クライアントをつなぎとめておく方法 その1.
by ダン・トラヴィス
あなたのビジネスには大きな穴があるかもしれない
あなたのビジネスには、あなたの気づいていない穴があるかもしれません。
もし穴があれば、あなたがそれを塞ぐまで、高い代価を払い続けることになります。
私はこの穴のことを「ギャップ」と呼んでいます。
ギャップとは、あなたが気づかないうちに、あなたのビジネスから離れていく人のことです。
この記事では、どうしてこのような穴が存在するのか、
そうして、どうしてギャップがあなたのビジネスにダメージを与えるのか、
説明したいと思います。
もしあなたのビジネスに、このギャップがあるなら、
あなたには案内を送っていない、一定数の人がいるはずです。
送っていない案内には、以下のものがあります。
- あなたの会社のニュース
- 相手の誕生日を祝う
- 相手の業績を祝う
- 相手にオファーをおこなう
- しばらく会っていないことを伝え、相手にいつ来訪してもらえるかたずねる
この種のコミュニケーションは、あなたのクライアントと、個人的に交わすものでなければなりません。
コミュニケーションを取らずにいるうちに、あなたのビジネスには、ギャップが生まれてしまうのです。
一種のクライアント軽視です。
これは大きな問題です。というのも「軽視」は、クライアントがそこから離れる最大の理由だからです。
67%の人が、「軽視」が原因で取引をやめている
経営者のほとんどは、顧客が離れていくのは、価格が最大の原因であると考えています。
これは、明らかに事実ではありません。
わずか15%のクライアントが、価格を原因としているのです。
では、クライアントが離れていく原因が、軽視にあるならば、
どうしてクライアントは軽視されてしまうのでしょうか。
私が集めた資料に拠れば、ビジネス・オーナーがクライアントを「軽視」するのは、
自分が軽視していることに気がついていないか、
自分がどのクライアントを軽視しているのかわかっていないか、なのです。
彼らはときおり販促用のメールを送ったり、約束を確認したりしていれば、
十分「コミュニケーション」を取っている、と考えているのです。
こうしたギャップが大きくなる前に、既存のクライアントへの日常的なコミュニケーション不足に対して、
言い訳や合理化をしていないか、見つけなければなりません。
メールを送らない、致命的であるにもかかわらず、ありがちな合理化は、
「クライアントをイライラさせたくない」です。
クライアントに定期的かつ高い頻度でメールを送ることは、
ビジネスが成長していくためには、きわめて重要な要素です。
ビジネス・オーナーがクライアントとコミュニケーションを取らないことの言い訳をするようになれば、
ビジネスはたちまち不安定なものになっていきます。
さらに、こうしたマインドセットのほかに、ギャップを生む、さらなる要因があります。
新しいクライアントを獲得しようとしているときは、
既存のクライアントよりも、そちらとのコミュニケーションを優先してしまう、
そんなときにギャップが現れ始めます。
この危険な情況は、どこでも起こりがちなので、非常に気づきにくいものです。
このことが見過ごされがちなのには、大きな理由があります。
新しいクライアントを獲得することは(あるいは、新しい問い合わせを受けるのは)
既存のクライアントがふたたび予約してくれることにくらべると、
はるかにわくわくするような気持ちを起こさせるからです。
こうした反応がどれほどありふれたものかは、驚くほどです。
さらに驚くのは、新しい問い合わせよりも、既存のクライアントの方が、
支払ってくれる可能性も高く、取引を続けてくれる可能性も高い、という事実です。
新規のクライアントに夢中になり、多幸症的な気分になることは、きわめて大きな問題です。
というのも、それこそがギャップを生むからなのです。
それを野放しにしておくと、ギャップはビジネスにとって、
金銭面での大きな損失を引き起こす原因となっていきます。
ギャップは埋めることはできます。
けれども、そのためには、クライアントに対する態度を見直し、
根本的に改めていくことが必要でしょう。
次回は、ビジネスにおける「穴」について、もっと詳しく見ていきます。
著者:Dan Travis スピーカー
(翻訳:服部聡子)