ブログ・アクセスを増やす見出し13タイプ

(※この記事は https://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines を翻訳したものです)

by ライアン・スコット

あなたのブログ投稿を読んでいる人は、あなたが思うほど多くはありません。反対に、あなたのブログの見出しに目を留める人は、あなたが考えるよりずっと多いのです。平均すると、記事の見出しをクリックしてから、最後まで読む人は、そのうちのわずか20%に過ぎません。つまり、見出しは良くても、途中で読者の80%は、脱落しているのです。

けれども、逆に考えると、すばらしい見出しは、多くの人に対して、劇的なインパクトを与えている、ということもわかります。見出しを変えるだけで、あなたの記事のアクセス数を500%も増やすことができるのです。

理想的な見出しを作るために

見出しはクリック率に影響があるだけでなく、ブログのトーンを決め、記事のテーマを確立するものです。たったひとつの見出しが、記事の価値を落とすまでに、大きなインパクトを読者に与えるのです。

マリア・コニコバは、自分の記事「遺伝子が短時間睡眠を可能にする?」について語る中で、「もし私が記事のタイトルを『どうして私たちに8時間睡眠が必要なのか』であれば、誰もこの記事のことを記憶に留めてはくれなかったでしょう」と言っています。

すばらしい見出しを作る要因とは何なのでしょうか?

それはあなたが誰に向かって書いているのか、そうして彼らがどこでそれを読んでいるかによります。

私はマーケティング・コンサルタントとして、企業の成長を助ける仕事に携わっています。その会社のコンテンツ作成をお手伝いしながら、以下の2つのことを達成するよう、つねに心がけています。

  • ターゲットとする人にアピールしなければならない
  • ターゲットに価値を提供するものでなければならない

この記事の中で私は「最高の見出し」という言葉の中に、「きわめて独創的なタイトル」という意味をも含めています。けれども独創性のあるタイトルというだけなら、

なぜわが家のネコは預金口座を持つようになったか」や

〈文字どおり〉という言葉を文字どおりにではなく比喩的に使用することについての擁護

であってもかまいません。どちらもとても魅力的なタイトルです。

けれどもこのようなタイトルは、SEOに効果はありません。それでは、私のクライアントが直面する問題に、応えることはできないのです。ですが、あまりに多くのマーケターが、効果的とは言いがたい、凝ったタイトルをつけています。

すばらしい見出しとは、あなたのターゲットとなる人々の、痛点をとらえたもの、そうして、彼らの人生をよりよくするような話題を紹介するものです。されにプラスして、人を引きつけるものでなければなりません。あなたが誰の興味も引かないブログの見出しをつけていれば、オーディエンスの80%が去ってしまいます。

 

13種類の実例に見る アクセス数を増やす見出し

1) 「最高の」見出し

この見出しは、SEO対策に大きな力を発揮します。このタイプの見出しは、一般的な検索をしている顧客に、直接訴えかけるものです。

考えてみてください。あなたが倹約する方法を検索しているとします。そこに「最高の倹約法」があれば、興味を引かれませんか? それとも、ありきたりの方法でいいですか?

このタイプは「最高の~法」というワードで検索した場合の、完全一致検索の典型です。

実例:

2) 「私の人生をもっと簡単に」する見出し

これは「最高の」見出しの妹分です。あなたの顧客は、今、まさに問題に直面していて、何かの最高の方法など知りたくはないかもしれません。人は時に、最高ではなく、もっとも簡単な方法を求めるものだからです。

個人的な話

かつて私は車の販売代理店で、インターネット・セールス部門のマネジャーをしていたことがあります。そこで知ったのは、多くの顧客が車を買う最高の方法、つまり現金で払うことで倹約するということには関心がない、ということでした。

その代わりに関心があったのは、一番簡単な方法です。当時、私たちのコンテンツでもっとも人気が高かったのは、顧客が簡単に事を運べるよう、手助けしていくページでした。

実例:

3) 「一番速い」見出し

人は、最高でもなければ、簡単でもない方法を求めることもあります―― 求めるのは速さです。ある業界ではどんなときでも、パニック状態にある人の相手をしなければなりません。彼らは今すぐ、何かをしなければならないのです。もうひとつ、「最速」コンテンツによって、あなたが提供する製品やサービスに価値があることが証明できれば、即座に買い手が飛びついてくれるでしょう。

実例:

4) 「もし私があなたなら」見出し

私たちの多くは、向上したい、という願いを持っています。もっと充実した人生を送りたい、成功したい……というように。誰もがもっと多くのことを、少ない時間で、成し遂げたいと願っているのです。とりわけ、私たちの誰もが、いまやっていることをもっと上達したいと願っています。このような願いがあるために、「もし私があなたなら」見出しは、大きな効果を発揮します。

もし誰かが私たちに向かって、「あなたはこうすべきだ」と言ったなら、私たちは反発するでしょう。けれども、どうしてそうしなければならないかを示してくれれば、私たちは共感するはずです。それは、新しい考え方を受け入れよう、今のやり方を変えようとする、私たちの理性やモチベーションに訴えかけるからです。

実例:

2つの理由から、このタイトルは、とりわけ私には強烈なインパクトがありました。第1に、この記事の背景です。大変有名なマーケターが、この記事をリンクトインに発表した、ということに衝撃を受けたのです。

第2の理由は、認知的不協和を引き起こしたからです。マーケターにとって、フェイスブックは最大のプラットフォームのひとつです。それをこのタイトルは、もう止めて、忘れてしまえ、と言っているのですから。このブログ・ポストは、のべ30万回のページ・ビューとなりました。

5) 「私たちは ~ している」見出し

「透明性」は、新しいマーケティングのパラダイムです。長い間、企業は「秘密のソース」を、大衆の目の届かないところに隠してきました。ところが、企業もようやく、本当の「秘密のソース」は信用だということに気がつき始めたのです。そこで企業の側は、求める人は誰でも情報にアクセスできるようになりつつあります。

透明性は信用を構築するための、すばらしい方法のひとつです。たとえばバッファは、透明性の第一人者ともいえるべき企業でしょう。その結果、彼らは熱烈なファンである顧客を獲得したばかりか、すばらしい企業文化をも確立したのです。

多くのCEOが、もっと多くの部分をシェアしようとする試みを一笑に付す中で、バッファはすべてを明らかにしました。売り上げや利益、社員の給料に至るまで、彼らはあらゆることをシェアしているのです。そうしてそれが実を結んでいます。

実例:

6) 「科学的に裏付けられた」見出し

人間には、いわゆる「学習バイアス」というものがあります。どれほどもっともな話でも、信頼できる情報筋からの別の話があれば、私たちはそちらを真実として受け入れるでしょう。それだけでなく、私たちを行動に突き動かす究極の真実に、私たちは魅了されます。

たとえば、あながた毎朝モーツァルトで目覚めると活力が湧いてくることを、研究によって実証できたならば、iTunesはモーツァルトを探す人で溢れかえることでしょう。

同じことをあなたの製品やサービスでやりましょう。どうすれば誰かの人生を、より良いものにできるでしょうか? それをシェアしてください。ただし、調査をふまえた上で。

実例:

7) 「どうして A の人々は B をしたのか」見出し

このタイトルは、私たちの最高でありたい、という願望に訴えるものです。ブライアン・トレイシーは彼の著書『お金持ちになる人、ならない人の仕事術』の中で、

「あなたが憧れ、尊敬する人々は、あなたの考え方、情報の選び方、決定の下し方など、さまざまな面で、あなたに対して並外れた影響を及ぼしています」

と言っています。

あなたのタイトルが、オーディエンスが尊敬している人にまでアピールすれば、多くの人に対する強力なインセンティブとなることでしょう。

実例:

8) 「経験が教えてくれた」見出し

経験は最高の教師です。けれども時に、その授業料がひどく高くついてしまうこともあります。だからこそ、賢い人々は他人の失敗から学ぶのです。もちろん成功からも。

こうしたタイトルは、あなたのターゲットとする人々が直面する問題に、どのように対処すべきか、という洞察を与えてくれることを約束しています。

実例:

9) 「あなたのためにリストを作りました」見出し

どういうわけか、私たちはリストアップされた記事を読むのが好きです。そうした記事は、幅広いオーディエンスに訴えるし、他の形式の記事に比べると、クリック数も多くなっています。

だからこそ、バズフィードのようなブログがつねに人を集めているのでしょう。

実例:

10) 「バカなことをしないで」見出し

何よりも私たちを引きつける見出しは、私たちの「受け入れられたい」という願望に訴えるものです。私たちは、バカだと思われたくないのです。その願望に応える見出しには、どうしても目がいってしまいます。

誰かが失敗した、と聞くと、私たちはみんな、自分はそんなことはしていないだろうか、と確かめるでしょう。とりわけ失敗した人が、みんなに知られた人ならば、なおさらです。

実例:

11) 「無知にならないで」見出し

私たちは「自分だけ知らない」という状態に陥りたくはありません。ひとりだけ暗闇の中に取りのこされたくはないし、同僚が知っていることなら、話の輪の中に入りたいと思うものです。

同じことが私たちの顧客にも言えます。彼らが知っておくべきことがあれば、私たちが書いて知らせてあげましょう。

実例:

12) 「勝つのはどちら」見出し

これはタイトルで選択肢を強く打ち出すものです。そうすることで、あなたを第三者的な立場に置き、主観に流れがちな自社製品やサービスを、客観的に評価することができます。それだけでなく、あなたの競合相手からのアクセスも稼ぐことができるのです。競争の激しい場所では、このタイプの見出しは、非常に効果があります。

実例:

13) 「クリックしてみよう」見出し

心の奥底では、人間の好奇心の強さは、ネコと変わるところはありません。私たちの心の中のネコに訴えかける見出しは、非常に強力なものです。

アップワーシーに見られるように、私たちの興味を喚起する技術に長けた人々がいます。彼らは私たちの目の前に、ニンジンをぶら下げるようなタイトルを考え出します。そうやって、否応なくクリックさせるのです。

もしあなたがこの戦術を利用するつもりなら、タイトルだけでなく内容も、読者をワクワクさせるようなものでなくてはなりません。そうでなければ、オーディエンスはすぐにうんざりしてしまうでしょう。

私はこの種の見出しを嫌悪するようになっています。というのも、徐々に大勢の人々がこの手法を使うようになり、期待はずれに終わっているからです。腹立たしいものです。

なのに、どうしてこれをやる人が多いのか? クリックしてもらえるからです。

こうした種類の見出しは効果的です。以上。

実例:

見出しをどう作るか

これらの見出しのうちで、もっとも効果的なものはどれでしょうか?

それは、作り手が何をしたいかによります。SEOに有利なタイトルもあれば、ソーシャルネットワークのシェアを通して、大勢の人の興味を引きつけるタイトルもあります。

どのタイプの見出しを使えば良いのか、選び方を紹介しましょう。

  • 「私がこの記事で読者に与えたい、最も重要な、たったひとつのポイントは何か?」と自問する。
  • その与えたいたったひとつのことを伝える最適な方法を決める。
  • ひとつの記事につき、見出しを25本書いてみて、その中から最高のものを選ぶ。
  • ほかの人に聞く。あなたのアイデアを話し、どれが一番気に入ったか聞く。その理由についてもかならず聞く。
  • どのタイプの見出しがあなたのターゲットとするペルソナに最も効果があるか、記録をつける。彼らを利用させてもらうことを恥ずかしがらない。

 


元記事:http://blog.hubspot.com/marketing/types-of-blog-headlines

(翻訳:服部聡子)