保護中: 見込み客を「あなたのファン」に育てるマーケティングの実践論

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集客の「見込み客」は少なければ少ないほどよい。適切な売上の作り方

こんにちは、トイアンナです。
エステ、歯科、印刷会社など、集客では必ず「見込み客」へアプローチします。しかしこの「見込み客」が一体誰なのかを突き詰めている企業は恐ろしく少ないのが現状です。

大手企業ですら「見込み客」の判定が甘い

私がこれまでヒアリングしてきた企業では、見込み客を「1度会社へ問い合わせてきた顧客」と定義していました。確かに、自社へすでに興味を持ってきてくれた時点でサービスを検討してすらいない顧客と比べれば「見込み」はあるでしょう。

しかし全体の何パーセントが「本当の顧客」になってくれているでしょうか?

問い合わせをしてくれた顧客でも属性によって集客できる確率が高いターゲットと、ほぼ諦めた方がよい相手がいたはずです。さらには、集客・購買へつながるタイミングもそれぞれの顧客で大きく異なったでしょう。

お問い合わせくださった人を「見込み客」という一言でくくり、同じようなフォローアップをしても相手の心は動きません。見込み客から本当の顧客、ひいては御社の大ファンを作るには最初のフォローが差を作るのです。

ケーススタディ 靴の購買

ここからは実際の例をもとに、見込み客への対応をご紹介します。自分の例で恐縮ですが、私は以前、靴のオーダーメイドを検討したことがあります。その際、下記のような流れで購入先を検討しました。

  1.  オシャレなオーダーメイド靴が欲しいけれど、どのブランドがいいか分からない
  2.  まずは「オーダーメイド 靴」で検索して何社か問い合わせよう
  3.  問い合わせ後のカタログを見ても「足に優しい」「歩きやすい」靴ばかりだな
  4.  オシャレな靴の事例がどこにもないからオーダーは1度諦めよう

もしこの段階で「オシャレなオーダーメイド靴、あります」というアプローチが1件でもあれば、私はそこで靴を購入したはずです。

しかし、ここで「オシャレな靴が欲しい」というニーズに対するフォローアップは一切行われませんでした。問い合わせた企業からのメールはありましたが、すべて「今ならお安くできます」「何かお悩みでしたらご相談ください」と言った見当違いなメッセージばかりだったからです。

「お悩みでしたらご相談ください」というメッセージに対して「オシャレな靴が御社のウェブサイトに見当たらないんですが、何かもう少しマシなデザインはありますか」なんて不遜なメッセージを送る顧客は少数派でしょう。

そこで私は、別ルートから情報を集めます。

5. 友達から聞いて、ハイブランドの事例を知ったから調べてみよう
6. オシャレな靴が見つかったから、ハイブランドのオーダーメイド靴にしよう

こうして、私は最終的に大手のシューズブランドで靴を購買してしまいました。

どうすれば「見込み客」を取れるのか?

オーダーメイド靴はもともと購入意欲の高い顧客が多いため、大手ブランドに対して、中小企業も戦えるフィールドです。

もし私がオーダーメイド靴のマーケティングを担当するのであれば、まずは一度オーダーメイド靴の購入を諦めるタイミングを探します。おそらく諦める理由は「価格」と「オシャレな靴がない」ことですから、それぞれに刺さるアプローチを取ったでしょう。

たとえば相場からかなり低い価格でのお見積りを検討していた顧客へは、「弊社なら20年使える靴が、〇万円で手に入ります。 毎年履き捨てている靴と比べて、どちらがあなたにふさわしいと思いますか?」といったコミュニケーションで、一見高く見えるオーダーメイド靴の「長く使える安さ」をアピールします。

そして予算は相場と同じくらいで考えている顧客ながらも、「トレンド」「ファッション」といった項目を重視していた顧客に対しては、流行を押さえたオーダーメイド靴を提案するでしょう。

もし自社の強みがデザイン性ならば、思い切って前者の「価格が安い靴」を探す顧客は切り捨てても構いません。自社の強みで心を動かしてくれる顧客の方が、長くお付き合いできる可能性も高いからです。見込み客は絞り込みすぎて、少なすぎるくらいがちょうどよいのです。

このように単なる「お問い合わせ客」を見込み客としてカウントするのではなく属性やニーズによって分類し、より自社で購入してくれそうな客を狙うことで「お問い合わせ客」は「見込み客」へ進化します。

見込み客の分析を始めよう

ではどうやって単なる「お問い合わせ客」を「見込み客」として絞り込めばよいでしょうか。まずは、自社へ届いたお問い合わせ客の一覧を下記3点で整理しましょう。

  1. その客はなぜ問い合わせてきたのか
  2. どのような思考の流れをたどって購入へたどり着くか
  3. 他社も含めて検討し「一度購入を諦める」のはいつか

これらを整理してフォローアップ施策を取れば、効率的に集客へつなげられるはずです。何万通もメールを送り、配送システムにお金をかけるのはやめましょう。お問い合わせ客を絞り込み、最低限のメール数で見込み客を拾い上げてください。

 

 

 


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com