好感の持てる人になるために
by ガイ・カワサキ
元記事:http://bit.ly/1LLllX7
(※著者の承諾を得て翻訳しています)
そこにいれば、誰もが幸せになるような人がいる。
そこからいなくなれば、誰もが幸せになるような人もいる。
―― オスカー・ワイルド
人を引きつける魅力は、ジャングルだろうと、市場だろうと、インターネット上だろうと、かならず表面に現れます。
そんな魅力は、自然に人に作用し、人の気持のありようを変化させるのです。
しかも、持続性があります。
(少なくとも気持ちを変えたテロリストが、小屋を出て行く間ぐらいは)。
こうして気持に生じた変化ゆえに、人の行動までもが変わっていきます。
人を引きつける魅力は、人を操るためのものでもなければ、ものごとを自分の思い通りにするためのものでもありません。
それでも、私たちは人を魅了することを通して、結果的に状況と関係を変えることになります。
少々性格に難があろうと、正当な理由があれば、それを不問にしてもらうことはできます。
けれども、もし周囲の人が好意を持ってくれたなら、人は自分の能力を、いっそう高いレベルで発揮できるでしょう。
ですから人は、能力を持つだけでなく、みんなに好意を持ってもらえるようになることもまた、大切なのです。
たいていの人は、気楽に、ありのままで、自由につきあえる人が相手なら、気持ちの良い人間でいられるのですから。
他者を受け入れるということ
まずは心がまえから始めましょう。
もしあなたがある人を好きでないなら、相手も決してあなたのことを好きになってはくれません。
単純なことです。
人を好きになるためには、まず相手を認め、受け入れること。
あなたが受け入れさえすれば、相手の側も受け入れてくれるでしょう。
他者を受け入れるために理解しておかなければならないのは、その点です。
人は二進法で生きているわけではありません
人は、1 か 0 か、賢いかバカか、価値があるか無価値か、ではありません。
誰もが強さと弱さを持ち、ポジティブであると同時にネガティブでもあり、
有能なところと無能なところをあわせもっています。
誰もがあなたよりすぐれた何かを持っています
もし誰かを受け入れたことで、がまんを強いられるとき、
おそらくあなたは相手が自分より劣っているからこんな目に遭わされるのだ、と考えることでしょう。
けれども、すべての点において、あなたの方が優れているわけではないのです。
人は相違点より共通点の方を多く持っている
基本的に、ほとんど誰もが家族をもち、意味のある何かをし、人生を楽しみたいと考えています。
これは人種や宗教、肌の色や国籍を超えて、変わらないことです。
あなたがきらいな人とも多くの共通点を持っていることでしょう。
チャンスをあげましょう
ストレスにさらされ、しかも組織に属していない人が、あなたが持っているような有利な点もないまま、
自閉症の子供や、暴力的な配偶者、老いていく両親、ガンなどと向き合っているのかもしれません。
その人と同じ状況に身を置いてはいないのなら、簡単に相手に対して判断を下してはいけません。
その代わり、彼らにチャンスをあげるのです。
死は平等に訪れる
やがてあなたも骨になり、あらゆる人と同じように、塵に帰ります。
ですから、尊大な気持は捨てましょう。
死の前では、あらゆるものが平等です。
Photo By:Broo_am (Andy B)
目尻に皺を刻みましょう
良い印象を与えるには、人に笑いかけることです。
笑顔になるのに、お金がかかりますか?
とんでもない。 もし笑顔を見せないでいると、何かを犠牲にしますか?
あらゆること、とは言わないまでも、少なくとも笑わないままの人には、誰も魅力を感じません。
もし笑顔が役に立たないと思うのなら、以下の質問に答えてください。
- あなたは不機嫌な人と仕事をするのが好きですか?
- 誰か不機嫌な人が好きな人を知っていますか?
- 怒っている人が、望むものを手に入れると思いますか?
ジョージ・クルーニー風の笑顔になる秘訣は、頭の中に気持の良い考えを抱くことです。
心の中で腹を立てていては、部屋がパッと明るくなるような笑顔を見せることはむずかしいでしょうし、
せいぜい「愛想笑い」になるのが関の山でしょう。
解剖学的にいうと、愛想笑いは頬筋、つまりは顎関節から口角まで伸びている筋肉だけを使っています。
これはコントロールするのが簡単なので、愛想笑いや、いわゆる「パン・アメリカン・スマイル」
(というのも、パン・アメリカンのフライト・アテンダントは、乗客を見ても心からハッピーにはなれなかったからです)
になってしまうのです。
Photo By:J Kaps
本物の笑顔は、眼輪筋も一緒に動きます。
この筋肉は、目を囲む筋肉です。
この筋肉を使うと、目は細くなり、目尻に皺が刻まれます。
本物の笑顔には、特別な名前があります。
「デュシェンヌ・スマイル」
フランスの神経科医であるギヨーム・デュシェンヌにちなんでこの名前がついているのです。
ですからあなたが人に会うときは、何か感じの良いことを考え、眼輪筋を働かせ、
水がたまるくらいに深い皺を刻んでください。
あなたの感じの良さを増すためには、ボトックスや美容整形などは無視してかまいません。
(翻訳:服部聡子)