本:『自分にイエスと言わせる』
“Getting to Yes with Yourself:(and Other Worthy Opponents) “
by William Ury
『自分にイエスと言わせる:(そして価値ある敵にも)』
著者: ウィリアム・ユーリー
『ハーバード流交渉術―イエスを言わせる方法』で日本でもベストセラーとなった、
ウィリアム・ユーリーの本の新作です。
これまで「イエスを言わせる」「ノーと言わせない」と続いてきたこのシリーズ、
今回のテーマは「自分自身にイエスを言う」というもの。
合意の障害になるものとは
高名なネゴシエーターであるウィリアム・ユーリーは、
これまでに経営者や弁護士、工場労働者、炭鉱夫、学校教師、外交官、官僚など、
あらゆる分野にわたって、数多くの人々を指導してきました。
その過程でユーリーは、お互いが合意し、新たな関係を築くうえで、
最大の障害となるのは、
相手側ではなく、〈自分自身〉であることを発見したのです。
私たちは生まれつきの傾向として、
「すぐに反撃してしまう」という性質を持っています。
この反撃してしまう性質のせいで、
私たちの真の利益になるような道を閉ざしてしまうのです。
自分に対してイエスと言おう
けれども、ユーリーによれば、この障害は、
同時に、きわめて大きなチャンスともなる、といいます。
私たちがあらかじめ自分の傾向を知り、自分を変えていれば、
相手もそれに反応していきます。
自分の変化が、相手を理解し、変えていく土台となっていくのです。
本書では、相手からの「イエス」を引き出す前提として、
まず自分自身と合意するために、ユーリーは7つのステップを示します。
それによって、他者と交渉していくための能力が、劇的に向上する、と。
他者と健全な関係を築くために、またビジネスの生産性をあげていくために、
満足できる人生を歩んでいくために、
本書は実践的で効果的な方法を伝授してくれます。
(翻訳:服部聡子)