ジェイのニュースレター 5月part2.

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コモディティ化の問題点

Q:『限界はあなたの頭の中にしかない』の中でジェイさんは「自分自身をコモディティ(一般消費財)化させてはいけません」と言っていますが、これはどういうことなのでしょうか。

commodityとは本文にもあるように一般消費財を指す言葉ですが、この「一般消費財」という言葉には「これは特別なブランド品などではなく、ありふれた日用品だ」という意味がこめられている場合があります。

ティッシュペーパーや洗剤などの日用品は、さまざまな種類があったとしても、特に際立った個性はありません。どこのブランドのどんな商品を買っても、消費者にとってはほとんど違いはありません。

なくなったら困るけれど、別に買ってもワクワクしない。とりたてて個性はないけれど、一定のレベルを満たしていれば、買う側もそれ以上のものは期待しない。ですからスーパーでは安売りの「目玉」となります。いくらでも置き換えのきく商品ですから、消費者は安いものを買うのです。

すなわちコモディティとは、個性を失ってしまった結果、容易にほかのものと置き換えがきくものであり、もはやそこからほとんど利益はでないもの、とまとめることができます。

私たちの身の回りでも、きわめて多くのものが、この「コモディティ化」の運命をたどっていることがわかると思います。

さらにジェイさんは、重要なのは、このコモディティ化は商品だけでなく人間にも起こることだと指摘します。

私たちが容易に置き換えのきく存在になってしまうと、安売り商品のように、徹底的に買いたたかれることになってしまうのです。

個性のない店なら、安い方がいいに決まっているし、雇用主から見れば、簡単に置き換えのきく従業員など、高い給料を払う必要はありません。このような状態に陥らないためにも、絶対に自分自身をコモディティ化させてはならないのです。

では、どうすればコモディティ化しないですむのでしょうか。
その答えは、USPにあります。
ほかの人にはない、唯一の人間や商品や会社になるのです。

自分のUSPはどこにあるのか。これまでの自分の足跡を振り返ってみてください。自分がほかの人よりも簡単にできることはありませんか? 時間を忘れるほど楽しく、苦労なく、しかもほかの人よりずっとうまくできること。高い評価を得てきたこと。そんなことのなかに、あなたを選ぶ理由になる「大きな強み」は隠れているはずです。

それが見つかったら、つぎはその「強み」をしっかりと定義することです。あなたのイメージにぴったり合った言葉で、強みを定義していったら、それがあなたのUSPになっていきます。

USPをしっかりと立て、ほかの人には置き換えのきかない人や会社を築いていくことで、コモディティ化の波に逆らっていかなければなりません。


服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

自分のために世界を良くする

いよいよ5月12日に出る『マネー・コネクション』ですが、日本語版にはジェイさんの日本向けの序文がついています。

その中に、mutual self-interestという言葉が出てきました。
ここでのinterestとは「利益」、self-interestとなると、自分に利益が出るようにすること、そこから転じて利己心、利己主義、自己利益…などの訳が考えられます。ところがこの文章の中では、そのself-interestの前に、「相互の」「お互いの」という意味のmutualがついています。訳すとしたら、「相互的自己利益」というあたりで落ち着くかと思うのですが、これはどういうことなのでしょうか。

これはもともと、アダム・スミスから来ています。高校で習ったかと思いますが、例の「神の見えざる手」のアダム・スミスです。

アダム・スミスはこのように考えました。
人間は本来的に、自己利益を最優先する利己的な存在です。その一方で、人間は社会を形成し、多くの人と共に生活をしています。それは、利己的であると同時に、共感能力があるからです。自分が寒ければ、ほかの人も寒いだろう。自分がおなかがすいているときは、ほかの人も空腹だろう。そういう共感能力があるからこそ、利己的な存在である人間が、社会を営むことができる、というふうに考えたのです。

利己的な人間は、誰よりも暖かい場所を確保しようとし、獲物がいる場所は、自分だけの秘密にしていようと思います。ところが大きな獲物を狩ろうと思えば、自分だけではどうにもなりません。そのとき、ほかの人に「自分の言うことを聞け」とむりやりいうことを聞かそうとするのではなく、また、「お願いですから力を貸してください」と相手の優しさに訴えるのでもなく、別の人に獲物の居場所という秘密を明かし(秘密という利益を相手に渡し)、協力を求めようとするのです。相手も食物が必要で、相手も自分と同じように利己的であることを知っているから、「私に利益を与えることは、あなたにとっても利益になりますよ」と相手の利己心に訴えかけるのです。

「相手に利益を提供することは、自分にとっての利益になる」ことを知っているから、私たちは誰かに何かをしてほしいとき、先に利益を相手に提供する。これが「相互的利己主義」ということです。

ジェイさんは卓越論をはじめ、さまざまな場面で「あなたの利益よりもクライアントの利益に焦点を当てなければならない」といったことを繰り返し言っていますが、これは博愛主義でもなく、利他主義でもありません。まさにこの「相互的自己利益」から言われていることなのです。自分同様に自己利益の追求に余念のないほかの人に、まず利益を提供することによって、自分のビジネスの成功を持続可能なものにしていこう、ということなのです。

最近、よく耳にするようになった言い方に「世界を良くする」という言い方があります。自分の仕事を通して、世界を良くする、という考え方自体は、非常にすばらしいと思うのですが、でもその「世界を良くする」ことの目的は、一体何なのでしょうか?

「世界を良くする」というのは、それだけで良いことなのだから、それ以外に目的など必要ない…というのが、おそらく「利他主義」や「博愛主義」といわれるものでしょう。

けれども、たとえば地域の治安が悪くなって、誰も安心して出歩けないようになったら、うちの店のお客様も減ってしまう、そうなったら困るから…という利己的な理由で、自分の店の前だけでなく、近所一帯をきれいにし、切れた街灯がないように気を付け、落書きを消したり、割れたガラスを取り替えたりすることも、小さなエリアではありますが、「世界を良くする」ことではないでしょうか。そうしてそれは、抽象的な大義名分をかかげて立派なことをしようとするより、よほど長続きするものなのではないでしょうか。

なにしろ「利己心」というのは(アダム・スミスによると)人間の基本的な性質のひとつなのですから。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始めました。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、ShimaFujiIEMのチームに加わわっています。

ジェイ・エイブラハムが感銘を受けたアドバイス

Q: ジェイ・エイブラハムさんが今まで受けてきたアドバイスの中で、感銘を受けたアドバイスは何ですか?

A: 「興味深い人になるためには、他人に興味をもちなさい。多くの人は、人の話の聞き方を知りません。」

「自分を、居心地の良い知的経験や収益レベルをはるかに上回る、居心地が悪い環境に置き、強制的に自分自身を成長させることが必要です。」

「精神、身体、知識、人間性を成長させていくことが、人生におけるさまざまな豊かさの鍵となります。」

まだいくつも挙げることはできますが、いくつか挙げるとすればこの3つです。

(Bulletproof 360のCEOデイヴ・アスプレイとのインタビューから抜粋)


(渡部真紀子)

ジェイ・エイブラハムが伝えたい3つのこと

Q: ジェイ・エイブラハムさんの知識と経験から、仕事や人生において、向上していきたい、より良く生きたい、という人に対してアドバイスを与えるとしたら、どのようなことをお話ししますか?人が知っておくべき3つのことを挙げていただけますか?

A: 情熱、目的、可能性です。

情熱とは、たとえば仕事なら、仕事の内容だけではなく、誰のために行うかということ、その人に対する情熱を持たなければなりません。その人と恋に落ちなければならないのです。好きではない仕事をして、誰のためかという点も気に入らなければ、その仕事はすべきではありません。誰のためかというのは、雇用主の場合もあるでしょうし、市場の場合もあるでしょう。

目的については、私の親しい友人が書いた論文には、「人は倍増者か減少者のどちらかである」と書かれています。実業家、ビジネスリーダー、経営幹部、従業員など、どのような立場であってもです。人を向上させていて、社会に価値をもたらし、業績や人間性を向上させているか、それとも、哲学的かつ比喩的に、周囲から酸素を吸い取っているだけか、ということです。私は、人は自分自身を革命家、あるいは任務を帯びた者として考え、自分の役割を見出していかなければならないと思っています。ビジネスで何をするにしても、そうしていく必要があると思います。意義のある商品やサービスを提供して影響を与えるという点において、一番のリーダーになる必要はありません。また、多くの人は恐れていると思います。ネガティブな言葉は言いたくないのですが、別の分野に踏み込むことを恐れていると思うのです。これは非常に残念なことです。

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの言葉に、「多くの人たちは静かな自暴自棄の生活を送っている」というものがあります。私たちは情熱を持たなくてはなりません。目的を持たなくてはなりません。そしてそのうえで、恵まれていれば、どれほどのことが可能なのか、ということを私は目にしてきました。これはあらゆるもの、たとえば、時間、努力、人との関わり、資金、連携、素晴らしい関係性、資源などから、どれほどのことが可能なのかということです。仕事、キャリア、私生活において、すべての要素を活用したり最適化したりしているだろうか、と自分に問いかけたり、まだそこまでには至っていないと思って行動したりしましょう。この3つのことが揃ったら、非常に恵まれた状況になると思います。

(Bulletproof 360のCEOデイヴ・アスプレイとのインタビューから抜粋)


(渡部真紀子)

ブランドイメージはどうやって作る? 今から始めるマーケティング

こんにちは、トイアンナです。
今月の無料公開記事では、「安易な無料配布で700人のリストラ!?マーケティングの失敗例に学ぶ」でブランドイメージに沿った戦略を採用する重要性をお伝えしました。そこで会員様へはさらに深堀りし、御社のブランドイメージを作る方法をご案内いたします。

よいブランドイメージがもつ2つの機能

まず「よいブランドイメージ」が御社にもたらす利点をお伝えします。この分野を研究する第一人者、ケビン・L・ケラーによれば、よいブランドイメージとは、下記2つの作用を起こさせるものです。

(1)ブランド再認
ブランド再認とは、ある商品を見たときに「これ、前も見たことある」と思い出させてくれる効果です。たとえばリポビタンAを見ると「ファイトー!いっぱぁーつ!」と男性同士が声を掛け合うCMを思い出しませんか?
このように優れたブランドイメージを一貫して伝えられると、数年単位でCMを見ていなかったとしても、その商品を覚えていられます。

(2)ブランド再生
ブランド再生とは、認知よりさらに強い効能で「カメラといったらキヤノン」「自動車といえばトヨタ」というように、あるジャンルを想像したとき1番に特定の製品を思い出させる機能です。
ブランド再生に成功していれば、お客様が「〇〇がほしい」と思った瞬間に、新たな告知をしなくともお客様からブランドを探してもらえます。特に「正直どれを選んでもあまり変わらないだろう」とお客様が考えているジャンルほど、1番に思い出していただくことが購買の鍵となります

「正直どれを選んでもあまり変わらないだろう」と思われる商品の好例は、食器用洗剤です。食器用洗剤は「薬局にある中で目についたものを買う」のが一般的。「キュキュットがないから他の薬局へ行って探そう」と思わせる商品ジャンルではありません。
こういったジャンルでは「あ、食器用洗剤買わなきゃ……キュキュットにしよう」と思い出していただくことが売上へ直結します。実際の売り場にはジョイ、泡のチカラなど競合が並んでいますが、最初に思い出していただける商品となれば目が「キュキュット」を探しに動くからです。

なお、このように1番に商品を思いついていただくことを専門用語で「トップ・オブ・マインド」と呼びます。トップ・オブ・マインドを得るためには一貫したブランドイメージで覚えやすい商品になることが極めて重要です。

優れたブランドからヒントを得る

では、「ブランド認知」「ブランド再生」をさせるブランドイメージはどう作るべきでしょうか? まずは、優れたブランドイメージを確立できている製品から学びましょう。

たとえば大手コーヒーチェーンのスターバックスは下記ブランドイメージを意図的に作っています。
・通勤途中に持っていく
・禁煙
・センスのいい、オシャレな
・コーヒーがおいしい

最後の「コーヒーがおいしい」は意見の分かれるところかもしれませんが、国内の小規模調査でも同様の認知をされていることが分かっています。
ここで大切なのはブランドイメージが「バシっと決まる一言」というよりもブランドの雰囲気を決めるキーワードの集合体であることです。商品の雰囲気や連想される単語をいくつかコントロールできれば、消費者は視覚、聴覚、嗅覚など複数の刺激から「あっ、これってスターバックスっぽい」と想起できるようになるからです。

そこで、スターバックスのように下記を想像しながら作ると御社のブランドイメージが作りやすくなります。
・どのタイミングで御社製品は愛用されるのか
・お客様から見てわかる他社との違いは何か
・性能の特徴
・性能以外で感じられる「情動的な」特徴
・香りや手触りなど五感で得られる性質
・どんな都市・国のイメージか
・ブランドを使う上で欠かせない道具
・イチオシの製品ジャンル

実際に、誰もが知っているブランドで練習してみましょう。以下は私が独自に考えた「サイゼリヤ」のブランドイメージです。
・学生
・300円で美味しく食べられる
・安い
・にぎやか
・楽しい
・イタリア
・ドリンクバー
・ミラノ風ドリア

こうして列挙すると、自然と「サイゼリヤ」から連想されるキーワードが詰まっていることが分かります。ブランドイメージの作り方を練習されるなら、ガストや大戸屋、ジョイフルといった競合の大手チェーンを同時に思い浮かべると差が明確になるでしょう。

まずはお客様に列挙していただこう

とはいえ、いきなりゼロからブランドイメージを考えるのは難しいものです。まずはお客様へ「弊社の製品から連想される言葉は何ですか?」と自由に列挙していただく調査を行いましょう。簡単なアンケートで今すぐできます。
集まった内容から御社が強く推していきたいキーワードを選び、ブランドイメージの根幹へ据えていくことで現実ともブレが少ないブランディングを始められます。一貫したブランドイメージを提供することで「これ、前にも見たことある」「〇〇のジャンルで買うならこの商品だな」とトップ・オブ・マインドを勝ち取り、長期的な集客へ繋げていってください。

参考文献:ジョン・ムーア『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

ジェイのニュースレター 5月part1

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安易な無料配布で700人のリストラ!?マーケティングの失敗例に学ぶ

こんにちは、トイアンナです。
「集客のため、無料で商品サンプルを配る」施策は、わざわざ教わらなくても誰もが経験する王道のマーケティングです。

スーパーの試食品などは日常的に見かけますし、引っ越し業者がお見積りだけでくれるプレゼントはなかなかの量。お米から洗剤一式まで無料配布されると、ついその会社を選びたくなりませんか? こういった施策をマーケティングでは「サンプリング」と呼びます。

返報性の原理を利用した無料配布

サンプリング戦略がここまで広く採用されているワケは、費用対効果がいいからです。すなわちサンプルを配った分だけ、集客へ繋がる可能性が高いから。

高級車のように単価が高かったり、何度もリピート購買を狙えなかったりする商品では使えませんが、食品や消費財、美容室のトリートメントなど「何度も使ってくれる」「比較的安い」商品にはうってつけです。

ではなぜサンプリングは費用対効果がいいのでしょうか。その秘密は心理学における「返報性の原理」にあります。

多くの人は人からものをもらうと「何かお返しをしなくては」と考えます。それどころか、自分が親切をした上でお返しをしない人へは不快感すら抱くこともあります。たとえばタダで置いてあるからと飲食店のつまようじをゴッソリ持ち帰る人がいたら「この人、タダだからっていくらなんでも……」と思うでしょう。

このように「親切心に何かでお返ししたい」と感じることを返報性の原理と呼びます。

無料サンプリングはこの「タダだからって貰いっぱなしじゃ申し訳ない」という気持ちを利用して、お返しに何か購入しよう、と動機づけるのです。

今回は飲食店を例として見てみましょう。これまでの成功例に多いサンプリングは「無料のコーヒー」配布です。古くはカルディが2009年に実施し、短期間で店舗数を4.4倍へ拡大させました。

最近ではマクドナルドの100円コーヒー無料配布キャンペーンが記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれません。

何社かが繰り返しているキャンペーンであっても、業界が違えば目新しく映ります。カルディはおしゃれな輸入食品店。ファストフード店のマクドナルドが同じ施策をすれば充分「新しい!」と興味を持っていただけるのです。

しかし、これらの成功例だけを胸に「ウチも配ろう」とは思わない方が賢明です。

無料コーヒーで700人の雇用危機を生んだWaitrose

いくつもの店舗で成功例とされてきた「無料コーヒーの配布」。ところが全く同じ施策で売上アップどころか、多数の店舗閉店へ追い込まれたスーパーマーケットの大手チェーンがあります。

イギリスの大手スーパー「Waitrose」が同様に無料コーヒーを配布した結果、「無料」に惹かれるだけで何も商品を購入しない客が殺到。結局、スーパーへ来店してもコーヒーだけもらって1品も買わない悲劇を生みました。今年だけでWaitroseは6店舗を閉鎖、それに伴い700名のスタッフが雇用継続の危機を迎えています。

では、カルディやマクドナルドは成功したコーヒーの無料配布でWaitroseはなぜ失敗したのでしょうか?

ブランドイメージにそぐわない戦略は売上を奪う

ここでWaitroseの情報を少し追加させていただきます。Waitroseはイギリスの高級スーパーで、日本で言えば紀伊国屋や成城石井のような存在です。強みは無農薬食材や世界中から集めた豊富な品揃え。日本食もお蕎麦や寿司を始め「わさび豆」まで扱う豊富さです。これらの強みと引き換えに商品の価格は高く、庶民はまず訪れません。

そして無料のコーヒーに惹かれる層はその「庶民」だったのです。

Waitroseにとって「無料配布」に惹かれるような層はターゲット顧客ではありません。
ですからいくら人を呼び込んでも、お客様になりそうな人はほとんど呼び込めていなかったのでしょう。

対してマクドナルドやカルディは、ごくごく普通の方が使う場所。「無料」に敏感な家族連れも多いため、そのまま店舗内購入が見込まれます。

Waitroseのように「高級」なブランドイメージを作ったら、たとえ世間が値下げラッシュに沸いている時期でも高級路線を貫く必要があります。ロレックスやフェラーリが「今だけ30%割引!」という施策をしても、いい顧客が集まらないのと同じです。

消費者は返報性の法則より強く「一貫したブランドイメージ」を求めます。「他社も成功しているし……」と安易にマーケティング戦略をマネすると、ブランドイメージを傷つけ、長期的な売上ダウンへとつながりかねません。

他業種の戦略から学び、自社へ適用するのは優れたマーケティングの応用方法です。他方、単にコピー&貼り付けした施策ではブランドイメージに反したやり方となり、却って売上を傷つけることがあります。社員から施策を募る際は自由にアイディア出しをしたのち、ブランドイメージを保てる施策だけ厳選する必要があるのです。

参考文献:重田修治『なぜか買ってしまうマーケティングの心理学』


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
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女性のためのBizワークショップ大阪が行われました

4月12日、大阪で開かれた「島藤真澄・女性のためのBizワークショップ」に参加しました。

メンタークラブでの勉強会から派生した女性向けのワークショップがスタートしたのは、この4月からです。4月8日に博多で第1回が開催され、私が参加した12日の大阪は、その第2回でした。お目にかかるのも初めての方ばかりということで、少し緊張しながらの開始でした。

まず、みんなでワークをやって緊張をほぐします。
初めて言葉を交わす人でも、ひとつのワークに取り組むことで、あれこれと考える間もなく、自然と言葉を交わしています。気がつくとずいぶん前からの知り合いのように、気軽に話ができるようになっているのです

全員のワークが終わったら、今度は自己紹介。
自分がこれまでやってきたこと、現在やっていること、そうして行き詰りを感じていること。

この「自己紹介」も、単に自分を紹介するだけには留まりません。自分が感じている行き詰り、物足りなさの中に、「本当の自分」「本当に自分がやりたいこと」が隠れています。ふだんは自分自身でも気が付いていない、「本当の気持ち」に気づくきっかけになります。

そうしてこのワークのおもしろいところは、それをほかの人と共有することによって、自分が行き詰まりを感じていることが、今度は別の人の「解決策」につながり、それがこれまでにはなかった新しいビジネスへとつながっていく、というところです。

自宅で「在宅秘書」(この言葉を作ったのもその方だそうです!)をしながら、400人にも上るシングルペアレントの会を結成された方、これまで事務職をされていたけれど、結婚を機にこれまでの職を離れて、もっと自分が生き生きとできるような新しい仕事、新しい働き方を求めておられる方、離婚後、「食」のスペシャリストになるために、栄養士の資格を取ろうと、子供を育てながら短大に行き、資格を取られた方、フラワーアレンジメントの有資格者で、フラワーショップの経営の経験もお持ちの方…

それぞれの経歴、さまざまなバックグラウンドをお持ちの方が、できること、持っているものを出し合い、足りないところを、別の人の持っているものやできることで補い合う話し合いをしながら、新しいビジネスの可能性がいくつも生まれていきました。そうしてこの話し合いをもとに、実際に動きが始まっています。
かつて日本では、女性は二十代の半ばには結婚し、家庭に入り、専業主婦となることが、「当たり前」のライフコースだった時代がありました。男性が一家の「稼ぎ手」となって会社で働き、女性は家の中で家事・育児を担う、という分業体制が、社会にとっても望ましいことだったのです。

ところが現代では、社会の側が「働き手」としての女性の力を求めています。不況や労働環境の悪化によって、女性の経済力がなくては家庭が成り立たない、という厳しい背景もあります。にもかかわらず、女性の給与は依然として低いまま。女性の貧困、とりわけシングルマザーの貧困が問題になっていますが、問題なのは彼女たちが働いているのに、貧困を余儀なくされている、ということです。

その一方、従来から女性の役割とされてきた「家事・育児・介護」の役割の中心を担うのは、依然として女性が期待されています。とりわけ、女性にしかできない「出産」は、女性のキャリアを考える上で、避けては通れない大きな問題でもあります。

現代の日本で、女性が「自分らしく生きていく」ためには、何が必要なのか。そうして自分に何ができるのか。自分のできることは、誰の、どんなことに役立っていくのか。ワークショップでは、さまざまなことが話し合われましたが、その根本にあるのはそういうことなのだ、と強く感じました。

もちろん、実際の雰囲気はまったく堅苦しいものではなく、和気藹々とした中で、活発に意見や感想が出し合われていました。そのときが初対面であったにもかかわらず、私自身、皆さんとずいぶん以前からの友達のように感じられ、今後もぜひ集まりたい、と思いました。「他者紹介」のワークの効果を、みなさんもぜひ体験してみてください。

これからもこのワークショップは全国で続いていきます。
4月23日は四日市で開催です。
もう一歩先へ進みたい、つぎの扉を開けたい、という気持ちをお持ちの方の参加をお待ちしています。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始めました。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、ShimaFujiIEMのチームに加わわっています。

ジェイ・エイブラハムと人間性の哲学

Q: ジェイ・エイブラハムさんの人間性の哲学についてお尋ねします。あらゆるタイプの人とそれほど簡単に、深く、自然体で関わることができるのはなぜですか?どのようにして会話を始めたり、質問をしたりしているのでしょうか?

A:
1つ目の答えは、私は人間が大好きだということです。

2つ目の答えは、人に対して、非常に批判的になることもありますが、非常に寛大でいることもできるからです。

3つ目の答えは、誰一人として同じ現実を持っておらず、誰一人としてある物事に対する同じ定義を持っているわけではないということを認識しているからです。

4つ目の答えは、ほとんどの人は、方法さえ知っていれば今よりも優れた人間になれる、ということが私にはわかっているからです。人というのは、平凡でいたくはないのです。

5つ目の答えは、私はまず、人々がどのように人生をとらえているか、ということを非常に真剣に認識し、理解し、観察し、評価し、感謝し、認めようとします。なぜなら、それがその人の現実だからです。

6つ目の答えは、誠実な人となら、どんな人と関わるにしても、私には救いようがないくらいの好奇心があり、救いようがないほど人に惹かれるのです。誠実な人とは、私が好きではない人の場合もありますし、腹立たしく思うこともありますが、心の中は誠実だということです。自分自身に対して不満に思っているだけかもしれませんし、それすら気づいていないかもしれませんが、私はその状況を乗り越えたり、切り抜けたり、受け入れたりします。

私は自分のことを「変革のための触媒者」だと思っていますので、ロールモデルになることが私の役目です。どんなことでも、言葉で話すことは、実際にやってみせることほど効果的ではありません。実際にやってみせるというのは、たとえば、自分がロールモデルなのに目的を持っていなかったら、自分の理想や信念に対する取り組みを欠いているということです。私はさまざまな人の人生に関わっていますので、関わる人すべてを豊かにするために力を尽くしています。その人たちが騒いだり、その人たちについて称賛できないこともあるかもしれませんが、向上していきたいと思っていることはわかっていますし、私やその人自身と闘っているだけかもしれません。

私はそれほど信仰心が厚いわけではありませんが、信仰心が厚ければユダヤ教徒ということになります。ただ、キリストの「彼らをお許しください。自分たちが何をしているのか知らないのですから」という言葉が好きです。

徹底的な皮肉屋、巧みな言葉づかいばかりして不誠実な人、清廉潔白ではない人に対しては、非常に批判的になることもできます。しかし、ただ何かを見失っている人、いわば、論理的なプロセス上の方位磁石が自分自身のせいで磁気を帯びなくなった人に対しては、その人の気持ちに寄り添いたいと思うのです。

多くの人は、自分とビジョンを共有しない人に対して、拒絶したり、言い争ったり、否認したりしようとします。 私の場合は違います。現在の私のように世界中を旅するようになると、数え切れないほど多くの人が、数え切れないほど多くのことを世界中で行っているということがわかるでしょう。また、暮らし、価値観、道徳観、地理、文化、食べ物などあらゆることには、それぞれ数え切れないほどの多様性があることもわかります。ですから私は、相手の目的や意図以外のことで物事を判断することはほとんどありません。

以前は、現在ほど情け深い気持ちを持って対応するということはしていませんでした。両刃の剣を使って完璧な外科手術を行うように、相手を打ちのめすこともできました。もしそうされるのが当然の人ならば、ということですが。しかし、年齢を重ねるにつれ、人間の多様性について、人間の愛すべき欠点について、人間の奥深くにある、報われないこともある欲求について、尊敬の念を抱くようになってきました。そのようなことに心が引きつけられるのです。そして、人々を上のレベルへ上げようとすることに魅せられています。

どのようすれば、そのように人と関わることができるのでしょうか?

まずは、話を聞くことです。聞くこと、認めること、そして尊敬することです。多くの人たちは、お互いに対してそのようなことをしません。そして、その瞬間にその場にいる、ということです。自分が何を言うかなどと悩んだりしません。相手との関わり合いから、言ってみれば自然に流れるままにするのです。繰り返しになりますが、人間は誰もが魅力的な存在だと私は思っています。

男性、あるいは女性を見て、誰かの息子や娘だろうと思い、小さいころは、幸運なら無邪気に過ごしたでしょうし、そうでなければつらい思いをして過ごしたでしょうが、そのような経験によってその人は強くなり、現在に至るわけです。

その現時点から、私の力を添えてさらに良い場所へ上がれるなら、私はそうすべきなのです。なぜなら、私はそうしたいと思っていますし、その能力があるからです。できるかぎり上の場所、ということではなくても、現時点よりも高い場所に上がってもらいたいと思っています。これは、人生における人間性、貢献、達成、バランス、喜び、情熱、目的、可能性、愛などにおいて、ということです。あなたは、驚くほど爆発的なレバーを持つことができます。1人を手助けすれば、その人が向上していくとともに、関わり合う周囲の人たちも向上していくのです。

(ディスカッション・グループの記録 “7-1/2 Minutes of Clarity”より)


(渡部真紀子)
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員。
アメリカの大学でビジネスを学んだ後、帰国して小売り業界で働くが、国際的な仕事への想いが募り、翻訳の道へ。マーケティング関連の翻訳を経て、弊社翻訳チームに加わる。