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千秋育子さんインタビュー

島藤真澄インタビューシリーズ:千秋育子さん(イラストレーター)

今回は世界的に活躍されているイラストレーターの千秋育子さんに
お話をうかがいます。

スタートからどのように仕事をしていったか、
プレゼンのやり方、イラストというお仕事についてなど、興味深い話が続いていきます。


 

 

保護中: レガシー・ブランドになることで、マーケティングの賭けに勝て

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保護中: 中小企業でもできる、ローコストなマーケティングPR例

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シャネルに学ぶ「度肝を抜くマーケティング・イベント」の考え方

こんにちは、トイアンナです。
シャネル、Dior、エルメス……。ランウェイをさっそうと歩く、ハイブランドたちは「伝統的な顧客を守りつつ、革新的なファッションを発表せねばならない」ジレンマと常に戦います。

伝統と革新は相反する概念ですから、たとえるなら「最高級フレンチのジャンクフード」「手術をしない抜歯」を求めるようなものです。私がもしクライアントから両立した企画を作るよう依頼を受けたら「それで、本当はどっちを優先されたいですか?」と質問してしまうかもしれません。

しかし、本来ありえない真逆の要求を両立させる気概があるからこそ、ハイブランドは優れたマーケティングが生まれる源泉でもあります。今期のシャネルはその好例でした。

シャネルのエッフェル塔を再現した「度肝の抜き方」

シャネルは今期、展示会場内にエッフェル塔を屋内に再現するというまさに度肝を抜くマーケティングを実現しました。パリの大規模展示会場「グランパレ」のガラス張りになった屋内に、高さ50mのエッフェル塔がドライアイスに包まれて登場。エッフェル塔付近にあるキオスクまで再現するというこだわりが魔法のような演出を実現し、新聞を始め取材を大量に獲得しました。

「そんなこと言ったって、大企業の新作発表なのだからPRで掲載されるのは当たり前」と思われるかもしれません。しかしファッションの世界は新商品、コレクション発表、アンバサダーの露出、期間限定ショップ開設などPR企画が月に1回以上発生します。

自社で乱立するイベントのすべてを報道してもらうのは不可能なうえ、ファッション業界には競合も大量に存在しています。エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオール……。ファッション業界はどこも豊富な資金でPRイベントを打ってくるため、単なる「何かを開催します」では取材をしてもらえないレッド・オーシャンです。したがってPR担当者は「伝統の範囲内で最大限革新的な」という難しい課題をクリアし、度肝を抜くことが求められます。

実はローコストでもあるイベント

そしてシャネルのPRイベントには、中小企業だからこそ学びにつながる特徴が1点あります。

実はラグジュアリー業界を俯瞰してみると、世界3グループが大手ブランドをほぼ独占していることがわかります。ルイ・ヴィトンやDior、セリーヌなどを抱えるLVMHグループを筆頭に、世界のほとんどの有名ブランドは3社が独占しているのです。

大手グループはブランドごとの協働イベントも行えるうえ、予算を他ブランドから回すこともでき大変有利です。一方、シャネルは単独のメゾン。他のブランドから利益を回すことができないためイベント予算は限られていたはずです。

こんな「誰も考えたことのない」マーケティング戦略でありながら、エッフェル塔の制作は獲得した取材の量に比してローコストでもあったでしょう。今回の企画は同じ露出を獲得できるほどの広告出稿に比してローコストでありながら、爆発的な成果を出せたと言えるでしょう。このように広告を出すのと比較しても、コストパフォーマンスが高いのがPRの特徴です。

やみくもな広告出稿は「安っぽさ」を出してしまう

さらにシャネルのようなハイブランドは「広告ではなくPRで認知度アップを図る」必要が特にある業界です。安い商品はテレビCMを大量に打ちさえすれば力技で認知度を獲得できますが、シャネルのようなハイブランドが同じ戦略をとると「安っぽい」と思われてしまうからです。

一部雑誌社への広告出稿、銀座のど真ん中に位置する直営店舗などを除くと、高級イメージを維持したまま知名度を上げられる手法は限られています。その中でも今回のシャネルが実施したPRイベントは大成功を収めました。

たとえばあなたが自社製品を高級だと思ってもらいたいなら、闇雲な広告出稿へは1度「待った」をかけてください。その広告が目に触れる場所で、他社はどんな広告を出しているでしょうか。露出さえ増やせば「誰かの目に映る回数」は増えますが、果たしてその相手は自社製品を購入してくれる可能性が少しでもありそうでしょうか? 単に近くへ住んでいる、性別や年代が合っているだけでなく所得やラグジュアリー感も同じでしょうか?

お金さえあれば1日に1度、全国民の目に触れる広告を出すことも不可能ではありません。しかしそれだとコスト以前に「大衆っぽさ」「安っぽさ」を出してしまうリスクをはらんでいます。会員制のバー、富裕層向けの歯科医院、ラグジュアリーなエステサロンなど、高級感を醸し出す必要がある製品やサービスを届けるなら、広告よりもPRが適していると言えるでしょう。

PRで取材を獲得できるかどうかは、当日にならねばわかりません。当日芸能人のスキャンダルや災害があれば、取材も立ち消えになるバクチ要素を秘めているからです。それでも取材を獲得し、安定的に知名度を上げる素晴らしいPRイベントには「伝統と斬新」を両立させる優れたアイディアと、賢いコスト感覚の2点が内包されているのです。


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

 

あなたのブランド・メッセージを打ち出すには

(※この記事は”https://www.linkedin.com/pulse/how-establish-your-brand-message-guy-kawasaki?trk=prof-post“を著者の了解を得て翻訳したものです。)

by ガイ・カワサキ

現実の世界で、あなたには無限のリソースがあるわけではありません。
完全無欠の商品を持っているわけでもないし、競争相手のない拡大一方の市場で販売しているのでもありません。
全知全能ではないので、世間の人に、あなたのブランドにはこのような意味があるのだと無理やり思いこませることもできません。

このような条件下、多くの会社はどんな助けでもほしいと願いながら、ブランド戦略に取り組んでいます。
ここでは私からのアドバイスを送りましょう。

 1. 優位性を訴える

あなたのブランドを、「意味を作りだす」「ためになることをする」「世界を変える」「みんなを幸せにする」のように、肯定文で構築してください。あなたの競争相手を貶めるようなものにはしないこと。

考えてみてください。あなたがこの前、競合他社を批判している製品を買ったのは、いつのことですか?(マックユーザーではないとしてですが)。もし競合他社を打ち負かしたければ、気持ちを引き立てるようなブランド戦略を採るべきで、他社を出し抜きたいというばかげた願望を下敷きにしてはいけません。

 2. メッセージをひとつだけ作る

ひとつだけのメッセージで伝えるのは、非常にむずかしいことです。そこでほとんどの企業は、多くのメッセージを打ちだしています。というのも、ニッチになるのを怖れ、市場全体を相手にしようとしているからです。
 
「我が社のコンピューターはフォーチュン500に選ばれる企業にふさわしいものです。そうそう、家庭でお使いくださる方にも最適です」
 
現実に目を向けてください。ボルボは、安全性の面では優れています(横転しない)が、セクシーとは言いがたい車です。トヨタは経済的ではありますが、贅沢さではかないません。
 
メッセージをひとつだけ選び、それが有望なら、少なくとも1年間はそれを続ける。変えるのなら、そのあとにしてください。1度にいくつも試したり、数ヶ月おきに変更するようなことをしてはいけません。

 3. 誰にでもわかる言葉で

業界用語を使うべきではありません。商品の位置づけの定義に頭文字や略語を使っているなら、
(a) あなたのブランドは、大半の人には理解できない
(b) あなたのブランドは長続きしない
となる可能性がきわめて高くなります。

たとえば「最高のMP3デコーダ」というメッセージには、誰もが「MP3」と「デコーダ」の意味を知っていることを前提にしています。ところが10年後、MP3が誰にも顧みられなくなっていることはないといったい誰にわかるでしょう?
 
年齢差別をすべきではありませんが、ポジショニング・ステートメントをあなたの両親が理解できるかどうかが試金石です。―― あなたの両親がコンピューター・サイエンスの教授ではないと仮定して。

 4. ためしに反対語にしてみよう

「拡張性、安全性、操作性に優れ、処理速度の速いソフトウェア」
こんな謳い文句の製品の仕様書を、これまで何度、目にしたことでしょう。こんな形容詞を使う企業は、「拡張性、安全性、操作性に優れ、処理速度の速いソフトウェア」を自負する企業がほかにはないとでも思っているのでしょうか。

競合企業があなたが使おうとしている形容詞の対義語を使っているのでないかぎり、その言葉には意味はありません。拡張性がなく、漏洩しやすく、使いづらく、処理速度が遅い、というメッセージを少なくとも私はこれまでに、目にしたことがありません。

 5. メッセージを段階的に広めていく

仮に、あなたが完璧なブランド・メッセージを創りあげたとしましょう。おめでとう! 次の仕事は、あなたのメッセージを組織全体に広く知らせていかなければなりません。

多くの企業のマーケティング部は、ひとたびプレスリリースを発表したり、広告を出したりすれば、世界中にそのメッセージは伝わったものだと決めてかかっています。ところがその実体は、企業内ですら全体化されていません。まずは取締役に通知し、順を追って知らせていき、受付職員のトリクシーさんやビフ君にまで、社内の全従業員が、かならずブランド・メッセージを理解しているように、徹底させましょう。

 6. 反応を検証する

あなたは自分の送ったメッセージを理解していても、それを受け取った人が、そのメッセージから何を理解したかは、実際にはわかりません。

ですから、これを試してみてください。メッセージを送ったら、そのメッセージがほんとうはどのようなことを訴えているのか、相手に聞いてみるのです。そうすればあなたにも、そのメッセージがどのように受け取られたか、知ることができます。

結局のところ、メッセージとは、あなたが何を言うか、よりも、みんなが聞いたものは何だったのか、の方が重要なのです。

 7. 広告を重視するのではなく、多くの人に高く評価される努力を

多くの企業は広告を通じてブランドを確立しようとして、巨額の資金を浪費しています。多すぎる資金は少なすぎるよりも悪いもの。あまりに多額の予算があれば、スーパー・ボウルのCM枠を購入するような、ばかげたことをしてしまいます。

ブランドは、みんながあなたのことをどう言っているかによって築きあげられていくものです。あなたが自分のことをどう言っても、それがブランドにはなりません。みんながあなたことを高く評価をしてくれるのは、
(a) あなたがすばらしい製品を提供してくれたとき
です。そうしてあなたがすべきなのは、
(b) その良い評価を、みんなの手で広めてもらう
ことなのです。

 8. 人間性を持たせるよう努力する

すばらしいブランドというのは、深い人間性を備えています。あなたの製品が、市場の一部ではなく、あたかも人格を備えた人間であるかのように、口にされるのです。
「私のiPod」「ぼくのマック」「俺のハーレイ・ダビッドソン」「私のコーク」というふうに。

それに対して、人は誰も「私のマイクロソフト・オフィス」とは呼びません。だから私はマイクロソフトが偉大なブランドだとは呼べないのです。もっとも子供たちは「ぼくの Xbox 」と見なしていますが。マイクロソフトにとっては気の毒なことですが、「 Xbox 」と「マイクロソフト」は、緊密な関連があるようには思われていないのです。

では、ここで一歩離れて、6万4千ドルの質問を自分にしてみてください。
「もしマーケティングにまったくお金を使わなければ、我が社のブランドは認知してもらえるだろうか。ブランドが何を言おうとしているのか、理解してもらえるだろうか?」

というのも、現実の社会でのマーケティングとは、「マーケティングに多額の予算は計上できないから、自社のブランドは、制作会社にまかせよう」となっているからです。

何十年にもわたって、アップル社は多額の資金を費やして、「力」を象徴するマッキントッシュ・ブランドを確立しようとしてきました。
ところが何十年にもわたって、消費者はマッキントッシュ・ブランドとは、使いやすさの代名詞だ、と信じてきたのです。

結局のところ、あなたも現実の社会の流れに身を委ねるしかないし、その流れがなんであろうと、それをありがたく受け取るしかありません。

著者:ガイ・カワサキ


元記事:https://www.linkedin.com/pulse/how-establish-your-brand-message-guy-kawasaki?trk=prof-post

(翻訳:服部聡子)

あなたのブランドにお客様を「参加」させよう

(※この記事は”https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand”を翻訳したものです)

by ディビッド・アーカー

もしあなたのお客様があなたのブランドに参加したい、と考えていたらどうでしょうか?

それも、競合よりも優れたブランドだからあなたのブランドを選んだ、というのではなくて、同僚や友だち、パートナー、同じベンチャー企業のチームメイトとして「参加したい」と感じてくれたら?

「人間関係」という言葉が意味するものを考えてみてください。
人間関係というのは、教えたり、説得したり、という関係から始まったとしても、やがて、ともに仕事をし、同じゴールに到達する関係へと変化していきます。

どちらがより有意義で、楽しく、永続する関係でしょうか?
「ブランドに参加する」というのは、比喩的な表現ですが、そう感じてもらうためには2種類の方法があります。

スイート・スポット・プログラム

ブランドの側がお客様に、当社のブランドや製品にはこんな利点がある、と教えても、スイート・スポットは生じません。そうではなくて、お客様の興味や活動、情熱に目を向けていれば、お客様の側が見つけてくれることで、スイート・スポットが生じます。

お客様のスイート・スポットを刺激するプログラムを企画したり、考案したりしながら、そのプログラムで、ともに活動するパートナーとなっていくのです。

乳ガン撲滅のためのエイボン・ウォークは、お客様の乳ガンの経験を理解し、彼らの活動的なライフスタイルに共感していく、という趣旨のプログラムです。参加者やサポーターとして、誰もが進んで参加したくなるようなプログラムとなっています。

また、パンパースの「ラブ、スリープ&プレイ」キャンペーンは、赤ちゃんの成長を5段階に分け、その各段階ごとの情報が提供される、人気の高いものです。そこでは仮に、お客様が実際にはおむつに関心がなくても、赤ちゃんの世話という心躍る体験を共にするパートナーとして、迎え入れてもらえます。

「スイート・スポット」プログラムは、スイートスポットを作るためのものではありません。ブランドが、顧客のパートナーでありさえすれば、自然に企画されているプログラムなのです。

ホーム・デポと「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」(※世界中で住環境問題に取り組むNPO)との関連を考えてみてください。ホーム・デポは、資材や熟練作業員の提供、店内に設けられた告知板や住宅建築プログラムなどを通じて、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」のパートナーとなっています。その結果、ホーム・デポのブランドは、「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」の支援を通して、とても良い刺激を受けているのです。

高い目標を掲げる

社会的意味のあるプログラムをサポートすることを通して、企業自体もより高い目標を掲げるようになったところは、驚くほど多くあります。民間企業が社会問題に取り組んでいることを広く認められることによって、その企業に社会的意欲が生じてくるのです。

自分たちにはそれができる、そうしなければならない、という気持ちが生まれ、従業員も自分の仕事に手応えを感じることができる。さらに、お客様の側もブランドに対して、尊敬の気持ちや好意を抱くようになり、さらにはその高い目標をシェアし、彼らと共に行動しようという情熱を持つようになるからです。

ユニリーバは他社との差別化を図るために高い目標を掲げる企業の中でも、最先端に位置しています。

一例をあげると、ユニリーバには、持続性(ユニリーバの持続可能な生活プラン)、子供たちにより良い未来を(口内の健康と栄養のためのプログラム)、第三世界の病気を撲滅するための運動(2012年、200万人が参加した、手洗いプログラム)、女性が自尊心をはぐくむこと(ダブの「ほんとうの美しさ」キャンペーン)などの目標を掲げた、さまざまな取り組みがあります。

それぞれのキャンペーンや運動は、それに関わった人々が、自分の態度を改めたり、行動を変えたり、そのことを話題にする活動を通して、ユニリーバの活動に積極的に加わることができるようになっています。

また、「持続可能性」という目標も、広く採用されるようになっています。ウォルマートやマクドナルド、コカ・コーラのような、一見関係のなさそうな企業も、明確な差別化を図るために、持続可能性という目標を掲げ、消費者が購買習慣や生活習慣を変える活動に参加する機会を提供しています。

ホールフーズ・マーケットは、高品質の自然食品や有機食品を提供するだけでなく、「地域コミュニティをサポート・貢献し、本物の食への愛と喜びをともに祝うために、お客様に喜びと滋養を与える」という、高い目標を掲げる企業です。

ヘルシーな食材で料理することに関心のある人なら誰でもホールフーズ・マーケットの探求に「参加する」ことができます。単にオーガニックの食品があるからそこへ行く、という行為とは、質的に異なることはおわかりでしょう。

「ブランドに参加する」というコンセプトは、顧客のスイート・スポット・プログラムと、高いブランド目標の設定という2種類の方法で精力的に展開できる、強力なものです。

ブランドとお客様の絆は、企業にとってはブランドの構築を刺激するものであり、お客様の側からすれば、ブランド・ロイヤルティの核心をはぐくんでいくものです。その絆こそがブランドの最高の資産なのです。

 

 

著者:ディビッド・アーカー(経営学者、コンサルタント、著述家)


元記事:https://www.linkedin.com/pulse/20141201192257-2171492-how-to-encourage-customers-to-join-your-brand

翻訳:服部聡子
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

保護中: ブランドイメージはどうやって作る? 今から始めるマーケティング

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ジェイ・エイブラハムのブランディングについての考え方

Q:ブランド化というと、どうしても伝統があったり資金力が必要なイメージがあります。資金もなく新しく創業したばかりの零細企業にはブランド力はありません。どうすれば良いのでしょうか?

 

A:
「ブランディング=ブランド化」とは、エルメスやロレックスのような高額の商品だけを指すわけではありません。宮内庁御用達のような特別な逸品だけがブランド力を持つというわけではないと、ジェイ・エイブラハムは言います。

商品がブランド力を持つ場合もあるでしょう。しかし今はオンラインで一円でも安いものを比べて買える時代です。たとえ高級ブランドの名前がついた商品であっても価格崩壊が続きます。価格競争に巻き込まれてしまわないことが、最も重要な「ブランディング」です。

では、どのように資金力も伝統もない会社が、ブランド力をつけることができるというのでしょう?
それは、「関係性」です。顧客への接し方、圧倒的な価値提供の姿勢、ベネフィットへの探求、社会へ与えるインパクトの強い信念、など、あなた自身の「行い」を他とは比べようのないほどのものにするのです。

そんなことをしていると時間が足りないとでも?
案ずるより産むがやすし。やらない理由を述べている時間が無駄です。まず何が自分に徹底してできる貢献なのか。自分の能力でひと様に感謝してもらえることは何か。ひとは金銭を払うということは「価値」の対価として支払っています。徹底した価値の創造があれば、あなたの会社は圧倒的に他が追随できないほどのブランドを手に入れることができます。

ブランド力を持つ商品を扱うよりも、あなた自身の価値をブランド力化する方が、絶対に廃れることはありません。あなたがどんな仕事に就こうとも、あなたの扱う商品が変わろうとも、あなたの信頼は、決して揺らぎません。

 

そのように、ジェイは厳しく説くのです。

______________

島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの
東アジアディレクター(交渉代理人)。日本独占エージェント。
ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

 

 

ビール会社の差別化:飽和市場で成長するための挑戦

ビール会社の差別化:飽和市場で成長するための挑戦

「あえて敵を作る」差別化で飽和市場を成長させるビール会社
 
こんにちは、トイアンナです。イギリスで有名な飲み物といえばビール。
日本でもパブのチェーン店がいくつもありますね。
イギリスではパブが駅ごとに1~2軒は立っており
「ちょっと一杯」にふさわしいカジュアルな社交場となっています。
 
ここまでの情報を踏まえ「イギリスで新しいビールブランドを作る」という企画があがったら、
マーケターとしては警戒するところです。
市場はすでに飽和している可能性が高く、今更ビールを飲みたい人口も増えない場所で、
他のシェアを奪うのは難しいでしょう。
 
ところが、私の至らぬ予想に反し、イギリスに1285軒存在する
小規模クラフトビール業界は、昨年比で10%も成長しています。
その背景には過熱した市場でも生き抜く、斬新なマーケティングが息づいています。
今回はその中から、「グローバルに成功している500社」へも選出され
最大の成功を収めているブリュードッグ(BrewDog)社について研究してまいります。

始まりはビールの最強の度数対決

ブリュードッグ社は2007年創業。
当時イギリスへ日本のアサヒが進出し
「ビールはアルコール度数が薄い楽な飲み物」のイメージが広がっていました。
そこでブリュードッグ社はあえてその逆を行く「世界最高度数のビール」、
タクティカル・ニュークリア・ペンギン(戦術的なペンギン核兵器)を生み出します。
 
商品名からしてその個性が際立っていますが、強烈なのは32%のアルコール度数。
ブリュードッグ社が「今までと違う」と印象付ける最高のマーケティング戦略でした。
 
とはいえ、当時ブリュードッグ社が知られていた理由は「最強の度数」に過ぎません。
ドイツのライバル企業がすぐさま「ショルシボック40」という40度のビールを出したこともあり、
このままではすぐ埋もれてしまう運命にありました。

秘密はあえて敵を作るマーケティング

そこでブリュードッグ社は単なる度数勝負を超える、次の一手を打ちます。
 
新製品はその名も「ザ・エンド・オブ・ヒストリー(歴史の終焉)」。
度数も55度ともはや標準的なウイスキーを超えてしまったのですが、
何より度肝を抜いたのはビールボトル。
リスのはく製でビール瓶を包んで販売したのです。
 
※ 実際の商品画像はこちらからご覧いただけますが、動物が好きな方はご注意ください。
 
元々イギリスは動物愛護団体も多く、
過激派は「インフルエンザウィルスにも生きる権利はあるから風邪薬を飲むな」と運動するほど
他の生命を大切にする国民性を持っています。
 
そんな中でリスのはく製を売ったものですから、動物愛護団体は激怒。
「安っぽいマーケティングだ」「死骸のビール」と散々なバッシングを受けました。
 
しかもこのリスのはく製ボトル、お値段は、約86,000円と超高額!
手軽な消費財であるべきビールではありえない金額設定も考えると、
小心者の私など「よく社内稟議を通ったな……」と当時を想像してはハラハラしてしまいます。
 
ところが、市場に出てからは大ヒット。
確かに動物愛護団体や心の優しい人は激怒しましたが
「パンク」と呼ばれるタブーを壊すことに抵抗のないファンが急増。
ブランドイメージとして「パンク」の称号を手に入れたブリュードッグ社は差別化を成功させ、
同ビールも瞬く間に世界中へ出荷される大ヒットとなりました。

ブランドイメージを守れば、ファンができる

お客様満足度100%。聞こえはいいですが、そんなブランドには敵がいません。
「なんでそんなものを買うの? 信じられない」と思う層がいないブランドは
無個性の塊として、そのうち忘れ去られてしまいます。
日本の巨大ブランド、たとえばdocomoやJALであっても
強烈な信者とアンチがいることによってブランドが保たれているのです。
 
ただしブリュードッグ社のように成功したいのであれば、
大切なのは斬新なアイディアが浮かんだときにブランドイメージから逸れないよう気を配ること。
ブリュードッグ社はブランドイメージを「パンク」にしていたがために、
今回取り上げたようなタブーを無視するアイディアが大成功となりました。
 
しかし同じ案を「伝統的・保守的」と思われたいビール会社が行っても
絶対にヒットしないでしょう。
斬新なアイディアは保守的なブランドにも存在します。
たとえばイギリスの女王陛下が美味しそうに飲み干すビールのCMが流れたら、
保守的であるにもかかわらず「ちょっと飲んでみようかな」と興味をそそられないでしょうか。
 
業界の革命児になって大成功を収めたいのであれば、
革新的なアイディアをブランドイメージに則って実行すること。
そして常に他社事例から学び、アイディアの幅を広げることです。
 
ブリュードッグ社の事例は2016年9月発売の
『ビジネス・フォー・パンクス ルールを破り熱狂を生むマーケティング』に詳しくありますし、
世界最高の広告を表彰するカンヌ国際広告祭の受賞作はYoutubeで見られるものも多くあります。
常にインプットを楽しみ、あなたの戦略に役立ててみてください。
 

参考文献:

『Good Beer Guide 2015』

 

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トイアンナ:

大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。

ブログ:http://toianna.hatenablog.com

新著に『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書)

売上を6割上げた奇跡の旅館に学ぶ「競合」の考え方

こんにちは、トイアンナです。
これまで何回か競合分析の方法についてお伝えしてまいりました。
「あなたの奥様を好きになる男は誰?」競合分析とは
今回はさらにステップアップして「意外な競合」の見分け方をお伝えします。

旅館の競合は「予備校」だった!?

ここで例題を出させていただきたいのですが、旅館の「競合」には、どんなものがあるでしょうか? 1分かけて考えてみてください。多分みなさまが思い浮かべる競合には、こういったものが含まれると思います。
・ホテル
・民宿
・キャンプ場
今なら、AirBnB といって一般の方がインターネットで募集して空き部屋に観光客を泊まらせるいわゆる「民泊」も盛り上がっていますね。

これらが競合であることは間違いないのですが、さらに思考の幅を膨らませて旅館とは『休みを過ごす場所』として価値があると考えてみましょう。そうすると、同じ『休みを過ごす場所』の競合が浮かび上がります。たとえば……。
『休みを過ごす場所』で競合する相手
・海外旅行
・予備校
・テーマパーク
・別荘
・テレビゲーム
・本
こうして見るともともと「競合」と考えていた企業とは全く関係ない企業が、競合になる可能性があることがわかりました。
子供の成績が下がれば、「旅館に泊まるのはやめて、そのお金で予備校に通わせなくちゃ」と親は考えますし、気になるマンガを一気に買ってしまったら、全巻読破するために休日を家で過ごすかもしれません。

婚約指輪の費用がかさむと旅館が閑古鳥になる

同じように旅館を今度は『大事な1日を過ごす場所』と捉えてみましょう。
『大事な1日を過ごす場所』で競合する相手
・高級レストラン
・葬儀のプレミアムプラン
・婚約指輪
・ビーチリゾート
・結婚式場
たとえばドラマでハワイのチャペルで挙式を行うシーンがヒットしたとしましょう。結婚を考えているカップルが海外へ流れてしまうので、日本の旅館は不利になります。婚約指輪の予算を増やしたら、その分新婚旅行で使う旅館へのお金はグレードダウンしてしまうかも。
このように「限られた予算でどこへお金を割くだろうか」と考えると、さまざまな競合が明らかになってきます。

奇跡の復活を遂げた旅館の競合分析

実は「優れた競合分析」ができたおかげで、売上を6割アップさせた「奇跡の旅館」があります。神奈川にある旅館Mは、もともとオーナーの本業が部品の製造業。旅館は製造業のお客様をもてなす「迎賓館」としての扱いでした。そのため一時は借入金が売上の3倍に膨らみ、オーナーの病没後は経営危機に陥っていました。しかしそこで新オーナーとなった息子さんは旅館を「他のホテルや宿泊施設」と戦わせない決意をします。交通の便が悪い旅館Mでは、太刀打ちできなかったからです。

その代わりに新オーナーが取ったのは、旅館を「特別な1日を過ごす部屋」として見直すことでした。実はこの旅館、かつて明治天皇陛下がご宿泊された部屋がありました。倒産直前の時期はその部屋を見学できる場所としていましたが、方針を一転。「天皇ゆかりのお部屋に泊まることができる」ことを売りにしました。泊まることができるだけならお客様も迷われたかもしれません、しかし新オーナーはさらに贅を尽くした料理を提案。チャレンジ試食回として原価を気にせずシェフへ新メニューを提案してもらい、最上級のコースでおもてなしする素地を作りました。

ただの高級レストランやホテルであれば、都内にいくらでも溢れています。しかし「天皇陛下がご宿泊されたお部屋」に自分も泊まり、最高の料理で「特別な1日を過ごす」場所であればどうでしょうか。結果として旅館Mへは富裕層や新婚旅行のお客様だけでなく、金婚式・銀婚式のご夫婦が多数来訪。売上は6割アップし、倒産の危機から一転、奇跡のV字回復を果たしました。

この成功は、あなたの成功事例にできる

旅館Mの成功事例は、決して他人の成功ではありません。あなたのお届けしている商品やサービスの「本当の競合」を考え直すだけで、ブレイクスルーとなる戦略を立てることができるのです。

ここからはぜひお客様が使う「時間」や「お金」という複数の目線であなたの競合分析してみましょう。
最後に例題を残しておきますので、私の書いたリスト以外にも競合を書き足してみてください。

・ 携帯充電器の意外な競合例
「いますぐ充電したい」という視点なら……電源プラグつきカフェ、友達の家、終電の遅い電車
「誰かに連絡を取りたい」という視点なら……ネットカフェ

・ 居酒屋の意外な競合例
「お酒を安くたくさん飲みたい」という視点なら……お酒のデリバリー店、業務用酒屋
「人に話しを聞いて欲しい」という視点なら……愚痴聞きサービス、カウンセリング、占い
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ファイル 2016-03-04 15 23 20トイアンナ:

大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。

ブログ:http://toianna.hatenablog.com