あなたの成功を助けてくれる人 妨げる人

(※この記事はThe Best People to Help You Succeed (and the Worst) の記事を翻訳したものです

by ディーパック・チョプラ

仕事を続けていれば、誰でもさまざまな同僚や上司、競争相手、また顧客やアドバイザーに出会います。そうした人の中には、個人的にも、また感情面でも、好ましい人がいます。けれども、どれだけ魅力的な人であっても、あなたの成功へのプロセスを助けてくれたり損ねたりするかどうかはわかりません。キャリアを重ねるためには、計画と実行が必要ですが、それはすなわち、ほかの人があなたにどのような影響を及ぼすか、自覚的でなければならないということにほかならないのです。仕事上の関係における利益、あるいは損害を評価できるようになることは、ほかのことと同様、一種のスキルなのです。あなたを助けてくれる人が備えている5つの資質とは、以下のものです。

  1. 人を裏切らないこと
  2. 正直であること
  3. 競争心を持っていること
  4. チームを作る人であること
  5. 創造性があること

  1.人を裏切らないこと

人に対して忠実である(裏切らない)ことは、重要な資質です。おそらく何よりも重要だと言って良いでしょう。というのも忠実な人は、信頼できるからです。こうした人が成功すれば、あなたとも成功を分かち合おうとするでしょうし、また、あなたの利益を侵害しようとはしないからです。また、いつも自分のことだけを考えるような人でもないからです。

 2.正直であること

正直なことが重要であるのは、言うまでもありませんが、嘘をつく人や、空約束をする人、やると言っておきながら、やり遂げることのない人に気をつけることは、大切です。そうした行動は、あからさまな不正と同じくらい、誠実さに欠ける兆候だからです。

 3.競争心を持っていること

競争心の強い人は、チャレンジャーでもあります。彼らは人と出会うごとに、また些細な事柄であっても、勝ちたいという強い熱意を持っているからです。けれども彼らの勝ちたい、という情熱は、非常に有益です。あなたが落ち着いて、彼らに勝たせてやりさえすれば、彼らはすばらしい戦果をあげることができます。ところが反対に、あなたが彼らを負かしてしまうと、つねに「私が勝者」でなければ気が済まないタイプの人は、さっさと離れていき、別の方面でトップに立とうとします。当たり前のことですが、ライバル意識が強く、しかも人に対して忠実である人は、非常に貴重な人です。

4.チームを作る人であること

あなたが華々しい大成功を遂げて、新世代のカリスマとして脚光を浴びる…こんな場面は、現実にはあまりないでしょう。反面、チーム全体で活躍する機会はきわめて多いはずで、チーム全体の努力は不可欠のものなのです。そのため、すばらしいチームを作ることのできる人を見つけることは、決定的に重要です。チーム・ビルダーは、チーム全員に気を配り、全員の貢献に耳を傾けます。彼らのおかげで、みんなは自分に価値があり、尊重されていると感じることができるのです。彼らはチームとしてのプロジェクトを、予定通りにこなしながら、メンバー間の対立やいさかいを最小限に抑えて、目標に到達させます。

5.創造性があること

創造的な人は、あまりチームを作るのは好まないのですが、その分、好奇心や探求心にあふれており、さらに仕事をワクワクするようなものに変えるイノベーションを起こす力を備えています。生来、彼らは一匹狼で、親しみを持ちにくい人々です。彼らに関心があるのは、つねに自分が作り出すものなのです。けれども、あなたが本当に創造的な人を見つけたら、そばにいることで、あなたの新しいアイデアも刺激されるでしょう。さらに運が良ければ、この創造的な同僚が、画期的なイノベーションを世に出す手伝いをあなたがすることになるかもしれません。

一方、あなたを傷つけ、あなたの価値を損ないかねない人もいます。次に、あなたの成功への道筋を妨げる人の5つ特徴を見てみましょう。

  1. 完全主義者
  2. 自信過剰
  3. 優柔不断
  4. ルールを押しつける人
  5. 暴君

1.完全主義者

完全主義者は満足することがありません。このタイプは、つねに他人の不満を口にしたり、自分についての弁解ばかりしているので、簡単に見分けがつきます。こうした人は、表面的には分別もあり、穏やかなしゃべり方をしているかもしれませんが、悪意を持って、つねにあら捜しをし、何かにつけて反対するので、周りにいると息がつまりそうになります。あなたが彼らを満足させることは絶対にできません。ですから、距離を置くのが最善の方法です。

2.自信過剰

自信過剰の人は、自己意識が過剰な人でもあります。 彼らは自分の声を聞くのが好きで、自慢話も大好きです。自分に夢中で、他の人の話に耳を傾けようとせず、人を見る目がありません。けれども、概して彼らは扱いやすい人々です。決定的な局面にいたるまでは争いを避け、必要に応じてさえぎるか、その場を離れてください。そうしても彼らは気分を害することはありません。 というのも、彼らはかならず誰か、聞かせる相手を見つけるからです。自信過剰のせいで、彼らは他者が何を必要としているか、まるでわかっていません。そのため、あなたが必要なことがまったく無視されるようであれば、それを機に離れてください。

3.優柔不断

優柔不断な人は、ものごとを決めることができず、そのために遅れ、先の計画を立てることができません。優柔不断な人が意思決定ができないせいで、あなたの仕事にきわめて大きな影響が及ぶことになります。優柔不断な人の中には、必要なことを話して、あなたに決定を任せようとする場合があります。このような人は、決定は下したいのですが、そうする自信がないのです。また、優柔不断な人のせいで、事態が混乱したり、仕事が中断する場合があります。そんな時は、あなたは一緒にいてはいけません。

4.ルールを押しつける人 5.暴君

ルールを押しつける人と暴君は、権威主義的なタイプとして、同じグループに属します。彼らは頑固で、柔軟性がありません。彼らは人を寛大な目で見ることをせず、そうした相手を「弱者」であるとみなします。暴君にとって権力を持つことはことのほか重要です。ルールを押しつける人にとっては、そこまで重要ではないのですが、周囲の人を機械の従順な歯車として従わせるために、両者は協力しあう場合があります。
プレッシャーのかかる状況や、危機的な局面では、暴君もルールを押しつける人も役に立ちます。というのも、彼らは無秩序や混乱を彼らは寄せつけないからです。けれども、彼らが自分の思い通りにならない人に対して、ひどい扱いをし始めたら、あなたはその場を去るべきです。

あなたが仕事上で、こうした悪影響を及ぼしかねない人に遭遇しても、逃げたり、状況を改善したり、できない場合があります。あなたがそのような人々を我慢しなければならないような場合、大切なことは、あなたの感情を、現在の仕事から切り離すことです

決して相手を「良くしよう」としないようにしましょう。どれほど腹が立ったとしても、あなたの感情は自分で責任をとらなければなりません。どれほど不平を並べたり、反撃したりしても、あなたの感情をほかの人が責任を取ることはできないのです。

良いニュースもあります。
あなたには、自分の成功を助けてくれる人々との関係をより緊密なものにすることもできるのです。手始めに、こうした助けになる人々が誰なのかを知ることから始めましょう。

元記事:The Best People to Help You Succeed (and the Worst)


翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に

保護中: 3つの邪念を振り払ってマーケティングの「ニーズ」へ注力しよう

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なぜ枝豆? 世界で注目される酒の肴に隠されたマーケティングのヒント

「海外で有名な日本食といえば?」と質問されたら、誰もが想像するのはSushi(寿司)でしょう。確かに数字を見ると、この10年でずいぶんと寿司は有名になりました。

イギリスでは銀座出身の寿司屋 The Araki(あら輝)がミシュランガイドで三ツ星を獲得。イギリス初の日本料理屋・三ツ星獲得の快挙を達成しました。

といっても、最高峰だけのブームではありません。ロンドンには、回転寿司からパック売りの店舗まで、バラエティ溢れるお店の多さに驚かされるでしょう。これは私の体感値に過ぎませんが、ロンドンを歩いていると日本の回転寿司屋に出くわすよりも高い頻度でお寿司屋さんにぶつかります。あまりに寿司屋が多いので、現地でも「イギリスで日本人が労働ビザを得る一番簡単な方法は、スシ・シェフになることだ」と笑い話になるほど。

都会と地方のコントラストが、伸びしろを決める

いっぽう、都心部と地方ではかなりのコントラストが見られます。もともとイギリスでは魚を生食する文化がなく、「フィッシュ&チップス」にして食べるのが一般的。寿司や刺身なんて耐えられないという方が、いまだに多く住んでいます。ですから私がマーケターとして寿司の店舗を出すご提案をするなら、ある程度移民も多く、食に多様性がある中核都市を選出するでしょう。

日本人に置き換えて考えてみると、もっとわかりやすいかと思います。たとえば今年、東京ではパクチー(コリアンダー)が大ブームになりました。パクチー大盛りメニューが流行した時期もありましたが、地方で「パクチー専門店」を作っても、すぐに潰れるだろうことは想像に難くないでしょう。

このようにニュースだけを見て「ヨーロッパでは寿司が流行っている! ガンガン進出しよう!」と、思い込むと痛い目を見るのです。

ではなぜ、枝豆は流行できたのか

一方、同じイギリスでも都心・地方を問わず購入されている日本食があります。それはなんと、枝豆です。枝豆ブームは2007年ごろに到来。それから飽きられることもなく、イギリスのスーパーで必ずといっていいほど見かける製品になりました。

そこでざっとイギリスの記事を漁ってみました。記事を読むに、「枝豆を食べると二日酔い防止、筋肉増強、コレステロール値は減少、さらには精がつく」とまで書かれています。おそらく、日本人でもにわかに信じがたい効能でしょう。本稿では効能の検証は行いませんので、ご判断は読者様にお任せしますが、キーワードはイギリス人の「健康志向」です。

イギリスはもともと健康志向が高く、健康に良いとされるものならヒマワリの種から虫まで食べるブームが訪れます。しかしそれでも味による選別はあるのか、安定して10年以上も愛される製品は限られるもの。枝豆はその例外として、ロングセラー商品になったのです。ではなぜ、枝豆は10年もの間、イギリスで生き延びたのでしょうか?

枝豆ブームが始まる数年前から、大豆はすでに「スーパーフード」としてもてはやされていました。アメリカ発のコーヒーチェーン、スターバックスでは2003年に豆乳がオプションに追加されており、今なお人気です。

しかし2003年ごろは、大豆の遺伝子組み換え製品が多くなった時期でもありました。そこで健康志向のターゲット層に「安全な大豆を食べたい」というニーズが生まれたのです。枝豆はそのニーズを、完璧に満たす「大豆」として愛されたのでした。

すでに有名なものより、現地のニーズに合うものを

さて、今回のケースから、どのような知見が得られるでしょうか。マーケティングを学ぶ上で押さえておきたいのが「すでに流行しつくしたものより、ニーズに即したものを売る」ことです。

もし、海外で日本食を広めたいならば、寿司を売るのが一番手っ取り早いでしょう。しかしすでに都心へは大量の店舗が出ており、これから出店するには新たな切り口での差別化が必要です。地方では魚を生食する文化がないことを考えると、市場の伸びしろは限られています。それよりは、現在知られていない製品でもニーズに即したものを意識すると、枝豆のようなブレイクスルーが生まれるのです。

たとえばイギリスのブランド「itsu(イツ)」は、枝豆をチョコでコーティングしたお菓子を販売しています。普段、居酒屋か食卓でしか枝豆を見ない我々にとっては「はぁ?」と驚かされる製品でしょう。今回執筆にあたり試食してみましたが、日本人には奇妙な味わいでした。

けれどイギリスのメーカーは、枝豆の食べ方に固定観念を持っていませんでした。その結果「空き時間にヘルシーな大豆をおいしく食べたい」とうニーズを満たす、枝豆チョコレートを販売できたのです。もしあなたが日本生まれ、日本在住でありながら偏見を取っ払い、現地のニーズに即したマーケティング戦略を「枝豆チョコレート」のように立てられたなら……次のヒット商品を作るのはあなたです。

 

 

 


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

ブログ・アクセスを増やす見出し13タイプ

(※この記事は https://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines を翻訳したものです)

by ライアン・スコット

あなたのブログ投稿を読んでいる人は、あなたが思うほど多くはありません。反対に、あなたのブログの見出しに目を留める人は、あなたが考えるよりずっと多いのです。平均すると、記事の見出しをクリックしてから、最後まで読む人は、そのうちのわずか20%に過ぎません。つまり、見出しは良くても、途中で読者の80%は、脱落しているのです。

けれども、逆に考えると、すばらしい見出しは、多くの人に対して、劇的なインパクトを与えている、ということもわかります。見出しを変えるだけで、あなたの記事のアクセス数を500%も増やすことができるのです。

理想的な見出しを作るために

見出しはクリック率に影響があるだけでなく、ブログのトーンを決め、記事のテーマを確立するものです。たったひとつの見出しが、記事の価値を落とすまでに、大きなインパクトを読者に与えるのです。

マリア・コニコバは、自分の記事「遺伝子が短時間睡眠を可能にする?」について語る中で、「もし私が記事のタイトルを『どうして私たちに8時間睡眠が必要なのか』であれば、誰もこの記事のことを記憶に留めてはくれなかったでしょう」と言っています。

すばらしい見出しを作る要因とは何なのでしょうか?

それはあなたが誰に向かって書いているのか、そうして彼らがどこでそれを読んでいるかによります。

私はマーケティング・コンサルタントとして、企業の成長を助ける仕事に携わっています。その会社のコンテンツ作成をお手伝いしながら、以下の2つのことを達成するよう、つねに心がけています。

  • ターゲットとする人にアピールしなければならない
  • ターゲットに価値を提供するものでなければならない

この記事の中で私は「最高の見出し」という言葉の中に、「きわめて独創的なタイトル」という意味をも含めています。けれども独創性のあるタイトルというだけなら、

なぜわが家のネコは預金口座を持つようになったか」や

〈文字どおり〉という言葉を文字どおりにではなく比喩的に使用することについての擁護

であってもかまいません。どちらもとても魅力的なタイトルです。

けれどもこのようなタイトルは、SEOに効果はありません。それでは、私のクライアントが直面する問題に、応えることはできないのです。ですが、あまりに多くのマーケターが、効果的とは言いがたい、凝ったタイトルをつけています。

すばらしい見出しとは、あなたのターゲットとなる人々の、痛点をとらえたもの、そうして、彼らの人生をよりよくするような話題を紹介するものです。されにプラスして、人を引きつけるものでなければなりません。あなたが誰の興味も引かないブログの見出しをつけていれば、オーディエンスの80%が去ってしまいます。

 

13種類の実例に見る アクセス数を増やす見出し

1) 「最高の」見出し

この見出しは、SEO対策に大きな力を発揮します。このタイプの見出しは、一般的な検索をしている顧客に、直接訴えかけるものです。

考えてみてください。あなたが倹約する方法を検索しているとします。そこに「最高の倹約法」があれば、興味を引かれませんか? それとも、ありきたりの方法でいいですか?

このタイプは「最高の~法」というワードで検索した場合の、完全一致検索の典型です。

実例:

2) 「私の人生をもっと簡単に」する見出し

これは「最高の」見出しの妹分です。あなたの顧客は、今、まさに問題に直面していて、何かの最高の方法など知りたくはないかもしれません。人は時に、最高ではなく、もっとも簡単な方法を求めるものだからです。

個人的な話

かつて私は車の販売代理店で、インターネット・セールス部門のマネジャーをしていたことがあります。そこで知ったのは、多くの顧客が車を買う最高の方法、つまり現金で払うことで倹約するということには関心がない、ということでした。

その代わりに関心があったのは、一番簡単な方法です。当時、私たちのコンテンツでもっとも人気が高かったのは、顧客が簡単に事を運べるよう、手助けしていくページでした。

実例:

3) 「一番速い」見出し

人は、最高でもなければ、簡単でもない方法を求めることもあります―― 求めるのは速さです。ある業界ではどんなときでも、パニック状態にある人の相手をしなければなりません。彼らは今すぐ、何かをしなければならないのです。もうひとつ、「最速」コンテンツによって、あなたが提供する製品やサービスに価値があることが証明できれば、即座に買い手が飛びついてくれるでしょう。

実例:

4) 「もし私があなたなら」見出し

私たちの多くは、向上したい、という願いを持っています。もっと充実した人生を送りたい、成功したい……というように。誰もがもっと多くのことを、少ない時間で、成し遂げたいと願っているのです。とりわけ、私たちの誰もが、いまやっていることをもっと上達したいと願っています。このような願いがあるために、「もし私があなたなら」見出しは、大きな効果を発揮します。

もし誰かが私たちに向かって、「あなたはこうすべきだ」と言ったなら、私たちは反発するでしょう。けれども、どうしてそうしなければならないかを示してくれれば、私たちは共感するはずです。それは、新しい考え方を受け入れよう、今のやり方を変えようとする、私たちの理性やモチベーションに訴えかけるからです。

実例:

2つの理由から、このタイトルは、とりわけ私には強烈なインパクトがありました。第1に、この記事の背景です。大変有名なマーケターが、この記事をリンクトインに発表した、ということに衝撃を受けたのです。

第2の理由は、認知的不協和を引き起こしたからです。マーケターにとって、フェイスブックは最大のプラットフォームのひとつです。それをこのタイトルは、もう止めて、忘れてしまえ、と言っているのですから。このブログ・ポストは、のべ30万回のページ・ビューとなりました。

5) 「私たちは ~ している」見出し

「透明性」は、新しいマーケティングのパラダイムです。長い間、企業は「秘密のソース」を、大衆の目の届かないところに隠してきました。ところが、企業もようやく、本当の「秘密のソース」は信用だということに気がつき始めたのです。そこで企業の側は、求める人は誰でも情報にアクセスできるようになりつつあります。

透明性は信用を構築するための、すばらしい方法のひとつです。たとえばバッファは、透明性の第一人者ともいえるべき企業でしょう。その結果、彼らは熱烈なファンである顧客を獲得したばかりか、すばらしい企業文化をも確立したのです。

多くのCEOが、もっと多くの部分をシェアしようとする試みを一笑に付す中で、バッファはすべてを明らかにしました。売り上げや利益、社員の給料に至るまで、彼らはあらゆることをシェアしているのです。そうしてそれが実を結んでいます。

実例:

6) 「科学的に裏付けられた」見出し

人間には、いわゆる「学習バイアス」というものがあります。どれほどもっともな話でも、信頼できる情報筋からの別の話があれば、私たちはそちらを真実として受け入れるでしょう。それだけでなく、私たちを行動に突き動かす究極の真実に、私たちは魅了されます。

たとえば、あながた毎朝モーツァルトで目覚めると活力が湧いてくることを、研究によって実証できたならば、iTunesはモーツァルトを探す人で溢れかえることでしょう。

同じことをあなたの製品やサービスでやりましょう。どうすれば誰かの人生を、より良いものにできるでしょうか? それをシェアしてください。ただし、調査をふまえた上で。

実例:

7) 「どうして A の人々は B をしたのか」見出し

このタイトルは、私たちの最高でありたい、という願望に訴えるものです。ブライアン・トレイシーは彼の著書『お金持ちになる人、ならない人の仕事術』の中で、

「あなたが憧れ、尊敬する人々は、あなたの考え方、情報の選び方、決定の下し方など、さまざまな面で、あなたに対して並外れた影響を及ぼしています」

と言っています。

あなたのタイトルが、オーディエンスが尊敬している人にまでアピールすれば、多くの人に対する強力なインセンティブとなることでしょう。

実例:

8) 「経験が教えてくれた」見出し

経験は最高の教師です。けれども時に、その授業料がひどく高くついてしまうこともあります。だからこそ、賢い人々は他人の失敗から学ぶのです。もちろん成功からも。

こうしたタイトルは、あなたのターゲットとする人々が直面する問題に、どのように対処すべきか、という洞察を与えてくれることを約束しています。

実例:

9) 「あなたのためにリストを作りました」見出し

どういうわけか、私たちはリストアップされた記事を読むのが好きです。そうした記事は、幅広いオーディエンスに訴えるし、他の形式の記事に比べると、クリック数も多くなっています。

だからこそ、バズフィードのようなブログがつねに人を集めているのでしょう。

実例:

10) 「バカなことをしないで」見出し

何よりも私たちを引きつける見出しは、私たちの「受け入れられたい」という願望に訴えるものです。私たちは、バカだと思われたくないのです。その願望に応える見出しには、どうしても目がいってしまいます。

誰かが失敗した、と聞くと、私たちはみんな、自分はそんなことはしていないだろうか、と確かめるでしょう。とりわけ失敗した人が、みんなに知られた人ならば、なおさらです。

実例:

11) 「無知にならないで」見出し

私たちは「自分だけ知らない」という状態に陥りたくはありません。ひとりだけ暗闇の中に取りのこされたくはないし、同僚が知っていることなら、話の輪の中に入りたいと思うものです。

同じことが私たちの顧客にも言えます。彼らが知っておくべきことがあれば、私たちが書いて知らせてあげましょう。

実例:

12) 「勝つのはどちら」見出し

これはタイトルで選択肢を強く打ち出すものです。そうすることで、あなたを第三者的な立場に置き、主観に流れがちな自社製品やサービスを、客観的に評価することができます。それだけでなく、あなたの競合相手からのアクセスも稼ぐことができるのです。競争の激しい場所では、このタイプの見出しは、非常に効果があります。

実例:

13) 「クリックしてみよう」見出し

心の奥底では、人間の好奇心の強さは、ネコと変わるところはありません。私たちの心の中のネコに訴えかける見出しは、非常に強力なものです。

アップワーシーに見られるように、私たちの興味を喚起する技術に長けた人々がいます。彼らは私たちの目の前に、ニンジンをぶら下げるようなタイトルを考え出します。そうやって、否応なくクリックさせるのです。

もしあなたがこの戦術を利用するつもりなら、タイトルだけでなく内容も、読者をワクワクさせるようなものでなくてはなりません。そうでなければ、オーディエンスはすぐにうんざりしてしまうでしょう。

私はこの種の見出しを嫌悪するようになっています。というのも、徐々に大勢の人々がこの手法を使うようになり、期待はずれに終わっているからです。腹立たしいものです。

なのに、どうしてこれをやる人が多いのか? クリックしてもらえるからです。

こうした種類の見出しは効果的です。以上。

実例:

見出しをどう作るか

これらの見出しのうちで、もっとも効果的なものはどれでしょうか?

それは、作り手が何をしたいかによります。SEOに有利なタイトルもあれば、ソーシャルネットワークのシェアを通して、大勢の人の興味を引きつけるタイトルもあります。

どのタイプの見出しを使えば良いのか、選び方を紹介しましょう。

  • 「私がこの記事で読者に与えたい、最も重要な、たったひとつのポイントは何か?」と自問する。
  • その与えたいたったひとつのことを伝える最適な方法を決める。
  • ひとつの記事につき、見出しを25本書いてみて、その中から最高のものを選ぶ。
  • ほかの人に聞く。あなたのアイデアを話し、どれが一番気に入ったか聞く。その理由についてもかならず聞く。
  • どのタイプの見出しがあなたのターゲットとするペルソナに最も効果があるか、記録をつける。彼らを利用させてもらうことを恥ずかしがらない。

 


元記事:http://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines

(翻訳:服部聡子)

保護中: レガシー・ブランドになることで、マーケティングの賭けに勝て

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保護中: 卓越論上級編

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あなたは賭けに勝てるか? 縮小市場で生き延びるマーケティング術

こんにちは。トイアンナです。

突然ですが、読者のみなさまへ問題です。あなたは会社のオーナーとして、2つの商品を売ろうとしています。ひとつは安定的に売り上げを出す商品。もうひとつは縮小市場を相手にしており、しかも売上は低迷しています。

来年度への投資を考えるとき、あなたはどうすべきでしょうか?

縮小するからといって、撤退だけがセオリーではない

模範解答はこうでしょう。「縮小市場から撤退して、その分の投資を別の商品へ投下すべし」
合理的な判断です。マーケティングに優れているとされる企業も、多くはこの戦略へ従います。その一例として、スピーディに進出や撤退を決断する外資系企業では日本からの撤退・縮小が相次いでいます。

世界中に支社を持つ外資系企業にとっては、市場が伸びる国へ資本を集中投資し人口が減る・競合が強く勝ち目がない市場からは手を引くのが合理的です。何よりもまず、日本は人口が減少しています。人口が減ればいくら単価を上げても売上はどこかで伸び悩むでしょう。

さらに日本は世界有数の「消費者がうるさい」国として知られています。安価で高品質な商品を求める日本では、新製品を1つ出すにしても他国と同じシェアを獲得するのは至難のわざです。縮小市場の上に、コストもかかる――。もし私が外資系企業のトップなら、「さっさと日本から撤退して、人口増だけで売上が確保できる中国やインドへ投資しろ」と指示したことでしょう。

実際、日本支社で働く外資系企業のマネージャーからお話をうかがうと、
「前年比から2けた成長しても、予算を減らされる。一方、中国やインドは新製品すらなくても人口ボーナスで売上が増える。これでは何のために頑張っているかわからない」
「たとえ日本でこれまでの倍売っても、中国の1%増に負ける」
「売上に応じて社員の国籍も調整されるから、どんどん日本人が減っていく。日本の戦略立案に日本人が一切関われなくなる日も近い」
と、世知辛い実情を聞かされることが増えています。

ところが、合理的に見える「縮小市場からの撤退」は必ずしも正しい戦略とは言えません。

撤退を中止した日本マクドナルド

ここでは、日本マクドナルドの例を見てみましょう。さかのぼること2014年、マクドナルドは消費期限切れ鶏肉使用問題を抱えました。ところが、この問題に直面したのはマクドナルドだけではありません。日本ではファミリーマートも同じ工場の肉を利用しておりファストフード業界全体が沈没してもおかしくない状態でした。

しかし日本ではマクドナルドへの衝撃が際立ちます。一説にはマクドナルドの社長が「日本へは期限切れの鶏肉を輸入していない」と突っぱねた対応の悪さにあるとも言われますが、2014年8月の既存店売上高は前年同月比25.1%減。

これを受けて本社は、日本マクドナルドの売却を検討します。しかし2017年には、日本マクドナルドの売上が劇的に改善。手のひらを返した本社は「日本が最大の貢献者だ」と礼賛するに至りました。

日本単体でもマクドナルドは巨大資本ですから、買収できる企業との交渉は時間がかかると見られていました。その間に日本支社の社員による劇的な経営再建が行われ、売却をまぬがれたのです。

特にマーケティングチームの活躍はめざましく、数百店舗の改装後は、わくわくする体験型キャンペーンを連発。「名前募集バーガー」「裏メニュー」など、客離れを起こしていた店舗へ再訪したくなる仕組みを作りました。さらに一方的な情報発信ツールだったTwitterとSNSを見直し、お客様の発言をシェアすることで双方向のコミュニケーションを実現しました。

マーケティングにおける「賭け」

さて、ここからは想像してみてください。あなたの目の前に売上の減っているブランドがあります。その市場は人口も減っていくことがわかっており、競合もどんどん撤退・縮小しています。

あなたはそこで王道の戦略を選び、撤退することもできます。しかし「賭け」を選ぶこともできます。誰もが撤退した市場で、唯一残った王者を目指す賭けです。ジリ貧と言われようが「チキンレースのチャンピオン」になることで、寡占市場を手にする機会も生まれます。

もちろん、たやすく手に入る王者ではありません。しばらくは赤字が続くでしょう。しかしそこで事業売却に踏み切らなかった企業だけが、未来の利益を手に入れられるのです。

マクドナルドは日本支社の売却交渉に難航している期間、運よく縮小市場に踏みとどまる「賭け」をすることができました。その結果、今年の8月には営業利益が前年比200倍へ躍進したのです。奇しくもその年、マクドナルドは世界的に売り上げが不調となりました。そして本社は最終的に、日本支社を礼賛する結末を迎えたのです。

 

 

 


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

起業適性テスト

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保護中: 中小企業が勝つには「コアで熱烈なファン」を狙うべき理由

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日本の「おもてなし」のウソ 本当の気遣いを見せる集客とは?

こんにちは、トイアンナです。
2020年東京オリンピック関連のニュースも増える昨今、外国人観光客も増加しています。2013年に1036万人だった訪日外国人観光客が、なんと2016年には2404万人。わずか3年で倍以上の外国人観光客が日本へ押し寄せているのです。

外国人観光客が増えて影響を受けるのはホテルや遊園地など観光に直結している産業だけではありません。エステサロンや飲食店など「旅行中に使いたくなる関連施設」から、いざというときの病院や歯科医院も多言語の対応を迫られるでしょう。さらには観光をきっかけにビジネスチャンスを見出した外国人パートナーとの取引もありえます。ですから誰にとっても外国人観光客増加は他人事ではないのです。

そこで今回はそのチャンスを逃さない方法を再考してみましょう。

「お・も・て・な・し」は本当に意味があるのか?

ここで少しさかのぼって、オリンピック招致が決まった瞬間を思い出してください。当時の映像で私たちが必ず思い出すのは「お・も・て・な・し」と滝川クリステルさんがスピーチする場面でしょう。

確かに細やかな気を遣ってくださる日本のサービスは素晴らしい……と語る滝川クリステルさんのスピーチ。しかし現実は相反します。融通がきかない、杓子定規だと外国人から不評も多いのが日本のサービスなのです。

たとえば京都では市内観光バスがすし詰めとなってしまい急遽値上げに踏み切るなど観光客増に追いつけない受け入れ態勢が課題となっています。

以前の連載でも申し上げましたが、日本には富裕層向けサービスが不足しています。そのせいで富裕層が訪問したくても高級ホテルの数が「ベトナム並」しかないからと、訪問自体が白紙になるケースも報告されています。

また、いまだに英語への苦手意識からお客様を受け入れない方も多いのではないでしょうか。簡単な相談をしているのに「ノーイングリッシュ、ノーイングリッシュ!」とかわされてしまうことで、外国人も敬遠してしまうことが少なくありません。

「嫌なら来るな」と突っぱねるのは簡単ですが、外国人観光客を誘致したのは外ならぬ日本です。宣伝しておきながらいざ訪れたら冷たい対応をされる国との悪評が広まってしまえば「日本嫌い」の外国人が増えるリスクもはらんでいます。

実はこの兆候、すでにデータでも表れています。先述のとおり日本を訪れる観光客は増えたにもかかわらず、訪日客が使った金額は6.7%減となっているのです。

その背景には東京、京都など有名都市へ観光客が集中してしまい、すし詰め状態で観光客の満足度も下がっているようすがうかがえます。せっかくお金を使いに観光客が押し寄せているのに、魅力的な使い道を私たちが提案できていないのです。

地方への誘致は、バス1本でできる

さて、この記事をご覧になっている方には地方にお住まいの方も多いでしょう。そして日本の良いところは地方ごとに特色が強い点でもあります。世界のどこを見渡しても、スキーとビーチリゾートが両立しうる国はさほどありません。北海道でスキーを楽しんでから沖縄で海遊びなど、四季の違いを数日間で味わえるのは大きな魅力です。

さらに地方ごとに文化、言語、食べ物が違うのも魅力的です。都内から少し足を延ばすだけでも長野や仙台、鎌倉、日光など色とりどりの文化を体験できる環境が整っています。

しかし日本に足りないのは「簡単な交通手段」です。

都心へ上京された方なら誰しも、新宿や渋谷駅の複雑さに舌を巻いたことがあるでしょう。
出口の数は無限、複雑な矢印の案内図にくらくらします。東京住まいが10年弱となる私も、いまだに新宿からバスに乗らねばならないときはハラハラします。

そもそも電車の出口にたどりつけるのか、バスターミナルにたどり着いたところで難十か所もある中から正しいバス停へたどり着けるか。日本語でもわかりづらい表示のバス停一覧。英語表記も容易に見つかりません。

しかしもし、わかりやすい駅から近隣都市へ出られるバスが1本出ていたらいかがでしょうか。そしてバスに乗るだけで、その土地の良さを味わえるツアーが外国人向けに存在していたら?

地域の「熱愛なファンになる」ターゲットを考えよう

すでに熱海や箱根などの有名観光地はこの手段を取っていますが、まだまだ外国人向けの簡単なツアーは発掘されていません。

また「グルメ」「歴史」といったおおざっぱなツアーではなく廃墟巡りやアニメの聖地巡礼、伝統工芸の1日体験など特定の地域だからこそつかめるニーズは眠ったままです。多くの観光客は見向きもしないけれど、特定の層にだけ強く刺さる観光スポットさえあれば地方にとってはうれしい収入源となります。

おおざっぱに「外国人向け」を考えるよりも「イスラム教徒が感動するハラール(教徒に許された食事)を精進料理で提供できる」「地域に縁切り寺が多く、失恋した人ならきっとめぐりたくなる」といった、「熱烈なファンを獲得できそうな長所」を地域のみなさまと一緒に考えてみてください。


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com