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本:『理想のチーム・プレイヤー』

The Ideal Team Player: How to Recognize and Cultivate The Three Essential Virtues

『理想のチーム・プレイヤー 3つの重要な長所をいかに認め 伸ばしていくか』

著者 パトリック・レンシオーニ
 
かつて『あなたのチームは、機能してますか?』で、著者のパトリック・レンシオーニは、
チームワークを破壊し、集団行動を危機に陥れる行為といかに闘うか、独創的なアプローチを示しました。
本書では、個々のメンバーに焦点を移し、理想的なチーム・プレイヤーに欠くことのできない、3つの長所を明らかにします。
 
『理想のチーム・プレイヤー』においてレンシオーニは、ジェフ・シェインリーという架空の登場人物の物語を描きます。
彼は、チームワークを大切にする企業文化を、懸命に復権させることによって、危機に瀕した叔父の会社を救ったのです。
 
ジェフは、現実のチーム・プレイヤーが備えている「3つの長所」という暗号を解読しなければなりませんでした。
そうして、その長所に基づいた企業文化によって、従業員の雇用と育成を図ったのです。
 
物語を超えて、レンシオーニは、人を見抜き、雇用し、理想のチーム・プレイヤーへと育成する、
実践的な体制づくりに向けた、実行可能な手段を提供します。
 
あなたがチームワークに基づく企業文化の創造を目指すリーダーであるにせよ、
また、自分自身を成長させようとするチーム・プレイヤーであるにせよ、
本書は、きわめて魅力的であると同様に、実用的であることも、実証されることでしょう。
 

 


元記事:http://goo.gl/RMjE5I

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本『スプリント』

Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days

『スプリント:大きな問題を解決し 5日間のテストで新しいアイデアをテストする方法』

著者 ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー ブレイデン・コヴィッツ

 

グーグル・ベンチャーズの3人が、これはすでに100社以上の企業によって実証されている、

難問を解決するためのユニークな5日間のプロセスを明らかにします。

 

起業家やリーダーは、日々、大きな問題に直面しています。

全力を尽くさなければならない、もっとも重要な箇所はどこか。

どのように始めるか。

あなたのアイデアは、現実社会ではどのようなものなのか。

これで間違いないと確信できるような、間違いのない解決策を立てるためには、

何度会議を開けばよいのか。

 

こうした重要な問題に答えを出すために、確実な方法がひとつだけあるのです。

「スプリント」はデザイナーであるジェイク・ナップが、

グーグル社で作り上げた、5日間のプロセスです。

そうして、その「スプリント」は、グーグル・サーチからグーグルXへと至るまで、

あらゆる場面で使用されてきました。

 

ナップはグーグルブレイドン・コヴィッツと、ジョン・ゼラツキーの所属する

グーグル・ベンチャーズに加わりました。

そうして彼らは100種類以上のスプリントを、モバイルやeコマース、

ヘルスケア、金融、その他の企業とともに、完成させていったのです。

 

ビジネスの厳しい質問に答える実践的なガイドである『スプリント』は、

小さなスタートアップから、フォーチュン100に選ばれるような企業にいたるまで、

そうして教師から非営利団体にいたるまで、

あらゆる規模のチームのための本です。

 

大きなチャンスをつかもうとしている人、

今、答えを出さなければならない問題やアイデアのある人など、

誰もの助けとなるでしょう。

 

 

 


元記事:http://goo.gl/21OUsq

(翻訳:服部聡子)

 

 

本『オリジナルな人々』

Originals: How Non-Conformists Move the World

『オリジナルな人々:非協調的な人間が世界を動かす』

著者:アダム・グラント

 

ニューヨークタイムズのベストセラー

『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の著者が

新たに探求しようとしたのは、

人々が新しいアイデアをどのように支持し、

指導者が組織の中に生まれたオリジナリティの萌芽を、

どのように育てていくのか、ということでした。

 

『GIVE&TAKE』を通してアダム・グラントは、

成功についての新しい考え方を紹介しただけでなく、

同時に同時代の中で、もっとも魅力的で刺激的な思想的リーダーとしての

地位を確立しました。

 

この『オリジナルな人々』の中で、彼はふたたび世界を良くすることに挑戦しているのですが、

今回はオリジナリティを持つ、という視点からアプローチしていきます。

新しいアイデアや、生まれつきのものに逆らい、

慣習と戦い、伝統にあらがうことの価値に焦点を合わせるのです。

 

どうしたらリスクを冒すことなく、新しい思想やポリシー、実践を

創出することができるのでしょうか。

 

ビジネス、政治、スポーツ、娯楽などのさまざまな分野にわたる

驚くべき研究と、ストーリーを活かしながら、

グラントは良いアイデアを認識する方法や、

言葉に詰まらずに話し続ける方法、

提携関係を築く方法、

行動するのにふさわしい時を選ぶ方法、

不安感や疑念をうまくなだめる方法、

さらには親や教師は子供の創造性をどのように養ったら良いのか、

リーダーはいかにして集団思考*と戦うべきか、

(※まとまりの強い集団では、意思決定の際にまとまりを重視するあまり、現実的でない判断を下してしまうこと)

反対意見をいかに歓迎すべきか、などを探求していきます。

 

自分のスタートアップに投資しない理由に焦点を当てて売り込みを行う起業家、

アップル社で3ランクも役職が上のスティーブ・ジョブズに異議申し立てを行った女性、

CIAの守秘義務を破ったアナリスト、

自分に対して批判を行わない従業員をクビにした金儲けの天才、

番組の仕事はしなかったけれども、当時人気のなかった「となりのサインフェルド」を

お蔵入りにさせないで、後の大ヒット番組を救うことになったTV局の重役、

こうした人々から学んでください。

そうすることによって、大勢順応主義を振り捨て、現状を前進させていく、

画期的な洞察力を手に入れることができるでしょう。

 

 


元記事:http://goo.gl/R6DAk5

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

 

 

 

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新時代のチームに求められるもの

by クリス・フッセル

 

 

高度25,000フィートで航空機の貨物ドアが開く。

闇と冷気が押し寄せ、

航空機のランプに立った特殊作戦部隊の周囲で渦を巻く。

いつでも飛び出せる構えを取っているチーム。

リーダーは暗視ゴーグル越しに闇をのぞき込む。

あそこだ! 

リーダーは片手でさっと闇の中の一点を指さす。

チームは躊躇することなく、黙ったまま闇の中に身を躍らせる……

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私たちの多くは、これまで選び抜かれた精鋭部隊について読んだり、

映画で見たりしてきました。

もしかしたらあなたもその中の1人かもしれません。

精鋭チームは大試合で勝利を収め、緊急治療室で命を救い、

世界中の紛争地帯で戦っています。

事実、状況を成功に導こうと思えば、

きわめて効率の高い少数精鋭部隊を作りだすだけで十分だった時代があったのです。

たとえば軍隊では、個々の戦闘部隊が、遭遇する敵より強ければ、確実に勝利できます。

つまり戦争に勝つかどうかは、部隊をもっとも効率的に配置できるかどうかにかかっていたのです。

 

アメリカの軍隊は、20世紀を通じて、効率性を至上とする階層構造を構築してきました。

上級幹部は、小部隊をどこに、どのように配備すべきか見定めます。

そうして若いリーダーは、戦場で少数精鋭部隊を率いて戦うことに集中するのです。

官僚機構は効率と管理を目的に、設計されました。

上意下達式の情報統制は、究極的には権力がどこにあるかを示すものにほかなりません。

このリーダーシップ・モデルは、とりわけ特殊作戦部隊で大きな効力を発揮します。

対処の困難な脅威は、世界中に存在しましたが、

そうした脅威も、それぞれが孤立したタコツボのようなものでした。

ですから、極めて効率的な少数精鋭部隊が、決定的な解決となったのです。

けれども、アルカイダによる9.11の攻撃以降、

特殊作戦部隊が理解したのは、21世紀の問題が抱える複雑さは、

20世紀型アプローチでは解決できない、ということでした。

情報が怖ろしい速さで伝播し、個々の人々が急速に相互に結びつくことによって、

まったく新しい型の戦場が出現したのです。

リアルタイムで相互に結びつき、増殖していく敵は、

強力ではあっても、対応に時間がかかる官僚的な機構の裏をかいて、

新たなネットワークを構築してきました。

携帯電話やユーチューブのアカウントさえあれば、

誰でもこうしたネットワークに参加できるのです。

少数精鋭チームの能力に頼るだけでは、解決できなくなってしまったのです。

 

あなたのチームのパフォーマンスを高めよう

 

今日における特殊部隊の重要な第一歩は、

私たちの経営モデルをシフトする必要がある、と認識することです。

トップダウン型の指揮、能率至上主義的な官僚機構の代わりに、

私たちは自分をネットワークに繋げていかなければなりません。

かつて私たちが下していた指令は、少数精鋭のチームの有効性を、

企業全体へと敷衍し、拡大していくことでした。

大勢のリーダーが、それぞれにチームを率いる代わりに、

私たちは自分自身をひとつのユニットとして、

広範なネットワークに繋げていかなければならないのです。

私たちは縦割り組織の仕切りを取り除いて、

情報の共有や、リーダーシップ、コミュニケーションについての

思い込みを変えていかなければなりません。

 

情報が、小さなグループ単位で細切れにされていたところであれば、

グループ間の境界を取り払い、可能な限りシェアするようにします。

ユニット同士が壁で仕切られ、隔てられているところであれば、

私たちのオペレーション・センターと地上部隊は、

民間の諜報員、特殊工作員、提携相手の混成になっています。

 

かつてコミュニケーションが、組織の中の2点間通信であったのなら、

私たちの時代のコミュニケーションは、世界中の数千もの人々が最新の情報を聞き、

利用できるテレビ会議システムから始めなければなりません。

数年間の変化ののち、私たちは分散型ネットワークのスピードと俊敏さを適用するようになるでしょう。

これは、今日の世界では、どんな大きな組織でも必要なモデルです。

かつて企業は垂直的なグループを効果的に作ることに専念すれば、

競争を制することができました。

けれども今日の世界で、ネットワークモデルを用いているリーダーは、

個々の戦いに目を向けたままの競合を、すばやくしのぐことができるのです。

 

重要なのは、特殊部隊は組織を少しも変更することなく、

この転換を行おうとしたことです。

そうして精神面や、コミュニケーション、リーダーシップの転換を図ったのです。

組織に真の力を与え、ネットワークとして考え、行動し、動けるかどうかは、

今日のリーダーにかかっています。

それは、トップから始まる、精神的な転換なのです。

ネットワークモデルを採用するためには、あなたの組織は、以下のステップが必要です。

 

1. 他チームとの提携を構築する

あなたのチームは、組織の戦略的なビジョンに関して、

本当の意味で意志一致ができているでしょうか。

私たちの場合、できていませんでした。

そのため私たちは戦闘地域の真ん中で、動けなくなってしまったのです。

チームが異なれば、組織に対するビジョンにも違いが生じ、競い合うことにもなります。

その結果、互いに食い違った行動を取ることにもなってしまいます。

提携することなくしては、複雑な問題を解決しようとしても意味がありません。

なぜなら、ネットワーク化された複数チームのうちのひとつとして、活動できないからです。

 

2. 一体感と透明性を推進する

複雑な世界の中で、ものごとは従来のシステムではあまりに速く、動き、変化するために、

従来の機能的チームでは、とらえることができません。

大勢の人を現実のコミュニケーションに引き込めば引き込むほど、

さまざまな観点からのリアルタイムの洞察が集まり、

問題を、より素早く、より正確に解決することができます。

 

3. 共感を持って指導する

あなたに従う人の動機と視点を理解することによって、

あなたはより有能なリーダーになることができます。

トップダウンの時代の「従うか、出て行くか」というリーダーシップの時代は終焉しました。

ボトムアップ式に浮かび上がってきた知識は、創造的なアイデアを組織に蓄積することになり、

さまざまな視点を理解することが、あなたのネットワークをより良いものとし、

情報の裏付けのある決断をさせてくれます。

 

すばらしい力をたくわえた小さなチームは、もはやあらゆる難題の解決とはなりません。

巨大な組織が、ヘルスケアから軍事装置にいたるまで、小さなチーム同様に、

すばやく効率的に動ける組織へと、移行していかなければなりません。

一連のチームを有機的に提携させたチームを導くことが、

21世紀を勝ち抜く戦法なのです。

 

 

 

ハーバード・ビジネス・レビュー


元記事:https://hbr.org/2015/07/make-your-team-less-hierarchical

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

本:『チームのチーム』

Team of Teams: New Rules of Engagement for a Complex World

『チームのチーム:複雑さをます世界に向き合うための新しいルール』

著者 スタンリー・マクリスタル将軍

 

 

小さなチームが持つ素早さ、順応性、結束力。

これと、大きな組織が持つ力とリソースを組み合わせることができたらどうでしょうか?

 

古いルールはもう通じない

2004年、スタンリー・マクリスタル将軍が

統合特殊作戦のタスクフォースの指揮を引きついだとき、

それまでの軍事戦術はすでに力を失いつつあると、すぐに気がつきました。

 

イラクのアルカイダは分散型のネットワークであり、

機動力が高く攻撃は無慈悲で、そして現地の民衆の中にすぐに姿を消してしまうのでした。

有志連合は兵力、武装、訓練の面において圧倒的な優位にありましたが、

そのどれをも無力化してしまうのでした。

 

巨大な怪獣に臨機応変は可能か

どんな分野においても、小さなチームが様々な面で優位に立てることは明らかなになっています。

反応が速く、情報伝達が活発で、意思決定が官僚主義的に束縛されていないのです。

ですが、本当に大きなミッションに立ち向かう組織は、

小さなガレージには入りきれません。

そのような組織には、メンバーが数千人に増えても

任務を遂行できるマネジメントの存在が必要なのです。

 

マクリスタル将軍が率いていたのは階層的で、

高度に訓練され機械のように運動する数千人の組織です。

ですが、イラクのアルカイダを倒すためには、

敵の持つそのスピードと柔軟性が必要だったのです。

世界最強の軍隊の力と、世界最怖のテロリスト・ネットワークが持つ素早さを組み合わせるのは、

一体、可能だったでしょうか?

もしそうなら、その方法を軍事組織以外にも適用することはできるのでしょうか?

 

新しい世界のためのアプローチ

マクリスタル将軍と同僚たちは、厳しい戦闘の最中に、

1世紀に及ぶそれまでの知恵を捨て去り、

タスクフォースを新しいかたちに組み直したのです。

コミュニケーションの透明性を極限まで高め、意思決定を分散型にしたのです。

大型組織を分断する分厚い壁は取り去られました。

リーダーたちは、小規模なユニットが行う良い習慣に注目し、

テクノロジーの力で一体感を作り出して、

それを3つの大陸の数千人の人々に広げる方法を見つけ出したのです。

 

これは、たったの10年前でも不可能だったものです。

このタスクフォースがより速く、よりフラットで、より柔軟な「チームのチーム」となり、

アルカイダを撃退したのです。

 

戦場を越えて

パワフルな本書では、マクリスタル将軍と同僚がイラクで立ち向かった事態が、

ビジネスやNPO、その他の数え切れない組織の局面でどのように適応されうるか、説明します。

世界はこれまでにない速さで変化しているのであり、

組織の責任者が行うべきは、小規模なグループに実験的な行動を行う自由を与え、

その一方で、メンバー全員が学びを組織全体に共有することを奨励することです。

本書の例の中で説明するように、チームのチーム戦略は、病院の救急救命室やNASAなど、

あらゆる場所で効力を発揮してきました。

チームのチーム戦略は、大きさを問わず、組織を変身させる力を秘めているのです。

 

 

 


 

元記事:http://amzn.to/1Q2NGK3

(翻訳:角田 健)

 

性差別は女性ばかりでなく男性にとっても不利

by クリスチャン・ジャレット

 

 

どれほどあなたが自分をしっかり持っていたとしても

あなたの年齢や性別、人種や民族による特性に基づく周囲の判断からは、

逃れることはできません。

職場で、そこにいるのが男性か女性かというだけで、

周囲の人々がどれほど態度を変えているか、

心理学は多くの人々の日常の経験を通して、

さまざまな事例を明らかにしています。

とりわけ私たちが「性差別を行わない」という視点を欠いたまま

他人を判断する際には、

相手が男性であっても女性であっても、

偏見に基づく悪影響を受けている可能性が高いのです。

こうした偏見というのは、どのようなものなのでしょうか。

あなたの職場でも起こりうる5つのパターンを見ていきましょう。

 

1. 女性は正々堂々と意見を述べたり 怒りをあらわにすると罰せられる

専門職の女性は、自己主張することによって、

男性からも、他の女性からも、厳しい目で判断されます。

一例をあげると、ある研究によれば、男性及び女性の被験者は、

女性のCEOが積極的に主張し、自説を曲げない場合は、

能力を欠いており、リーダーの役割にふさわしくないと考える割合が高く、

男性のCEOに対しては、結果はまったく逆で、

寡黙で控えめな態度は、無能のあらわれであると見なされました。

怒りに対しても、同様の結果が得られています。

怒りは、コントロールされたものである限り、交渉や、

期待する働きをしていない人を奮起させる道具として、

重要な感情です。

ところがあなたが女性であれば、怒って感情をあらわにすると、

犠牲を払うことになります。

 

2008年の研究によると、怒っている男性は、男性からも女性からも、

高い地位にあり、有能な人と見なされたのに対し、

怒っている女性は、低い地位の、有能ではない人と判断されることがわかっています。

それだけでなくこの研究は、女性が怒りの原因を明らかにし、

なぜ自分が怒っているかに焦点を当てることによって、

反発を避ける戦略が可能であることも指摘しています。

このプロセスを経ることで、女性であることが、不利に働きにくくなるのです。

男女差別がある状況は、男性にとっても決して有利ではありません。

差別によって被害を受けるのは、男性も同様です。

たとえば面接の場で、控えめな態度を取っていると

「男らしくない」と評価されたりします。

2. 女性の上司の下で働く男性は偏見にさらされる

職場の機会均等によって、不可避的に女性の上司の下に男性がくることも増えました。

ところが性差に対する旧弊な見方から、

女性上司の下の男性は、特別な目で見られる傾向にあります。

とりわけその業界が、通常「男性の領域」にあると考えられる場合、

その傾向は顕著なものになっていきます。

これを明らかにした研究もあります。

被験者は「ある男性は建設業界で働いてるが、上司は女性」

という説明書きを読みます。

 

被験者は男女とも、彼は男性上司の下で働いている他の男性より、

賃金、地位ともに低く、いくぶん女性的である、と判断したのです。

(一方、女性社員が女性中心の業界で、男性上司の下で働いている、という仮定では、

そうした偏見にさらされることはありませんでした)。

私たちは、こうした男性が「男らしくない」と見なされる偏見が、

女性リーダーにとっても不利に働くことを見ておかなければなりません。

自分が男らしくないと見なされることを怖れて、

女性上司の下で働きたがらない男性も多いからです。

認めたくないことですが、これには実際的な解決策はありません。

ただ、いくつかの調査では、男性がステレオタイプの男性性を証明するものを

強調することによって、女性上司の下にいる男性に対する偏見は、

相殺されることが明らかになっています。

たとえばスポーツや車の話題を好んで口にするような場合です。

本当の解決策は、性差に対するステレオタイプを全面的に改める点にあることを思えば、

この解決案には不満を抱かざるを得ませんが。

 

 

3. 女性は失敗が予想される組織を任される傾向にある

重役のメンバーが、女性を含めて構成されている企業ほど

業績が良いことが実証されているにもかかわらず、

上級幹部の中で、女性が過小評価されるケースは、未だ極めて多く残っています。

イギリス企業を分析した心理学者は、彼女たちがトップに昇進するのは、

うまくいかなくなりつつある組織である傾向が高いことに気がつきました。

いわゆる「ガラスの断崖(※失敗の怖れが極めて高い地位)」と呼ばれる現象です。

このことが非常に顕著に表れたケースとして、

2009年、世界的な金融危機の中、未曾有の危機に直面したアイスランドの選挙で、

ヨハンナ・シグルザルドッティルが発の女性首相に就任した出来事が上げられます。

もうひとつ、同様の事例として、2012年マリッサ・メイヤーの

ヤフーのCEO就任も上げられるでしょう。

これは、危機に直面したときに、伝統的に女性の特質、

たとえばコミュニケーション・スキルが高い点などに価値が置かれるために、

このような作用が生じると考えられます。

けれども、このようなタイミングでのみ、女性が偏愛されている現象は、

沈没しつつある組織という毒杯を、女性に押しつけることの現れでもあります。

船が最終的に沈没してしまえば、女性だから、と非難しやすくなるのです。

 

 

4. 家族のために休暇を取る男性は弱いと見られやすい

職場環境の改革によって、出産や、病気の血縁者の介護のために

男性が休暇を取ることは(無給のものであることも多いのですが)

簡単になりました。

とはいえ、人々の態度はあまり変わっていません。

研究によれば、私たちの多くは、男性が優先すべきは仕事である、

という伝統的な価値観を抱いたままで、そうでない態度を取る人には、

否定的な評価を下しがちであることが明らかになっています。

研究者たちはそれを「フレキシビリティの汚名」と呼びます。

ある研究では、女性ではなく男性が、

子供や病気の親族の面倒を見るために休暇を取った場合、

被験者たちは厳しい判断を下す傾向が見られました。

休暇を取ることは、仕事に貢献することなく、

同僚に迷惑をかけていると受けとめたのです。

ラトガーズ大学の心理学者による最近の研究では、

同様の筋書きで、この「汚名」の理由の手がかりを探りました。

被験者は男性従業員と、人事部長の面談の記録を読みました。

病気の近親者の介護をするために休暇を申し出た男性は、

そうでない社員より、能力が低いと見なされ、

低賃金でもかまわないと判断されたのです。

その理由として、被験者は、男性女性ともに、

その従業員は意気地が無く、女々しいと判断したからです。

男性が家族のために休暇を取っても良い、という方針が導入されて、

まだ十分な時間が経っていない、ということなのかもしれませんが、

私たちの態度の面でも、改革が必要なようです。

男性が家族を優先することについての偏見をなくす1つの選択肢として、

父親に対して出産・育児休暇を強制的に取らせることが考えられます。

私たちは、女性の場合も含めて、家族の問題に関することでは

偏見にさらされることが少なくありません。

妊娠の場合は特にその傾向が強いようです。

妊娠すると女性の頭の働きが鈍くなるという通説が広まっていて、

調査によると、適性試験や面接の結果が同程度であっても、

妊娠中の求職者は、そうでない求職者より、職に就きにくいことが明らかになっています。

 

5. 女性は「情け深い性差別主義」に嫌な思いをさせられる

情け深い性差別主義は、実際には出来そうもないことに対して

表面的な親切をしてみせます。

たとえば、イギリスの国民保健サービスを考えてみてください。

女性のマネージャーも男性と同じように、トレーニングコースに派遣されます。

けれども、やりがいのある仕事、

たとえば大きな事件や緊急事態の際にどのように対処するかといったことを

まかせられることはほとんどありません。

研究者は、こうしたことが起こるのは、

決定権を持つ男性が、未だに女性は男性の保護を必要とすると考えているからだと

結論づけています。

昔ながらの情け深い性差別主義的な事例です。

学生と共におこなった追跡調査では、

最も挑戦的な役割に参加したいと希望する女性は、男性とほぼ同数であったことが

明らかになっています。

ジョージ・メイソン大学のエデン・キングと同僚は、この結果をふまえ

「女性の前進を抑えつけようとするのは、

従来からある性差別主義者の敵対ばかりではなく、

一見、思いやりのある決定や行動でもあると言えるでしょう」

と結論づけています。

***

心理学の研究には、伝統的な性差別的なものの見方に逆らおうとした男性と女性が、

どのように罰せられるか、という事例であふれています。

これらの偏見を打ち砕くには、時間がかかるでしょう。

けれども、単にこうした偏見に自覚的であるだけでも、

対抗するチャンスが生まれます。

性別に関係なく、自分の本当の潜在能力を発揮できるようになることが、

私たちすべてにとってのゴールです。

昨年、カナダとシンガポールの研究者が、オリンピックのメダルの国別集計を見たときに

はっきりとしたパターンが明らかになったのです。

男女平等がより達成されている国で、

男女とも、数多くのメダルを獲得していました。

 

 

 

 


元記事:http://bit.ly/1KRR0la

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『はい、そして』

Yes, And: How Improvisation Reverses “No, But” Thinking and Improves Creativity and Collaboration?Lessons from The Second City

『はい、そして ― どうして即興レッスンが 「いいえ、でも」 思考をひっくり返し、創造性と協調性を伸ばすのか セカンド・シティに学ぶ』

 

セカンド・シティとは、シカゴに本拠地を置く世界最高のコメディ劇団であり、

インプロビゼーション(即興)を教える学校でもあります。

そのセカンド・シティの重役である著者が、本書で明らかにするのは、

即興の助けを借りて、

さまざまな組織でイノベーターや、順応性のあるリーダーを育て、

また、ビジネスを転換させていくテクニックです。

 

コメディ劇団でつちかった即興のメソッド

 

50年以上にわたって、シカゴのコメディ劇団、セカンド・シティは、

ジョン・ベルーシやビル・マレー、ギルダ・ダドナー、マイク・マイヤーズ、

スティーヴ・カレル、スティーブン・コルバート、ティナ・フェイなど、

数多くのコメディアンを輩出してきました。

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それだけでなく、セカンド・シティは同時に、最先端の企業や、非営利的団体、公共機関に向けて、

ユニークなリーダーシップ・トレーニングを提供しています。

それらはすべて、創造力や協力すること、チームワークを高めることを目的としたものです。

 

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時代の移り変わりとともに、リーダーシップやチームワークのルールは、変わってきました。

一世代前に「専門的スキル」として通用していたものは、もはや通用しなくなりつつあります。

 

そんな時代に、セカンド・シティは、個人および組織に向けて、新しいツールキットを提供してきたのです。

ますますスピードを増し、ソーシャルコミュニケーションと脱中心化が進む世界で生き残るためには、

このツールキットが大きな助けになっています。

 

即興を学ぶことによって得られるもの

 

即興の8つの原則をもとにした本書『はい、そして』は、

ポテンシャルの高いリーダーとチーム作りに向けて、

以下にあげるスキルを伸ばすのに役立ちます。

 

  • さまざまな場面で、連携しながら、共同で創造する力を会得すること
  • 仕事への「はい、そして」アプローチを促進すること
  • パフォーマンスを高めるために、失敗を受け入れること
  • あとに続くことによって、聞く能力、学ぶ能力を引き上げること
  • 何もないところから何かを作りだすことで、イノベーションを学ぶこと

 

『はい、そして』は、プロフェッショナルと組織にとって、必読の書です。

今日成功するために必須のリーダーシップ・スキルを身につける助けになることでしょう。

 


元記事:http://amzn.to/1uF8aQF

(翻訳:服部聡子)