本:『力強く立ち上がること』
Rising Strong
by
『力強く立ち上がること』
ブレネー・ブラウン 著
自らの過去を否定するとき、過去が限界を定めてしまいます。
過去を受け入れるとき、自らで物語の終わりを紡げるようになるのです。
勇気、心のもろさ、恥の意識、そして自らに感じる価値の意識に関する議論に火を着け、
全世界を巻き込んだ社会科学者、ブレネー・ブラウン。
ブラウンの著作は新たな地平を切り開き、私たちの心に深く根ざした真実を明らかにしました。
心のもろさ、すなわち、何の見返りが期待できなくても人びとの前に姿をさらす意志こそが、
より深い愛、帰属意識、創造性、そして喜びに通じる唯一の道だったのです。
ですが、勇敢に生きるということは、易しいものではありません。
つまずき、転んでしまうことは避けられないものなのです。
ブラウンが本書でテーマに選んだのは、つまずき、転んだ後に立ち上がることです。
データに根ざした理論の研究者としてブラウンは、
フォーチュン500企業や軍のリーダーから芸術家、関係が長く続いているカップル、
教師、子を持つ親などに、自らの勇気、つまずき、
そして立ち上がった経験について語らせています。
そしてブラウンは、
強く深い愛で結ばれた人たち、創造性を促すリーダー、
イノベーションを推し進める芸術家、
そして信念と神秘をもって人びとに寄り添って歩く聖職者。
彼らが共通して持っているものは何か?
という問いを自身に投げかけます。
答えは明快でした。
皆、感情の持つ力を認識しており、苦境に立つことを恐れていないのでした。
それぞれが持つ傷みの話に足を踏み入れるのは危険に感じられるかもしれません。で
すが、苦しみにもがくなかで自分の足場を確認することで、
勇気が試され、自らの価値観を形作ることができるのです。
私たちが経験する困難は、失業や離婚などの大きなものから、
友達や同僚との不仲のような小さなものまであります。
その大きさや状況によらず、力強く立ち上がるためのプロセスは変わりません。
感情を考慮して自分の気持ちに対して興味を持ちます。
そして、真実のある場所にたどり着くまで、
自分自身のストーリーに延々と考えを巡らせます。
そして、このプロセスの中に毎日を生き、習慣となって、
人生に他ならぬ革命を起こすまで継続するのです。
つまずきの後に力強く立ち上がることは、
自らの全てを含んだ誠実さを深めることにつながります。ブ
ラウンは、このプロセスが自分自身について最も多くのことを教えてくれるといっているのです。
元記事:http://amzn.to/1WLj2aJ
(翻訳:角田 健)