本:『友人と敵』

Friend & Foe: When to Cooperate, When to Compete, and How to Succeed at Both

原題:『友人と敵 : いつ協力し、いつ競い、双方とも成功するためにどうしたらよいのか?』

 アダム・ガリンスキー、 モーリス・シュバイツァー 共著

 

成功する秘訣は何でしょうか?

この問いをめぐっては、長い間、論争がなされてきました。

 

人間は、本質的に競争心が強く、自己の利益の追求こそが

成功の原動力である、と主張する人。

 

また、人間は生まれながらに協力する生き物であり、

他者と共同で何事かをなしているときにこそ、人はもっとも成功しているのだ、

と主張する人もいます。

 

『友人と敵』の著者で、研究者であるガリンスキーとシュバイツァーは、

この議論は的外れである、といいます。

競争したり、協力したり、というのは、人間が先天的に備わっている機能ではなく、

双方を進化させてきたのだ、とするのです。

 

 

同僚や友人、配偶者、きょうだいなど、あらゆる関係において、

私たちは友人であり、同時に敵でもあります。

このふたつの力の間で、適切なバランスを取るすべを学ぶことによってのみ、

私たちは長期的な関係を維持することができ、

また、この関係を通じて、自分が求めるものを手に入れることもできるのです。

 

本書でガリンスキーとシュバイツァーは、独自研究やこれまでの社会科学研究、

そうして生き生きとした現実社会の実例をもとに、

協力と競争の間の緊張状態を、たくみにバランスを取りながら進んで、

仕事や実生活で、最大の成果をあげる方法を、明らかにしてくれます。

 

彼らが描き出す洞察やアドバイスの目次を、いくつかをご紹介しましょう。

・力を手にし、それを維持するには

・信頼を築くには、また、一度崩れた信頼関係を修復するには

・職場の争いや偏見は、いかに拡散していくか

・私たちのモチベーションとなり、幸せになっていくような、適切な比較を

どうやって見つけるか

・私たちが目標を獲得しつつ、相手も満足できるような交渉を行うにはどうしたら良いのか

 

途中で休憩をはさみながら、著者たちは、いくつものややこしい問題に、

あっと驚くような答えを用意しています。

 

・あまりに豊かすぎる才能のために、成功が損なわれるのは、どのような場合か?

・敵対心をむき出しにしない方が、立場が良くなり、信頼性も増すのはどうしてか?

・職場での男女の違いは、本当はどこから来ているのか?

・信頼関係を築くために、どのような策略なら使っても良いのか?

 

私たちが協力と競争の間で、適切なバランスを保った関係を築くなら、

私たちは最高の力が発揮できるでしょう。

 

本書は、いつ友人として協力すべきか、

いつ敵として競争すべきか、

友人としても、敵としても、もっとすばらしい存在になりながら、

実社会を、また専門領域を、突き進んでいくためのガイドブックです。

 

 


 

元記事:http://amzn.to/1JDSOmm

(翻訳:服部聡子)