「ペルソナ」で分かるマーケティング
こんにちは、トイアンナです。
今まで500名以上から人生相談をいただいておりますが、
その中でも「結婚したいんです」は断トツ多いです。
そして「結婚したいんです」とおっしゃられるたびに、
私が必ず質問していることがあります。
「どんな方と結婚したいんですか?」と。
具体的なイメージがあると婚活しやすい
質問に対して、たいていは「誠実な人」「優しい人」
「僕を好きでいてくれるんなら何だって……」という答えが返ってきます。
しかしそのフレーズだけでは1人の人間として結婚相手を想像するには至らないので、
もう少し具体的な言葉を入れてみましょう。
たとえば私の友人が創造した結婚相手のイメージは下記のとおりでした。
-
- – – – – – – –
- 「普段は看護師として仕事を頑張る24歳の女性。
- 仕事場ではキビキビ働くカッコイイ姉御肌。
- トラブルもばしっと解決するけれど、プライベートでは家でのんびり過ごしたいタイプ。
- 趣味は最近始めたパン作りで、よく作りすぎては近所へおすそ分けしている。
- 彼女のお父さんは無口な人。彼女の進路へも口出ししてこなかったけど、大事な時は娘を守れる人。
- 彼女の悩みは友達が女子ばかりなこと。
- 姉御!と頼られるのが嬉しい反面、出会いがなくて悩んでる」
- – – – – – –
いくらなんでも妄想しすぎでしょう! と考えるかもしれませんが、
ここまで細かく設定があると具体的に結婚したい女性像が見えてきませんか?
婚活では理想の相手が出没しそうな場所を探すのも重要な戦略のひとつ。
「1人の人間」として頭に結婚相手を思い浮かべば、
おのずと出会いの場所も見えてくるはずです。
ペルソナマーケティングを知ろう
実はこのように「あたかも1人の人間がいるかのように、狙いたい相手を想像すること」は
マーケティングでもよく採用されており、専門用語で「ペルソナマーケティング」と呼びます。
ペルソナとはもともと演劇で使う「仮面」を意味する言葉。
あなたの狙いたい人が身にまとっている「仮面」を想像することで、
どうやって売り込むか戦略を立てるのです。
ここからは、実際にペルソナマーケティングを実施して大成功を収めている、
スープ専門店A社の事例を見てみましょう。
A社は関東圏の都心駅ナカを中心に発展したスープ専門店。
オープンからわずか10年で売上高42億円、店舗数52店舗を展開しています。
スープを売り出すうえでA社が徹底したのがペルソナマーケティングでした。
社内資料では実際に女性の名前を付けた「ペルソナ」を作成。
春日りさ(仮名)として人格をイメージしていました。
そのペルソナはこんなイメージです。
- – – – – – –
独身で経済的に余裕があるキャリアウーマン。
郊外から都心へ通勤しており、駅ナカにあるカフェで休憩することが多い。
社交的な性格でありながら、自分ひとりの時間も大切にしている。
シンプルなインテリアを購入するのが好きで、
装飾でゴテゴテしたものより機能重視。
プールではクロールでいきなり泳ぎ始めるタイプ。
- – – – – – –
スープ専門店のターゲティングなら「駅ナカをよく使う」は大切な情報ですが、
それ以外のインテリアを買う趣味や、泳ぎ方は一見商品と全く関係ありません。
しかしこういった情報が加わることで
「この内装って、春日りさっぽい」
「このテイストは春日りさじゃない」といったイメージを全員で持つことができます。
■ あなたの商品のペルソナは?
ではここから、あなたの商品やサービスで実際に「ペルソナ」を作る方法をお伝えしましょう。
一番簡単なのはすでに常連となっているお客様の顔を思い浮かべることです。
以下に例を挙げてみますので、あなたの事例でも考えるきっかけにしてみてください。
- – – – – – –
私のネイルサロンに来てくれるのは高橋麻里さん。
33歳独身の派遣社員で、デスクワークからの冷え性と肩こりに悩んでる。
仕事に疲れた瞬間にネイルを見ると癒される。
選ぶインテリアはブラウン調のものが多いんだけど、
たまにかわいいものが欲しくなってキャラクターグッズを買う。
「まあ、しょうがないんだけどね」が口ぐせ。
休みの日は10時まで朝寝坊するのが楽しみ。
どっぷりスピリチュアルじゃないけど、カラーストーンとか置いてある。
- – – – – – –
いかがでしょうか?
もし思いつかなくなったら「料理なら何を注文するか」
「スポーツをするなら何をしたがるか」
「旅行へ行くならどこにするか。それはなぜか」
といった妄想でターゲット像を広げてゆきましょう。
■ ペルソナが「狙いたい像」と違ったら
最後に、あなたが作るペルソナが「本当に売りたい人のイメージ」と異なった場合についてお伝えします。
ペルソナはいまあなたの商品やサービスを使っている人を明確にするだけで、理想像とは限りません。
もしこれから現在のペルソナとは別のタイプへ商品を売りたいのであれば、
まずは「理想のペルソナ」を作りましょう。
そして「理想のペルソナ」がどういった場所に現れるか、
あなたの商品にどういった良さを見出すかを考えてゆきましょう。
次回は「うちの商品を使うペルソナなんて、いないんだけど」
という悲しいご相談を解決いたします。
トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com