収益性の高い企業11のルール
/カテゴリ: ビジネス情報, 営業戦略 /作成者: Shimafujiティム・フェリス
最小の労力で、最大の収益をあげるにはどうすれば良いでしょうか?
質を犠牲にすることなく利益率を最大化するにはどうすれば良いでしょうか?
顧客や売上の話をしているのではありません。
ましてや職場や従業員についての話でもありません。
利益そのものについてです。
さまざまな国々において、実績の高い*注CEOの役職の人たちに行った取材に基づき
(*原注:従業員1人当たりの年収から計算しここでは“高い”と定義します)、
それぞれに共通する11のルールをまとめました。
まさに原点に帰るというメッセージです。
ここに継続的に利益をあげる、もしくは倍にする、
しかも3か月以内にそれを可能にする、カンニングペーパーをお見せしましょう。
ルール1 : 良い宣伝は初めからうまく行きます
反復はたいていが余計な労力です
独自に管理できるダイレクト・レスポンス広告
(顧客が直接電話をかけたり、ウェブサイトにコンタクトできるもの)
を出してください。
「イメージ」や「ブランド」を前に出す宣伝(URL、電話番号、アドレスなどの無い掲示板など)ではなく、
内容が全て説明されるような宣伝のことです。
ただし、他の企業がコスト削減のために事前に購入するような場合は除きます。
(例:288個の商品をお買い頂ければ、御社の店舗、URL、電話番号などを
1ページ丸ごと掲載しますといったオファー)
「他の企業が動き出す前に、3枚(7枚、27枚…)のイメージ広告を出してください」
などというような話を持ちかける広告販売員の声には、耳を傾けないでください。
デザインが良く、うまくターゲットが絞られている宣伝活動は、初めからうまく行きます。
たとえ部分的にしかうまく行っていない時
(クリック数が高くても売り上げに繋がっていない(CVR)、もしくはその逆のケースなど)でも、
若干の修正、テコ入れ、細部をテストすることなどによって、
高い水準の投資利益率を得ることも可能となります。
投資利益率をたどることのできないようなものは、すべて断ってください。
ルール2 : 流通の計画を最初に立てる
商品の前に価格設定を
価格設定は弾力性のあるものでしょうか?
初期段階で、必要に駆られて簡易ウェブサイトを使い、消費者直販している企業も少なくはありません。
後に流通業者や再販業者が会社にやって来た時に初めて、
彼らを受け入れるだけの収益を出していないことに気づくことになります。
流通業者がiTunes、世界的なウィジェットを配布しているOrbitzでも同じことです。
あなたが40%の利益率を得ているとします。
全国の流通業者が小売業者に売るために、卸売価格の70%の値引き(もしくは利下げ)を必要とした場合
事後に値段を上げて利益率を上げるか、
問題を解決するために「プレミアム」な商品を売り出さない限り、
あなたは消費者直販を一生続けることになるでしょう。
うまくいっていないスタートアップにとって、この種の問題は、
大量の顧客離れや機能停止に等しいものです。
値段を設定する前に、流通開始から2年間の計画を練ってください。
数字が変わってきた? 再検討しましょう。
仮定をテストし、経験のある人に尋ねて、目に見えないコストを見つけてください。
共同広告、一括購入に対するリベートの提供、
棚スペースや特別商品扱いなどのコストが必要ではありませんか?
ある全国区ブランドの前CEOは、大手小売店の店頭棚に商品を並べる前に
自社を、世界規模の清涼飲料水メーカーに売却することになってしまいました。
仮定をテストし、価格を決める前にやるべきことをしてください。
やるべきことはいくらでもあります。
3. 利益を増やすためには流通の制限を
余計なものはないほうがいい
流通経路が多いことは良いことでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
コントロールを失った流通は、頭痛の種と利益損失を引き起こすものですが、
大抵は悪質な格安業者が関連しています。
再販業者Aが、オンライン格安業者Bとの競争で値段を下げますが、
価格競争はどちらも十分な利益を上げられず、
あなたの会社から追加の注文、買い入れを止めてしまいます。
この価格の下落競争では新商品を出すような対策が必要ですが、
下落する価格が元に戻るようなことはほとんどありません。
このようなシナリオを避け、数は少なくても重要な販売店とパートナーになることを考えてください。
良い条件で取引をするのです。
ディスカウントは少なくし、
純支払いではなく前払い、好待遇やマーケティングサポートなどでカバーするのです。
アップルであろうとエスティローダーであろうと
高利益を持続しているブランドは、最初から統制された流通を行っています。
大事なことは、より多くの顧客を得ることではありません。
利益を持続させることが目的なのです。
4. 需要の創造vs.条件の提示
支払い条件をゼロに
この項目はルール3に関連します。
エンドユーザーの需要を生み出すことに集中してください。
そうすれば、あなたが支払い条件を決定することができます。
大型広告ひとつで、十分に活用できることがよくあります。
たとえそれが残り物のディスカウント・レートで購入したものであっても。
業界の誰もが支払い期間を提示しているからと言って、
あなたがそれに従う必要はありません、
支払い条件の提示は、会社を失敗させるおもな要因の一つです。
支払を引き延ばさせて、キャッシュフローが乏しくなるのを避けてください。
相手にスタートアップの経済状態を伝え、どんなときにも役に立つ「会社方針」を説明します。
それを前払いが必要な理由として、許しを得るようにしてください。
けれどもこの際に、例外を作るようなことはしないでください。
もし30日以内に支払いを受けるという契約をした場合
(請求、もしくは商品の到着から30日後に支払われる)、
支払いは60日以内ということになり、120日以内になることもあります。
スタートアップ企業にとって時間とは一番高価な資産です。
滞納するお金を追い続けることは、あなたの利益のマイナスになります。
一方で非常にたくさんの顧客があなたの商品を求めていれば、
再販業者と流通業者には、買う必要がでてきます。
とても単純なことです。
例えば、ウォルマートからの大量受注は思いがけない幸運だと思いますか?
注意しなければなりません。
この場合180日以内の支払いが条件となり、売れ残りの商品は返品が可能なため、
あなたの会社はどん底に追いやられることになります。
在庫に残ってしまった商品はどうやって支払いをしますか?
一般的には負債を抱えることになります。
もし、適切な販売をせずに売り上げが十分に伸びず、
お金が販売店から戻ってこない場合、あなたはどうしますか?
慎重になる必要があります。
有利に局面を変えるために戦略的マーケティングとPRに資金と時間を費やしてください。
消費者の需要=より良い条件を交渉するあなたの力量なのです。
- 成長を確保するためにマイナスの下降をコントロール安全マージンを犠牲にする
商品とそのマーケティングは分析され、売り出される準備が整っていない限り、利益を挙げるための商品を大量に生産してはいけません。つまり、需要を確保しセルスルーレートが予測できることが条件なのです。
プロトタイプ商品の限定生産に一つ10ドルかかり11ドルで売る場合、初期テスト期間において問題はありませんし、マイナス下降を制限するには必要なことです。テスト期間では一時的に安全マージンを必要に応じて犠牲にし、致命的になるような取引の先行投資は避けます。
- 新しい隙間市場の可能性ラビッシュ・ドワーフ・エンターテイメント・ルール
数年前、ある投資銀行家が証券取引委員会に違反し逮捕されました。
ヨットで豪華なパーティーを開く内容が捕まった一因とされていますが、その中でも小人を雇っていたことが取り上げられました。冗談ではありません。この小人斡旋会社のオーナーであるダニー・ブラックはウォール・ストリート・ジャーナル紙に「ラビッシュ・ドワーフ・エンターテイメントに入れ込む人がいます」と語っています。
新しい隙間市場について言えば、そこには秘密があります。市場をニッチ化し、大量にものを売るこことは不可能ではありません。
アイフォーンのCMは50代の人が踊っている姿を映すのではなく、ヒップな20、30代の若者を取り上げますが、老若男女みな若々しく流行に敏感でいたいため、アップル製品を身にまとい、自身をコンバーツと呼ぶのです。マーケティングでは描く人物が商品を買う大半の対象者を表しているということではありません??むしろ多くの人に羨望される人のグループである傾向があります。市場自体がターゲットなのではありません。つまらない平凡な人生を望む人は誰もいません、顧客全てにアピールすることで送るメッセージの内容が軽薄にならないように気をつけてください、結局誰にもアピールすることなく終わってしまいます。
- ドラッカーの再考「測定できるものは達成できる」
いやおうなしに計測をしてください、ピーター・ドラッカー曰く、「側的できるものは達成できる」のです。測定に関して、経営統計をとること以外に役立つことはCPO(コスト・パー・オーダー:宣伝、達成と予想利益、不渡り手形、不良債権を含むもの)、許容広告料(広告に損をすることなくかけられる最大の金額)、MER(メディア・エフィシェンシー・レーシオ)、収益率と追加注文率に打ち出されたライフタイム・バリュー(LV)などを考慮することです。ダイレクト・レスポンス広告をご自身のビジネスに適用することも検討してみてください。
- ハイパーアクティビティ vs. プロダクティビティー 80:20とパレートの法則
忙しくしているということは生産的であるということにはなりません。実際に忙しい状態にあるときは、怠惰である状態にある、つまり考えることを怠り、見境なく行動しているのです。
美徳とされている起業オーバーワーク倫理を忘れ、分析的になってください。「賢く働き、仕事量を減らす」ということを言うつもりはありません、ハードワークは的を射ている限りは何の問題もないと思っています。
パレートの法則として知られる80:20の法則は、望む結果の80%は自身の活動と資金投入の20%であるということを述べています。週に一回は午後に体力を燃やし尽くすのではなく、自分の努力が確実に高収率に繋がるかどうか数字を計算してみてください。
顧客、商品、地域のどの20%が80%もしくはそれ以上の利益を挙げているのでしょうか?この要因は一体何でしょうか?
あなたの弱点を修正するよりは、いくつかの強みのある分野に的を絞り、倍増できるように投資してください。
- 顧客はいつも正しいとは限りませんハイ・メンテナンス・カスタマーを「燃え立たせる」
顧客全てが平等であることはありません。
80:20の法則を時間消費に応用してみてください。顧客のどの20%があなたの費やす時間の80%を消費していますか?わがままで、利益の見込めない顧客はそのままにしておきます。もちろん注文は受けますが、彼らをフォローし、毎度気にする必要はありません。ハイ・メンテナンス・カスタマー、高利益をもたらす顧客には、あなたの会社の方針がビジネスモデルの変化に伴い今後どうすべきかを説明する連絡を入れることで彼らを「燃え立たせる」のです。どれくらいの頻度でどの手段を使ってコミュニケーションをとるのか、標準化価格や注文プロセスなどを伝えるのです。
新しい企業方針に合わない顧客に対しては、他の業者を喜んで紹介すると伝えましょう。
「しかし、一番の顧客が自分の時間のすべてを消費するような場合はどうすればよいでしょうか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。その場合は 1)時間なくしてご自身の会社(大抵は人生までも)をその顧客と比較し計算することはできません 2)素晴らしい善人の人でさえ無意識のうちにあなたの時間を浪費させることをご自身が許してしまっていることがあるという点を知っておいてください。
関係者全員に対し良きルールを設定してください。何度も繰り返される意味の無いやり取りを最小化するのです。
- 詳細な情報よりも締め切り能力よりもテストの信頼性
スキルは過大評価されています。
どんな完璧な商品でも締め切りを過ぎて届くようなものは会社を潰します。時間通りに届く、適度に良い商品のほうがより価値があるのです。この哲学に関しての詳細は「ミニマル・バイアブル・プロダクト」とグーグルで検索してください。リンクトインの共同開設者であるリード・ホフマンでさえ賢明な言葉を述べています、「もしあなたが自分の商品の初期バージョンに対し頭を抱えることがなければ、すでに発表する時期を逃している」。
優秀なポートフォリオに驚かされ雇う前に、その企業や人材がタイトに決められた締め切りにしっかりと間に合わせられるかどうかを確認してください。
キャッシュフローがある限り商品は修正することができエラーも許容されますが、締め切りを逃すことは致命的なことになります。カルビン・クーリッジはかつて才能を持ちながらも成功しない人間はそこらじゅうにいると述べましたが、私はここに、その次に多いのは自分のIQが高い、もしくは履歴が良ければ締め切りを守らなくてもよいと考える賢い人間であることを付け加えます。このような人間に我慢する必要はありません。
- シンプルを心がけてください。複雑な答えが正答であることは稀なことです。以上です。