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ゴールが見えるから社員は走り出せる 全員が活躍したくなる会社とは

こんにちは、トイアンナです。
私は外資系企業2社で経験を積んでから、他企業の外注マーケターとしても活動しています。
フリーランスになってからは自分の足で営業することも増え、昨年だけで少なくとも50社は訪問いたしました。

その中で分かったのは、社員が生き生きと活躍している会社と「給料のためだから仕方ない」と割り切って働く会社は、部外者にも一目瞭然だということです。今回は社員がやりがいを持って働けている会社の特徴をお伝えします。

明確なゴールがあると人は頑張れる

社員が全力で走っている会社に共通していたのは数値目標の存在。
それも、直観的に現場社員がいつでも確認でき、
あとどれくらい頑張れば達成できるか見えている目標値です。
私が訪問した企業では、こういったものが例として挙げられます。

・来年までにライバルのA社を超えて絶対に1位になろう
・この部門で昨年比120%の売上を達成するぞ!

ライバルの○○に勝つといったシンプルな数字であることや、
部門別に割り振られた数字であれば、社員はすぐ
「今自分がどこにいて、あとどれくらい頑張ればいいのか」
を考えることができます。

ここまでご覧になって、「ウチにもそういう目標はあるな」と思った方も多いのではないでしょうか。
実はここからが肝心なパート。

社員が活躍する会社には、数値目標と一緒に「5つの神器」が揃っていたのです。

<社員が生き生きと働ける5つの神器>

①目標があいまいな言葉ではなく、数字になっている
② ビジネスの目標が個人レベルの数字に落とし込まれている
③ その数字は社員が自分で決めた数値である
④ 社員がその数字を達成することで、社員もスキルが手に入る
⑤ゴールを達成した社員には休みやボーナスを支給する

特に最後の「ゴールを達成した社員には休みやボーナスを支給する」については、
うっ……と考える方も多いのではないでしょうか。
私も会社を支援していたときよく見た光景ですが、
社員が1番やる気をなくすのはゴールを達成した結果、頑張っていない人より仕事を増やされること

これをしてしまうと
「ゴールなんて達成しないほうが仕事は減るから適度にサボればいいや」と考えさせてしまうだけでなく、
下手をすれば離職まで思いつめてしまう方もいます。

あなたはもし10kmマラソンを走り切った後で、あと5km走ってこい!と言われたらどう思いますか?
それが「数値目標がんばったな!じゃあ残った期間であと500万稼いでこいよ!」
と言われた社員の気持ちです。

生き生きと働きたくなる魔法のフレーズ

もしモチベーションを上げる道具が足りないのなら……
イベントや慰安旅行よりも手軽な風土改革の方法があります。

「目標達成おめでとう!ボーナス乗っけるから、楽しみにしておけよ」
「よく頑張ったな!ところでお前ちゃんと休んでるか? 今度部長に休ませるよう言っておくから、羽を伸ばしてきたらどうだ」

この2つだけでいいのです。
日本ではまだ一般化していませんが、海外ではボーナスの代わりに追加の休みを部下へ与える制度があります。
たとえば有給をチケット制など目で見えるものに変えて、自由に上司が追加できるシステムにするのもいいでしょう。

数値目標を設定すれば、浪費を減らすことができる

ここまで経営論に近い話をしてきましたが、実はこのゴール設計、マーケティングで欠かせない要素です。
社長が達成したい目標を数字に落とし込んだものが全社でゴールとなり、ゴールに合わせて社員が現場で動くからです。

優れた数値目標は「余分な浪費」を減らす役目も果たします。

たとえば、社員からこんな提案があったとします。

・新しい携帯アプリが今ヒットしているんで、投資しましょう!
・A社もB社もこれをやって大成功ですから、追随しない手はありません
・これをやらなかったらC社に後れを取ります

新しいもの、競合がすでにやっているもの……これらはつい「それで行こうか」と言いたくなりませんか?

特に若手社員が提案してくる最新テクノロジーを使った提案などは、分かったフリをするだけで精一杯。
とても会議中に決断などしたくない状態でも
「申し訳ないけれど、その技術についてイチから教えてくれないか。なにぶん疎くてね」
と頭を下げられる責任者は少ないでしょう。
ひどい場合は若手と一緒に提案している直属の上司すら、勝手がわかっていないことがあります。

こんなとき、数値目標は
「あなたがどこへ集中すべきか」を示してくれます。
会議中にこう質問するだけでいいのです。

「それでゴールは達成できるのかな。
もし達成できるとしたら、どういう風にしてゴールの数字に繋がるか、説明してもらえますか」

この一言で社員は「新しい」「誰もがやっている」からといって手を出すだけでは
大やけどに繋がることを、あなたから学ぶことができます。
こうしててんでバラバラの投資をすることなく、社員はまっすぐ目標に向かって成果を出せるのです。
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トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com

本:『グリット 情熱とやり抜く力』

Grit: The Power of Passion and Perseverance

著者 アンジェラ・ダックワース

 

成功を目指す人の必読書である本書の中で、新進気鋭の心理学者アンジェラ・ダックワースは、

親、教育者、アスリート、学生、ビジネスパーソンに向けて、

抜きんでた功績を成し遂げるための秘訣は、才能ではなく

「グリット」と呼ばれる、やり抜く力であることを示しました。

 

なぜ、ある人は成功し、またある人は失敗するのでしょうか。

画期的な研究から生まれたグリットについての新しい洞察を明らかにしつつ、

マッカーサー基金出身の「天才」アンジェラ・ダックワースは、

なぜ才能が、成功を保証するものにはほとんどならないかを説明しています。

というより、ほかの要素、たとえば情熱や、継続して関わりあうことの方が、

ずっと重要なのです。

 

科学者の娘である自分の知性の欠如をよく嘆いたことなど、

自分自身のパワフルな物語を紹介しながら、

ダックワースは教師、ビジネスコンサルタント、脳神経科学者といった紆余曲折を経て、

成功を引き出すのは「天才」ではなく、情熱と長い間やり抜く力のブレンドだという

仮説を導きだしたのです。

 

ペンシルベニア大学の教授として、ダックワースは自身の「性格研究所」を設立し、

彼女の理論の検証を行うようになりました。

彼女は読者を、きわめて困難な学校で働く教師や、

ウェストポイントの陸軍士官学校で苦闘する入学したばかりの士官候補生、

全国スペリング大会の若きファイナリストたちの世界に引き込みます。

 

また、歴史から魅力的な洞察を取り上げ、

現代の最高水準の実験から集めてきた成果を紹介してくれます。

そうして最後に、偉大な達成を成し遂げた十数人、

JPモルガンCEOのジェイムズ・ダイモンや、雑誌ニューヨーカーの漫画編集者、

シアトル・シーホークスのコーチ、ピート・キャロルらとのインタビューを通して

彼女が学んだことを教えてくれます。

 

愛すべき人間性にあふれ、洞察に満ち、人生を変える『グリット』は、

失敗したり、どうして自分には才能やツキがないんだ、

という思いが頭をよぎった時のための本といえるでしょう。

 

 

 


元記事:http://goo.gl/UfB5I9

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本『ディープ・ワーク』

Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World

『ディープ・ワーク 注意散漫な世界で成功に集中するためのルール』

著者 カル・ニューポート

 

ディープワークとは、むずかしい仕事をする時でも、

集中力がとぎれることなく、集中して仕事をやり続ける能力のことです。

複雑な情報を素早く理解し、短時間により良い結果を生み出すことのできる

スキルのことでもあります。

つまり、ディープワークとは、競争の激化する21世紀の経済社会において、

すばらしい力なのです。

 

ところがほとんどの人は、1日の大部分を、

ばくぜんとメールやソーシャルメディアに費やしており、

他にもっと良い過ごし方に気付きもしないまま、

その能力を失ってしまっています。

 

『ディープワーク』の中で、作家であり、大学教授でもあるカル・ニューポートは、

常時接続の時代を生きる私たちに、衝撃的な物語を投げかけます。

集中しないことをとがめるのではなく、その対極にある集中力を称揚するのです。

 

この本は2つのパートに分かれており、最初のパートでは、

どんな職業であっても、ディープワークの持つ倫理観を深めることが、

大きな利益をもたらすことを説きます。

後半では4つのステップからなる「ルール」として、

人々の気持ちと習慣を変えるためのトレーニングが提示されます。

 

現代の文化に対する批判と、行動につながっていくアドバイスを通して、

『ディープワーク』は読者を印象的な数々のストーリーに誘います。

カール・ユングが自分の精神に集中するために、森の中で石を積み上げ、塔を作った話から始まり、

ソーシャルメディアのパイオニアは、アメリカと東京を往復するビジネスクラスの航空券を買い、空を飛びながら執筆に集中した話、

それとともに、実際的なアドバイスも上げられています。

たとえば、真剣にひとつのことを極めようと思うなら、ソーシャルメディアはやめなければならないという主張や、

人は「退屈する」ということを練習しなければならない、という主張なども含まれています。

『ディープワーク』は、注意散漫な世界で成功に集中しようと考える人にとって、

欠くことのできないガイドブックとなっていくでしょう。

 

 

 


元記事:goo.gl/GiDujQ

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

仕事のやりがいに関する3つの嘘 

「やりがいのある仕事」というと、どんな仕事を思い浮かべるでしょうか。
立派な組織に所属して、立派な指導者の下で働けるような仕事?
けれども『GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代』の著者であるアダム・グラントは
そんな通説は嘘だ、といいます。
「仕事のやりがいに関する3つの嘘」とは、いったい何なのでしょうか?
元記事:http://linkd.in/1AHAsI4
by アダム・グラント
 

「砂糖水を売るか、世界を変えるか?」

1980年代、スティーブ・ジョブズは、当時ペプシ社にいたジョン・スカリーを

アップルへ引き抜こうとして、最後にこんな問いかけをしました。

「君は残りの人生を、砂糖水を売って過ごしたいのか、

それとも僕と一緒に世界を変えたくはないのか?」

当時、自分の仕事のやりがいを見つけられるかどうかは、

所属する組織に大きく左右されるものでした。

個人の目的意識も、所属する会社での役割から生じていました。

砂糖水を売ることに、たいした意味はなく、

一方、コンピューターの改革は、きわめてやりがいのある仕事だったのです。

けれども今日、あなたがどこで働いているかは、大きな問題ではありません。

そうして次の10年のうちに、事業主が誰であるかさえ、

誰も気に留めなくなっていくことでしょう。

 

やりがいのある仕事とは

調査によると、今日アメリカで多くの人が考える「やりがいのある仕事」とは以下のものです。

  • 聖職者及び宗教教育・活動の指導者:97%
  • 外科医:94%
  • 初等・中等教育アドミニストレーター:93%
    (※幼稚園や小中学で教育やケア活動を計画・コーディネイトする仕事)
  • カイロ・プラクター:93%

この4種類の仕事には、共通点があります。

そうしてこれらの仕事が、私たちが考える「やりがい」の嘘を、明らかにしてくれるのです。

Corps visits Godley Station Elementary School

 

その1. やりがいはどの組織で働くかで決まる、という嘘

 

やりがいを見つけるためには、アップルのような会社に就職しなければならない、

ということはありません。

上記の「やりがいのある仕事」はいずれも、

特定の組織に所属しなければならないものではなく、

さまざまな場所で働いている人が大勢いる職業です。

 

外科医は、週にいくつもの病院をかけもちしながら働くことも多い仕事です。

教育アドミニストレーターは、学校から学校へと移っていきます。

カイロプラクターも、さまざまな場所で施療します。

仕事は一定ですが、働く組織はさまざま。

つまり、組織ではなく、従事する活動によって識別される仕事です。

ダニエル・ピンクは『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』

の中で、「バイバイ、組織人」と言っていますが、

まさに「どこで働くか」と「やりがい」は無関係なのです。

 

その2. やりがいのある仕事は知的な職業である、という嘘

 

やりがいを見つけるためには、かならずしも知識労働者である必要はありません。

ひょっとしたら、先進工業国では、製造業を中心とする経済から、

知識集約型経済に転換した、という話を聞いたことがあるかもしれませんが、

実際には事実ではありません。

サービス産業が中心の経済なのです。

そうして、この誤解から2番目の嘘が生まれています。

アメリカでは、ほぼ10人のうち3人が、知識労働者です。

一方、サービス産業に従事する人は、アメリカの労働人口の約8割を占めています。

世界のGDPのうち、サービス部門の占める割合は、1980年代半ば以降、ほぼ3分の2を占め、

アメリカでは80%、EUでも73%を占めています。

多くの人が考える「やりがいのある仕事」は、すべてサービス業なのです。

外科医やカイロプラクターは、健康を促進する仕事。

聖職者及び宗教教育・活動の指導者は、精神の健康を。

教育者は、社会と精神の健康を。

もしこうした職業が存在しなかったとしたら、

人間はきっと今よりずっと悲惨なものになっていたでしょう。

つまり、やりがいのある仕事とは、ほかの人の生活を、よりよいものにする仕事なのです。

Frontier Sentinel 12

その3. やりがいは、理想的な上司がいるかどうかによる、という嘘

 

やりがいのある仕事をしようと思えば、スティーブ・ジョブズの下で

働かなければならない、というわけではありません。

目的は、上司が台本を書いてくれるものでも、

カリスマ的な指導者のひらめきによって与えられるものでもないのです。

そうではなく、その仕事に実際に携わっている人によって、形成されていくものです。

研究者であるエイミー・レズネスキーとジェーン・ダットンは、

このことを「ジョブ・クラフティング」と呼びます。

主体的に自分の仕事を活性化するように組み立て直していこう、というのです。

ふたりは、もっと大きなやりがいを求める医師と行動を共にしました。

彼は他の医師たちと相談する時間を削って、

多くの時間をレジデントのために講義をする時間を増やそうとしていました。

さらにふたりは病院の清掃員のグループにも出会いました。

彼らは職務範囲外であるにもかかわらず、患者の世話をするために独創的な方法を見つけ出し、

結果的に自分たちの仕事を、もっとやりがいのあるものにしていたのです。

清掃員のひとりは、昏睡患者のいる病棟で働いていました。

そうして壁の絵を並べ替えることを通じて、患者たちの覚醒をうながそうとしていました。

本来、意味づけるとは、自分を表現する行為であり、

仕事の意味とは、仕事を通して自分が何者なのかを明らかにする機会のことです。

仕事について、何百人という人とのインタビューを終えたスタッズ・ターケルは、

「仕事とは、日々の糧を探すものであるのと同様に、日々の意味を探るものである」

と言いました。

それを見つけるために、自分がどこに所属するかではなく、

自分が実際にやっていることの意味を理解することが大切なのです。

やりがいとは観念ではなく、人と人の結びつきのなかに生きているものです。

そうして、それはどこかから降ってくるものではなく、私たちの底から上がってくるものなのです。

 

 

 


元記事:http://linkd.in/1AHAsI4

(翻訳:服部聡子)