起業家精神が変えたコミュニケーションのあり方

by アダム・フリードマン

 

起業家精神は、コミュニケーションのあり方に、きわめて大きな影響を与えたと言われています。

けれども、それはどのような影響なのでしょうか。

私たちのコミュニケーションが、デジタル時代の夜明けとともに、進化を続けてきたことを思えば、

それも驚くにはあたらないことかもしれません。

ソーシャルメディア、アプリ、誰のポケットの中にも入っているスーパーコンピューターなどは、

私たちに、それまで経験したことのない大きな影響を与えています。

けれども、そうしたものすべての背後に、起業家精神があることを忘れてはいけません。

 

起業家精神は、私たちの文化の最先端に、大きな変化をもたらしました。

それだけでなく、起業家のマインドセットは、私たちのコミュニケーションのあり方を、

将来にわたって、決定的に変えてしまったのです。

なぜそうなったか、3つの理由を挙げましょう。

 

1. 私たちはかつてないほど率直になった

起業家とは、きわめて単刀直入な人々の集団です。

行動的で、情熱的で、何かに夢中になっている…

起業家の特徴は、私たちの傾向と、ぴったり一致します。

そうして、私たちのコミュニケーションのあり方に、大きな影響を及ぼしています。

というのも私たちは、今あるものに満足したことがなく、

本:『X ビジネスがデザインと出会う経験』

X: The Experience When Business Meets Design

著者 ブライアン・ソリス

 

 

ブランドが 体験者によって定義される 新時代にようこそ

今日、あなたのブランドは、顧客にどのように経験されているか、知っていますか?

顧客がそのブランドのことを、実際はどのように感じているか、知っていますか?

あなたの聞こえないところで、顧客が何と言っているか、知っていますか?

常時接続の世界では、誰もが情報にコネクトでき、人々は相互に繋がっています。

ですからあなたのブランドも、そんな世界に生きる顧客の経験によって創りあげられていくのです。

ですから、消費者の体験を、ブランドの側がはっきりと言葉にできないでいると、

ブランドイメージは、人が経験したりシェアしたりするものによって、かんたんに覆されていきます。

 

『X ビジネスがデザインと出会う経験』は、ベストセラー作家であるブライアン・ソリスが、

なぜ優れた商品であっても、もはや消費者を満足させられなくなっているのか、

なぜクリエイティブ・マーケティングや、特別な顧客サービスが、

かならずしもうまくいかなくなっているのか、その理由を明らかにしていきます。

『X』では、なぜビジネスの将来が、経験に基づくものにあるのか、

また顧客に意味のある経験をさせるとは、どのようなことなのか、についても

明らかにされていきます。

 

これは、一般的なビジネス書とは異なるものです。

本書は、デジタルとアナログが出会う世界で、人が、現実と結びついた、

感覚を揺さぶられるような体験をすることを、改めて考えさせるものです。

本書で描かれる美的見地は、新しい視点と洞察をもたらすような感情を呼び起こし、

あなたの顧客の心をつかむ助けになってくれるはずです。

さらに、各ページごとに満載された本書のデザインは、

本書で主張されている原理に沿って、展開されています。

 

著者のブライアン・ソリスは、経験の重要性を教えてくれるだけではありません。

あなたは本書を通して、望まれるデザイン、

有意義で調和した経験となっていくデザインの方法、

さらには以下のことを楽しく学ぶでしょう。

 

・私たちの経験だけに基づいたデザインは、私たち以外の人にとって、どのような障害となるか

・どうして共感や新しい視点は、創造性やイノベーションを解き放つのか

・現実世界での、また実行過程での思考におけるUX(ユーザーの経験)の重要性

・あらゆる行動の中にある、人間中心設計の人間性

・マーケティングから商品デザイン、包装に至るまでの、ハリウッド的ストーリーテリングの技術

・経験型設計を目指す、アップルの全体的アプローチ

・異なる経験をすることと経験的マッピング・アプローチの価値

 

ビジネスの未来は、経験をいかに設計していくかにあり、

あなたはビジネスがデザインと出会う世界の建築家なのです。

 

 

 


元記事:http://amzn.to/1OgdraX

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

アップセルを成功させるには

by ニール・パテル
 
アップセルは多くのビジネスモデルにとって、必要不可欠なものです。
企業の中には、将来のアップセルを当てにして、損を覚悟で商品やサービスを販売しているところもあります。
 
いくつかのSaaS企業のリーダーとして、私は試行錯誤しながら、アップセルを成功させるテクニックを見つけてきました。
 
ビジネスは、ひとつとして同じものはありません。
また、顧客も一人ひとり異なるものです。
けれどもこの手法は、あなたのビジネスにかならずアップセルをもたらすでしょう。
 
その前に、そもそもアップセルとは何なのでしょうか。
 
アップセルとは、顧客が最初に考えていたものより、高額の商品を購入してもらう販売テクニックのことです。
 
すでに購入に乗り気の顧客の弾みを活かし、利益を倍増させることを目指します。
私のアップセルのモデルは、ビジネスの利益の30%以上をアップセルから上げることです。
現在の顧客にアップセルしてもらえれば、新規顧客を獲得するコストの1/5-1/10のコストしかかからないため、
きわめて理にかなっているのです。
 
では、以下にその方法を明らかにしていきましょう。

1. 顧客の最初の購入品と関連するものを

マクドナルドで注文したことがある人は、レジで「ご一緒にポテトもいかがですか?」と聞かれたことがあるはずです。
フライドポテトはハンバーガーに良く合うものです。
マクドナルドのアップセルは、あなたのもともと予定している購入品と、関連するものになっているのです。
 
ホスティング・サービスのブルーホストも、同じことをしています。
ブルーホストはさまざまなアップセルの商品紹介を行なっていますが、
ホスティングの拡張や、ドメインのセキュリティ、追加ドメインなど、どれも関連商品です。
 
関連性が、アップセルの成功のカギです。
顧客は、ある商品を買うことによって、顧客となります。
その商品を増やす、またはグレードアップすることがアップセルであるということを確認しておいてください。
 
以下に例をいくつかあげておきます。
・ ナイフを売っているのなら、ナイフ・シャープナーも売ってください。
・ ソフトウェアを売っているのなら、プレミアム・サポートも売ってください。
・ サングラスを売っているのなら、マイクロファイバー・クリーニング・クロスも売ってください。

2. 顧客に自発的に購入させる

SaaS企業の中で、アップセルにきわめて優れている会社として、セールスフォースがあります。
彼らは「ストレージ容量の制限」という形で、アップセルを行っています。
容量や処理能力に、あらかじめ制限を組み込んでおくことは、SaaSプロバイダーにとってはすばらしいアップセルの方法です。
ユーザーはもっとデータ保存や容量が必要になったときに、購入しなければならなくなるからです。
この方法を使うことによって、アップセルのために大きな労力を払う必要はなくなります。
顧客自身がその必要性を理解し、良識的な決断をしてくれるからです。
 
ジョエル・ヨークはこのことを「発見のデザイン」と呼んで、このように説明しています。
「顧客は、ニーズの成長とともに、ジャストインタイムの能力を自然に探りあて、自分のものにしていくでしょう」
何よりも成功する確率が高く、苦情も起こらないアップセルとは、
 
顧客が自分に必要なものを理解して、自発的に購入する場合です。

3. アップセルを割引する

顧客はアップセルの気配を、すぐに察知します。
彼らはアップセルに関しては、ただひとつの観点からしか考えません。
それはいくらするのだろう?
アップセルがあまりに高価なら、彼らは話に乗ってはきません。
ところが割引価格のアップセルだと聞くと、興味を示します。
経験則から、このようなことが言えます。
 
アップセルは、最初の購入品の価格の1.5倍(もしくはそれ以下)に収めなければなりません。
 
顧客はその価格を合理化しようとします。
「そうだな、自分はこれをもう買っている。これは100ドルだ。でも、こっちを買ったがもっと良いらしい。
50ドル余分に払うぐらい、いいじゃないか」
 
もし、もっと高額のアップセルを提案したければ、かならず分割払いのプランを提示してください。
たとえば6か月間、わずか1か月29ドルの支払い、と伝えることで、
お買い得であるというイメージを、相手に持たせることができるのです。

4. アップセルは初回購入後に

あるSaaS企業でのアップセルの失敗として、私が気づいたことに、
顧客が支払いを完了する前に、アップセルを持ちかけたケースがあります。
 
顧客によっては、あまりに売ろうとする気持ちがあからさまに感じられると、嫌気がさしてしまうことがあります。
顧客が買い物を止めてしまう最大の理由は、価格が上乗せされたり、引き上げられたりすることなのです。
 
支払手続きが完了する前のアップセルは、リスクがあると考えた方が良いでしょう。
それを避けるために、顧客が購入した後、アップセルの提案してはどうでしょうか。
 
顧客の手間を省くために、二回目の購入時には、支払い情報の入力を省略するのです。

5. 問題解決につながる商品を販売する

顧客が購入する商品のほとんどには、興味深い特徴があります。
そうした商品は、問題を解決しながら、さらに新たな問題を提示しているのです。
 
・ ハンバーガーを買う。→塩気があって、カリカリした食感のものがほしくなる。→フライドポテトを買う。
・ ナイフを買う。→切れ味が鈍る。→シャープナーが必要になる。
・ ソフトウェアを買う。→それを習う必要ができる。→補助教材を買う。
・ サングラスを買う。→指紋がついてしまう。→拭くためのクロスが必要になる。
 
自分が売ろうとする商品のことを、よく考えてみてください。
そうして、その商品が新たに引き出す問題や課題がないか、考えてみてください。
そうして、その新しい問題の解決策を、アップセルとして顧客に提示するのです。
何も思いつかなくても、類似の品目を紹介することもできます。
 
たとえばアマゾンが顧客に提案するのは、いずれもアップセルやクロスセルの商品です。
「よく一緒に購入されている商品」
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
「この商品に関連するスポンサー プロダクト」
「関連商品と比較」
「関連商品をお買い上げいただいたことのあるお客様に、商品のご案内」
 
あなたもこうやって、つねに何かを販売することができます。
問題を解決することに焦点を当てた商品の提案をしてみてください。

6. リスクを除去する

成功する販売プロセスには、かならず保証が含まれています。
 
アップセルの場合、それはさらに重要になってきます。
顧客はアップセルの気配を感じると、自然に用心し始めます。
あなたが顧客の信用を得ようと懸命に取り組んでいけば、アップセルが成功するチャンスも高くなります。

結論

アップセルのすばらしい点は、利益幅が高いことにあるのではありません。
 
アップセルを通して、あなたは顧客を、より長く確保できるのです。
多く買う顧客は、長く留まる顧客でもあります。
アップセルによってあなたは、販売実績を上げ、より多くの利益を上げるだけでなく、
顧客をつなぎとめ、新しいものに目移りさせないことができます。
 
付加価値のある優れた商品と、アップセル戦略によって、あなたは満足する顧客を、数多く獲得できるでしょう。

 

 

 


元記事:http://onforb.es/1PjyXuz

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本:『ロボットの台頭』

Rise of the Robots: Technology and the Threat of a Jobless Future

『ロボットの台頭 テクノロジーと未来の失業の脅威』

著者 マーティン・フォード

 

未来の仕事とは何でしょうか?

仕事はどのくらいあるのでしょうか?

そうして、誰がその仕事に就くのでしょうか?

私たちは、今日の「湾業革命」が、過去の産業革命のように展開していくのではないか、

つまり、いくつかの仕事がなくなったとしても、新時代のイノベーションによって、

さらに多くの仕事が創出されるのではないか、と予想し、また期待しています。

 

ところが『ロボットの台頭』の中で、シリコン・バレーの起業家であるマーティン・フォードは、

事態は決してそのようにはならないだろうと主張しています。

 

テクノロジーが加速し続け、機械がみずからの修理をするようになると、

ほとんど人手は必要なくなります。

人工知能はすでに、いわゆる「良い仕事」を、時代遅れのものにしようとしています。

パラリーガルやジャーナリスト、事務職員、コンピューター・プログラマーさえ、

ロボットやソフトウェアに取って代わられようとしています。

 

機械の進歩とともに、ブルーカラーの仕事もホワイトカラーの仕事も消えていき、

中流階級の過程は、次第に圧迫されていくでしょう。

同時に、家計は増大するコスト、

とりわけ教育とヘルスケアの二大領域の費用の増大にさらされることになります。

というのも、情報テクノロジーが進歩しても、この2つの分野は、

大きな転換が起こっていないからです。

その結果、大量の失業者が生まれるだけでなく、

消費経済も崩壊しかねません。

 

『ロボットの台頭』の中で、著者であるフォードは、

人工知能とロボット工学に何ができるかを、詳細に述べていき、

労働者であろうと学者、政治家であろうと、みんながこの推測に

しっかりと目を向けることを要請します。

過去の技術的な混乱に対する解決策、とりわけ訓練と教育を強化することは、

もはや効果はないでしょう。

そうして私たちは、今すぐに、決断しなければなりません。

広汎な繁栄か、破滅的規模での不平等と経済的不安定か。

 

『ロボットの台頭』は、加速する科学技術の進歩が、

今後の世界経済に、子供たちの未来は言うまでもなく、社会全体のこれからに、

どのような意味を持つのかを理解したい人にとって、

必読の書と言えるでしょう。

 

 

 


元記事:http://amzn.to/1J0cCRl

(翻訳:服部聡子)

 

 

6つの顧客タイプと最適な販売方法

by ジェフ・ウィリアムズ

 

顧客は6つのカテゴリーのいずれかに分類されます

タイプごとのアプローチ方法を紹介しましょう

 

顧客というのは、ひとひらの雪のようなものです。

ひとりとして同じ顧客はいませんが、

雪の結晶にいくつかのタイプがあるように、

いくつかのタイプに分類することができます。

ここでは一般的な顧客の6つのタイプに向けたマーケティング・プランを

作成するお手伝いをしていきましょう。

1. けちな人

かならず安売りになってから買う人もいれば、

倹約を選ぶ人もいます。

けれども、そうした人をひきつけようと、

商品やサービスがどれだけ安いか、吹聴することは

あなたの商品やサービスの価値を貶めることになりかねません。

より良いアプローチ:

競合の商品やサービスが、どれほど高くつくものか、説明してみてください。

「消費者が比較できるように、より高価な代替物を利用します」

そう助言するのは、ニューヨークに拠点を置く

マデリーン・ジョンソン・マーケティング&P.R.社のCEO、マデリーン・ジョンソンです。

「私は全国のホールフーズマーケットで、家庭用ヘアカラーの中での1番の売れ筋商品を

市場に出す手伝いをしています。

高所得者向け食料品店で、高価なオーガニック食品を買うような女性や男性が、

価格のことを気にするとは、思わないでしょう。

けれども自分の身の回りのことになると、一変して彼らは気にするようになるのです。

私たちが値上げしたとき、その反動は大きなものでした。

私たちの販促資料やソーシャルメディアを通じて、

私たちは自社商品と、美容院でのヘアカラーの比較を行いました。

この商品を使えば、15ドル99セントで白髪を染めることができる、

しかもひと目にさらされることなく、自宅で染髪ができる、と訴えたのです」

二番目の、自宅で染めることができる、という点は重要です。

自宅で利用できるシステム、家を出ることなく、

ひと目にふれない、という、顧客にこの商品を買う大きな理由を提案しています。

2. 上質なものに目がない人

「けちな人」の対極にあるのが、価格を一切気にかけない顧客です。

彼らは高品質な商品やサービスを求めています。

こうした人に対しても、品質を強調することが重要であると、ジョンソンは言います。

というのも、彼らが喜んで高いお金を支払うのは、

お金に価値を置いていないからではありません。

先ほどのヘアカラーの例でいくと、こうしたクライアントに対しては、

「グレイヘアーを100%カバーする」「色が長持ちする」「髪を健やかに保つ高い品質」

「時間をかけて髪質を改善する」といった、価値を高めるようなフレーズが効果がある、

とジョンソンは言います。

品質に注目する顧客が、他のタイプと大きく異なるのは、

マーケティングのなかで、直接、価格に言及しない方が良い、という点です。

もしあなたのマーケティングが、ビジネス・オーナーに向けてのものであるなら、

費用対効果を明示することが役立つこともあります。

それを指摘するのは、ペンシルバニア州ランカスターのマーケティング・エージェンシー、

EZSolutionのコンテンツ・マーケティング戦略家であるマイケル・ジュバです。

 

ビジネス・オーナーは頑固な人が多いんです。

そうして、自分のビジネスは、全部自分でやりたがる傾向があります。

こういう人にアウトソーシングを提案するときは、投資利益率を見せ、

アウトソーシングを行うことが、適切であると説得することが大切です。

3. ブランド愛好家

もしあなたが、競合の顧客を引きつけようと考えていて、

その競合が、熱心な支持者を抱えている場合こそ、まさにあなたの出番です。

アリゾナ州グレンデールに拠点を置く、Your Marketing Universityの共同創設者、

イーライ・ディレーニーは、試しにやってみる価値のある簡単な方法を教えてくれます。

「自分に聞いてみるのです。ブランド愛好家は、どこに熱狂しているのだろう、と」

そうして、彼らを狙ったマーケティング・キャンペーンを作ってみます。

 

「私は長いこと、マイクロソフト・ユーザーでした。

ですが、マックにも気持ちを引かれていたのです」

ディレーニーが何年もためらった原因は、アップルの広告でした。

「アップルが広告のターゲットとしていた商品購買層に、私はぴったりはまっていました。

2006年から2009年にかけてのマーケティング・キャンペーンです。

彼らはそうした購買層の性格を、見事に言い当てていました。

流行に敏感で、若く、元気がありあまっていて、

ただのマック・コンピューターが与えてくれるもの以上のものを求めている人々です」

そのキャンペーンの結果、ディレーニーはマック・ユーザーになりました。

4. 買い物にうんざりしている人

こうした顧客は、あなたのキャッチ・コピーや広告のグラフィックに、

心を動かされることはありません。

とはいえ幸いにも、彼らを説得する方法はあるのです。

もし、その商品が訴えていることを裏づける研究を、あなたが知っているなら、

その情報を、マーケティング・コピーに盛り込むことを、ジョンソンは提案しています。

もちろんそれを裏づける研究が実際にはないのに、

「研究で明らかになった」などという言葉を、文章の中に放り込んではいけません。

たとえば、あなたがアンチ・エイジング用のスキンケア商品を

市場に出そうとしているのなら、

ジョンソンは、あなたが臨床研究を行った研究者と、主要成分の一覧を表示することで、

疑い深い消費者に、あなたの商品が実際の裏付けを持つことを、説得できる、と言います。

写真を販促資料に載せる場合は、

「その写真が加工されていないこと、

直接、研究をしているところを撮影したものであることを明らかにする1文を、

加えることが必要です」とジョンソンは提案しています。

 

5. 優柔不断な人

彼らは、自分が本当は何を望んでいるか、はっきりとわかっていない人々です。

彼らには説得する前に、少し手助けが必要かもしれません。

彼らはあなたの商品やサービスについて、あまり知らない可能性があります。

あなたの商品やサービスを知ってもらう、良いチャンスかもしれませんが、

このタイプの見込み客を、教育できるかどうかは、あなた次第です。

ディレーニーは、いくつかの質問から始めてみるのが良い、とアドバイスしています。

 

彼らのことをもっと知るのです。

そうすることで、あなたが適切な方向で、彼らとの会話をリードできるような

情報が得られるでしょう。

こうした人々は、あなたを専門家とみなします。

そこへ、彼らが本当は何を望んでいるかを教え、それを与えることができるなら、

彼らはあなたのことを魔術師と思うようになるでしょう。

6. 内気な人

優柔不断な人々が、あなたを敬遠するのは、彼らが内気だからかもしれません。

それを指摘するのは、The Introvert Entrepreneur(内向的な起業家)の創設者であり、

『洞察力 与えられた能力についての覚え書き』の著者でもあるベス・ビューローです。

 

「内向的な人は、研究家であり、買おうとする店に関して、詳細な評価をする傾向があります。

あなたのサイトを訪問したり、店に行くかもしれませんが、

それは販売してもらうための基本的な説明より、

もっと多くのものを手に入れるためかもしれません。

あなたの質問やサービスについて、きわめて特殊な質問がある可能性が少なくないのです。

 

私たち、内向的な人間は、書いたものに重要な情報が含まれていることの方を

好むことが多いのです。

書いたものは、話されることより、その情報を処理する時間が

私たちがの側にゆだねられるからです。

 

もうひとつ、直接、あまり個人的なことを聞いてほしくありません。

また、あまりやかましく話しかけられたくもないのです。

関係を作るためには、来訪に対して、ありがとう、と言ってくれるだけで良いのです。

そうして、何かお役に立てますか、とだけ、聞いてください。

そうして、パーソナル・スペースを十分に取ってあげてください。

もし、あなたに何か探してほしい、と頼むようなことがあれば、

それは親しくなった、という、とても良いサインです。

フレンドリーに、あまり強引になることなく、誘ってみてください。

押しつけがましく、売り込みされている、と感じたら、

内向的な人は、出て行ってしまうでしょう」

 

 

大多数の顧客は、いくつかの性格タイプの組み合わせです。

それぞれのタイプに近づく方法を理解することで、

あなたはさまざまなタイプの顧客を引きつけ、

より多くの売上につなげていくことができるでしょう。

 

 

 

 


元記事:http://amex.co/1M8stb3

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本:『誤った行動:行動経済学の生成』

Misbehaving: The Making of Behavioral Economics

著者 リチャード・セイラー

 

経済学についての見方が変わる

リチャード・H・セイラーは、経済の中心は人間、

予想可能で、間違いを起こしやすい個人であるという

大胆な概念を中心に据えた研究を、これまで行ってきました。

『誤った行動』は、興味深く、時におもしろおかしい調子で

学問が現実に当てはめていくときの苦闘が語られます。

そうやって私たちの経済学や、自分自身や、世界に対する見方を変えていくのです。

 

伝統的な経済学は、合理的なふるまい方をする人を、想定しています。

セイラーの初期の研究は、「スタートレック」に出て来るミスター・スポックのような

ロボットのように合理的な人間は、現実的ではないと判断するところから、

始まっていきました。

 

目覚まし付きラジオを買うか、バスケットの試合のチケットを売るか、

抵当を申し込もうとするかによらず、

私たちは、経済学者が合理的と判断する原則に反して、

偏見に従って決断を下します。

言いかえれば、私たちは間違ったことをしてしまうのです。

さらに重要なことに、私たちの誤った行動は、深刻な結果を引き起こします。

 

当初、経済学者から、おもしろおかしい無駄話、と相手にもされなかった、

人間の計算できない行動と、市場に対する影響を扱う行動経済学は、

私たちの生活やビジネス、政府を、よりよいものへと進めていこうとする努力を

後押しするものとなっています。

 

人間の心理学的な発見と、インセンティブと市場のふるまいを結びつけることを通して

セイラーは読者に、一層不可解さを増す世界で、よりスマートに決定する方法を

教えてくれます。

彼は行動経済学が、家計のやりくりから、

新しい建物の中に新しいオフィスをいかに割り当てるか、

また、テレビのゲーム番組やNFLのドラフト、Uberのようなビジネスなど

あらゆるものを新しい観点から分析する方法を、明らかにしていきます。

 

それに加えて、伝統的な経済思想との闘いの様子を、滑稽な話にまとめた箇所もあり、

『誤った行動』は、人間の短所に対する、他に類を見ない洞察となっています。

経済学が心理学と出会い、個人と支配者と政治家に多大な影響を与える本書は、

深淵でありながら、楽しく読める本となっています。

 

 

 


 

元記事:http://amzn.to/1Qe7pb8

(翻訳:服部聡子)

 

 

起業家が注目すべき3つの海外新興市場

by コンスタンティン・マカロフ

 

海外の新興成長市場への進出をためらう起業家は、少なくありません。

中国の景気減速、ブラジルと南アフリカの経済停滞、トルコの社会政治状況の悪化は、

将来のビジネスリーダーからしてみれば、リスクに見合うだけのチャンスがあるかどうか、

再考せずにはおれないものとなっています。

けれどもこのような市場がぐらつきを見せる一方で、

未だ注目の集まっていない市場は、比較的安定した経済状況を維持しています。

ここでは起業家を待っている、3つの有望な国を紹介しましょう。

1. フィリピン

フィリピンは、中国に代わる投資先として、自国を戦略的に位置づけています。

2014年には、フィリピンへの投資は2倍になり、

フィリピン経済は2015年の第2四半期に5.6%の成長を遂げています。

中国経済が昨年の成長率7.4%と、足踏みをしているおかげで、

フィリピン経済は、その大きな影響力から離れて、

独自のビジネスチャンスを得ることができるようになっています。

起業家は、操業資金も製造コストも安く、経営政策も良好なフィリピンの成長市場に

注目しつつあります。

2014年フィリピン-EU間で結ばれた自由貿易協定は、

約6,000品目に渡るEU関連の関税の免除するもので、

今後のフィリピンを、活気のある経済拠点としての地位に押し上げようとしています。

2. ベトナム

ベトナムは、未だ辺境地域から新興成長市場へと移行する途上にある国ですが、

将来有望な国のリストには、かならず載っている国です。

ベトナムのWTO(世界貿易機関)への加盟と、競争力のある労働コストは、

この国の経済成長を牽引していく重要な要素です。

国際的な起業家は、2015年上半期、小売業販売額の8.3%の急増に見られる

急成長するベトナムの消費者から利益を得ています。

ベトナムへの外国直接投資は2014年第4四半期だけで、60%対前年比増加しました。

インテル、フォード、サムスン、トヨタなどの企業も進出しています。

外国の起業家がこのタイミングを利用するつもりがあるのなら、

ベトナムは投資の機が熟していると言えます。

3. モロッコ

モロッコは「成長するアフリカ」に注目している人の間でも、見過ごされがちな国ですが、

フロンティア経済の活気にあふれています。

 

モロッコは、ヨーロッパと地中海市場の玄関口という戦略的な場所に位置する国です。

着実に進む改革によって、財政赤字は2012年から2014年の間に、

GDP比7.4%から4.9%まで低下しています。

こうした数字はモロッコが、少なくとも今後何年間かは安定するであろうことを物語っています。

北アフリカは、未だアラブの春の余波で揺れており、

サハラ以南のアフリカ経済も停滞状況に陥っていますが、

モロッコは他にはない可能性があります。

カサブランカはヨハネスバーグに続くアフリカ第2の金融の中心地であり、

精力的な起業家にとって、長期的に賭ける価値のある国です。

 

新興成長市場に参入するために

こうした新興国の市場に参入するための戦略は、

枠にとらわれない思考と、その地域の深い理解が必要とされます。

参入を考えたり、フロンティア市場や新興成長市場への進出を考える起業家は、

以下のアドバイスを留意しておいてください。

・ どのような選択肢があるか知っておく

そうした国の市場に参入することができるかどうかは、

その商品やサービスが、その国にとって意味を持つかどうかに100%かかっています。

デンマークの製薬会社レオファーマは、2001年、モロッコに進出する前に、

現地のパートナーを通じて、商品の販売をおこなっています。

そうした国の持つ潜在的な不安定さの影響を、最小限に抑えるためにも、

起業家は、市場にアンテナを張り、このように抜け目ない動きが必要とされます。

・ 地元の好みに適応する

起業家は、自分たちの商品が、現地の消費者の間でどのように評価されるか、

考えなければなりません。

バーガーキングはインドの人々を満足させるために、

ベジタリアン向けメニューを拡充させました。

KFCはケニヤの主食である、トウモロコシの粉で作ったウガリのナゲットを作りました。

好ましい市場環境を利用できる外国企業は、

その国の顧客が何を求めているかを知っているところだけです。

・ 長期的な計画を立てる

新興成長市場やフロンティア市場で成功を収める起業家は、

状況の変化に素早く対応する機敏さを備えています。

今後、どの産業が利益を上げていくかを予測できる、鋭い目が必要なのです。

たとえばインドのバンガロールは、世界的な技術とスタートアップのハブとして、

急速に頭角を現しています。

あるいはまたケニアのGDPの40%は、

Mペサのモバイル決済プラットホームを通過しています。

知識豊富な起業家は、そのような萌芽を見つけることができ、

数年先を見越して戦略を練ることができるのです。

 

新興成長市場やフロンティア市場の本質は、

高い成長率と、ダイナミックな進化にあります。

このような国では、暴力や政治的不安定さから、頻繁に回復を遂げているために、

経済発展も不安定で、かならずしも直線的なものではありません。

けれども初期のリスクを怖れない、勇敢な起業家は、

その国の正常が安定し、市場が活気づいた場合、飛躍的な利益を得るチャンスがあるのです。

 

 

 


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/253547

(翻訳:服部聡子)

 

新時代のチームに求められるもの

by クリス・フッセル

 

 

高度25,000フィートで航空機の貨物ドアが開く。

闇と冷気が押し寄せ、

航空機のランプに立った特殊作戦部隊の周囲で渦を巻く。

いつでも飛び出せる構えを取っているチーム。

リーダーは暗視ゴーグル越しに闇をのぞき込む。

あそこだ! 

リーダーは片手でさっと闇の中の一点を指さす。

チームは躊躇することなく、黙ったまま闇の中に身を躍らせる……

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私たちの多くは、これまで選び抜かれた精鋭部隊について読んだり、

映画で見たりしてきました。

もしかしたらあなたもその中の1人かもしれません。

精鋭チームは大試合で勝利を収め、緊急治療室で命を救い、

世界中の紛争地帯で戦っています。

事実、状況を成功に導こうと思えば、

きわめて効率の高い少数精鋭部隊を作りだすだけで十分だった時代があったのです。

たとえば軍隊では、個々の戦闘部隊が、遭遇する敵より強ければ、確実に勝利できます。

つまり戦争に勝つかどうかは、部隊をもっとも効率的に配置できるかどうかにかかっていたのです。

 

アメリカの軍隊は、20世紀を通じて、効率性を至上とする階層構造を構築してきました。

上級幹部は、小部隊をどこに、どのように配備すべきか見定めます。

そうして若いリーダーは、戦場で少数精鋭部隊を率いて戦うことに集中するのです。

官僚機構は効率と管理を目的に、設計されました。

上意下達式の情報統制は、究極的には権力がどこにあるかを示すものにほかなりません。

このリーダーシップ・モデルは、とりわけ特殊作戦部隊で大きな効力を発揮します。

対処の困難な脅威は、世界中に存在しましたが、

そうした脅威も、それぞれが孤立したタコツボのようなものでした。

ですから、極めて効率的な少数精鋭部隊が、決定的な解決となったのです。

けれども、アルカイダによる9.11の攻撃以降、

特殊作戦部隊が理解したのは、21世紀の問題が抱える複雑さは、

20世紀型アプローチでは解決できない、ということでした。

情報が怖ろしい速さで伝播し、個々の人々が急速に相互に結びつくことによって、

まったく新しい型の戦場が出現したのです。

リアルタイムで相互に結びつき、増殖していく敵は、

強力ではあっても、対応に時間がかかる官僚的な機構の裏をかいて、

新たなネットワークを構築してきました。

携帯電話やユーチューブのアカウントさえあれば、

誰でもこうしたネットワークに参加できるのです。

少数精鋭チームの能力に頼るだけでは、解決できなくなってしまったのです。

 

あなたのチームのパフォーマンスを高めよう

 

今日における特殊部隊の重要な第一歩は、

私たちの経営モデルをシフトする必要がある、と認識することです。

トップダウン型の指揮、能率至上主義的な官僚機構の代わりに、

私たちは自分をネットワークに繋げていかなければなりません。

かつて私たちが下していた指令は、少数精鋭のチームの有効性を、

企業全体へと敷衍し、拡大していくことでした。

大勢のリーダーが、それぞれにチームを率いる代わりに、

私たちは自分自身をひとつのユニットとして、

広範なネットワークに繋げていかなければならないのです。

私たちは縦割り組織の仕切りを取り除いて、

情報の共有や、リーダーシップ、コミュニケーションについての

思い込みを変えていかなければなりません。

 

情報が、小さなグループ単位で細切れにされていたところであれば、

グループ間の境界を取り払い、可能な限りシェアするようにします。

ユニット同士が壁で仕切られ、隔てられているところであれば、

私たちのオペレーション・センターと地上部隊は、

民間の諜報員、特殊工作員、提携相手の混成になっています。

 

かつてコミュニケーションが、組織の中の2点間通信であったのなら、

私たちの時代のコミュニケーションは、世界中の数千もの人々が最新の情報を聞き、

利用できるテレビ会議システムから始めなければなりません。

数年間の変化ののち、私たちは分散型ネットワークのスピードと俊敏さを適用するようになるでしょう。

これは、今日の世界では、どんな大きな組織でも必要なモデルです。

かつて企業は垂直的なグループを効果的に作ることに専念すれば、

競争を制することができました。

けれども今日の世界で、ネットワークモデルを用いているリーダーは、

個々の戦いに目を向けたままの競合を、すばやくしのぐことができるのです。

 

重要なのは、特殊部隊は組織を少しも変更することなく、

この転換を行おうとしたことです。

そうして精神面や、コミュニケーション、リーダーシップの転換を図ったのです。

組織に真の力を与え、ネットワークとして考え、行動し、動けるかどうかは、

今日のリーダーにかかっています。

それは、トップから始まる、精神的な転換なのです。

ネットワークモデルを採用するためには、あなたの組織は、以下のステップが必要です。

 

1. 他チームとの提携を構築する

あなたのチームは、組織の戦略的なビジョンに関して、

本当の意味で意志一致ができているでしょうか。

私たちの場合、できていませんでした。

そのため私たちは戦闘地域の真ん中で、動けなくなってしまったのです。

チームが異なれば、組織に対するビジョンにも違いが生じ、競い合うことにもなります。

その結果、互いに食い違った行動を取ることにもなってしまいます。

提携することなくしては、複雑な問題を解決しようとしても意味がありません。

なぜなら、ネットワーク化された複数チームのうちのひとつとして、活動できないからです。

 

2. 一体感と透明性を推進する

複雑な世界の中で、ものごとは従来のシステムではあまりに速く、動き、変化するために、

従来の機能的チームでは、とらえることができません。

大勢の人を現実のコミュニケーションに引き込めば引き込むほど、

さまざまな観点からのリアルタイムの洞察が集まり、

問題を、より素早く、より正確に解決することができます。

 

3. 共感を持って指導する

あなたに従う人の動機と視点を理解することによって、

あなたはより有能なリーダーになることができます。

トップダウンの時代の「従うか、出て行くか」というリーダーシップの時代は終焉しました。

ボトムアップ式に浮かび上がってきた知識は、創造的なアイデアを組織に蓄積することになり、

さまざまな視点を理解することが、あなたのネットワークをより良いものとし、

情報の裏付けのある決断をさせてくれます。

 

すばらしい力をたくわえた小さなチームは、もはやあらゆる難題の解決とはなりません。

巨大な組織が、ヘルスケアから軍事装置にいたるまで、小さなチーム同様に、

すばやく効率的に動ける組織へと、移行していかなければなりません。

一連のチームを有機的に提携させたチームを導くことが、

21世紀を勝ち抜く戦法なのです。

 

 

 

ハーバード・ビジネス・レビュー


元記事:https://hbr.org/2015/07/make-your-team-less-hierarchical

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

本『フック(引きつけるしかけ)』

The Hook: How to Share Your Brand’s Unique Story to Engage Customers, Boost Sales, and Achieve Heartfelt Success

 

『フック(引きつける力)  顧客を引きつけるためにブランドのストーリーをシェアし、売上を増やして成功を収める方法』

著者 リチャード・クレボリン、ハリー・ベックウィズ

 

企業はもはや崇拝の対象ではありません。

消費者も顧客も、自分の価値観でブランドと結びつくことを望んでいます。

今日、企業が成功しようとするなら、あなたの会社も人を引きつけるストーリーを

語らなければなりません。

そのストーリーが、ブランドに対する愛着心や、口コミ、ブランド・ロイヤルティを生むのです。

 

『フック』は、人を引きつけるストーリーを作るために、折り紙付きの方法を提供してくれます。

そうして、あなたのストーリーを世界中にシェアしてもらう方法や、

消費者と顧客にメッセージを聞いてもらい、覚えてもらう方法を明らかにしているのです。

 

さらに『フック』は、ストーリーを用いた販売が、いかに強力な道具として使われているかを示します。

・あなたの組織とターゲット市場、商品と消費者の間に、感情的な絆を作る

・好奇心を持たせたり、夢中にさせたりすることを通して、人や会社、商品を応援したい、という気持ちを作る

・商品やサービス、会社や個人がもたらす利益を示し、潜在力をアピールする

・スタッフの、任務や目標に対するやる気が増す

・社員の力や話しぶり、スピーチ、提案、プレゼンテーション、印刷物の内容が、向上する

 

 

※関連記事 進むオンライン広告への移行


元記事:http://amzn.to/1NPguqj

(翻訳:服部聡子)

 

 

進むオンライン広告への移行

by ジュリー・ボーデン・デイヴィス

 

 

従来、クリスマスシーズンに心温まるテレビコマーシャルを放送していたホールマーク社は、

今シーズンから広告をオンラインに移すことを発表しました。

 

オンライン広告は、実施しやすく費用効果の高い方法として、注目されてきましたが、

これまでテレビコマーシャルを中心に展開してきたホールマークやBMWのような大企業も、

インターネットに軸足を移しつつあるようです。

hallmark

▲毎年クリスマスシーズンになると流れていたホールマークのTVCM

 

消費者の多くがテレビコマーシャルをスキップしているために、

企業の中には、移行戦略を採るところが現れている、と

エリック・ロフホーム・インターナショナル社のCEOエリック・ロフホームは考えています。 

 

「移行にはいくつかの理由があります。

第1に、30歳以下のミレニアル世代は、もうテレビは見ません。

その代わりにインターネット配信を見ています。

そのために、テレビコマーシャルは、18-34歳の年齢層の観客を失いつつあるのです」

対象を幅広く取ったマーケティングは、

オンラインにターゲットを絞ったマーケティングほど効果的ではない、と言うのは

ギフト・カード・インプレッションズの創設者でありCEOでもあるブレット・グラスです。

 

「今日の消費者は、異なる世代ごとに、異なるメッセージの発信が必要となっています。

そうして、今日のデジタル環境下では、異なる媒体でそのメッセージを見るのです。

ホールマークの移行は、同社がミレニアル世代という急成長する消費者層に、

より大きなインパクトを与えようとする試みとして、意義のあるものです。

彼らはベビー・ブーマーほど慣習を重んじることがないからです」

インターネット・マーケティング戦略家であり、エレクトリック・ウェブCEOの

キリル・ストークもこれに賛同します。

 

「ホールマークが完全にデジタル部門に移行したことは、非常に大きな意味を持ちます。

クリスマスシーズンにホールマークの心温まるテレビCMを見ることは、

多くのアメリカ家庭では、一種の季節の儀式のようなものでした。

実のところ、ホールマークは何年にもわたるデジタル戦略があり、

この最新のステップが、現在のトレンドと一致したにすぎません。

デジタル広告の動向を把握している人なら誰でも、

その分野が急成長しつつあることは、十分理解しています」

テレビからインターネットへの移行の財政面での意義を指摘するのは、

『フック― 顧客を引きつけるためにブランドのストーリーをシェアし、売上を増やして成功を収める方法』

の著者であり、パワー・ストーリー・コンサルティングIncのリチャード・クレボリンです。

 

インターネットのおかげで、企業のターゲットとなる購買層は、

より注意深く安い買い物を選ぶことができるようになりました。

しかも、30秒のテレビコマーシャルよりも、長いビデオを、

オンラインで見ることができるのです。

企業の側は、無料で、大勢にシェアすることのできる

60秒から120秒の広告を作成できるようになったのです。

 

不可避的な転換

消費者が、より多くの時間をインターネットに費やしているのなら、

ブランドの側も彼らが実際に時間を過ごす場所で、彼らの前に立たなくてはならない、

と考えているのは、ライカブル・ローカル社副社長のニコル・クロースです。

 

オンライン広告戦略を採用しないことは、

新しいビジネスへと転換していくチャンスを逃すことにほかなりません。

追跡やレポート機能、機敏性、コストの最適化など、

オンライン・マーケティングは多くの面で格段の進歩を遂げ、

広告主は、これまでとまったく異なる効率性を手に入れたのです。

従来のマーケティング形式、たとえばテレビや印刷物、ラジオなどの収益が

下降しつつあるのを知っている広告主は、

インターネット・マーケティングに、もっとお金をかける必要を認めています。

ところが多くの広告主は、ネット上に場所を確保するのに遅れを取り戻そうと、

混乱している、と考えるのは、ユニオン・スクエア・メディアの共同創設者兼社長

ジョシュア・ケラーです。

 

「彼らがオンライン・マーケティングを無視しようとしているただひとつの理由は、

広告主がどのように最大限に活用すればよいのか、わかっていないからです。

インターネットに適応しなければならないことは否定できないのに、

インターネット・マーケティングをどうにかして回避しようとしているのです」

小企業にとってインターネット広告は敵か味方か?

小企業にとって、大企業がデジタル広告へ移行することによって、

自分たちの声が消費者に届きにくくなり、また広告費も高くなるのではないか、

市宇飛車に向けて強い印象を与えることがむずかしくなるのではないか、

という懸念を表明するのは、データ・ダイナミクスのCEOであり、

「デジタル・マーケティング・マシンを構築しよう」の著者でもあるケビン・レイトンです。

逆にロフホームは、この傾向は、小企業にとっても歓迎すべきものである、と考えています。

 

もはや広告費は、10年前ほど高価なものではなくなっています。

小企業でもプログラムされた広告を購入することで、

広告スペースと広告フォーマットを、好きなように選ぶことができるのです。

こうして宣伝コストを下げ、対象を限定することで、ターゲットに届きやすくなります。

大企業は高いコストをかけてインターネットを利用するけれども、

インターネット上では、小企業も大企業同様、効果を上げることができる、

とクレボリンは書いています。

 

つまり小企業は、自分のストーリーを、自分の市場のターゲットに向けて、

うまく語らなければならないのです。

インターネット上の消費者は、テレビCMほど高い品質のものでなくても

受け入れる傾向があります。

ですから小企業は、自分たちのコンテンツを作成するために

大きなプロダクションにまかせる必要はないのです。

 

しかもインターネット広告を出す機会は、

従来のテレビコマーシャルが1つの番組当たり、3-4回流すのがせいぜい比べ、

格段に多いことを指摘するのは、デジタル・マーケティング戦略家のジェイ・ヨークです。

 

つまり、インターネット広告という方法は、

大規模小売店と小企業が、同じ市場で闘うことができる、ということでもあります。

そのため、今後、より多くの小企業が、この分野の広告に参入することになるでしょう。

 

 

 


 

元記事:http://amex.co/1SoQcck

(翻訳:服部聡子)