7つのステップで自信にあふれる人になる

by マインダ・ツェトリン

 

 

怖れは不景気よりもあなたのビジネスに悪い影響を及ぼします。

怖れを克服する方法をお教えしましょう。
もっと自信を持ちたくありませんか?

そう尋ねられれば、ほとんどの人は、イエス、と答えるでしょう。

日常生活でも仕事でも、自分の前に立ちはだかる怖れや不安を克服できれば、

もっと多くのことができることを、私たちは知っています。
著作家であり、ロシア系マフィアの専門家でもあり、このほど

『怖れを克服する:大胆になり、夢を生きるための50のレッスン』

を著したジョー・セリオによると、

私たちはかならず怖れを克服できると言います。

 

世間では、わずか20%の人しか、日々を全力で生きていません。

これは悲劇的なことではないでしょうか?

セリオ自身、若い頃、怖れに苦しめられたと言います。

けれどもある日、もうたくさんだ、と心を決めたのです。

 

彼は政治学と犯罪学を学んでいましたが、やがてロシアに魅了されるようになり、

言葉を学び、ロシアで暮らし始めました。

そうして数ヶ月、モスクワでクロール調査事務所を開くようになったのです。

 

私のおもな仕事は、欧米の企業が、ロシア・マフィアを避ける手助けをすることでした。

やがて、起業には、独特の恐怖感があることに気がつくようになりました。

起業し、会社を経営するということは、怖ろしい冒険であるとも言えるのです。

 

けれども、怖れはビジネスに、不景気やまずいビジネス・モデルよりも大きなダメージを与えかねません。

 

あなたが怖れに飲みこまれてしまえば、それで終わりです。

利益を上げることも出来ないし、会社を閉めてしまうしかなくなるのです。

 

それを避けるためには、あなたも自分の怖れを克服し、

勇気を出してビジネスの問題に取り組むことを学ばなければならない、と彼は言います。

あなたにはできます。

そうして、これがその方法です。

 

1. 自分が怖れを抱いていることを認めるところから始めよう

 

自分に言うのです。

『そうだ、私は怖れている』と。

そうすることで、無用な完全主義をなくすことができますし、

問題の先送りを回避することもできます。

 

世間に向かってそのことを告げる必要はありませんが、

あなたが信用している人、大切な友人や、

その方がよければ、自分自身でもかまいません。

 

2. 自分が何を怖れているか、具体的に明らかにする

 

自分が怖れているものの正体を、正確に見きわめるように、と彼は言います。

 

その怖れは、間違いを犯すことなのか、

それとも間違えた結果、自分が抱く感情を怖れているのではないか?

それをはっきりとみきわめることが重要です。

本当の問題が何であるか、自分がわかっていないと、解決することはできません。

 

3. 自分の怖れに点数をつける

 

あなたの怖れを、それぞれ比較しながら点数を付けてみてください。

 

数年前、人前で話すことは、10点の恐怖でした。

けれども、オオカミに食べられることと比べてみると、

人前で話すことの恐怖感は7-8点へと変わっていったのです。

こうすると、怖れは扱いやすいものになります。

人前で話すことがビジネスの根本であるビジネスを始めようとするる場合にとっては、

言うまでもありません。

 

 

4. 最悪のシナリオを想定してください

 

起こりうる最悪のことは何ですか?

その質問に答える前に、少し考えてみてください。

 

あなたの想像は現実より悪いことが非常に多いのです。

マーク・トウェインはこんな風に言っています。

「私は人生で何度も大惨事に遭ってきた。

ほとんどは実際には起こっていない大惨事に」

何が危険にさらされているのか、

あなたの怖れは根拠があるものかどうか、突き止めてください。

その多くは、しっかりとした根拠などないはずです。

 

5. 少しでも知識を持つ

 

経験のある人と話をすることは、怖れを減じる大変良い方法です。

あなたの状況のとらえかたに、別の視点やバランス感覚を持ちこんでくれます。

しかも、彼らもまた始めたばかりのときは、怖れを抱いていた可能性が高いのです。

あなたがしようとしていることについて、

何でも良いので、本や雑誌の記事を読むよんだり、セミナーを受けたり、

その領域に関連するグループを探したりしてみてください。

知らないからこそ怖れを抱くので、知識が多いほど自信が生まれてくるはずです。

 

6. 過去の成功体験をふり返る

あなたはこれまで数え切れないほどの成功を収めてきました。

話し方を覚えたり、歩けるようになったり。

セリオは言います。

 

あなたは自分が強いことを忘れてしまっていることが多いのです。

そのことを思い出したければ、あなたが良い仕事をしたことに対する

感謝状やメール、カードなどのファイルを用意しておきましょう。

あなたの内側に怖れが生まれたら、そのファイルを開いて、

自分はできるということを思い出してください。

 

7. あなたの成功を、たとえ小さなものであってもお祝いしてください

 

仰々しいものや、これみよがしのものである必要はありません。

良い仕事だったと、自分の背中を叩くような、

せいぜいがあなたの身近な人と喜びを分かちあうようなもので良いのです。

私たちは、お祝いにふさわしいのは、大きな成功でなければならないと思いがちですが。

小さな成功を、忘れないでお祝いするということは、

あなたが自分のなした努力に報いるということです。

そうすれば、つぎにその努力が、もっと楽にできるようになるでしょう。

 

 

 

著者:Minda Zetlin(ビジネス・テクノロジー関連著作家)


元記事:http://bit.ly/1gPyktI

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

ジョブズに学ぶ 人を動かし 欲しいものを手に入れる方法

by  デイヴ・スミス

 

 

2つの企業を世に送り出したスティーブ・ジョブズは、 現代社会のルールに、

いつもいつも従っていただけではありませんでした。

ジョブズはアップルや、ピクサーを軌道に乗せるまでに、多くの困難に直面しています。

 

けれどもジョブズには、彼だけのリアリティ、 いわゆる「現実歪曲空間」を精巧に作り上げる、

ユニークな方法を持っていました。

 

この「現実歪曲空間」では、彼の個人的な信念にすぎないものが、

あたかも確かな事実であるかのように、人々は説得されてしまうのです。

そうやって彼は会社を前進させていきました。

 

彼は操作戦術をたくみに混ぜ合わせ、自分の勝利を確かなものにしました。

世界でももっとも影響力のある重役が集まる会議の席でも、 その戦術は用いられたのです。

 

多くの人々が、ジョブズを天才だと考えています。

けれども天才だというだけでは、 私たちの誰もがかならず、彼の戦術からひとつやふたつ、

学ぶことが見つかる理由にはなりません。

 

仕事上であれ、人生全般であれ、自分が望むものを手に入れる。

そのためにはどうしたら良いのか、お話ししましょう。

 

ここに出てくるほとんどの話は、ウォルター・アイザックソンが書いた、

『スティーブ・ジョブズ』という伝記に拠っています。

 

必死で働け。そうすれば人は尊敬してくれるだろう。

尊敬は、自分が望むものを手に入れる、決定的な第一歩だ。

 

Photo:Steve Jobs by Norman Seeff

 

1996年までには、アップル社は深刻な問題を抱えるようになっていました。

望みをかけていた新しいOSは、 アップルへの要求に応えるものではなかったし、

その解決策さえ見いだせそうにはなかったのです。

 

そこで、もっと安定したOSを構築するパートナー探しが始まりました。

結局、Be社と、ジョブズが立ち上げたコンピューター会社であるNeXTが 候補に挙がりました。

アップルから二社に打診があったとき、 Be社のガセーが無関心なふりをしてみせたのに対し、

ジョブズはまったくためらいを見せませんでした。

 

当時のアップルのCEO アメリオは、ジョブズのNeXT OSの売り込みは、

このようなものだった、と語っています。

 

まばゆいばかりだった。

彼は、まるで『マクベス』を演じるローレンス・オリビエさながらに、

その美点と強さを讃えたのである。

 

結局ジョブズはアップルに戻りましたが、ピクサーのCEOも続けていました。

当時の彼は、朝7時から夜9時まで働いていたといいます。

彼は腎臓結石を患っていましたが、 一貫して、ふたつの会社に刺激を与え続けました。

毎日会社に現れ、可能な限り最高の製品を作るよう、人々を鼓舞し続けたのです。

 

人々はそんな彼を尊敬しました。

 

情熱を持ったキャッチフレーズが必要だ。

人は、感情の激しい表出に影響される。

 

Photo:Steve Jobs with iPhone at D5 By:whatcounts

 

キャッチフレーズは、ジョブズのレパートリーの中でも、 重要な部分を占めます。

そうして誰にとってもそうであるべきなのです。

 

自分であれ、製品であれ、売り込みのプロセスの中では、

他人にあなたの考えを買ってもらうことがカギとなります。

 

 

トランペット奏者のウィントン・マルサリスに対する売り込みの中で、

ジョブズはiTunesにどんなことができるか、 あらゆることをやって見せました。

 

彼は当時、ミュージシャンを引き抜こうとしていました。

レコード・レーベルを説得し、iTunes計画に引き入れようとしていたのです。

 

 

マルサリスは、ジョブズとは二時間にわたって話したといいます。

 

彼は何かに憑かれていたかのようでした。 私は、コンピューターではなく、

彼という人間に目を向けるようになりました。

というのも、彼の情熱にすっかり魅了されてしまったからです。

 

彼は、自社のマーケティングの専門家たちに対しても、

「彼らが作りだしたあらゆる広告が、 ジョブズの情熱が吹きこまれたものであることを

確かなものとするために」 同様の情熱で接しました。

 

誘惑し、甘い言葉で、人を武装解除させるんだ。

 

ジョブズにとって、人を引きつけ、魅了することなど思いのままでした。

そうして、好んでそうしていたのです。

 

アップルの前CEOであるアメリオやスカリーのような人々が 自ら進んで

ジョブズを信じようとしたのも、 ジョブズに魅了されたからです。

 

なぜか。

それは、ジョブズが彼らに好意を抱き、 尊敬していたからなのです。

 

時に、ジョブズは、お世辞に飢えているような人に、

偽りのお世辞をふるまっているような印象を与えることもありました。

 

けれどもジョブズにとっては、大嫌いな人の気を引くことなど、

好きな人を怒鳴りつけるのとおなじくらい、 たやすくできることだったのです。

 

 

ビジネス・インサイダー


元記事:http://bit.ly/1z83wtV

(翻訳:服部聡子)

 

起業家が克服しなければならない6つの怖れ

by  ポール・モレロ

 

 

多くの人が、起業を夢見ていることでしょう。

けれども、起業には怖れがつきものだし、その怖れが克服できないせいで、

たいていの人はその夢を実現きずにいます。

あなたのアイデアが、仮にどれほどの潜在性を持っていたとしても、

以下に挙げた6つの怖れを克服する勇気を持たない限り、そのアイデアには意味がありません。

 

 1. リスクを負うこと、失敗することの怖れ

 

もし、なにか意義のあることをしたい、と心の底から望んでいるなら、

リスクを負うこと、失敗することに対する怖れは、 両方ともかならず克服できるにちがいありません。

マーケティング・ソフトウェア会社のCEOとして成功したマーク・オーガンは、 このように言っています。

「起業家がリスクを負うことなく、生計を立てていくことはできません」

 

リスクを伴っているからこそ、実りある結果が得られるのです。

多くの人は、リスクをネガティブなイメージでとらえることが多いのですが、

リスクは受け入れなくてはならないものです。

 

それを避けたり、逃れようとしたりするよりは、 むしろ、リスクを理解し、

軽減するための手段を講じるべきです。

 

リスクは失敗につながるじゃないか。

確かにそのとおり。

 

けれども、失敗からチャンスが生まれるのです!

 

失敗の可能性を受け入れようとしないなら、 起業家として成功できるチャンスもまた、

決して手に入れることはできません。

Jump By:kagey_b

 

 

 2. 周囲の人に対する怖れ

 

私たちが生きているのは、他人の成功より失敗を喜ぶ人間の世界です。

あなたが失敗するのを待ち望んでいる人々のことを怖れていては、

成功はひどく困難なものになってしまいます。

 

映画『幸せのちから』の主人公の言葉は、このことをあますところなく伝えてくれます。

 

おまえにそんなことできない、だなんて、 誰にも言わせちゃいけない。

絶対に、だ。 パパにもだよ。 わかったね?

夢があるんだろう? だったら、それを守らなくちゃ。

みんなは自分ではそれができないんだ。

だから、おまえだってムリだって言いたいんだ。

ほしいものがあるんだろう?

だったらそれをつかみとれ。

そういうことだ。

 

起業家が、友人や身近な人々から批判されることは、 少なくありません。

だからこそ、自分が実現しようとしているものを 信じることが大切です。

そうでなければ、起業家になるチャンスは 決してめぐってきません。

 

 3. まちがった決断をしてしまったのではないか、という怖れ

 

起業家志望者をためらわせる共通の怖れとして、 自分がまちがった決定をしているのではないか、

と疑ってしまうことがあげられます。

 

起業家にあこがれる人の中には、フルタイムの仕事を持ちながらも、

自分自身で仕事をやってみたいといつも考えている人が、数多くいます。

そのような人は、いまの仕事を辞めて、 将来の保証のない起業をして後悔することになるのでは、

という怖れにかられるものです。

 

独立はまちがいである、という考えを捨てることがむずかしいのなら、 自信をつける方法があります。

 

自分のアイデアが利益を生み出すものであるかどうか、 マーケット・リサーチをしたり、

メンターや成功を収めている起業家と話したり、

自分の製品を、対象となるグループに試してもらったり、 事業計画書を練ったりして、

成功の機会を、できるだけ自分で作りだしてみるのです。

 

Photo:deskwork By:ezola

 

 4. 経験や専門知識が不足していることへの怖れ

 

自分に教育がなかったり、経験が不足しているのではないか、 という怖れは、

始めたばかりの起業家にとって、 あたりまえのことです。

 

誰もが、成功した人の華麗な経歴を見て 「自分にはこんなことはできそうもない!」と思います。

でも、あなたにはできるのです。

 

リチャード・ブランソンは、このように言いました。

「学ぶことの最良の方法は、やってみることだ」

 

世界中で大きな成功を収めた起業家のほとんどは、 正規教育と闘ってきています。

正規教育を修めていることが、 ビジネスを始める上での前提条件ではありません。

であるならば、どうして自分には大卒の資格がないから、と、 自分に限界を決めてしまうのでしょうか?

やってみるのです!

 

自分のやろうとしていることに情熱を持ち続けられるのなら、

その情熱だけで、どんな卒業証書よりも遠くまで進むことができます。

 

  5. 財政的に失敗することへの怖れ

 

財政面での不安定さに対して怖れを抱くことは、 起業家なら無理もないことです。

夢を実現するために、 自分の貯金とライフスタイルを危険にさらすのには、度胸がいります。

 

ウェルズ・ファーゴ/ギャラップ中小企業指数によると、 ほとんどの小企業は、

創始者の個人貯蓄である1万ドルでスタートするということです。

 

創業時には、大きな借金を避け、 やりくりにやりくりを重ねていけば、

財政不安のリスクを回避する役に立つはずです。

 

 

また、入念な準備は、 財政上の不安定さを和らげることになります。

また、経過報告と販売予測に従ったビジネスプランがあれば、 事業の方向性を定めることができ、

また、軌道を外れていないかどうか確かめる助けになってくれます。

 

Photo:Business card origami

 

 6. 自分の人生を無駄にしてしまうのではないかという怖れ

成功するためにどんなチャンスでもつかもうとビジネスを始めれば、 長時間のハードワークが待っています。

起業家として一歩を踏み出す前に、 このことを受け入れ、慣れておくことが重要です。

 

仕事は多大な献身を要求するでしょうし、 このことは同時に、

家族や友人から長時間、離れることも意味します。

 

ほかの人に任せることのできる部門を見つけ、 プロセスをできるだけ簡略化して、

管理しやすいようにしてください。

 

そうすることで作業負担を軽減することができるし、 家族や友人と過ごす時間を見つけることもできます。

 

飛躍をとげて起業家になることを考えているのなら、 ハードワークの覚悟が必要です。

ひたすら前に進み、 励ましの言葉が得られるなら、どんな機会でも利用して、

自分の士気を高めていってください。

 

モチベーションを維持し続けられれば、 あなたもかならず成功した起業家となることができるでしょう。

 

 

著者:Paul Morello(起業家)


元記事:http://bit.ly/1tODyX2

(翻訳:服部聡子)

 

内向的な人のための交渉術

by ジニー・ソスキー

 

 

これまでの人生の大半、私は自分のことを外向的だと思ってきました。

子供の頃、友だちとあまりにも大きな声でおしゃべりしていたせいで、よく叱られたりしたものです。

いろんな集団スポーツもやってきましたし、そのなかで大勢の人と交流を重ねました。

夜、家に帰ってリラックスする、というのは、私にとっては

ふだん一緒に遊んでいる友人たちを家に招くことでした。

 

けれども、同時に私は本を読むのも大好きでした。

図書館で借りてきた、出たばかりのスリラーを、丸くなって読むひとときは、

私にとって何にも代えがたい喜びでした。

 

マラソン中、たったひとりで走っているときは、私の中に活力がよみがえるのを感じました。

それに、夜、カウチに丸まって、「バチェラー」という番組を見るのも大好きでした。

 

多くの人と同じように、私も 「内向的」 と 「外向的」 の中間にいます。

そうしてこのことは私のキャリアに大きな影響を及ぼしてきたのです。

 

自分が何にも増して 「内向的だ」 と感じてしまうのは、交渉している時です。

私の交渉はたいてい、  

黙りこくったまま、頭を曖昧に動かし、相手が何か申し出てくれたなら、

内容にかかわらずそれに飛びつく、

で終わってしまいます。

 

きっとそれは私だけではないでしょう。

交渉というのは、多くの人にとって怖ろしいことですから。

 

でも、もし自分のキャリアを (そうして自分の給料の額も) 豊かなものにしたければ、

なんとかしなければなりません。

 

交渉となると、急にぎこちなくなってしまう内向的な人は、どのような対処をしていけばよいのでしょうか。

もちろんその答えは、外向的な友だちに交渉してもらう、ではありません。

内向的な人も、交渉のプロセスのなかではカギになっていく

「強み」 を持っているのです。

 

  内向的な人は自分の強みを交渉で発揮しよう

 

内向的な人が恥ずかしがり屋だと一般にいわれますが、かならずしも事実ではありません。

研究者はいまだに人を「外向的/内向的」と厳密に分類しようとしていますが、

スーザン・ケインの『内向型人間の時代 ――社会を変える静かな人の力』によると、

内向的か、外向的かというのは、

心地よく活動できる、外界からの刺激の強度の差 でしかない、というのです。

内向型人間の時代

 

外向的な人は、外部から多くの刺激を必要とします。

たとえば、大勢の人と、社交的な環境で、

活発に交流する、といったことです。

 

それに対して、内向的な人は、

夜、自宅で心許せる友だちと、好きな映画を観るような、

低いレベルの刺激を好ましいと感じるのです。

 

 

交渉に際しては、外部からの低い刺激を好ましいとする傾向が、有利に働く場合もあります。

ハーバード大学の研究によると、 孤独な状態でいると、

人は他者へ感情移入する能力がより高まる のだそうです。

 

内向的な人はたいてい、黙って人の話に耳を傾ける能力に長けているはずです。

このスキルは、同時に、交渉相手をどうしたらその気にさせるのかを見抜く技術でもあるのです。

 

ブログの中でケインは、内向的な人は「調停者」の役割を果たすことが多い、と指摘します。

交渉の中で、調和ばかりを求めていては、相手につけこまれるかもしれませんが、

その傾向をうまく活かせれば、とてつもない強みとなります。

 

それはどうしてでしょう?

「調停者は細かいことにいらだちにくい傾向があります」 とケインは言います。

「些細なことがらをめぐって議論が続いていたとしても、気持をそらされたりしません。

内向的な人は、生まれながらに調和を求める人なのです」

 

ふたつのグループ間で、共通の解決策をさぐるという交渉のシナリオにおいて、

ごく自然に調和を模索する内向的な人は、天賦の才をもっているといえます。

 

となると、こうしたスキルを交渉時、どのように活かしたらよいのでしょうか。

おそらくあなたは几帳面な人でしょう ?(これもまた内向的な人の特徴です)。

ですから、ここにそのプロセスを紹介します。

 

  内向的な人は、どうしたらもっとうまく交渉できるか

 

本当のことをいうと、以下にあげるステップは、

内向的な人、外向的な人の両方に効果があるものです。

この中のいくつかは、私の同僚であるロブ・マサブニーのアドバイスに基づいており、

それを内向的な人向けに手直ししています。

 

これからあげることを念頭に置いておけば、自分本来の強みを活かして、交渉に当たることができるでしょう。?

 

準備

 

交渉のプロセスの中で、内向的な人が一番時間をかけるところです。

交渉中にあわてたりするのを避けるためには、念には念を入れて準備をしておきたいもの。

以下、用意する必要のあることをあげていきます。

 

1) 関係を明確にしておく

これは一度限りの交渉ですか?

それともこれから先、何ヶ月間かは一緒に働くことになりますか?

前者なら、交渉は少々押しが強くてもかまいません。

後者であるならば、配慮が必要ですが、自分が求めるものについては、はっきりと態度で示しましょう。

何よりもまず、自分がどちらで行くか、決めておくこと。

それが交渉のプロセス全体を決めてしまうのですから。

 

2) 最高のシナリオを立てておく

しばらくのあいだ、楽観的になってみましょう。

交渉の結果、すべてがうまくいくとすれば、どうなるのが一番いいと思いますか?

求めるものは何ですか?

相手は何を望んでいるのでしょうか?

そのシナリオは、双方にとってwin-win ですか?

 

3) 最悪のシナリオも決めておく

楽観タイムはおしまいです。

今度は起こりうる最悪の事態、それでもなんとか納得できる、という条件を、思い描いてみてください

これがいわゆる「底」です。

 

もうこれで、どの時点で交渉を打ち切るべきかがわかりました。

交渉がその線に達したら (もしくはその線を越えたら)、

自分はその場を離れた方がいい、というラインが明らかになったのです。

最低ラインを引いておくことは、つけこまれないために何よりも大切なことです。

さらに、線を引くことで、交渉戦略をリセットしやすくなるのです。

 

4) 達成するべきシナリオ、避けるべきシナリオに沿った戦略を立てる

何が理想的な状況かわかったので、そこに到達するまでの計画を立てます。

当然、話し合いが台本通りに進むはずはありません。

けれども、どうやってそこに行くかのシナリオをいくつか用意し、

綿密に計画を立てることに持ち前の整理整頓能力を発揮するのです。

交渉中は、感情移入スキルを発揮して、相手の立場に身を置いて、気持を想像します。

 

もし「X」と言ったら、相手はどう感じるでしょうか?

どのように反応するでしょうか?

自分の望ましい目標に近づくためには、どのように反応したら良いでしょうか?

このプロセスが終わった時点で、おそらくいくつかのシナリオの概略はできているでしょう。

つぎは、そのシナリオを実現するために、武装する番です。

 

 

5) 戦略実現のための戦術を選ぶ

まずは自分がどの戦術を使うか、明らかにしておく必要があります。

そうして、それを実行に移すために、模擬交渉で練習しておくのです。

親しい友人や協力してくれる人を見つけて、一緒に交渉をやってみましょう。

では、つぎにうまく交渉するためにやっておいた方が良いことをあげておきます。

 

◆ 「イエス/ノー」ではない、オープン・エンド・クエスチョンを

ある点について真正面から議論するのではなく、 相手の意欲や優先順位を知るために、

質問をなるべくたくさんするようにします。

たとえば、新しい仕事に就くのを、もう少し先に延ばしたいと交渉しているとします。

担当者が「8月10日から仕事を始めてください」 と言ったとしたら、こう尋ねましょう。

「その日程は動かせませんか? その仕事はその日に始めなければならない理由があるのですか?」

続く質問にも自由に答えられるようにしておくことで (イエス/ノーで答えるような質問ではなく)、

相手の意図がどこにあるかわかり、会話をどこの方向へ引っ張っていったら

いいのかを理解することができます。

 

この戦術は、弁護士時代のケインの役に立ちました。

『マクリーンズ』誌のインタビューによれば、ある交渉の席で、

ケインは以下のようにして勝利を収めたといいます。

 

交渉が始まるとすぐ、ケインは質問を始めた。

「多くの質問をしました」 とケインは当時をふりかえる。

そうして、相手の答えに耳を傾けた。

「その人の性格によらず、実りある交渉には、質問が決定的に重要です」

結果的に彼女のシンプルな質問は、部屋の雰囲気を変えていった。

「銀行家たちは長口舌をふるったり、自分の優位を誇示したりするのをやめました」

そうして両者の間に実質的な話し合いが始まったのだという。

最終的に協定が交わされ、翌朝、銀行サイドの首席弁護士がケインに電話してきた。

「うちの事務所で仕事をしないか」

と申し出があったのである。

「感じが良いのに、ここまで手強い相手には、今まで会ったことがない」 と言って。

 

◆ わかりやすく言いかえる

話し合いの間、交渉相手と大筋では合意していることを確認しておきましょう。

それに加えて、相手の言ったことをまとめる時間も必要です。

内向的な人は、聞き上手なので、このようなことは、ごく自然にできるでしょう。

 

◆ アンカーの使い方(時には避け方)を知る

アンカーは、話し合いの際の基準値となるものです。

たとえば賃金交渉の場合、アンカーは最初に提示される数字のことです。

以降の交渉は、この準拠枠にもとづいてなされます。

こちら側が6万ドルをアンカーとして提示したなら、 4万5千ドルではなく、

6万ドル前後の数字で話を詰めていかなければなりません。

 

もし自分でアンカーを定めるつもりなら、ケインの言葉は良いヒントとなるでしょう。

 

これは事前にやっておかなければならない宿題です。

まず、数字を決めます。

自分にとって望ましい数字、けれども、相手から見ても違和感を抱かせないような数字です。

やりすぎてしまえば、無知(相場を知らないやつだな)と思われるか、

鼻持ちならないやつ(いったい誰が身の程をわきまえない人間とつきあいたいでしょうか?)

と思われるか、です。

賃金交渉や、関係を良好に保っておく必要のあるような場面では、

とりわけ気をつけてください。

アンカーは、むしろ一度限りの交渉、

たとえば車を買うときのような場合にふさわしいのです。

 

もし投げかけられたアンカーをかわしたいとき、つまりは「しりごみ」の気持を示したいときには、

そのアンカーがどれほど非常識なものか、ボディランゲージを使って相手に知らせればよい、

とケインは言っています。

実際に、たじろいでみせたり、眉を上げたり、

「本当ですか? 少し変ではないですか? もう一度、やりなおしましょうか。

今度はもうちょっと妥当な範囲で」 と言ってみるのも効果的です。

 

◆ 間をおく

直観的に、間なんておかない方がいいんじゃない? と思うかもしれません。

でも、沈黙は静かな武器です。

とりわけ、相手がありえないようなアンカーを持ち出してきたような時には。

それに、黙ったままでいるというのは、こちら側にとっても普通ではない申し出をするときにも、

うまいやり方です。 どうしてこうしたいか、と、あまりに説明し過ぎるよりも、

自信にあふれているように見えるからです。

 

◆ いくつかのキーワードを避ける

友人のマサブニーは、以下に挙げる言葉を避けるように言っています。

「ちょっと」 : 

「ちょっとやっているところです」などというと、

自分がやっていることがいかにもたいしたことではなさそうに聞こえます。

「たぶん」 : 

交渉に当たるときには、信頼のおける物腰で臨みましょう。

「たぶん…、おそらく…」の代わりに「間違いなく」を使います。あるいは、何もつけない。

「しなければならない」 :

ほかの人が主語の「しなければならない」という言葉は、

その人を自分の思い通りにしようとしている印象を与えます。

「~みたいな」 :

 これもまた毅然とした印象を損ねる言葉です。絶対に避けましょう。

「残念ながら」 : 

このあとに続くのは良くない話だとわかるので、誰もそこから先は聞いてくれません。

「えー、あー、あのー、まあ……」 :

つなぎ言葉は聞き苦しいものです。

 

 

交渉開始、ディスカッションの幕を開けましょう

 

さあ、実際に交渉をやり抜く時がやってきました。

これまで多くの準備をしてきたので(おめでとう!)、

つつがなく進んでいくはずですよね?

 

話し合いはレシピ通りには進まないものなので、この領域での万能チェックリストは存在しません。

けれども、以下にこれ以降のおおまかな流れを示しておきます。

1) 相手側が何を望んでいるかはっきりさせるために、話してもらう

最初は相手に話を始めてもらいましょう。

オープン・エンド・クエスチョンを投げかけ、相手側が実際に求めているものを明らかにします。

このとき、聞く能力を十分に発揮します。

相手側の求めているものや必要なものを予測するために、これまで多くのことをやってきましたが、

その予測が正しかったかどうか、理解しておく必要があります。

そうしなければ、議論のスタート地点に立てないからです。

交渉そのものよりも、この部分を 「共同作業」 としてとらえ、しっかりやっておけば、

以降の交渉の舵取りが簡単になるでしょう。

 

2) 話し合いをこちら側のシナリオにできるだけ近づける

内向的な人は、計画通りの成果を得るために、押しつけがましくなったり、

強気に出たりするのを好みません。 けれども、相手側と話し合っているときには、

その目標を常に頭の中に入れておかなければなりません。

話し合いのゴールに焦点を定めておけば、その場その場で使う戦術についても、頭がよく回るはずです。

 

 結論が出たら

 

おめでとう! 結論が出ました――これで誰もがハッピーになるはずです。

でも、話し合いを終えるまえに、以下に述べるふたつのことをやっておく必要があります。

もちろん、相手に常識があることはわかっていますが、交渉というもやの中では、

簡単に忘れ去られることもあるのです。

 

1) 合意したことを、もう一度、言葉にする

内向的な人の得意な、積極的に耳を傾ける能力を発揮します。

両者が最終的に合意したことを正確に言葉にし、はっきりと記録を残して交渉を終わりましょう。

そのまとめを聞いて、相手側が交渉を続行したがるかもしれません。

けれども両者はその件に関してはすでに合意したのだから、こちら側はつぎのステップに進めるはずなのです。

2) つぎのステップを告げる

話し合いの結果をふまえ、誰が、何をするかを明らかにする必要があります。

交渉の最後にこのプロセスを経ることによって、内向的な人は、

いっそう安心してつぎのステップに進むことができるでしょう。

ということで、これでおしまいです。

 

事前に詳細なプランのアウトラインを立てておき、そのプランを予行演習することによって、

交渉で望むものを得るための備えは十分できているはずです

たとえ内向的であろうとなかろうと。

この他に、内向的な人が交渉時、役に立つヒントはありますか?

 

著者:ジーン・ソスキー


元記事:http://blog.hubspot.com/marketing/introverts-successful-negotiating

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

次の波をつかめ ピーター・ティール講演会

 

ベンチャーキャピタリスト、ピーター・ティールが、

ハーバード・ビジネス・スクールの学生に、

テクノロジー部門での起業についてアドバイスを行いました。

 

PayPalの創業者として、ベンチャーキャピタリストとして

 

自分のノート・パソコンの中には、FacebookやTwitterの次に来るもののアイデアが詰まっている、

と考える何百人もの学生なら、ティールの話はぜひとも聞いておくべきでしょう。

 

世界最高の知名度を持ち、加えて挑発的な言動でも有名な

テクノロジー分野の起業家兼投資家が、有望な戦略を語ってくれる、というのですから。

 

2014年9月18日、ピーター・ティールはハーバード・ビジネス・スクール(HBS) の

アーサー・ロック・センターを訪れ、

「起業家スピリット」の専門家ウィリアム・サーマン(1955年卒業)とともに、

ビジネスとベンチャーキャピタルについて語りました。

 

ティールはイーロン・マスクやマックス・レフチンとともに1988年、

ペイパルを設立し、会長兼CEOを務めました。

 

このオンライン決済の草分けが登場したのは、

eBayユーザーの決済時の利便性を計るためだったのです。

eBayは、創生期にあったインターネットのなかで、広汎な人々を引きつけるサイトの一つでした。

 

「私たちが考えていたのは、そろそろメールとお金を連動させるべきなんじゃないか、ということでした」

ティールはこのように言います。

ところが、メールとお金を連動させるためには、

「受け入れられるための途方もない障壁」を乗り越えなければなりませんでした。

 

なにしろ顧客に新しい、まったくなじみのない決済方法に

慣れてもらわなければならなかったのです。

 

やがて成功を収めたペイパルは2002年、eBayに15億ドルで売却されることになります。

 

その後もティールは、数多くの創業に投資しています。

 

ビジネス向けSNSの「リンクトイン」、レビューサイト「イェルプ」、Facebookなどで、

いずれもティールは社外では初の投資者であり、同時にそれらの会社の重役でもあります。

 

An intimate chat between PayPal founder Peter Thiel (left) and HBS entrepreneur prof. Bill Sahlman inside HBS Burden Hall. Kris Snibbe/Harvard Staff Photographer

 

大きな池の小さな魚にはなるな

 

ティールは学生に訴えます。

大きな池の小さな魚になるな、その代わりに新しい、もしくはいまだ、

人の目が届いていない市場に目を向けよ、と。

 

Facebookはハーバードで10,000人の学生を相手に始まったんです。

それが10日のうちに市場占有率はゼロから60%だ。

申し分のないスタートです。

 

当時、Facebookを誰も有望な投資先だなんて考えなかったのは、

それがちっぽけな市場だったからです。

ペイパルはeBayに集まる大勢の出品者のために始まりました。

小切手に代わる別の方法を求めていた20,000人から25,000人の

セラー(出資者)だけの市場だったのです。

 

私たちはほんの少人数の人に、従来よりずっとよい方法を提供し、

たった3ヶ月で30から35%のシェアを占めるようになりました。

 

私はそうしたやり方は、たいてい、非常にうまくいくものだと考えています。

 

ティールがプロモーションを行っている最新著

『ゼロから1へ ―創業とは何か、どうやって未来を創造するか』の中でも、

ビジネスの成功にとって、幸運や偶然は決して重要なファクターではないことが述べられています。

 

ビジネスで成功することを、宝くじか何かのように考えている人は、

すでに自分は金を失うぞ、と自己暗示をかけているんです。

ものごとの原因を、偶然のせいにするような人は……

怠惰といえるのではないでしょうか。

 

というのも、もう少ししっかり考えれば、どこが間違っているかわかるのに、

彼らはそれをしないのだから。

運だの偶然だのは、途中で考えるのをやめてしまう自分の言い訳にすぎない。

 

起業家にとって、起業に失敗した経験は学ぶ価値がある、という考え方は、

あまりに「過大評価」されているのではないか、とティールは言います。

 

というのも、失敗の原因は多岐にわたり、

後続の人も、そうした原因をすべて避けて通ることなどできはしないからです。

 

会社を興すということは

教育に役立つものではないんです。

たとえば、私たちには会社がありました、

倒産しました、

それでスターバックスで働きました、

だけどたくさんのことを学びました…だなんて。

こんなもの、ばかげた作り話ですよ。

 

最近、ティールは、外部のCEOに主導された起業より、

創設者主導の、熱のこもった起業の方を楽観視していると言います。

また、社会貢献や教育的なことを目指す起業観には悲観的である、とも。

 

善いことをして利益を上げようとすると、

結局どちらもうまくいかないことになりがちなんです。

私が見てみたいのは、使命感のある企業です。

儲けを出すことを超えて、何か使命を抱いているような企業。

もし誰もやらないんなら、自分たちがやるしかない、みたいな使命をね。

 

若い起業家が仕事のどこに目を向けなければならないかに関しては、

ティールはサーマンの研究を援用しています。

ハーバード・ビジネス・スクールの学生が、成功の機会などないに等しいような時に、

どのように実業界に参入したかという、歴史的分析研究です。

 

この点に関する私のテーゼは、挑戦ということです。

ここに自分の人生で何を得ようとしているのか、しっかり考え抜いたこともない気楽な連中がいる。

二年後、こうした連中はみな、なんとかして最後の波をつかまえようとする。

でも、波はすでにいってしまっているんです。

 

そうして最後にティールはこのように締めくくりました。

 

あなたがやらなければならないのは、次の波に向けて漕ぎだすことなんです。

 

ハーバード・ガゼット


元記事:http://news.harvard.edu/gazette/story/2014/09/catching-the-next-wave/

(翻訳:服部聡子)

 

 

交渉の達人になるために

by レイ・トンプソン

 

 

確かに私はレディー・ガガが好きなのは認めるけれど、

“Born This Way(こうなったのも生まれつき)”を歌う彼女はまちがっています。

少なくとも、交渉に関しては。

Born This Way Album

 

実のところ、「生まれつきの」ネゴシエーターとは、これまで会ったことがありません。

これまでに出会った最高のネゴシエーターは、自力でそうなったのであり、

両親のおかげでそうなったのではありませんでした。

 

にもかかわらず、きわめて多くの人が、ネゴシエーターとして成功を収めた人は、

そうなるDNAを持っていたのだ、とか、

交渉の能力は、外見と同じように、生まれつきのものだというふうに考えています。

彼らはおそらく、どんなにがんばっても、運命は変えられない、と思っているのでしょう。

 

私は、この神話に異を唱えたいと思います。

というのも、この説のおかげで、私たちは自分の交渉の能力を、進歩させようとしないからです。

ここで私は経営科学が示してきた、交渉の能力が生まれつきのものではなく、

私たちが伸ばしていくものだという証拠をあげて、説明しましょう。

 

Baby

 

第一に、実行することと交渉についての証拠をあげましょう。

ほとんどの人は、交渉のトレーニングを受けること、及び、経験を重ねることで、

劇的にその能力を向上させていきます。

たとえば、ある実験では、交渉のテストを8回重ねた被験者の追跡調査をおこないましたが、

経験を重ねることで、被験者の学習曲線は、急激に成長し、

パフォーマンスは10%から30%も向上しました。

 

当然のことながら、他の人々より、上手なタイプはあります。

ある研究で、私は実験で4つのタイプを比較しました。

いくつかの異なる交渉の事例と情況について、

被験者をランダムに以下の4つのグループに分けたのです。

 

・講義を聞くだけのグループ

・フィードバックを受けるグループ

・専門家のやることを見るグループ

・たとえや類推を用いて学ぶグループ

 

最低だったのは、単に講義を聞いていただけのグループでした。

そうして、もっとも効果的な戦略は、シミュレーションを含む、たとえや類推を用いる学び方でした。

 

第2に、あなたが交渉にアプローチするときに、マインドセットに着目します。

あなたは交渉は、学べるものと考えますか?

それとも、生まれつきの才能だと?

 

たとえば、カリフォルニア大学バークレイ校のハース校のローラ・クレイ教授の研究チームは、

ある被験者のグループに、交渉のスキルは学ぶことができるものであると伝え、

別のグループには、先天的に受け継がれるものであると伝えました。

そうして、全員に、まったく同じビジネスの交渉をおこなってもらったのです。

 

結果は、交渉のスキルは学ぶことができると聞いた方が、遺伝と聞いたグループより、

かなりうまくこなすことができたのです。

 

このマインドセットは重要です。

もちろん私たちは、すべての面において、信頼度95%の統計に基づいているわけではありません。

それでも、自分が現場で最高の交渉をおこなっているわけではないと感じているビジネスパーソンは、

筋肉を鍛えるように、応答のトレーニングをおこなえば、スキルを身につけることができるのです。

 

 ビジネスの現場で最高の交渉を

 

最後に、ひとたびあなたが自分の交渉技術を改善できると理解するならば、

あなたの最大のハードルは、適切な時と場所でその知識を用いるということです。

私は研究を通じて、「不活性な知識」の問題を扱ってきました。

すなわち、経営者やリーダーのほとんどが、自分に必要な効果的な交渉スキルを備えているのに、

実際に、もっともそれが必要なときに、それを引き出すことができないということです。

 

幸いなことに、私たちはこの「不活性な知識」の回避方法を見つけました。

 

授業やセミナーや仕事の中で、あなたがスキルや戦略を学んだときは、

かならず少なくとも2つの情況を思い描いて、

スキルや知識をあてはめてみてください

 

このように複数の情況を考えることで、あなたは自分の知識をさまざまな情況で

移し替えることができるようになります。

そうすることで、あなたはうまく軌道に乗せることができるのです。

 

著者:レイ・トンプソン(ケロッグ経営大学院教授)


元記事:http://bit.ly/1LqqcZv

(翻訳:服部聡子)

判断を遅らせることの価値

by リチャード・ブランソン

 

 

あらゆるリーダーが身につけておかなければならない重要なスキルの1つに、

決着をつけるタイミングを知る、

つまり、最終的な決定を全体に知らせる前に、一歩退いて、

より広い見地から全体を物事を眺めるタイミングを知る、ということがあります。

 

混乱や興奮、急成長や危機のさなかにあっては、

通常より多くの決断を、少ない時間で下さなければなりません。

できるだけ早く決めてしまいたい、という強烈な誘惑にかられてしまうことでしょう。

そのような中でリーダーは落ち着いて、自分の選択に自信を持ち、

自分のチームと顧客の将来に展望を持ち、情況をコントロールしなくてはならないのです。

 

それは、すべての事実を把握する前に、軽率に結論を出すことではありません。

 

私は先日、スティーブン・コヴィーの長く語り継がれるであろう教え、

「まず理解に徹し、そして理解される」(『七つの教え』)についてのこんな話を読みました。

 

その中に、2個のリンゴを持ったかわいい女の子の話が出てきます。

お母さんが来て、リンゴをひとつちょうだい、と言いました。

すると女の子はお母さんを見上げてから、

リンゴを一口かじり、次にもうひとつのリンゴも同じようにかじったのです。

お母さんは、この子は自分のことしか考えていないのね、とがっかりしました。

ところが女の子は一方を母親に差し出し、こう言ったのです。

「ママ、これを食べて。こっちの方がおいしいよ」

Pomme

 

たとえ私たちがあらゆるデータを知り、

あらゆる角度からシナリオを検討した、と思っていても、

状況についての真相は、思いがけないところにあるかもしれません。

 

だからこそ、人生はすばらしいのだとも言えます。

 

私たちが何かを理解し、学んだ、と感じるのは、まさにこのような時なのですから。

そういうわけで、ビジネスにおいて、判断を遅らせることは、有意義なのです。

 

これまでにも私が素早く決断したいという誘惑を抑え、

全体像がはっきりと見えてくるまで決定を先送りしてきた経験は、数多くあります。

 

決定を遅らせることによって、滅多にない機会を失うこともあります。

思い出すのは「トリビアル・パスート」という新しいゲームの権利を買うかどうか、

決断に時間をかけすぎてしまたっことです。

 

けれども、機会を逃したことで、大きな失敗を回避することができた経験も、

1度ならずありました。

 

判断に代わるものとして、統計を使用することに過度に依存することが増えてきています。

事実や数字は極めて役に立つ反面、データ分析だけにすべての決定を委ねるべきではありません。

「広告の父」デイヴィッド・オグルヴィは、重役陣が判断する上で、それだけ統計に依存しているか、

このようにまとめています。

 

彼らは調査にあまりに頼りすぎる。そうしてそれを、

酔っぱらいが街灯を照明としてではなく、

自分の体を支えるために使うように、使用している。

 

意志決定の際に不可欠なのは、見落とされがちですが、静かに熟考することです。

 

すべての統計に目を通し、専門家みんなと話をし、投資家と分析を終えた後、

ひとりになる時間を取って、ものごとがはっきりするまで考え抜くことです。

 

散歩して日陰を見つけたり、ただすわってしばらく考えるだけでもかまいません。

無用に時間をかける必要はありませんが、焦ってはいけません。

バランスを取ることがたいせつなのです。

そうすることで、あなたははるかに良い最終決断を下すことができるでしょう。

 

 

著者:リチャード・ブランソン (ヴァージン・グループ創設者)


元記事:http://bit.ly/1dK4h57

(翻訳:服部聡子)

 

起業の失敗から学んだ7つの教訓

by キマンジ・コンスタブル

(※この記事は”http://www.entrepreneur.com/article/237129” を翻訳したものです。)

無我夢中のままビジネスを立ち上げたのは、私が19才のときでした。短期間で3つの州に規模を広げで、5人の従業員を雇い、500,000ドルもの総収益を上げるまでになりました。ビジネスは順調でしたが、経営について無知であった私は、すぐにどうしようもない状況に陥ってしまいました。

事業を始めて6年が経ち、ずさんな経理の結果100,000ドルもの借金を抱えました。起業家としての夢は悪夢と変わったのです。私のこの経験から若い起業家が知るべき教訓についてお話ししましょう。

エコプレナーによると、18才から34才までの青年アメリカ人の54パーセントは起業家になりたいとの気持ちを持っているということです。ただ、起業家精神とは素晴らしいものですが、それもビジネスを適切に行うことが条件となります。

1. 顧客が誰であるかを明確にする

もしもあなたが「何でも屋」であるならば、ビジネスを成長させるのには苦労するでしょう。マーケティングなどのご自身の努力はまばらになります。セス・ゴーディンは

世界中の人にアプローチしようとすれば、結局誰にも届くことはない。

と言っています。

理想の顧客像について、明確であるほど上手く行きます。新規顧客を見つけ、アプローチするためのベストな手段を見つけるのに役立つでしょう。新しいビジネスを見つけようというあなたの努力が、焦点化されるのです。

2. 実現不可能な約束をしない

ハフィントンポストのブレント・ビショアーは、

あなたの顧客に奇跡を約束するならば、本当に奇跡を届けるべきだ。

と語っています。あなたのビジネスを成長させるならば、しっかりと約束を守るビジネスを心掛けてください。ビジネスを立ち上げた当初は、自分の限界を感じることもあるでしょうが、気にすることはありません。あなたの強みに焦点を当ててください。

3. 整理整頓

あなたが整理整頓できていないと、まわり人がフラストレーションを抱えることになります。従業員、顧客、そしてあなた自身のメンタル面もです!

整理整頓はビジネスが順調に進む上で重要なものです。整理整頓を怠たれば、顧客はあなたとのビジネスから身を引くでしょう。物事を簡潔化し、ビジネスを整理するようにしてください。

リーン・スタートアップ・モデルは、このシンプルさゆえに成功を収めています。

 4. 自分の税金を把握する

税金について詳細に書かれている本はたくさんあります。プロフェッショナルな人材を雇ってください! 税金の管理を間違えば、多くの事業が失敗するでしょう。過去多くの人たちが犯してきた過ちをあなたのビジネスで繰り返さないでください。

5. ビジネスを成長させる要素に焦点を当てる

企業家にとって重要な教訓の一つに、どのように時間を配分するかということがあります。仕事を成長させることに時間を割いてください。仕事に没頭するということではありません。スマートフォンをもっていれば、世界の知識はあなたのポケットにあるも同然です。ただ、これは幸せなことでもあり、同時に不幸なことでもあるのです。

ビジネスを成長するためにリサーチを重ねることで、情報過多の弊害を被ってしまうこともよくあることです。「起業家がやるべきこと」というタイトルで宣伝されている輝かしい成功談などには、惑わされないようにしてください。

6. 具体化するスピードが重要

起業家は、たくさんの良いアイデアをもっています。しかし、本当に成功する起業家は、良いアイデアを将来性のある製品やサービスに具体化することができます。

あなたが市場には常にベストの商品を出したいと思っていても、ベストな商品を生み出すには、時間が必要であり、顧客からのフィードバックが必要です。アイデアが浮かんだら、そのアイデアを試作品として、市場に出してみてください。

顧客には商品は試験段階にあり、開発中であることは伝えましょう。最初から完璧な商品を作ることにこだわる必要はありません。試験段階の商品を使ってみた顧客のフィードバックは最終的な商品の質を生み出すのに必要不可欠なものです。

7.失敗や逆境からすぐに立ち直る

失敗に対する恐怖は、起業家が抱える大きな不安の一つです。けれども、トーマス・エジソン、スティーブ・ジョブスやその他偉大な起業家たちに共通することは彼らがみんな失敗したことです。

有望な起業家は、自分の失敗を、一時的な後退ととらえ、ビジネスの終りと考えることはしません。失敗を経験するとき世界の終りであると考えるのではなく、この逆境をバネにさらに強くなって戻ってくると決意するべきです。

 

私はこれらの教訓を経験しながら再度復帰し、自分のビジネスを元に戻すことができました。結果的に仕事も上手く行き、借金の支払いもすべて終わりました。現在はハワイのマウイでビジネスを成長させています。

「知ったかぶり」の起業家にはならないでください。
以上の教訓を学べばあなたのビジネスは成長して行きます。

 

 

著者:Kimanzi Constable 起業家、著作家、コーチ


この記事は”http://www.entrepreneur.com/article/237129” を翻訳したものです。

訳:服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

 

そのスタートアップは働いてもいい会社か?

by ジェームズ・アルトゥーカー

 

 

もしも誰かがある会社に投資しないかと尋ねてきたとします。

きっとあなたは返事をする前に、その会社に関する情報を収集して、

いくつかの点を考慮するでしょう。

 

新企業の立ち上げの人材として働くかどうかを決断する際も同じような点を考慮すべきです。

下記に考慮すべき点をまとめました。

 

A.その会社の最高経営責任者(CEO)は

 以前にも起業をした経験があるかどうか

 

経験があるからといって、必ずしも成功するとは限りません。
フェイスブックを開設したマーク・ザッカーバーグやグーグルの創業者ラリー・ペイジは

過去に起業した経験はありませんでした。
興味深いことに、スタートアップの85%が倒産しているという統計が出ています。

しかし、最高経営責任者に会社の設立と買収の経験がある場合、

倒産する確率は25%にまで下がっています。
こうした統計の数字を見ると、最高経営責任者の経験の有無は、

その会社の重要な情報の一つとして考慮できるでしょう。

 

B. その会社は、十分な資金の積み立てがあるかどうか

 

「十分な資金の積み立て」とは、以下の二つの点を含むものです。

 

a. 少なくとも1年間会社運営を持続するだけの十分な金額であること

 

ところで、注目すべき重要な事として、もしも会社が起業した時点で、

半年分かそれ以下の運営資金しか持っていない場合、

その会社は既に倒産していると言って良いでしょう。

実績のある最高経営責任者であれば、この事実を知っています。

ですから、上記の点を考慮するのは重要なのです。

 

b.「十分な資金の積み立て」の中には、より多くの資金を集められる人や他の資金源も含まれる

 

手持ちの資金が、友人や家族から借りた一年分の運営費だけだとしたら、

一年間で使い果たしてしまうでしょう。

他にもたくさん良い仕事があるのに、誰がわざわざ好き好んで、このようなリスクを負うでしょうか?
では、3つ目の点を考慮する前にちょっと質問です。

その会社、または最高経営責任者は、資金調達ができ、

また目標や計画といった経営ビジョンをしっかり持っているでしょうか?

C. その会社の最高経営責任者の経営ビジョンを信じることができるかどうか

 

これには、いくつかのことが含まれます。

  • 最高経営責任者は、確固とした経営方針を作り出すのに十分な創造力とコミュニケーション能力がある。
  • その会社は自分も使いたいと思える製品を販売している。
  • たとえ自分ではその製品を使用しないとしても、その製品が多くの人々に役立つことを想像できる。

これがその良い例と悪い例です。

良い例:テスラ

化石燃料減少の必要性に関するイーロン・マスクのビジョンを信じている場合、

またテスラを運転したい場合や、みんなが電気自動車を運転することが多くの人に役立つと信じている場合、

テスラで働きたいと思うでしょう。

 

悪い例:売り込みのアイデアが、すでに消費者さえ宣伝で目にしているようなものである場合。

とてもそんなアイデアで、多くの人の役に立つとは思えません。

ですから、私はそのような会社で働きたいとは思いません

(ちなみに、こんな会社にも投資家はたくさんいるものです)
私は最近、ビタミンや医薬品を吸引する技術を開発したスタートアップに投資しました。

私自身、その会社の製品を使用しているので、その製品が多くの人に役立つことをすぐに理解できました。

(アメリカ人の多くは、ビタミンDが欠乏していますが、

このビタミンはビタミン剤としては吸収することができないのです。

とはいえ、決してこの場でこの会社への投資を募ろうとしているのではありません。

この会社はすでに十分な資金を得ています。)

Tesla Visit 7

D.会社の価値

 

おそらくあなたはそのスタートアップのオプションを与えられるでしょうし、

投資額に応じて、そのオプションは増加していくはずです。

では、どうすれば最新の包括的評価が良好であるかどうか、確認できるでしょうか?
少しの間、会社が調達した資金のことはおいておきましょう。

(資金については上記ですでに述べています)
けれども、もしもあなたが会社の運営に必要な現金を持っていたとします。

そのお金で良質で長く売れる製品を作り出すことができますか?

たとえば460億円あれば、タクシーの配車アプリサービスをおこなっているウーバーを超える企業を

立ち上げることができるでしょうか?

私にはちょっと疑問です。

とはいえ、多くのスタートアップが、全面時価評価額を現金で渡されたら、

簡単に経営を譲ってしまうことでしょう。
低い評価で、容易に経営を譲り渡してしまうような会社に勤めるのは止めましょう。
考慮すべき二つ目。

もしも価値を信じている場合は、オプションはベンチャーキャピタルの評価額ではなく、

「409 A評価」であることを確認してください。

こちらの詳細に関してはグーグルで検索して下さい。

 

E. その会社に勤めることで何か学べるか

 

セルゲイ・ブリンの面接について、とても良い話があります。

彼は通常、面接の最初の数分で、その人を雇うか雇わないか、わかるそうです。
そしてその後の面接の残り時間は、たとえ雇わないと決めた相手でも時間を無駄にせず、

少なくとも1つのことをその人から学ぶように努めているそうです。

たとえすべての判断を間違い、最悪の状況に陥ったとしても、

その状況から、すみやかに、たったひとつでも学ぶことができれば、

それは自分の肥やしとなり、次の仕事に生かすことができます。
スタートアップではありませんでしたが、

私はかつて大手ケーブルテレビの HBOで仕事をしたことがあります。

技術面からエンターテインメント、そしてテレビ制作に至るまで、

本当にたくさんのことをその3年間で学び、自分の肥やしとして身につけることができたのでHBOを辞め、

自分で会社を始めて成功することができました。

Creative Company Conference 2011

 

F. その会社の環境と人間関係はどうか

 

私は様々な理由で、年間多くの企業を訪問しますが、いつもその会社の空気を読むようにします。

 

a. 社内の人間関係

 

たとえば、私が投資しようと思っていた会社は、共同経営の体制をとっていました。

私は噂で一方の経営者が、他方の経営者の噂話を流していると聞き、投資を止めました。

会社全体の文化と環境は、上から下に影響します。

事業を開始したパートナー同士が一致団結していなければ、

会社全体が協調性に欠けていると言えるでしょう。

 

b. 従業員が顧客のことをどのように話すか

 

ジェットブルーの創業者の伝記を読んでみてください。

彼は、顧客サービスのメールに毎晩、午前3時まで対応しました。

さらには月に一度、飛行時間の長い飛行機に自ら乗り、

後部座席から前方座席に向かって、順番に乗客のとなりに座っていき、

何か問題がないかを聞いてまわるそうです。

彼は実際そうしている間に良い人材を見つけ、従業員として雇いもしたそうです。

最高経営責任者だけでなく、すべての社員が顧客に対してそのような態度をとる必要があります。
1年前、ある法律事務所を訪ねました。

そこの社員は顧客を中傷したり、馬鹿にするようなことを話していました。

そのような会社では決して働きたくないですし、また投資したくもありません。

企業と顧客は、ひとつのエコノミーシステムであって「会社 対 お客」ではないのです。

 

c. 会社の上司と経営陣はどのような人か

 

上司の多くは、 「飛行機でこの人の隣に座って出張したいだろうか?」という問いに基づいて

雇うか雇わないかの決断を下します。

あなたも自分の将来の上司について、同じように決断を下すと良いでしょう。

あなたが上司を必要とする以上に、上司はあなたが必要だということを信じてください。

ですから、あなたが上司を好きかどうかは大事なポイントなのです。
また、再度エコノミーシステムについて考えてみましょう。

社内での社員同士の関係を調べてみてください。

噂はすべて悪いものだったとします。

社員が同僚を尊敬し、大切にしているのでない限り、

その会社で働くべきではありません。

G. 流行の傾向

 

ウォーレン・バフェットは、価値志向型投資家ではありません。

多くの人がそう思っていますが、1960年代初頭以来、彼は本格的な価値志向型投資を行っていません。

ウォーレン・バフェットは、流行を先取りした投資家です。

バフェットの言葉を2つこちらに引用します。

 

もしその会社がいまから20年経っても健在なら、その会社の株は買うにふさわしいと言えるだろう。

 

もうひとつは

 

もしあなたが将来流行ると感じるなら、たとえ経営管理がよくなくとも、

その会社はうまくいくだろう。

例として、『大胆であれ』という本は、

今話題のムーアの法則を使った多くの流行の傾向を参考にしています。

その例としてロボット工学や、もののインターネット、3Dプリンターなどがあります。

こちらを参照するのもよいきっかけと言えます。

または今話題となっているヘルスケアの崩壊に関与する企業を参照にするのもよいでしょう。
別の例では、私は大手のタクシー会社にお金を貸す会社よりもウーバーで、

マリオットよりエアービーアンドビー、GMよりテスラで働きたいです。

Headshift business card discussion

H. その会社の将来の展望は明るいかどうか

 

面接のときにいつ株式を公開するかなど尋ねることはできません。
会社がいつ売りに出されるか、または株を公開するか、

社員が持ち株を売る機会がいつ来るのかは全く予測不可能です。

良い会社は、株を公開するまで7年から10年待つことがあります。

というより、実際には良い会社はそのぐらい待つ必要があります。

なぜなら、もしもその会社がうまくいっているならば、間違いなく市場よりも早く成長しているからです。

ですから、できるだけ非公開にしておいて株主と従業員の利益が最大になるまで待つのです。

しかし、ここで問題です。スタートアップに勤める従業員の平均勤務年数は3.1 年です。
ですから7年から10年間、その会社で働けるかどうかを考慮するのは良いことです。

また、経営者が最終的に株を公開することに興味があるかどうかについても

出来るだけ探っておくのは良いことでしょう。

一部の最高経営責任者には、公開するつもりがない場合もあります。

 

I. その会社の最終的な利益はどうだろうか

 

収益が出る見込みを確認してください。

会社によっては起業後、数年経ってから収益が出る場合もあります。

しかし、最終的には大きな利益(収益だけでなく、利益)が出る会社に勤める利点は、

他にもたくさんの特典があるということです。

ウォルマートとグーグルのチーフを比較してみましょう。

ヒントとして、ウォルマートにはチーフはいません。

 

***

 

以上が、あなたがスタートアップで働くかどうかを決めるためのチェックリストとなるでしょう。
けれども、忘れないでほしいのは、ここではあなたこそがもっとも大切な人だということです。

自分の必要なものを大切にしてください。

あなたには大きな自由があり、

仕事でもっと能力を発揮することができ、

一緒に働く人との間に、もっと良い関係を築くことができるのです。
言葉を換えると、あなたは幸せになるべきなのです。
そうしてそれこそが、仕事に就く最大の理由なのです。

 

著者:ジェイムズ・アルトゥーカー(起業家、著作家)


元記事:http://linkd.in/1PFdyrL

(翻訳:服部聡子 責任編集)

 

スタートアップのCEOになるというのは一体どんなものですか?

 

 

本記事は、あらゆる質問にベストな答えを提供するQ&Aサイト、クオラからの転載です。

質問をすれば、素晴らしい回答が返ってきます。

専門家に学び、インサイダーの知識を手に入れましょう。

ツイッター、フェイスブックとグーグルプラスでフォローして下さい。

 

回答者:カイル・スタルザー(タックCEO)

 

こういった質問への回答は、一般的に、びっくりするほどネガティブな方向に歪んでしまうものです。

そして、そういったネガティブな回答に多くの共感が集まるのです。

ですが、スタートアップのCEOとなることによって、

業績の良し悪しに関わらず得られるものがあるのであり、

私が思うに、それが無視されているのです。

 

CEOは、在任期間が6ヶ月となっても6年となっても、

退任までにはべき数的な進歩を遂げることになります。

そして、その進歩は、会社の目標をはるかに超えたところまで到達するのです。

CEOであるということは人に成長、順応、学習を強いるものであり、

そのペースとスピードは、他のいかなるキャリア・パス(MBA、コンサルティング業、就職)をも上回るのです。

これは、会社を数百万ドルで売却することになろうとも、

事業縮小の後に店じまいせざるを得なくなっても、同じように起きることです。

下にあげるように、非常に強烈な経験となるのです。

 

89757035-businessman-speaks-on-the-phone-in-londons-financial

 

まず第一に、プレッシャーに応じて体系的に行動することができるようになり、

困難に耐えることができるようになります。

 

会社と評価を左右する決断を、

確信の持てないなかでも下すこと(実際は、そんな場合がほとんどです)を学びます。

良い決断も、ときには悪い結果となる決断もありますが、

経験することでしか、この能力は身につきません。

 

そして、スタートアップのCEOという役割につくことで、

この能力は飛躍的に前進するのです。

 

これは、訓練を通して反射を身につけるようなものです。

シミュレーションしたり、自分以外の経験から吸収することはできません。

 

そして、この能力がその後の人生において、

職業の種類によらず、どれだけ貴重なものとなるか考えてみてください。

人生において、プレッシャーがなくなることはありません。

プレッシャーのなかにあっても冷静を保ち、

状況を十分に吟味した上で判断が下すことができる能力が身についていたならば、

と考えてみてください。

 

また、自分にしかない才能は何か、そして本当に大切にしたいもの、

あるいは仕事として楽しめるものは何か、ということが、すぐに分かるでしょう。

 

また、同じようにすぐに、上の二つとは反対ですが、同じように重要なことが見えきます。

 

すなわち、不得手で苦労するものは何か、

大切にしたいと思いながらも好きになれないものは何の、どんな要素かということです。

これは、引退が近い場合は除きますが、将来の幸福を買うための素晴らしい頭金になります。

 

なぜか?

なぜなら、それ以降の人生を、仕事という面で自分を幸せにするものは何か、

惨めな気分にさせるものは何かを理解したうえで、自分自身を導いていけるようになるからです。

 

そして最も重要なのは、私の考えでは、木々の一つ一つから森全体を見られるようになることです。

 

波は様々な角度から来る要因が重なって起きますが、

波紋の影響まで計算して決断を下すことができるようになります。

そして、スタートアップのCEOであるということは、

この計算と決断の集中的な特訓を受けているようなものなのです。

これは、大企業で役割の決まった仕事やポジションにつくことよりも、余程そうなのです。

 

企業での仕事では、毎年、二つか三つの大きな目標を設定し、

それを一年かけて計画し実行します。

ですが、スタートアップのCEO場合、決定を左右する要因はダイナミックなのであり、

他の人たちや計画、戦略への影響も考慮しながら決断を行なっていく必要があります。

そして、これこそが最も重要なスキルになるのです。

 

なぜなら、人生が進むにしたがって、下さなければならない決断もダイナミックになっていくからです。

家族、子供、家、車、教育などは全て、大きな波紋を生み出す、重大な決断です。

スタートアップのCEOという経験を通して、こういった決断を俯瞰できるようになるのです。

 

要約すれば、スタートアップのCEOであることを通して、

実際の経験なしでは得難い、人生をより良いものにするスキルを身につけることができるのです。

 

 


元記事:http://slate.me/1gm9FgA

(翻訳:角田 健)