ブランドイメージはどうやって作る? 今から始めるマーケティング

こんにちは、トイアンナです。
今月の無料公開記事では、「安易な無料配布で700人のリストラ!?マーケティングの失敗例に学ぶ」でブランドイメージに沿った戦略を採用する重要性をお伝えしました。そこで会員様へはさらに深堀りし、御社のブランドイメージを作る方法をご案内いたします。

よいブランドイメージがもつ2つの機能

まず「よいブランドイメージ」が御社にもたらす利点をお伝えします。この分野を研究する第一人者、ケビン・L・ケラーによれば、よいブランドイメージとは、下記2つの作用を起こさせるものです。

(1)ブランド再認
ブランド再認とは、ある商品を見たときに「これ、前も見たことある」と思い出させてくれる効果です。たとえばリポビタンAを見ると「ファイトー!いっぱぁーつ!」と男性同士が声を掛け合うCMを思い出しませんか?
このように優れたブランドイメージを一貫して伝えられると、数年単位でCMを見ていなかったとしても、その商品を覚えていられます。

(2)ブランド再生
ブランド再生とは、認知よりさらに強い効能で「カメラといったらキヤノン」「自動車といえばトヨタ」というように、あるジャンルを想像したとき1番に特定の製品を思い出させる機能です。
ブランド再生に成功していれば、お客様が「〇〇がほしい」と思った瞬間に、新たな告知をしなくともお客様からブランドを探してもらえます。特に「正直どれを選んでもあまり変わらないだろう」とお客様が考えているジャンルほど、1番に思い出していただくことが購買の鍵となります

「正直どれを選んでもあまり変わらないだろう」と思われる商品の好例は、食器用洗剤です。食器用洗剤は「薬局にある中で目についたものを買う」のが一般的。「キュキュットがないから他の薬局へ行って探そう」と思わせる商品ジャンルではありません。
こういったジャンルでは「あ、食器用洗剤買わなきゃ……キュキュットにしよう」と思い出していただくことが売上へ直結します。実際の売り場にはジョイ、泡のチカラなど競合が並んでいますが、最初に思い出していただける商品となれば目が「キュキュット」を探しに動くからです。

なお、このように1番に商品を思いついていただくことを専門用語で「トップ・オブ・マインド」と呼びます。トップ・オブ・マインドを得るためには一貫したブランドイメージで覚えやすい商品になることが極めて重要です。

優れたブランドからヒントを得る

では、「ブランド認知」「ブランド再生」をさせるブランドイメージはどう作るべきでしょうか? まずは、優れたブランドイメージを確立できている製品から学びましょう。

たとえば大手コーヒーチェーンのスターバックスは下記ブランドイメージを意図的に作っています。
・通勤途中に持っていく
・禁煙
・センスのいい、オシャレな
・コーヒーがおいしい

最後の「コーヒーがおいしい」は意見の分かれるところかもしれませんが、国内の小規模調査でも同様の認知をされていることが分かっています。
ここで大切なのはブランドイメージが「バシっと決まる一言」というよりもブランドの雰囲気を決めるキーワードの集合体であることです。商品の雰囲気や連想される単語をいくつかコントロールできれば、消費者は視覚、聴覚、嗅覚など複数の刺激から「あっ、これってスターバックスっぽい」と想起できるようになるからです。

そこで、スターバックスのように下記を想像しながら作ると御社のブランドイメージが作りやすくなります。
・どのタイミングで御社製品は愛用されるのか
・お客様から見てわかる他社との違いは何か
・性能の特徴
・性能以外で感じられる「情動的な」特徴
・香りや手触りなど五感で得られる性質
・どんな都市・国のイメージか
・ブランドを使う上で欠かせない道具
・イチオシの製品ジャンル

実際に、誰もが知っているブランドで練習してみましょう。以下は私が独自に考えた「サイゼリヤ」のブランドイメージです。
・学生
・300円で美味しく食べられる
・安い
・にぎやか
・楽しい
・イタリア
・ドリンクバー
・ミラノ風ドリア

こうして列挙すると、自然と「サイゼリヤ」から連想されるキーワードが詰まっていることが分かります。ブランドイメージの作り方を練習されるなら、ガストや大戸屋、ジョイフルといった競合の大手チェーンを同時に思い浮かべると差が明確になるでしょう。

まずはお客様に列挙していただこう

とはいえ、いきなりゼロからブランドイメージを考えるのは難しいものです。まずはお客様へ「弊社の製品から連想される言葉は何ですか?」と自由に列挙していただく調査を行いましょう。簡単なアンケートで今すぐできます。
集まった内容から御社が強く推していきたいキーワードを選び、ブランドイメージの根幹へ据えていくことで現実ともブレが少ないブランディングを始められます。一貫したブランドイメージを提供することで「これ、前にも見たことある」「〇〇のジャンルで買うならこの商品だな」とトップ・オブ・マインドを勝ち取り、長期的な集客へ繋げていってください。

参考文献:ジョン・ムーア『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』


トイアンナ
大学卒業後、外資系企業にてマーケティング業務を歴任。
消費者インタビューや独自取材から500名以上のヒアリングを重ね、
現在はコーチングやコラム執筆を行う。
ブログ:http://toianna.hatenablog.com