ジェイ・エイブラハムと人間性の哲学

Q: ジェイ・エイブラハムさんの人間性の哲学についてお尋ねします。あらゆるタイプの人とそれほど簡単に、深く、自然体で関わることができるのはなぜですか?どのようにして会話を始めたり、質問をしたりしているのでしょうか?

A:
1つ目の答えは、私は人間が大好きだということです。

2つ目の答えは、人に対して、非常に批判的になることもありますが、非常に寛大でいることもできるからです。

3つ目の答えは、誰一人として同じ現実を持っておらず、誰一人としてある物事に対する同じ定義を持っているわけではないということを認識しているからです。

4つ目の答えは、ほとんどの人は、方法さえ知っていれば今よりも優れた人間になれる、ということが私にはわかっているからです。人というのは、平凡でいたくはないのです。

5つ目の答えは、私はまず、人々がどのように人生をとらえているか、ということを非常に真剣に認識し、理解し、観察し、評価し、感謝し、認めようとします。なぜなら、それがその人の現実だからです。

6つ目の答えは、誠実な人となら、どんな人と関わるにしても、私には救いようがないくらいの好奇心があり、救いようがないほど人に惹かれるのです。誠実な人とは、私が好きではない人の場合もありますし、腹立たしく思うこともありますが、心の中は誠実だということです。自分自身に対して不満に思っているだけかもしれませんし、それすら気づいていないかもしれませんが、私はその状況を乗り越えたり、切り抜けたり、受け入れたりします。

私は自分のことを「変革のための触媒者」だと思っていますので、ロールモデルになることが私の役目です。どんなことでも、言葉で話すことは、実際にやってみせることほど効果的ではありません。実際にやってみせるというのは、たとえば、自分がロールモデルなのに目的を持っていなかったら、自分の理想や信念に対する取り組みを欠いているということです。私はさまざまな人の人生に関わっていますので、関わる人すべてを豊かにするために力を尽くしています。その人たちが騒いだり、その人たちについて称賛できないこともあるかもしれませんが、向上していきたいと思っていることはわかっていますし、私やその人自身と闘っているだけかもしれません。

私はそれほど信仰心が厚いわけではありませんが、信仰心が厚ければユダヤ教徒ということになります。ただ、キリストの「彼らをお許しください。自分たちが何をしているのか知らないのですから」という言葉が好きです。

徹底的な皮肉屋、巧みな言葉づかいばかりして不誠実な人、清廉潔白ではない人に対しては、非常に批判的になることもできます。しかし、ただ何かを見失っている人、いわば、論理的なプロセス上の方位磁石が自分自身のせいで磁気を帯びなくなった人に対しては、その人の気持ちに寄り添いたいと思うのです。

多くの人は、自分とビジョンを共有しない人に対して、拒絶したり、言い争ったり、否認したりしようとします。 私の場合は違います。現在の私のように世界中を旅するようになると、数え切れないほど多くの人が、数え切れないほど多くのことを世界中で行っているということがわかるでしょう。また、暮らし、価値観、道徳観、地理、文化、食べ物などあらゆることには、それぞれ数え切れないほどの多様性があることもわかります。ですから私は、相手の目的や意図以外のことで物事を判断することはほとんどありません。

以前は、現在ほど情け深い気持ちを持って対応するということはしていませんでした。両刃の剣を使って完璧な外科手術を行うように、相手を打ちのめすこともできました。もしそうされるのが当然の人ならば、ということですが。しかし、年齢を重ねるにつれ、人間の多様性について、人間の愛すべき欠点について、人間の奥深くにある、報われないこともある欲求について、尊敬の念を抱くようになってきました。そのようなことに心が引きつけられるのです。そして、人々を上のレベルへ上げようとすることに魅せられています。

どのようすれば、そのように人と関わることができるのでしょうか?

まずは、話を聞くことです。聞くこと、認めること、そして尊敬することです。多くの人たちは、お互いに対してそのようなことをしません。そして、その瞬間にその場にいる、ということです。自分が何を言うかなどと悩んだりしません。相手との関わり合いから、言ってみれば自然に流れるままにするのです。繰り返しになりますが、人間は誰もが魅力的な存在だと私は思っています。

男性、あるいは女性を見て、誰かの息子や娘だろうと思い、小さいころは、幸運なら無邪気に過ごしたでしょうし、そうでなければつらい思いをして過ごしたでしょうが、そのような経験によってその人は強くなり、現在に至るわけです。

その現時点から、私の力を添えてさらに良い場所へ上がれるなら、私はそうすべきなのです。なぜなら、私はそうしたいと思っていますし、その能力があるからです。できるかぎり上の場所、ということではなくても、現時点よりも高い場所に上がってもらいたいと思っています。これは、人生における人間性、貢献、達成、バランス、喜び、情熱、目的、可能性、愛などにおいて、ということです。あなたは、驚くほど爆発的なレバーを持つことができます。1人を手助けすれば、その人が向上していくとともに、関わり合う周囲の人たちも向上していくのです。

(ディスカッション・グループの記録 “7-1/2 Minutes of Clarity”より)


(渡部真紀子)
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員。
アメリカの大学でビジネスを学んだ後、帰国して小売り業界で働くが、国際的な仕事への想いが募り、翻訳の道へ。マーケティング関連の翻訳を経て、弊社翻訳チームに加わる。

ジェイ・エイブラハムが「クライアント」にこだわる理由

Q:ジェイ先生はいつも「顧客」ではなく「クライアント」という言葉をつかいますが、どうしてですか?

 

A:

これには2つの考えが関係しています。相手をどう見るか、そして自分をどう見るか、という考えです。

まず相手をどう見るか、ということに関してですが、辞書で「顧客」と「クライアント」をひいてみると、次のような説明が載っています。

「顧客」は、商品やサービスを購入する人。

一方「クライアント」は、気遣いや保護、改善や福祉の対象です。

あなたの商品やサービスに興味を持つ人を「クライアント」と呼ぶとき、それはあなたが彼らを単に「自分から買ってくれる人」と見ているのではなく、彼らひとりひとりを個人として尊重し、生活を豊かにしたり保護を与える対象として見ていることを示しているのです。

そしてもう1つ関係している考え方は、自分や自分の商品・サービスをどう見ているかということです。英語には「コモディティ」という言葉があります。そもそもは「日用品」などを指す言葉です。あなたやあなたのビジネスはコモディティ化してしまっていますか?つまり、ほかのどこの店からでも買える、特別なところなど何もない商品やサービスになってしまっているでしょうか?自分の商品やサービスが単なるコモディティだとしか思えないなら、それらに興味を持ってやってくる人はただの「顧客」となってしまうでしょう。

これらの考え方については「限界はあなたの頭の中にしかない」や「卓越論」の中で、詳しく説明されています。
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a_washiyama (ShimaFuji IEM 翻訳チームメンバー)

 

 

ジェイ・エイブラハムに質問:モチベーションを高めるには?

Q. アパレル企業でバイトしている学生です。上司にもっとたくさん売ることばかりを求められて、抑圧されていると感じます。どうしたらもっとモチベーションを高めることができるでしょうか?

A. 質問が間違っていると感じます。
あなたはパートタイムで働いていて、人に似合う服、良い服を着てもらって、人を幸せにしたいと考えているのですね? でも、会社は「もっと売れ」とあなたを抑圧している。
そこであなたがすべきは、あなたの目から見て、良い服を着ていると感じられる人のところへ行って、「どこで買ったのですか?」と聞くことです。つぎにその会社に行って、自分は良い服を着てもらうことで人を幸せにしたいと考えている、情熱を持っている、ここの服を売りたい、雇ってほしい、と訴えるのです。そうやって、あなたが心から良いと思える会社と関係を築くのです。

(12/3 ビジネスサミット2016会場でのQ&Aから)


服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

ジェイ・エイブラハムは情報商材ビジネスをどのように考えているか

Q:ジェイ・エイブラハムさんは情報商材として自身が金儲けの亡者の代表のように売られてきた経緯があると思うのですが、そのあたりも含め、情報商材に対してどのように考えてらっしゃるのでしょうか?

A: ジェイエイブラハム氏は我々チームに言いました。「情報商材ビジネスを残念に思っている人も多いと思うが、彼ら全部が悪いわけではないんだよ。彼らは正しいビジネスの方法を知らないだけなんだ。誰かが導いてあげないといけないんだよ」と。(2016年12月4日のスタッフ・ミーティングにて)

確かに、「情報商材」はそのまま英語にすると、なんら問題ある用語ではありません。国土が広く、通勤に車を使うことの多いアメリカでは、カセットテープの時代から音声ビジネス教材で学ぶ人は大変多く、親しまれています。ですのでその延長で、動画や音声といった教材をオンラインで提供するような情報コンテンツは、とてもポピュラーです。日本でも例えば英語の音声教材など、オンデマンドやダウンロード教材として馴染みがありますよね。

ところが、日本ではオンラインのメルマガ・マーケティングの黎明期に、「まぐまぐ」などの読者を有料で購入し、その膨大な購読リストに向けて、「儲かる方法」を教えるセミナーを開催。バックエンドで高額商材を売りつけるという手法が一時流行りました。中身のない高額商材を買う人はそんな何万人も存在しませんので、騙されやすい(購入者)リストは売買されるなど、黎明期の無法状態の時に荒稼ぎし、シンガポールや香港で悠々自適の生活を送るアフィリエイターも存在します。無料や低額セミナーに大人数を動員し、「ハイハイ商法」という羽毛布団を売りつけるような手法で、意味もなく高い「塾」や「コンサル」を売り付けてきました。2016年現在時点で、そのような強引な商法は随分下火になりました。もうそんなものにお金を出せる人がいなくなったのです。

あるいは最近医療系まとめサイトで問題になっている、行きすぎたSEO対策も、若いオンラインマーケターのバランスを失った結果至上主義の顛末です。

しかし考えてみると、多くのオンラインマーケターやアフィリエイターは、日本では挽回のチャンスを奪われた才能ある若者とは言えないでしょうか。彼らの這い上がるチャンスを日本社会が奪っているのではないか、あるいは間違った方向に行かないよう、誰かが指導し導いてあげる必要があるのではないか。ジェイ師の指摘を受けて、そんな風に感じるようになりました。

彼らがお金に執着するのは、お金は彼らの自信を裏付ける最もわかりやすい方法だからです。マズローでいうところの「自己承認欲求」が満たされておらず、「落ちこぼれ」のまま精神的飢餓状態で大人になった、青少年のような心の持ち主たちとは言えないでしょうか。だからこそ、彼らにはコーチングや、NLPや、協会ビジネスがハマるのでしょう。いわば、オンラインでのネットワークビジネスです。

しかし、リアルと同様、ネットワークビジネスはビジネスにはなりえません。参入者として他者が作ったビジネスモデルに組み込まれていても、決して豊かになれないのです。ビジネスというのは誰も気づいてない点と点を線で結びつけることで、何もないところに利益のレバレッジポイントを見出し、それを不屈の精神でやり遂げないといけません。

今こそ、私たちは真摯に、丁寧に、ジェイエイブラハムの教える「ビジネスの方法」を広めていかねばならないと考えています。

 

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの
東アジアディレクター(交渉代理人)。日本独占エージェント。
ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。

 

 

ジェイ・エイブラハムの卓越論から「共感」について説明してください

Q:ジェイ・エイブラハムさんは「共感」について、「人は本当にほしいものはわからないから、言葉にしてあげなければならない」と言っていますが本当にそうなのでしょうか。私は自分のほしいものは、教えてもらわなくてもわかっていると思いますが。

A.「ほしいもの」とは何か、ここで少し考えてみましょう。私たちが何かを「ほしい」と思うときの「ほしい」には2種類があります。喉がかわいて水が「ほしい」、疲れて休息が「ほしい」…
こうした「ほしい」は、私たちが生きていくために欠かせない欲求で、水を飲んだり、食べ物を食べたりして、満たすことができます。ところが私たちが食事をするときに求めているのは、飢えを満たすためだけではありません。おいしいものが食べたいとか、親しい人と楽しく食事がしたい、というように、生理的な欲求を満たすだけでは、満足できないものなのです。

私たちの社会は、一般的に「消費社会」と呼ばれています。
商品の売買は大昔からなされてきましたが、なぜあえて現代が「消費社会」と呼ばれているかというと、そこには理由があります。たとえば洗濯機は、衣類を洗う道具としてだけ購入されているのではありません。同時に「家庭の幸福」や「清潔感」あるいは「最先端の機能の付いたハイテクマシンを購入できる購買力のある人」というさまざまな役割を担って購入されます。「洗濯機」という「もの」が、「もの」としての機能を超えて意味を持ち、その意味が消費される社会だからこそ、「消費社会」と呼ばれているのです。

そんな消費社会に生きる私たちが抱く、コンピューターやスマートフォン、自動車や時計、服や装飾品に対する「ほしい」という欲求は、他者から認められる自分、「あんなにステキな服を着ている人」「あんなにカッコいい時計をはめている人」「あんなに高級な車に乗っている人」と見られたい、という欲求です。ところがこうした「他者からこんなふうに見られたい」という意識は、しばしば私たち自身の中で覆い隠されているのです。
こんな経験はないでしょうか?ブランド品を持つ人に聞くと、たいてい「ものがいいから」「長持ちするから」と言います。本当にそうなのでしょうか? 量販店で売られている商品の中にも、品質は決して劣らないものもたくさんあるのではないでしょうか?その人は本当は「ブランド品を持つ~な自分」と見られたいからなのではないでしょうか。

では、自分からさえ隠されている欲求を、どうして他人がうかがい知ることができるのか、と考えるかもしれません。ところがおもしろいことに、他者はそのことに気づけるのです。社会学者のジンメルは、こんなことを言っています。

私たちは、他者がすすんで明らかにするよりも、他者について多くのことを知っている。
しばしばその「多くのこと」は、それが知られていると本人が知れば、本人には都合が悪いことなのである。
(『社会学』第五章から大意を要約しています)

つまり、私たちのコミュニケーションというのは、「伝えたいこと」を超えて、「つい、伝わってしまう」という部分の方が大きいということなのです。そうして私たちが自分からも隠そうとしている「他者からこのように見られたい」という欲求も、他者には伝わってしまっていることが少なくないのです。

卓越論のいう「共感」とは

ジェイ・エイブラハムは、卓越論の基本的な柱に「クライアントの身になって深く考える」ということを置いています。クライアントが信頼できる相談者となること、「あなたの痛みは私の痛みです。あなたの問題は、誰よりもよくわかっていますよ」と示すことがきわめて大切である、と。

クライアントが自分からも隠している、心の底に秘められた欲求に気づき、言語化し(それを直接相手に告げるかどうかは、場合によるでしょう。むしろそのことは告げないことの方が良い場合が多いかもしれません)、解決方法を示してあげる。最新式の大型テレビをほしがっている人は、もしかしたら本当はテレビではなく、家族が集まってくれることなのかもしれません。だとしたら、最新型のテレビよりも、もっと良い提案があるのではないでしょうか。

ジェイ・エイブラハムのいう「共感」とは、そういうことなのです。


服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

ジェイ・エイブラハムの「戦略」と「戦法」「手法」の違いについて

Q:ジェイさんの文献ではよく、「戦法」と「手法(もしくはテクニック)」が対比されています。この2つの違いを分かり易く教えてください。

 

A:
戦略(strategy):
全体的かつ包括的な行動計画

手法(tactics):
何かを行う方法

両方とも軍事用語ですので、辞書では軍事的な文脈の場合の訳も出てきますが、一般的には上記のような訳になるかと思います。では具体的にビジネスではどのように当てはめられるでしょうか?

例えば次のようなものは、戦略と呼べるでしょう。
「ターゲットは中規模市場で、初回購入の消費者向け商品をオファーします。そして、購入者の期待に120%答えることで信頼を勝ち取り、リピートを通じて更に多くの商品を売ります。マーケティングを駆使して顧客を獲得します。他社よりも良い商品、パフォーマンス、保証などを提供してくれると、購入者に思ってもらうためです。私たちはそれに120%応えます。」

一方、手法とは、このような戦略を市場で達成するための方法やメカニズムです。広告を出す、メールを送る、ウェブサイトを作って情報を載せる、展示会にブースを出す、といった様々な手法があります。ジェイ師は常に、「戦略的であるように」と言います。つまり、包括的な行動計画を先にしっかりと確立させ、それを達成するために手法を吟味して用いていかなければならない、ということです。

ちなみにShimaFuji IEM 翻訳チームでは、いまだにこの「戦略(strategy)」の訳に迷ってしまうことがあります。文脈からよく考えてみるとそれは、「会社の理念」とか「ビジネスを運営していく上での心得」という意味にも捉えられる場合があるのです。

「戦略」が、ビジネスの中心にある柱のような存在であることを、分かって頂けたでしょうか?

ジェイ師はこうも言っています。
「気まぐれに、新しい手法にとびついてはいけない」と。
戦略を達成していくためにどんな手法を選べばよいのか、どのように選べばよいのかも、師はセミナーや著書で詳しく、分かり易く説明しています。

 

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a_washiyama (ShimaFuji IEM 翻訳チームメンバー)