あなたのパーソナルブランドを作りだすために

by デービッド・アーカー

 

 

あらゆる人が、名前と顔によって体現されているブランドを備えています。

ブランドは、多くのものを連想させます。

ブランドは、あなたの人間関係のあらゆる局面に影響を及ぼし、

あなたが人に気づいてもらえたり、尊敬されたりすることに、大きく関わっていきます。

あなたのパーソナルブランドは、時間をかけながら人の間に広まり、

しっかりしたものに創りあげられていきます。

あるいは、どこにも行き着かず、漂流してしまうこともあります。

 

ブランドを積極的に運用していくことは、大きな見返りがある反面、大きなリスクもあるのです。

ここに、あなたがパーソナルブランドを創りあげていく上でのロードマップを明らかにしましょう。

あなたがターゲットとして発信する相手を見きわめる

あなたについて、正しい印象を持ってもらいたい人々を思い描きます。

あなたと一緒に過ごしたがっているのは誰ですか?

おそらくあなたにあこがれているであろう人は誰ですか?

あなたは誰に尊敬してもらいたいですか?

あなたが望む相手は、仕事上の関係者かもしれないし、家族や友人かもしれません。

また、それぞれの領域で、数人の代表的な人を思い浮かべるかもしれません。

けれども、少なくとも最初のうちは、あなたがもっとも重要視する相手や、

注意を引きたい相手が属する領域を、1つか2つに絞り、はっきりさせることが大切です。

ブランドの理想としては、多岐に渡る領域の人々が、

共通のイメージを抱いてくれることですが、

たったひとつの領域での理想とするものができてくるかもしれません。

たとえば、他の領域ではそうではなくても、同僚との関係の中では、

指導者として見なされることを目的にする、というように。

いくつかの要素は、異なった関係の中では、異なって解釈されるかもしれません。

仕事の中で「熱心な」というイメージは、

家族関係の中では、「向こう見ずな」という風に解釈されることもあります。

あなたのイメージを評価する

 

自分のことを容赦なく見てください。

あなたの長所は何ですか?

あなたはなぜ尊敬されているのですか?

あなたと一緒にいる人は、なぜあなたといるのが好きなのですか?

あなたの短所は何ですか?

なぜあなたのことを軽んじている人がいるのでしょうか?

あなたに関心を持たない人は、どうしてそうなのですか?

人に迷惑をかけてしまうのは、あなたのどんなところですか?

周囲の人は、あなたという人の個性や好感度、外見、スキル、

財産について、どのように考えていますか?

なぜその人たちはあなたとつきあっているのでしょうか?

頭の中にある自分のイメージを書き出してみたあと、

あなたは自分が何か見逃していないか、ほかの人に話を聞きたくなるかもしれません。

ほかの人からの話は、良いことであれ、悪いことであれ、ハッとさせられるようなものが多いはずです。

 

リストを作る

 

次は、あなたがどのように受け止められているか、

あなた自身がどのように受け止めてほしいかを理解する番です。

 

「刺激的な」、「政治や映画などに詳しい/興味がある」、

「流行の服を着ている」、「すっきりした」、「ユーモアのある」、「やさしい」、

「思慮深い」、「人好きのする」、「大胆な」、「危機的状況でも冷静な」、

「競争心旺盛な」、「有能な」、「創造的な」、「やるべきことをきっちりやる人」、

「アウトドアタイプの人」、「環境意識の高い人」など、

何であれあなたにとって重要なことや、あなたが好きなことをあげていきます。

あなたの名前を聞いたとき、人はどのようなイメージを心に抱いてほしいですか?

リストをパーソナルブランドのイメージ・コンセプトに転換する

リストを評価してください。

あなたの対象とする人々に印象づけられないようなイメージ、

あなたが実際にはその人々に届けることのできないようなイメージは、

削除するか、リストの下の方に置き直します。

それから残りの特徴を、6~12のコンセプトに分類してください。

重複しているものはまとめ、

それぞれのカテゴリーは、異なる視点や次元のコンセプトが感じられるようにすることが、

あなたと関連づけるために重要です。

要素を優先させる

2つから4つのもっとも重要な要素を、あなたの中心的なブランド構想に据えてください。

その要素は、周囲との関係の中で、もっとも決定的な要因でなければなりません。

それ以外のものは、周囲の人が混乱しないように、残しておかなければなりませんが、

ブランドを構築する際の、他者と差異化する要因ではありません。

 

あなたが取り組む必要のあるものを見きわめる

ブランドとして届けるあなたのイメージや、あなたの交流パターンを開発し、

成長させる計画を立ててください。

もしかすると、あなたの要素のひとつは「積極的」かもしれません。

そうであれば、あなたの計画は、毎日、積極的な行動を目的とするものを

含んでいなければなりません。

あるいは、あなたは「思いやりが深く親切」であろうとするかもしれません。

そのためには、毎日親切な行為を実行する習慣をつける必要があるでしょう。

コミュニケーション・プランを立てる

あなたが作ろうとしているブランドを、どのように伝えることができますか。

とりわけそれが未だ信頼を得ていないものだった場合は。

おそらくそれはむずかしいことでしょう。

感じ取ってもらうには、時間がかかるものです。

いくつかそのためのアドバイスをします。

・ロールモデルを見つける

あなたの仕事上や友人関係の中や周辺で、

あなたが目指したくなるようなブランドを構築している人はいませんか?

その人は、どうやってそれを達成したのでしょう?

 

・あなたの行動や、外見、交友関係や交流パターンを、意識的に変える

変えてからは一貫性と持続的性を持たせてください。

 

・新しいあなたを明らかにする、はっきりと目に見える計画を立てる

もしダイエットしているのなら、チャリティ活動に参加したり

(※アメリカでは、自宅にある食料を集めて寄付するチャリティ活動がある)、

そこまで堅苦しくなくても、人に知らせたりしましょう。

説明責任が、ここでの鍵となります。

あなたのパーソナルブランドの構築を成功させようと思えば、

厳しく自分自身をかえりみることと、規律を持って毎日を過ごすことが必要です。

「オン-ブランド」の思考や行動を前面に押し出し、

「オフ-ブランド」として見られることを避けることが必要です。

むずかしいことですが、私的な関係においても、公的な関係においても、

重要なことであることがわかってくるでしょう。

 

 

 

 

著者:デービッド・アーカー(ブランド戦略家、著作家)


元記事:http://bit.ly/1GqPbdc

(翻訳:服部聡子)