分を補充するために、かならずなめに戻ってくるための場なのです。

さて、あなたが読者にコンピューター・スクリーンをなめてもらいたい、と思っているかどうかはわかりませんが、まちがいなくあなたのブログを「栄養源」として、読みに来る読者を望んでいるはずです。

 小企業にとって、ブログとはマーケティング・ツールではありますが、この「マーケティング」という言葉は、とりわけあなたが創業間もない起業家ならば、漠然とした言葉です。
おそらくあなたはマーケティングとセールスを、ほとんど同義語、その定義も、目的も、置き換え可能な言葉だと考えていることと思います。

実際はそうではありません。

セールスとは、購入客を獲得するプロセスです。マーケティングとは、あなたの商品をいかに正しくポジショニングし、顧客を探し、いかに彼らと連絡をとるようにするかを決定することです。

 

したがって、セールスを生み出すためだけにブログを始めるべきではありません。ブログは、あなたが顧客を見つけ、彼らに情報を発信し、デジタル世界での「塩なめ場」としてのあなたの価値を位置づける場です。

なぜ人はインターネットに向かうのか?

 ネットユーザーは、あなたの商品を購入する、というたった1つの目的をもってインターネットに向かうわけではありません。情報を求めてネットのあちこちへ進むのです。情報の提供もないまま、単に商品をクリックするためのブログであれば、広告にかけた多くのお金は無駄になります。さらに悪いことに、そんなブログは、ネットユーザーが情報を調べる上で、邪魔になっています。

このことから、私たちが提供すべきものがわかってきますね?

第1に、多くの人が知りたい、意味のある情報を提供することです。
 第2に、広告に妨げられることなく、知りたい情報が見つけられるようにしなければなりません。
 何かを得るためには、与えなければならないのです。
なぜあなたは起業家になったのでしょうか?
 それは、あなたが誰かの下で働きたくなかったからではありませんか?
 そうして、自分が他の誰よりも、何かがうまくやれると考えたからではありませんか?
 自分がある業界でのエキスパートであり、人に従うのではなく、自分でやり方を決めたかったからではありませんか?
このいずれかに、イエス、と答えるのであれば、あなたはすでにエキスパートなのです。全部にイエスと答えられなくても、少なくともその一部であっても。仮にあなたがエキスパートとまではいかなかったとしても、エキスパートとして、人前に出ているのです。起業家を夢見る人々が、あなたの後に続こうとしているのですから。あなたはうまくやることだけでなく、どのようにそれをするか、なぜそうするのかも重要なのです!

情報公開は無料で

 あなたが現在学びつつあることを、定期的にシェアし、あなたの読者がいつ、どこに行けば、自分の求める情報が手に入るか見つけられるようにしてください。あなたの商品やサービスを知り、フォローするようになった潜在顧客を、読み応えのある分量で、育てていきます。

たとえ彼らが、現在、買うつもりではないとしても、あなたのブランドは彼らの脳裏にしっかりと焼き付き、購入するつもりのほかの人に、シェアしてくれるかもしれません。

 サーチエンジンはあなたをランク付けする

 インターネット上には、膨大な量の情報があります。とてつもない量の情報があるのです。事実、18か月ごとに、世界中のデータの履歴は2倍になっており、しかもその率は加速しています。そんな拡大する一方の情報の海で、どうしたら目立つことができるのでしょうか?

サーチエンジンは非常に賢いものです。あなたがブログを始めれば、すぐにロボットがあなたの書いたコンテンツを、アルゴリズムを通して取り上げてくれます。あなたが正確な文法と表記を使用していれば、あなたのブログは高い評価を与えられるでしょう。

 さらにウェブサイトの訪問者が、気に入り、シェアし、あなたの記事にコメントを残してくれれば、いっそう高位に表示されることになります。検索する人と同様にサーチエンジンも、重要なキーワードを探しています。あなたのウェブサイトの中に、そうした言葉がどれほど使われているかによって、関連するサイトとして、あなたのサイトを押し上げたり、関連性に欠けるとして、取り除いたりします。ですからブログを始める前に、潜在顧客が知りたかる情報と関連する特定の言葉やフレーズを探し、検索でヒットするようにしておく必要があります。

あなたが提供するのは、独創的で事実に基づいており、ユニークで、質が高く、興味深く、そうして何よりも、読者が知りたがることと関連したものであるべきですし、バランスが大切です。私のアドバイスは、知恵を絞って、うまくまとめてあり、人を引き付けるような情報を提供してください、ということです。

 キーワードを散りばめることで、後々サーチエンジンの人気のあるトピックスに載ることもできますが、あなたのコンテンツがしっかりしたものでなかったら、どれほどあなたがサーチエンジンにアピールしても、意味がありません。実際のところ、せっかく人に来てもらっても、あなたの提供するものが気に入らなければ、あなたのブランドにとって、悪影響しか与えません。

 

あなたはブログをスタートさせた方が良いのか?

 ブログを書くことは、簡単なことではありませんし、サーチエンジンはあなたの制作物を監視しています。それでも小企業がブログを維持する意味はあるのでしょうか?
答えは、イエスです。
 ウェブサイトにブログがあれば、サーチエンジンの検索で、ない場合よりも上位に掲載されるからです。多くの人がインターネットを通じて情報を得て、購入を決めている今では、検索順位は重要です。
なぜ検索で「上位」に登場することが重要なのでしょうか? 簡単なことです。自分がどのように情報を得ているかを考えてみてください。あなたは検索するときは、サーチエンジンで上がってきた結果をスクロールしながら、すべて目を通しますか? それとも最初のページのトップだけに目を向け、そこから選びますか? あなたが最初のページのトップだけを見るのであれば、ネットユーザーの95%の内の1人です。

実際、こんなジョークがあるほどです。
「死体を隠すのに最適の場所は、グーグルの検索結果の2ページ目だ」

 あなたのブログは検索結果のどこに表れるでしょうか?  検索結果のトップに来ますか? 2番目? 3番目? それとも400番目ですか? これがいわゆる「ページランク」というものです。
あなたのブログに多くのアクセスがあればあるほど、あなたのコンテンツが魅力的なものであればあるほど、多くの人が好きになり、シェアすればするほど、あなたのランクは高くなります。
つまり、多くの人があなたのウェブサイトに目を留めるということなのです。ブログ、商品、サービス、何もかも、です!

どれくらいの頻度でブログ記事を書けば良いのでしょうか?

ブログを書くということは、エクササイズのようなものです。最高のエクササイズをするためには、あなたが実際にやってみるしかないのです。私のアドバイスは、自分ができると思ったとき、そうして、自分がやろうと思ったとき、ブログを始めてください。ブログにストレスを感じたりしないで、まず一歩を踏み出してください。
たとえ1か月に1度しか更新できなくても、やった方が良いです。毎週ならば、月に1度よりも良いでしょうし、毎日更新できればいっそう良いです。自分にできることから始めてください。書けば書くほど、簡単になっていくでしょう。そうやって生み出される新規顧客の増加は、言うまでもなく。
そうは言っても、あなたがブログに時間をかければかけるほど、本業のビジネスに費やす時間は、少なくなっていきます。そうなのです。マーケティングはあなたのビジネスの一部ではありますが、あなたの最後のブログのタイトルが「ブログに時間を費やすあまり、私がいかにビジネスの経営に失敗したか」であっては困ります。
時間は、えてして起業家にとっては、お金よりも貴重な通貨なのです。自分の時間を、賢く使わなければなりません。

 何を書くべきか?

ブログを始めたら、あなたのビジネスについて書いてください。
 顧客について書いてください。
 商品について書いてください。
 あなたの成功、失敗、教訓、学んだことについて書いてください。
 そうして、もしあなたに勇気があるなら、自分がいかに起業家になることを決意したかについてのおもしろい話を書いてみてください。

私の会社では、上記のことをかならず書くようにしています。私は読者に、給与ソフトを使うことの利点を、折に触れて知らせています。そうやって、読者のために、私の個人レッスンを行い、成長の機会として、教育を続けているのです(ちょうどブログを書くことと同じです)。

そうして、当然のことながら、私のチームが作っている小企業向け給与ソフトが彼らの生活を改善する、さまざまな方法を概説しています。

小企業が行う価値提案は、ほとんどが個人向けにカスタマイズしたもので、そうしたことは大企業にはできません。ブログは、そうした私たちの活動にテコ入れし、手伝ってくれるのです。
あなたのビジネスがうまくいっていたり、いかにあなたが仕事をしてきたか、などの個人的な話は、あなたのブランドに親近感を持つのを助けてくれます。ですから、それは重要なものです。今日のビジネスの世界では、ほんの少しの悪い評判が立つだけで、忘却に追いやられます。逆に言えば、ほんのいくつかの良いレビューがあれば、うまくいくのです。
私がこれまで述べてきたように、人がインターネットに向かうのは、情報を探すためです。その情報の中には、どの商品が良いかというレビューもあります。あなたがブログを通じて、顧客と関係を築いているなら、そのレビューを活用することもできます。というより、そうすべきなのです!

記事を外注できますか?

 はい。プロのブロガーに書いてもらうこともできます。お金を払って、読者が喜ぶコンテンツを書いてもらうことができるのです。こうした行為は、通常コンテンツ・マーケティングに分類されるものです。
けれども、コンテンツ・マーケティングは、うまくやらないと不誠実な印象を与えかねません。仮にあなたがブログを始めて、その記事を外注するつもりなら、優秀で、あなたが書いたものとよく似たトーンとスタイルで書ける人を探してください。また、ボイス・レコーダーに向かって、あなたが書くつもりのことを吹き込んだり、ライターにインタビューしてもらったりしてください。
どのような形式で共同作業するかはともかく、コンテンツと文章のスタイルは、あなたらしいものであることを、確認してください。

 

 記事は何本ぐらいあれば良いのでしょうか?  記事のクオリティはきわめて重要です。それだけでなく、長さもまた重要です。 理想を言うなら、あなたの競合よりも、もっと高い頻度で更新した方が良いし、 競合より多くの記事があった方が望ましいです。
そうすれば、サーチエンジンはあなたのウェブサイトの方が、競合のものよりもアクティブで、着実なサイトであると判断します。さらに、多くの人が検索するとき、ブログの記事が多ければ多いほど、あなたのサイトが目に留まりやすくなります。

こう考えれば良いでしょう。あなたが記事をブログに追加するたびに、あなたは「塩なめ場」に塩を蓄えているのです。その塩が多ければ多いほど、動物(すなわち潜在顧客)はあなたのウェブサイトを見つけやすくなります。

何よりも、あなたが今書いているブログ記事は、これから先の顧客を引きつけていくのです。だからこそ、私はこのように言いたいのです。
「ブログは与え続ける贈り物です」と。

 

― マイク・カッペル(実業家)
翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

中年女性実業家の挑戦

by ビビアン・ザン
(これは”:http://bit.ly/1Cw0QKf”の記事を翻訳したものです)

シリコン・バレーの誤解と闘う女性たち

 
現代の起業家活動モデルの中で、40代から50代の女性が起業した会社が急成長を遂げています。「起業とは20代の男性のおこなうもの」という思い込みが未だ一般的な中、この事実は続く女性のさらなる挑戦をうながすことになるでしょう。

「今日、会社をスタートさせるのは、25歳の男性エンジニアばかりではありません」
こう語るのは、ポートフォリアのCEOであり創設者、トリシュ・コステロです。

「実際、これまでも起業するのが若い男性だけ、ということはなかったし、現在はもっと年齢の高い人が、数多く起業しています。女性にとって、子供を持つということは、人生がより複雑になるということです。やがて子供があるていど成長して、私たちは今度は、創造的なエネルギーを、真に立派な会社を創りあげることにふり向けるようになったのです」

カウフマン・ファンデーションが昨年発表したレポートによれば、年代別の起業では、45-54歳の起業が、ほかのどの年齢層よりも多いことがわかっています。新規起業者の中で、この年齢層の割合は、2003年には25.2%だったのに対し、2013年には30%まで上昇しました。
一方で20歳から34歳までの年齢層は、2003年の26.4%から、2013年には22.7%に低下しています。

反面、こうした年齢になって会社をスタートさせた女性の多くは、特有の問題、女性差別だけではなく、年齢差別という問題にも直面している、といいます。

これを受け、アビーポストの創設者であるシンシア・シェイムズ、カンガドゥーの創設者サラ・シェーアー、ルビー・リボンの創設者アナ・ゾノサらは、人生の第二幕に寄せる期待をくじこうとする、女性起業家特有の諸問題の克服に向けて、共に進んでいこうとしています。
 

競合相手は自信過剰の20代

 
シリコン・バレーの投資家のパターン認識は、きわめて現実的なものです。もし、あなたがそのパターンから外れていたなら、あなたにとっては不利に働くことでしょう。

「20代の男性は、私たちとはまったく異なるスタイルの売り込みをしていきます。彼らは質問に対して、かならずしも答えを知っている必要はなく、熱意がありさえすれば十分なのです。逆に、そのために彼らの話には説得力があるのです」

こう語るのは、カンガドゥーの創設者シェーアーです。
彼女は、忙しい両親やその友人が、もっと助け合いながら育児ができるようなアプリを40代で開発しました。

「あなたが戦っているのはこういう相手だということを、知っておく必要があります。ですからふさわしい投資家に的を絞り、中年の女性創設者であることを補うためにも、自信を持って相対することです。」
 

アウトサイダーだと感じる場面は多い

 
「ミーティングに出席して、その中の最年長者であるというのは、やりにくいものです」

こう語るのは、大きなサイズの服を販売するアビーポストを立ち上げたシェイムズです。彼女は2012年、40代前半で起業しました。

「でも、そこにすわったまま、自分が最年長であることをくよくよしているだけだと、完全に疎外されたような気分を味わうことになるでしょう。こんなところで、私はいったい何をやっているの? みたいな気持ちに。私は1994年からIT業界にいたので、周囲が若い人ばかり、というのが、どういうものか、わかっていました」と彼女は続けます。

「私はそんなことは気にしません。そういう性格なんです。私はクールなんです。サッカー・ママではないし、ママ・ジーンズなんて絶対にはきません。最年長者だからといって、物怖じする必要なんて、どこにもありません」

シェイムズは、こうした状況では意識的に年齢が有利に働くことを思い出すようにしている、と言います。自分には、どんなに頭の良い20代でも持っていない経験知がある、と。

「40代の女性には、さまざまなことをうまくやりくりする能力があります。その能力のおかげで、私たちは最高の起業家になれるはずだと思うんです」
 

たとえ不快な質問をされても

 
シェイムズもシェーアーも、若い男性なら(女性でも)決してされないような、家庭生活についての質問をこれまでにされてきた、といいます。シェイムズが初めてある投資家から、子供がいるというのに、どうやって会社を経営できるのか、と尋ねられたときは、予想もしなかった質問に驚いて、答えることができませんでした。2度目に聞かれたときは、彼女は用意していたとおりの答えをしました。投資家に、あなたはどうやって両立させていらっしゃるのですか、と聞き返したのです。

けれどもシェイムズは、これは良い返事ではなかった、とふり返ります。
「こうした状況では、自分の気持ちや、会話の雰囲気を損なわないようにしなければなりません」

シェーアーはアドバイスします。
「20代ではこんなことは話題にもなりませんでした。私も子供を持つつもりもありませんでしたから。でも、私の場合、女性であることについて、とやかく言われたことがないだけでも、幸運なのかもしれません」
 

実績で証明するしかない

 
無意識の偏見がそこらじゅうにある、とシェイムズは言います。しかも、ほとんどの男性投資家は、中年の女性が解決しようとしている問題を、自分に引きつけて考えることができません。

「私は実際に、ある投資家から『大きなサイズの服が必要な連中は、金を持っていないじゃないか』と言われたことがあります」

中年の女性起業家が、男性投資家とつながりを持つことは、簡単ではないので、資金のための売り込みをする前に、十分な数の顧客を確保しておくことが重要だ、と語るのは、ゾノサです。ゾノサは52歳の時、退職して、ルビーリボンを起ち上げました。

「20代から30代のあいだは、私には成功する会社を築くだけの信頼がありませんでした。起業を決意した段階で、あなたがすでにしっかりしたキャリアを築いていたとして十分に目を見開いておかなければなりません。起業するとは、もうひとり赤ちゃんを持つようなものなのですから」

今日、ゾノサは自社製品を店舗やサロン、またリビングルームでも売る、800人の女性スタッフを擁しています。

以前、コステロは、名の通った野心的なエンジェル投資家を紹介してもらおうと投資家窓口に問い合わせたことがあります。窓口の女性は彼女に、その投資家は「性的な機会」を探しているだけだから、会う価値はない、と教えてくれました。

「問題は、25歳の男性は、消費者の主流ではないということです。テレビゲームと大画面テレビでは、アメリカの中心的な消費者かもしれませんが」とコステロは言います。彼女は50代でポートフォリアを起ち上げました。

「アメリカの消費者の中心は女性で、消費財の85%は彼女たちが購入しています。ほとんどの企業の製品を購入しているのもまた、彼女たちなのです。」

最高の投資家とは、主流の消費者だった経験を活かして創設されたちゃんとした会社に、目を向けることができる人のことです。彼らなら、起業家としての成功は、青年期、とりわけ20代の男性に限るものではないことを証明しようとしている、人生も半ばになって起業した女性たちのことも認めることができるでしょう。

「れんがの壁に突き当たるたびに、私はそれを乗り越えるか、下をくぐるか、ぶちこわすかしてきました」と語るのはシェイムズです。

「どんな女性起業家にも当てはまる私のおすすめの方法は、力ずく、ということです。とりわけ、中年になって会社を始めようとする人にとっては、ね」

著者:ビビアン・ザン(フリーランス・ライター)


元記事:http://bit.ly/1Cw0QKf

訳:服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

第一印象の秘密 私たちはどのように見られているか

第一印象についての新しい研究が
Mixed Impressions: How We Judge Others on Multiple Levels
(「入り混じった印象:私たちは他人を複数のレベルで判断している」)で明らかにされています。
 
人は、一瞬で相手のことを判断します。
この人は信頼できそうだな、とか、頭の切れそうな人だな、というふうに。
ビジネスの場面でも、私生活での交流の中でも、私たちは出会う人ごとに、第一印象で判断しながら、相手とのつきあい方を決めていきます。
交流を重ねるごとに、その第一印象には修正が加えられていきますが、
多くの場合、最初に描いたイメージが、180度変わってしまうことはさほどないように思います。
だからこそ、よく言われるように、「第一印象が大切」なのでしょう。
 
けれども、第一印象というのは、私たちに操作できることなのでしょうか?
実際、私たちにできることといったら、身だしなみを整えるぐらい…
生まれつきの顔は、どうしようもないし…
そう思っている人がほとんどではないのでしょうか。
 
ところが近年、心理学の分野では、この第一印象が、
たった2つの要素で成立していることがあきらかになっています。
 
私たちが他者をいかに判断するかを研究しているハーバード・ビジネス・スクールの教授エイミー・カディ、
プリンストン大学心理学者であるスーザン・フィスク、ローレンス大学のピーター・グリックは、このように述べています。

世界のあらゆる場所で、人は2つの要素で他者を判断しています。
すなわち、暖かさ(彼らが親しみやすく、善意を持っているか)と
能力(彼らはその意図を伝える能力があるかどうか)です。   
Mixed Impressions: How We Judge Others on Multiple Levels

私たちが初対面の人に会うと、私たちは無意識のうちに一瞬で
相手を「暖かい人かどうか」「能力がある人かどうか」の両方で評価している、というのです。
この評価は、私たちの行動にも影響を与えるといいます。

暖かく、有能な人に、私たちは夢中になり、助けようとし、
冷たく、能力のない人であると判断すれば、軽蔑を感じ、そのように行動するのに対し
ふたつの要素が入り混じった人に対しては、態度を決めかねてしまうのです。
たとえばユダヤ人や、アジア人、金持ちに対するステレオタイプに見られるような
有能ではあるけれども、冷たい印象は、妬みや危害を加えたいという欲求を誘発します。
事実、そうしたグループに対して、しばしばそうした事態が起きています。
また、暖かく、能力的に欠けているところのある人、たとえば母親や高齢者に対しては、
憐みをもよおし、見て見ぬふりをします。
                 (引用同)


 
新しい研究では、一瞬で下されるこうした判断が、
しばしば誤っていることも明らかにされています。
というのも、そうした判断は、私たちの抱くステレオタイプや、過去の経験に大きく依存しているからです。
 
近年、心理学者のニコラス・ケルビンらは人の暖かさと能力について、私たちが抱きがちなイメージについての研究を発表しました。
被験者に対して、2つのグループを示します。
一方の人々は以前の実験で、暖かい行動を示し、もう一方は冷たい行動を示します。
被験者たちは、暖かいグループの方が冷たいグループよりも
能力が低いだろう、と予想する傾向がありました。
 
同様に、一方のグループが能力が高く、他方が低いという情報を与えられれば
被験者は直観的に、前者を冷たく、後者を暖かい、と答えることがわかりました。
 
つまり、私たちには
ある性質を取り上げることによって、別の性質を切り落とす場合がある
というのです。

能力の高い人は冷たい(暖かさに欠ける)、というふうに、何かを取り上げ、別の何かを落とすという「補償効果」は
私たちが、人を個人個人で評価するより、他の人と比較することによって起こります。
 
これは有名な「ハロー効果」、優れた点がひとつあれば、他の部分も優れているだろうと考える
私たちの認知バイアスとは逆の、もうひとつの癖です。
 
補償効果もハロー効果も、人が「暖かさ」と「能力」を判断する場合に生じる、いくつかの間違いに表れていきます。
たとえば、私たちは、仮にある人の地位が、たまたまその人の生まれ合わせに過ぎない場合でも、
その人が高い地位にあれば、有能であるとみなします。
 
さらにその人が「暖かい」かどうかの判断は、あなたとの関係にも左右されるのです。
「仮にあなたが誰かに負けたとしたら、その人のことを悪い人だと思うでしょう」
とカディは言います。
 
人がどのような脳のメカニズムで第一印象を判断しているかを理解していれば
私たちには自分の「第一印象」をより良いものにすることができます。
たとえば、あなたの職業や、所属するグループに対して
多くの人がどのような印象(暖かい or 冷たい/能力がある? or 能力がない)を持っているか
さらに、多くの人があなたに対してどのような印象を持っているかを理解すれば
あなたは自分のイメージを変えるよう努力することができるのです。
 
たとえば、世間では冷たいという印象を与えがちな有能な政治家は
自分の暖かさを利用することによって有権者とのより良いつながりを維持することができるのです。
 
とはいえ、カディのこのような指摘は、心に留めておく必要があるでしょう。
「その人の暖かさや能力は、誰であっても、人生のどこかでかならず相手には伝わるのです」

(文章および翻訳:服部聡子)

 

本:『理想のチーム・プレイヤー』

The Ideal Team Player: How to Recognize and Cultivate The Three Essential Virtues

『理想のチーム・プレイヤー 3つの重要な長所をいかに認め 伸ばしていくか』

著者 パトリック・レンシオーニ
 
かつて『あなたのチームは、機能してますか?』で、著者のパトリック・レンシオーニは、
チームワークを破壊し、集団行動を危機に陥れる行為といかに闘うか、独創的なアプローチを示しました。
本書では、個々のメンバーに焦点を移し、理想的なチーム・プレイヤーに欠くことのできない、3つの長所を明らかにします。
 
『理想のチーム・プレイヤー』においてレンシオーニは、ジェフ・シェインリーという架空の登場人物の物語を描きます。
彼は、チームワークを大切にする企業文化を、懸命に復権させることによって、危機に瀕した叔父の会社を救ったのです。
 
ジェフは、現実のチーム・プレイヤーが備えている「3つの長所」という暗号を解読しなければなりませんでした。
そうして、その長所に基づいた企業文化によって、従業員の雇用と育成を図ったのです。
 
物語を超えて、レンシオーニは、人を見抜き、雇用し、理想のチーム・プレイヤーへと育成する、
実践的な体制づくりに向けた、実行可能な手段を提供します。
 
あなたがチームワークに基づく企業文化の創造を目指すリーダーであるにせよ、
また、自分自身を成長させようとするチーム・プレイヤーであるにせよ、
本書は、きわめて魅力的であると同様に、実用的であることも、実証されることでしょう。
 

 


元記事:http://goo.gl/RMjE5I

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本:『ストーリーテラーの秘密』

The Storyteller’s Secret: From TED Speakers to Business Legends, Why Some Ideas Catch On and Others Don’t

『ストーリーテラーの秘密 :テッド講演者からビジネスレジェンドへ なぜヒットするアイデアとそうでないものがあるのか』

著者 カーマイン・ギャロ

ベニスのビーチでTシャツを売っていた露天商は、
どのようにして、テレビ界で最も成功したプロデューサーになったのでしょうか?

ガレージで第一歩を踏み出した起業家は、
どのようにしてビジネスの歴史を塗り替える、伝説的な商品を世に出したのでしょうか?

内気な牧師の息子が、どのようにして人前で話す恐怖心を克服し、
2度もヤンキースタジアムを満員にしたのでしょうか?

1人の人権弁護士は、どのようにしてTEDで誰よりも長い
スタンディング・オベーションを受け、
フェイスブック重役は『LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲』を発表し、
どのようにして何百万人もの女性を勇気づけたのでしょうか?

彼らはみんな、すばらしいストーリーを語ったのです。

『ストーリーテラーの秘密 テッド講演者からビジネスレジェンドへ
なぜヒットするアイデアとそうでないものがあるのか』の中で、
基調講演者であり、ベストセラー作家であり、コミュニケーションの専門家でもある
カーマイン・ギャロは、力強いストーリーを語る秘訣を明らかにしていきます。

力強いストーリーは、人にインスピレーションを与え、モチベーションを与え、
ブランドを構築し、ムーブメントを起こし、人の生活を変えていくのです。

ニューヨークタイムズは、うまく語られたストーリーを
「否応なく引き込まれる力を持った戦略的ツール」と呼びます。

その証拠となるのが、本書に収められた成功を遂げたリーダーや、伝説となった50人です。
リチャード・ブランソンやサラ・ブレイクリー、イーロン・マスク、シェリル・サンドバーグのような起業家、
聞く者を魅了してやまないマーチン・ルーサー・キング・ジュニア、
ブライアン・スティーブンソン、マララ・ユスフザイ、スターバックスやサウスウェスト・エアライン、ウィン・リゾーツ、
ホール・フーズ、ピクサーなどの、ビジネスリーダーを輩出した有名ブランドなど。

あなたの目標とするものが教育であろうと資金の調達であろうと、
チームを鼓舞したり、表彰されるような文化を生み出すことであろうと、
あるいは、記憶に残るようなプレゼンテーションをすることであろうと、
ストーリーはあなたの最大の資産であり、競争における強みとなります。

この『ストーリーテラーの秘密』の中で、ギャロは、なぜラブストーリーが脳の中に生まれつき備わっているのか、
とりわけ貧乏人と金持ちのストーリーが、もともと組み込まれているのかを説明します。
そうして、最新科学がどのようにして、心と頭脳を口説き落とす、説得力のある語りを作り出すのを助けてくれるのかを、教えてくれます。

「ストーリーを語る技術は、変化を引き起こすために用いることができる」
そう語るのは、億万長者の起業家であるリチャード・ブランソンです。

次の10年間は、私たちの文化が未だ経験したことのないほどの巨大な変化を目の当たりにすることになるでしょう。
そのせいで、あなたのストーリーは、あなたのビジネスや生活を劇的なまでに変えていくはずです。

多くの人に受け入れられるアイデアは、ストーリーで包まれています。
あなたのストーリーは世界を変えます。
あなたのストーリーをシェアする時ではありませんか?


元記事:http://goo.gl/Nq1rNm

翻訳:服部聡子

 

 

本:『不可能との交渉』 

Negotiating the Impossible: How to Break Deadlocks and Resolve Ugly Conflicts (Without Money or Muscle)

『不可能との交渉 行き詰まりを打破し醜い争いを(お金も力も使わずに)解決する方法』

著者 ディーパック・マルホラ

 

交渉には、簡単なものもあれば、むずかしいものもあります。

さらには、まったく絶望的な状況もあります。

争いはエスカレートし、人々は攻撃的になり、

誰も引き返そうとしなくなります。

あげくのはてに、力も、効果を上げる手段や方法も、使い果たしてしまいます。

 

ハーバード大学の教授である、交渉アドバイザーでもあるディーパック・マルホラは、

どれほど危機的な状況でも、それを鎮め、

一見、不可能に思えても、うまくやり遂げる方法を明らかにしました。

 

マルホラは、行き詰まりを解消し、争いを解決するための3つの大胆なアプローチを確立しました。

そうして、アメリカ憲法の草案作成や、キューバミサイル危機の回避、

NFLやNHLでの激しい論争に終止符を打ったことや、

複雑なビジネス状況で逆境に打ち勝った話など、

現実の交渉の舞台裏での魅力的なストーリーを通してそれを明らかにします。

 

けれどもマルホラが明らかにするのはそれだけではありません。

あなたが企業間取引を行っているにせよ、仕事の提案について交渉しているにせよ、

ビジネスでの争いを回避しようとしているにせよ、

あるいはまた個人的な関係における障害を取り除こうとしているにせよ、

子供との交渉であるにせよ、こうした日常の出来事にも

さまざまな交渉と同じ原則と方針が応用できる、というのです。

 

そこに至った経緯や、何が問題になっているかにかかわらず、

交渉というのは、かならず根本的には、人と人との相互行為であることを、

マルホラは思い出させてくれます。

 

どれほどリスクが高く、争いが長引ていたとしても、

交渉の目的は、相手側の人間と、深く理解し合い、同意することにあります。

本書の原則と戦略は、あらゆる状況において、

あなたがもっと効果的に行動することを助けてくれるでしょう。

 

 


元記事:http://goo.gl/iUtqbP

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

本『スプリント』

Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days

『スプリント:大きな問題を解決し 5日間のテストで新しいアイデアをテストする方法』

著者 ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー ブレイデン・コヴィッツ

 

グーグル・ベンチャーズの3人が、これはすでに100社以上の企業によって実証されている、

難問を解決するためのユニークな5日間のプロセスを明らかにします。

 

起業家やリーダーは、日々、大きな問題に直面しています。

全力を尽くさなければならない、もっとも重要な箇所はどこか。

どのように始めるか。

あなたのアイデアは、現実社会ではどのようなものなのか。

これで間違いないと確信できるような、間違いのない解決策を立てるためには、

何度会議を開けばよいのか。

 

こうした重要な問題に答えを出すために、確実な方法がひとつだけあるのです。

「スプリント」はデザイナーであるジェイク・ナップが、

グーグル社で作り上げた、5日間のプロセスです。

そうして、その「スプリント」は、グーグル・サーチからグーグルXへと至るまで、

あらゆる場面で使用されてきました。

 

ナップはグーグルブレイドン・コヴィッツと、ジョン・ゼラツキーの所属する

グーグル・ベンチャーズに加わりました。

そうして彼らは100種類以上のスプリントを、モバイルやeコマース、

ヘルスケア、金融、その他の企業とともに、完成させていったのです。

 

ビジネスの厳しい質問に答える実践的なガイドである『スプリント』は、

小さなスタートアップから、フォーチュン100に選ばれるような企業にいたるまで、

そうして教師から非営利団体にいたるまで、

あらゆる規模のチームのための本です。

 

大きなチャンスをつかもうとしている人、

今、答えを出さなければならない問題やアイデアのある人など、

誰もの助けとなるでしょう。

 

 

 


元記事:http://goo.gl/21OUsq

(翻訳:服部聡子)

 

 

実店舗からオンラインへ そしてその先は

 

カーラ・ゴールディンは甘くないフレーバー・ウォーターを販売するHint社の創設者です。
会社が顧客の需要の変化に対応するために、eコマース(電子商取引)に参入したとき、
彼女は自分の社が大きな変化に直面していることを知りました。
リスクが高いばかりではなく、どうやって支払いをっすれば良いかも、
よくわからなかったのです。
ゴールディンはジャーナリストのダレン・ダールに、彼女が経験した大きな変曲点と、
財政面での柔軟性が、成功へと導いたことを語りました。
– – – – – – –
私たちの飲料会社ヒントは、着実な成長を遂げる反面、
大きな問題を解決する必要がありました。
食料品店の棚に、商品の置けるスペースが不足している、という問題です。
本来なら私たちの商品が置いてあるはずの棚が空っぽで
その横を見込み客が通り過ぎていくことが数週間も続いて、
私たちは何とかしなければならないと思うようになりました。
どんな解決策を取ったか?
オンラインで消費者のもとに直接届けられるよう、インターネット上に店を起ち上げたのです。
良いアイデアだと思いませんか?
けれども、送料は高い、手続きは面倒、しかも高額の広告費もかかります。
私たちの投資家は、一目見てこう言いました。
「ムリですね」
だとしたら、お金はどこで見つければ良いでしょうか?
消費者と直接、つながることができる、というのは、ものすごい力になることがわかっていました。
ですから、何とか方法を探さなければならなかったのです。

新しい会社が具体化する

2001年の初め、時には1年で30万km以上も飛び回る会社勤めを12年間続けたあと、
休みを取って、家族に専念しよう、と考えました。
けれども、同時に、次のキャリアのステップを、考えるようになってもいたのです。
もっと本当に大切な仕事がやりたいと思っていました。
3年が過ぎ、私の子供たちも学校に行くようになり、
私は体も心も、前の状態に戻すことに、時間をかけられるようになりました。
トレーニングを始めるようになり、ロー・カロリーの有機食品を食べ
ダイエット・ドリンクを飲むようになりました。
それでも体調が良いとは感じられません。
体重は重すぎたし、肌の調子も良くなく、エネルギーが感じられなかったのです。
そこで私はダイエット・ソーダを飲む習慣をやめ、水に変えることにしました。
すぐに9kg体重が減り、エネルギーがよみがえってきたように感じられました。
けれどもただの水を飲めば飲むほど、味気なく思えてきたのです。
何かもっとおいしいものはないかと思っていろいろ見てみましたが、
砂糖や人工甘味料の添加していないものは、店にはなかったのです。
そこで私はスライスした果物や、イチゴを2,3個つぶしたものを水に加えてみました。
すると、とてもおいしくなったのです。
それから数か月間、私は飲み物を作る方法を研究し始めました。
飲料専門家はみんな、防腐剤なしで甘味がなく、
しかもおいしいフレーバー・ウォーターを作ることなどできない、と私に言いました。
しかも誰もが、アメリカ人は甘い味のしない商品は買わないと考えていたのです。
つまり、私がしたいことは、飲料業界にとっては無意味だと考えたのでした。
私は夫のテオに、8か月以内に甘くないフレーバー・ウォーターを商品化し、
発売するつもりだ、と言いました。
一緒に、4番目の子供が生まれる時期と重なるので、少し助けてほしい、とも言ったのです。
テオと私は、商品を別の方法で作る実験をする傍らで、
商品を作ってくれそうな業者や、流通業者と会うようになりました。
8か月後、私たちは最初の飲料を生産ラインに載せることができたのです。
3年のうちに私たちの商品は、国内の主要な小売業者の棚に並べられるようになっていました。

販売の転換とオンラインの顧客

全国規模で市販されるようになったことは、私たちのビジネスを大きく押し上げるものとなりました。
けれども、問題が起こったのです。
私たちの商品は、顧客が見つける端から買っていったので、すぐ在庫切れになってしまいました。
週のうちの、買い物客でもっともにぎわう曜日にも、棚が空っぽ、ということもしばしばでした。
私たちは、大手飲料販売業者と契約し、高いお金を払って販売組織を設立しなければならないことを理解するようになりました。
そうでないとしたら、創造的になるか、です。
私たちは創造的になる方を選びました。
もしヒントのファンが商品をオンラインで買ってくれるなら、
食料品店でも、もっと早く売上を伸ばすことができるだろうと考えたのです。
オンラインショップを起ち上げる必要があります。
ところが問題が1つありました。
投資家は、そのアイデアが気に入らなかったのです。
けれども、消費者と直接つながることは、驚くほどの力になることはわかっており、
その方法もわかっていたのです。
そこで私はサンフランシスコの会社と提携し、
初期費用なしでウェブサイトを作ってもらいました。
しかも彼らの驚くほど低い輸送料金を、利用させてもらうこともできるようになりました。
宣伝は、とてもシンプルな手法を取りました。
毎月、私たちは翌月までにどのくらいの利益を上げられるか、推定します。
その数字をオンライン広告に充てるのです。
私たちは広告費をビジネス用のカードで借り、
オンラインを通じて顧客が払ってくれた代金で、その支払いをしました。
翌月見込まれる利益より、決して多く借り入れることのないよう気を付けながら、
このプロセスを毎月繰り返しました。
そうするうちに、私たちは12か月もしないうちに、投資も受けないまま、
年間当たり500万ドルのオンラインビジネスを構築しました。
まったくとんでもない1年間でしたが、
いまや私たちは、すばらしいオンラインビジネスを運営しています。

健全な成長を遂げるために

今日、ヒントを扱う小売業者が記録的な売上(あるニューヨークを拠点とする店舗では、
今年の夏、では100万ドルの売り上げを予定しています)を出していますが、
私たちは自社製品の最大の小売店でもあります。
私たちの拠点はずっとサンフランシスコですが、アメリカ全土には35人の社員がおり、
4つの都市に工場があります。
私たちの商品を、誰よりも愛してくれているお客様は、
小売店に卸さない限定フレーバーを含め、どのようなフレーバーでも
オンライン上で購入することができます。
また、drinkhint.comで注文すれば、戸別配達の日時を指定することもできます。
こうすれば、品切れになる心配もありません。
セールスよりも、私たちのお客様のことを良く知ることによって、
20万人以上のファンが集う活発なコミュニティを
オンライン上にスタートさせることができました。
私たちはスタッフとして、またパートナーとして、栄養士や栄養学者を擁しています。
そうして、私たちのニュースレターに記事を書いてもらい、
また、私たちのソーシャルメディアでのブログやメールにも参加してもらっています。
またビデオ・コンテンツも制作し、情報をわかりやすく発信しています。
私たちの目標は、健康的な生活を、簡単に、楽しく、おいしくしていくことです。
そうして、お客様をその対話に参加してもらえるように誘うことです。
お客様が私たちにどんな話を聞かせてくれるかには、いつも驚いてしまいます。
みんな糖尿病やガンの経験を語ってくれ、
あわせてヒントが水分補給にどのように役立っているかを聞かせてくれます。
あるいはまた、水を好んで飲んだことのなかった人たちが、
今、どんなにヒントに夢中になっているか、ということも。
結局のところ、誰もが水と恋に落ちることになります。
私たちは、水を飲むことを喜びにしたいのです。

(翻訳:服部聡子)