本『ディープ・ワーク』

Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World

『ディープ・ワーク 注意散漫な世界で成功に集中するためのルール』

著者 カル・ニューポート

 

ディープワークとは、むずかしい仕事をする時でも、

集中力がとぎれることなく、集中して仕事をやり続ける能力のことです。

複雑な情報を素早く理解し、短時間により良い結果を生み出すことのできる

スキルのことでもあります。

つまり、ディープワークとは、競争の激化する21世紀の経済社会において、

すばらしい力なのです。

 

ところがほとんどの人は、1日の大部分を、

ばくぜんとメールやソーシャルメディアに費やしており、

他にもっと良い過ごし方に気付きもしないまま、

その能力を失ってしまっています。

 

『ディープワーク』の中で、作家であり、大学教授でもあるカル・ニューポートは、

常時接続の時代を生きる私たちに、衝撃的な物語を投げかけます。

集中しないことをとがめるのではなく、その対極にある集中力を称揚するのです。

 

この本は2つのパートに分かれており、最初のパートでは、

どんな職業であっても、ディープワークの持つ倫理観を深めることが、

大きな利益をもたらすことを説きます。

後半では4つのステップからなる「ルール」として、

人々の気持ちと習慣を変えるためのトレーニングが提示されます。

 

現代の文化に対する批判と、行動につながっていくアドバイスを通して、

『ディープワーク』は読者を印象的な数々のストーリーに誘います。

カール・ユングが自分の精神に集中するために、森の中で石を積み上げ、塔を作った話から始まり、

ソーシャルメディアのパイオニアは、アメリカと東京を往復するビジネスクラスの航空券を買い、空を飛びながら執筆に集中した話、

それとともに、実際的なアドバイスも上げられています。

たとえば、真剣にひとつのことを極めようと思うなら、ソーシャルメディアはやめなければならないという主張や、

人は「退屈する」ということを練習しなければならない、という主張なども含まれています。

『ディープワーク』は、注意散漫な世界で成功に集中しようと考える人にとって、

欠くことのできないガイドブックとなっていくでしょう。

 

 

 


元記事:goo.gl/GiDujQ

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

学生が今すぐ起業できる10のビジネス

by ハンター・ホフマン

 

マイクロソフト、デル、ナップスター、フェイスブック

これらの企業の共通点はなんでしょうか?

20世紀末、市場に激震を起こした企業であるだけでなく、

いずれも学生によって設立されたことです。
もちろん誰でも次のマーク・ザッカーバーグになれるわけではありません。

けれども学生である間に起業することは、誰でもできることなのです。

資金もオフィスもなくても、起業する選択肢がいくつかあります。

大学在学中に起業することによって、

授業料や食費、高額の教科書にかかる費用をまかなうことができるだけでなく、

有益なコネクションを形成することもできるのです。

あなたの大学の寮の一室で起業する10のアイデアを、以下にあげてみました。

1. ITコンサルティング

IT業界というのは、実際のところ、長年の経験を積んだことが、

決して有利には働かない分野です。

総じて学生は、この領域では業界の古参よりも、高いスキルを持っており、

最新テクノロジーの知識も豊富です。

あなたが自分をITコンサルタントとして売り込む自信がないのであれば、

キャンパス内で「コンピューター関連の問題があれば、いつでもお手伝いします」と

告知し、そこから始めていきましょう。

 

2. ソーシャルメディアコンサルティング

ソーシャルメディアのトレンドの最先端を行くのが学生であるのも、

めずらしいことではありません。

その知識と経験を活かして、企業のソーシャルメディア戦略を補佐してください。

企業をフェイスブックやリンクトインの先へ導き、

新しいチャネルを教えて、メッセージを広く届けてください。

 

3. グラフィックデザイン

グラフィックデザインのコンサルティングは、経験年数よりも

創造性や才能がものをいう世界です。

デザインを専攻する学生は、授業で学んだことの中から

自分のプロジェクトのポートフォリオを作成しなければなりません。

その他にも印象的な名刺を印刷したり、

自分のウェブサイトを立ち上げたりすることから

始めていきましょう。

 

4. ウェブデザイン

昨今の学生は、以前にも増して、ウェブサイトの作成に携わる機会が増えています。

ほとんどの人がやってきたのは、学内グループやクラブのサイトだったり、

仲間内や個人的なブログだったでしょうが。

とはいえ、そうしたサイトもサンプルとして利用できるし、

営利目的のウェブデザインに手を広げるために、活用することができます。

 

5. カメラマン

ピンタレストやインスタグラム、スナップチャット、フェイスブック

などのようなプラットフォームのおかげで、

人々はコミュニケーションに画像を利用することになじんできました。

ビジュアルコンテンツの需要の増大に対応するために、

アマチュア・カメラマンに依頼することにも不安はなくなっています。

テクノロジーの向上によって、アマチュアであっても、品質の高い仕事を

大量にこなすことができるようになったからです。

 

6. イベント企画

大学生ならパーティに参加する機会も多いでしょうが、

そうした経験をうまく活用することは、また別の話です。

イベント企画に要求されるのは、細部にいたるまでの注意力と組織力、

マルチタスクの能力と創造力です。

もしこの仕事をこなす能力が備わっていると思うなら、

まずはキャンパスの周辺でビジネスを始めて、

学内のサークルやグループ活動の企画を行い、人気を集めましょう。

 

7. パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、時間に融通が利いて、

どこでもトレーニングを行うことができます。

パーソナルトレーナーになるためには、所定の組織を通して

資格を取る必要がありますが、求められる条件は、

CPR(心肺停止時の蘇生救急法)やAEDの試験にパスすることなど

それほど厳しいものではありません。

 

8. クリーニングサービス

クリーニングサービスは、自由な時間を使って働ける仕事だし、

オフィスも必要ありません。

言うまでもないことですが、ビジネスに必要な用具は、

地元のスーパーで購入することができます。

汚れ仕事をしてくれる人に、喜んでお金を払う人は大勢います。

大きな試合があった翌日の大学の寮は、まさに金鉱といえるでしょう。

 

9. フリーランス・メイクアップアーティスト

政府の資料によると、アメリカでは女子学生の数は、

35年間にわたって、男子学生を上回っています。

このことは、彼女たちを対象とした小規模ビジネスを立ち上げるのに

大きなチャンスとなっています。

フリーランス・メイクアップアーティストは、特別なイベントで

顧客のメイクアップを行って収益を上げるビジネスですが、

最近ではソーシャルメディアを通じて

チュートリアルビデオを提供することもできます。

大勢の視聴者を引きつける魅力的なコンテンツを作成すれば、

YouTubeを通じて収益化することができます。

10. 造園業/除雪

造園業と除雪サービスは、長期休暇や学期中に従事できる

季節限定の仕事です。

シャベルや丈夫な長靴、園芸店で買える備品を用意して、

大学に通う自宅生や、大学周辺の居住者からの依頼を募ります。

 

たとえ大学に籍を置いたまま、学生としてビジネスを始めるとしても、

相応の報酬を受け取り、リスクもあるという意味で、

本物のビジネスに変わりありません。

ビジネスの種類や会社の規模によらず、学生時代に起業する人は、

保険に加入しておくことが重要です。

ITコンサルタント保険のように特化したものや、

もっと一般的な専門職賠償責任保険などは、

万が一の場合にも、会社がトラブルに巻き込まれないように

保護してくれるものです。

 

大切なことは、学生時代の起業は、いくばくかのお金を稼ぐ手段であるだけでなく、

卒業後に続く、成功への道を切り開くことにあります。

 

 

 

―Hunter Hoffmann(Head of US Communications at Hiscox)


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/254664

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『産業界の未来』

The Industries of the Future

著者 アレック・ロス

 

イノベーションの先導者であるアレック・ロスは、この世界で次に起こること、

次の10年で私たちがどこまで前進するか、どのような障害にぶつかるか、

そうして私たちがどのように進んでいけば良いかを明らかにします。

 

著者であるアレック・ロスは、国務長官の下で、イノベーションに関する上級顧問を務める一方で、

世界中40か国を訪ねて、あらゆる大陸で出現した最新の発明を探求しました。

ケニアのスタートアップが集中する場所から、韓国の研究開発所まで、

ロスは、将来、起こりうるものに目をこらして来たのです。

 

『産業界の未来』の中で、ロスは、来たる10年間に変わるものを私たちに見せてくれます。

前進するためのチャンスに光を当て、繁栄を遂げる国、衰退する国を示します。

また、ロボティックス、サイバー・セキュリティー、ゲノミクスの商業化、

ビッグ・データの次の1歩、デジタル技術がお金や市場に与える影響といった

私たちの未来の経済をなによりも形づくる特別な分野を、分析していきます。

 

これらのそれぞれの領域において、ロスは、きわめて厳しい問題を指摘します。

仕事の質の変化に、私たちがどのように適応していけば良いのか。

サイバー戦争の可能性は、次の軍拡の引き金になっていくのか。

世界の新興国のイノベーション中心地は、シリコン・バレーに匹敵するのか。

今日の親世代は、子供たちにどのような未来の準備をさせればよいのか。

 

ロスは、たくみなストーリーテリングと経済分析をブレンドしながら、

広汎な世界的趨勢が、私たちの生き方にどのような影響を与えていくか

鮮明で、情報に裏打ちされた見解を、明らかにしてくれます。

テクノロジー産業の大御所から防衛専門家にいたるまで、

幅広い分野の指導者の知見が集まった『産業界の未来』は、

私たちの多くが重要だと感じながらも、その複雑さに尻込みている話題を、

要約し、明確に、解き明かしてくれるのです。

 

本書は、今日と明日、世界がどう動いていくのかを理解するために、

あらゆる国の、あらゆる分野のビジネスに携わる人々が読まなければならない、

必須の一冊と言えるでしょう。

 

 


元記事:http://amzn.to/1na9FV3

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

あなたの会社のニッチを見つけるには

 

あなたが自分でニーズを満たすことができるというのに、

どうしてトレンドを追いかけようとするのでしょうか?

ファッションブランドであるスティーブンアランCEOが、あなたのチームに対しても、

消費者に対しても、ユニークで価値のあるブランドを築く方法について、語ります。

 

ファッションとライフスタイルのブランドであるスティーブンアランの創設者・CEOとして、

私はデザイン業界でニッチを作りだすことで、成功をを手にしてきました。

スティーブンアランは、私のコレクションと、小売や卸売販売の中から登場した

新進デザイナーの作品の双方を含んでいます。

私のビジネスを築いていく過程で、試行錯誤しながら、

私はこのような質問を、自分自身に問うていました。

私にしかできないことは何だろう?

どうしたらこのアイデアを、他の誰にもコピーさせずにすむだろう?

デザイナーとしてのビジョンに忠実でありながらも、

他者の参入に障害を設けることができるだろうか?

私はチャンスをとらえ、信頼する人に情報を求めることを通して学んできました。

ここにあなた自身のニッチを見つけ、そこからあなたのビジネスを拡大できる

3つの方法を上げています。

 

ギャップを見つけ、それを埋めよう

私は、複数ブランドの小売業者としてスタートしてからすぐに、

活動規模の小さなデザイナーは、製品の流通を助けてくれたり、

代理店を探していることに気がつきました。

この発見と、自分自身の起業を通じて、自分のニッチが

デザインと小売、卸売業者を結ぶことにあるのに気づいたのです。

それ以前は、私はデザイン、小売、卸売を、

3つの独立したビジネスとして、運営していました。

そうしてあとでそれをまとめて処理しなければならなかったのです。

キャッシュフローの観点から見れば、3つのビジネスは、

それぞれ資金繰りにおいて必要とするものがまったく異なっています。

確かに、それぞれ1つだけを追求した方が、簡単なのかもしれません。

けれども、この3つを一体化したモデルがあるからこそ、

スティーブンアランというブランドが、ユニークであり、強くなれるのです。

しかも、統合することによって、仕事が非常におもしろくなっていったのです。

また、ひとつの分野がほかをサポートすることも知りました。

 

厳しい質問を投げかけ、チャンスを活かそう

あなたは自分の仕事を、とことん追求できるほど、その仕事に愛情を抱いていますか?

それとも、ただ流行を追っているだけでしょうか?

あなたが今やっていることを、心から信じているなら、

どんどん深く掘り下げていき、遠くまで進むことができるでしょう。

信頼できる人と一緒に、戦略的なブレーンストーミングの会議を重ね、

あなたのアイデアの有効性をテストし、

試しにやってみて、何がうまくいくかどうかを見極めてください。

あなたが正しい方向に向かって進んでいるという証拠を見つけてください。

早い段階から、私たちは自分たちの手に余ることをやろうとしていたのです。

たとえば靴や革製品のような、当時の私たちに管理できる以上の生産規模のものです。

もしあなたにそれだけの力があるならば、市場を分析して、

一度はあきらめざるをえなかった分野に、結局は戻ってくることができるのです。

 

相談役を設置しよう

あなたに客観的な真実を話し、意欲をかき立ててくれるような、

少人数のグループを、形成してください。

私には率直で、議論好きな家族や、勤続年数の長い従業員がいます。

彼らの目的が、ビジネスをより良いものにすることであることをわかっているため、

私は彼らの意見を大切にしています。

また、イノベーションのために研究している友人を頼ったり、

ファッション業界で、数々の荒波をかいくぐってきた人に相談したりしています。

 

 

― スティーブン・アラン


元記事:http://amex.co/1SHbwNC

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

本:『天才の地理学』

The Geography of Genius: A Search for the World’s Most Creative Places from Ancient Athens to Silicon Valley

『天才の地理学

 ―世界で最も創造的な場所はどこか 古代アテネからシリコンバレーまで』

著者:エリック・ワイナー

 

ニューヨークタイムズ・ベストセラー『世界しあわせ紀行』の著者エリック・ワイナーと

アテネからシリコンバレーまで、歴史を縦横にかけめぐる旅に出ましょう。

ある特定の時期に、特定の場所で、創造的な天才が次から次へと輩出されるのを見ていくのです。

 

『天才の地理学』では、評価の高いトラベル・ライター、エリック・ワイナーが、

きわめて革新的なアイデアと、環境の関係を探求しようとします。

特定の都市環境が、創造性を導いていったのかを明らかにするために、

1900年のウィーン、ルネッサンス期のフィレンツェ、古代アテナ、宋王朝時代の杭州、

シリコンバレーなど、歴史上のさまざまな地域を探訪していくのです。

 

著者のトレードマークでもある、洞察力豊かなユーモアとともに、

天才たちが花開いた土地を歩きながら、

ソクラテスやミケランジェロ、レオナルド・ダビンチのような人々に

ひらめきをあたえた「インスピレーションの素」は、今日も残っているのでしょうか。

そんな場所に立ったワイナーは、こんなふうに問いかけます。

「この空気の中に、何があるのだろう?

そいつをビンに詰めることができるのだろうか?」

環境と創造性の関連は、歴史を通してさかのぼることができます。

ダーウィンの進化論は、彼が馬車に乗っている間に固まっていきました。

フロイトはお気に入りのコーヒーハウスが、思考に最適の場でした。

ベートーヴェンは、他の多くの天才たちと同様、長い散歩を好みました。

鋭く、また挑発的な『天才の地理学』は、天才という存在がどのように現れてきたかを

あらためて浮かび上がらせます。

歴史を概観する確かな知識と、楽しいおしゃべりを通して

創造性を育てていく上で、文化がきわめて重要なものである、という著者の指摘は、

すぐに大勢の人にとって、格好の話題になることでしょう。

 

 


元記事:amzn.to/1n5jIKA

(翻訳:服部聡子)

 

 

否定的なコメントが寄せられたらどうする?

By ラヴィ・シャックル

 

あなたの顧客は、ソーシャルメディア上に否定的なコメントを残すことは

ありませんか?

あなたは顧客のクレームに、どのように対応するか決めていますか?

ソーシャルメディアの否定的なコメントに対しても、素早く適切に対応していけば、

顧客はブランドに好感を持ち、ずっとひいきにしてくれることにつながっていきます。

この記事を読めば、ソーシャルメディア上に寄せられた否定的なコメントに

対処する方法がわかるでしょう。

 

1. 返事はすばやく

ソーシャルメディアでの顧客による否定的なコメントに対しては、

すみやかに適切な返答をすることが大切です。

コメントが寄せられてから、1時間以内に返事をするようにしてください。

これは、コメントに対する解決策を出さなければならない、という意味ではありません。

多くの場合、顧客は自分の問題を、あなたに知ってもらいたいと思っているのです。

ですからその次に、顧客に解決策が出せるのはいつかを知らせます。

そうすることによって、あなたが今後の成り行きをコントロールし、

これ以上の否定的なフィードバックを防ぐことができるのです。

たとえ週末であっても、このレベルの返答は一貫して行うことが重要です。

Convince & Convertの調査によると、クレームを残した顧客の40%は

数時間以内に何らかの返答があることを期待することがわかっています。

2. 過ちを認める

顧客は、どんなビジネスでも完璧なものはないことは理解しているので、

失敗を隠す代わりに、潔く認めることが一番です。

ソーシャルメディアであなたがファンに謝罪することによって、

過ちを認めている姿勢を明らかにすることができます。

しかもそうすることによって、その顧客があなたの会社の失敗や問題を

非難し続けることを食い止めることもできるのです。

そうやってあなたは目の前にある現実の任務に集中することができます。

そうしてあなたは解決策を見つけるのです。

あなたがソーシャルメディアで謝罪する際には、

かならず心からのものでなくてはなりません。

気持ちのこもらない謝罪は、すぐにそこだけ取り上げられて、

コピー&ペーストされて拡散するでしょう。

その代わりに、あなたの人間らしい側面を見せて、

自然な言葉を遣ってください。

apology to customer

▲「ブランドはタイポに気をつけるべきだ」という指摘に対して、
小学生がスペリングの間違い直しをするように
「私たちはComing SoonをComming Soonと間違えたりしません」
と繰りかえしているユーモラスなお詫び

 

上記は、ファッションブランドのアレン・ソリーが顧客からのコメントに、

創意あふれる方法で謝罪したものです。

ミスを犯した時こそ、透明性を見せる最適の場面です。

誠実に、ただちに状況を改善できるよう、最善を尽くしましょう。

一例を上げると、ピザ・ハットは注文に対する不手際を即座に認め、

顧客に謝罪しています。

apology to customer

▲「1時間半前に注文したのに届かない、電話には誰も出ない」
さらに「届いた商品が注文と違う」という写真添付の投稿に
ピザ・ハット側は5分後に直接コンタクトできるフォームへ誘導している

顧客の信頼を勝ちとるには時間がかかりますが、失うのは一瞬だということを、

忘れないでください。

#3: オフラインで話をする

ソーシャルメディアでのやりとりは、すべて公衆の面前で行われます。

そのため否定的なコメントについてのやりとりは、

第三者の便乗を誘発しかねません。

話し合いは、相手と1対1で話すことのできるオフラインで行うことが、

最善の方法だといえます。

そうすることで、状況が拡大するのを防ぐことができるし、

あなたが顧客の問題の解決に、鋭意努力していることがわかれば、

相手の怒りや不満も収まるからです。

#4: たった1人に向けて応答する

顧客があなたにソーシャルメディアを通じて、否定的なコメントを投げかけてくるのは、

多くの場合、あなたにこの問題を知ってほしい、解決してほしい、と思っているからです。

機械的な返信は、あなたはそんなことを聞く時間もないし、

顧客からの情報など価値はない、というメッセージを送っていることにほかなりません。

ここに顧客のクレームとは無関係に対応している自動返信の例があります。

canned complaint response

▲「銀行が家を奪うのをやめれば、大勢の人が助かる」
(※アメリカではローンが払えなくなった家が銀行に差し押さえられる
事態が多発し、多くの人が銀行に一時凍結の執行を求めている)
という投稿に対するバンクオブアメリカの自動返信
「ご意見ありがとうございます。何かお役に立てることがありましたらお知らせください」

クレームに対応するときは、以下の点に気をつけていれば、

顧客が不快に思うことはないでしょう。

 ・会話するようなトーンを保って返答する

 ・返信に顧客の名前を入れる

 ・あなたがどのようにこの問題を修復しようとしているか知らせる

 ・過ちは認める

 ・顧客の状況を理解していることを返信に盛り込む

自動返信機能は、オンライン上の一般的な問い合わせの場合は時間の節約に

なるけれども、それを利用するのは、定型型の投稿に限ることです。

ポイントは、あなたのメッセージにいかに個人的なニュアンスをこめるか、ということ。

毎回同じメッセージのコピー&ペーストではいけません。

#5: 自分への個人攻撃とは受け取らない

ソーシャルメディアで否定的なコメントについて対応するときは、

顧客があなた個人に対して腹を立てているのではないことを、忘れないでください。

彼らが腹を立てているのは、自分が置かれた状況に対してなのです。

ですからそうしたコメントを、あなた個人に向けられた攻撃と受け取ったり、

仕返しとばかりに、相手に無礼な態度を取ってはいけません。

絶対にしてはいけないのが、感情的な返事で、事態をいっそう悪くすることです。

#6: エスカレーション・プランをまとめる

エスカレーション・ポリシーは、クレームに対応する際に、

社内の誰に連絡するべきか、従業員がすぐにわかるようにするための文書です。

その文書には、クレームの詳細とともに、全部署、全従業員のリストが含まれています。

この文書を所定の位置に置いておけば、クレームに対処する従業員は、必要に応じて、

問題を速やかに適切な人物に上申することができます。

事態が深刻なものであれば、上司の承認が必要な場合もありますが、

このリストがあれば、適切な人に直接、連絡できるため、

すばやく解決ができるようになります。

エスカレーション・ポリシーは、ソーシャルメディアでの返信を速くするばかりでなく、

従業員がより速く解決を見つける助けにもなります。

#7: 1歩進んだ解決を

顧客がソーシャルメディアに否定的なコメントを投稿する、主な理由のひとつに、

企業の側から必要な情報が得られないことがあります。

幸い、あなたはすべてのコメントに対して、どのように答えれば良いかを知っている必要はありません。

あなたに答えられなくても、外部の専門家や、別の企業の商品やサービスを

紹介することで、うまくいくこともあります。

信頼を損ねるどころか、実際には信頼感を増すことになります。

顧客は、あなたが問題解決に向けて、努力してくれたことに感謝してくれるでしょう。

たとえばゲイロード・オプリーランド・ホテルの宿泊客は、

ホテルの部屋のアイテムがどこで購入できるか、ツイートしました。

customer inquiry response

▲「この部屋にあるシャーパーイメージ製のクロックラジオは
どこで買うことができますか? 店にあるものにはSpa Soundsが
入っていないのですが、それを聞くとよく眠れるのです」というツイート

そのアイテムは、売り物ではなかったのですが、

ホテル側は、類似の商品がオンラインショップで販売されていることを知って、

顧客のためにリンクを張ったのです。

#8: フォローアップを忘れない

ソーシャルメディアに寄せられたクレームに対処しただけで、

問題を解決したとは思わないでください。

顧客のニーズに完全に答えたかどうか確認するために、

追って連絡することを忘れないでください。

個人に対してアプローチすることで、あなたが顧客の意見を大切にし、

彼らのニーズに応えることを第一に考えている、と知らせることができます。

2,3日中にフォローアップを行うことができれば、申し分ありません。

そうすれば、あなたがどんな問題を解決したかがはっきりとし、

あなたとのやりとりがいつまでも意識の中心に残っていくでしょう。

顧客があなたの会社とどのような経験をしたか、フィードバックを集めるのも

良い方法です。

ここにザッポスが、行方不明になった靴の注文のことで、

顧客に対してどのようなフォローアップを行ったか、一連のツイートがあります。

customer complaint response

▲D「なくなった靴のことでトリニティとチャットしました。
彼女はとてもザッポスらしかったわ。ありがとうって伝えてね!」
D「もっとザッポスらしい対応をアンソニーはしてくれました。
靴はまだ見つからないけど、代わりの靴を送ってくれたんです。
みんな、ザッポスで買いましょう!」
D「靴が見つかりました! チャットでジャブリが最高にザッポスらしい
対応をしてくれたんです。代わりの靴の返品ラベルとクーポンを送って
くれました」
ザッポス「ヒュー!謎も解決!ジャブリ=ワトソンが
あなたのホームズをお手伝いできて、うれしいよ(^_^)」

代わりの靴を届けることで、問題を解決することよりも、

問題が、顧客の満足のいく形で片付いたかどうか、はっきりさせるために

ザッポスはコミュニケーションを続けたのです。

#9: 否定的なコメントは消去しない

否定的なコメントを消去しても、問題の解決にはなりません。

事実、消去して無視すると、顧客はコメントを続けることで、

フラストレーションを発散しようとします。

そうしてそれは、あなたが彼らに対応するまで続きます。

顧客からの否定的なコメントを消去しないからといって、顧客の無礼な文言や、

あなたの会社やソーシャルメディアのファンをバカにするような態度までも

許容する、ということではありません。

もしあなたの企業サイトにソーシャルメディアに関する方針が掲載されていれば、

そこにリンクを張ったり、警告することが必要です。

警告にもかかわらず、顧客が明かに一線を越えるような態度を取ってきた場合には、

その人物のフォローを解除したり、ブロックしても良いでしょう。

#10: あなたのブランドについての会話をモニターする

否定的なコメントが上位に来たり、その話題が拡散したりすることがないように、

多くの人があなたの会社について、ソーシャルメディアで何と言っているか、

モニターすることは、大切です。

ツイッターの「2014年のメンション」の調査で、31%のツイートが、

ハッシュタグを付けずに企業名を話題にしていました。

同様にフェイスブックのアップデートでも、顧客はかならずしもあなたの会社の名前を

タグ付けするとは限りません。

そのため、オンラインであなたの会社をめぐって、どのような会話がなされているか、

追跡するのは、簡単なことではありません。

以下に、オンライン上での会話のモニターが、簡単にできる2つのツールを紹介します。

Mentionは無料オンラインツールですが、

それを利用すれば、ソーシャルメディアやブログ全体で、

重要なメンションを追跡することができます。

キーワードはどのようなものでも可能で、

そのキーワードが使われれば、通知を受け取ることができます。

これは人があなたのIDを含めずに話題にしていても、

その投稿を見つけることのできる、すばらしいツールです。

Agora PulseはCRM(顧客関係管理)ツールで、

フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのソーシャルメディアでの

人々のコメントを追跡することができます。

コメントが通知されると、直接応答することができるし、

コメントの評価もできます。

こうすれば簡単かつ確実に、顧客からのコメントに返事を書くことができるのです。

まとめ

市場調査のNM Incite の調べによると、

ソーシャルメディアで好意的な対応を受けた顧客の71%が、

ほかの人にもそのブランドを勧めるとのことです。

一方、返信がもらえなかった顧客がそのブランドを勧めることは、

19%に留まりました。

もちろん、あなたがソーシャルメディア上にいるあなたのブランドのファン全員を、

幸せにすることはできませんが、それでもかまいません。

大切なことは、否定的なコメントに対しても、正直で、オープンであることです。

個人に向けたアプローチを取る、ということは、

時間を取って顧客の問題を理解し、助けようとすることに他なりません。

そうすることによって、あなたが彼らの意見を大切にしていることが、

非常にはっきりと示されるのです。

 

 

―― ラヴィ・シャックル(ソーシャルメディア&オンラインサービスエキスパート)


元記事:http://bit.ly/1YPlV8y

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『信用詐欺:どうして人は(いつも)騙されるのか』

The Confidence Game: Why We Fall for It . . . Every Time

著者 マリア・コニコヴァ

 

ニューヨークタイムズベストセラー『シャーロック・ホームズの思考術』の著者が、

詐欺師の思考や動機、その手口と、詐欺に何度もひっかかる人々について、

きわめて興味深い研究を明らかにします。

詐欺や詐欺まがいの行為が氾濫している現代にあって、

史上最大級の巨額詐欺事件の犯人として知られるバーナード・メイドフ、

有名なテレビ宣教師でありながら、会計不正事件を起こしたジム・ベイカー、

癌から奇跡的に復帰し、ツール・ド・フランス7連覇を成し遂げながらも

詐欺行為で訴えられているランス・アームストロングらは

エレガントで際立った個性と、芸術的とすら言える説得術、信用を巧みに勝ちとる

真の詐欺師と言えるでしょう。

どうして彼らは成功したのか?

また、どうして私たちは、何度も何度も騙されるのか?

こうした問いに、心理学者でありジャーナリストでもあるマリア・コニコヴァは取り組み、

この新作で、私たちをとりこにしていきます。

コニコヴァは、数百万ドルにも及ぶネズミ講から寸借詐欺まで

あらゆる詐欺に共通して見られる、魅力的なストーリーを引き出し、

それを科学的、ドラマ的、心理学的な観点から迫っていきます。

豊かな洞察に満ちたおもしろさを持った本書は、芸術家と犠牲者の関係を分析しながら、

読者を詐欺の世界に引き込んでいきます。

それに加えて本書は、私たちがなぜ詐欺の芸術家を信じてしまうのかにとどまらず、

信じるという行為や、「これは本当だ」という私たちの感覚が、

いかに周囲の人々によって操作されるものであるかを、明らかにしています。

 

 

 


元記事:amzn.to/1SDDxoc

(翻訳:服部聡子)

 

10人のCEOが予測する2016年のビジネス界

2016年は「変化の年」と言われています。

けれども、待ち受けているのは、どのような変化なのでしょうか。

10人のビジネス・リーダーたちが、2016年の予測を語ってくれました。

1. 女性の創設者が増える

― サリー・クラウチェック (エルヴェストCEO)

今までにも増して、人生の半ばを過ぎた女性たちが、

起業家精神に目覚めつつあります、と語るのは、

女性企業に対する投資や資源提供を行う

エルヴェストのCEOであるサリー・クラウチェックです。

「かつてのアメリカのビジネス界では、女性の席は、

テーブルにたった1つしかありませんでした。

それが今では1人や2人、3人にとどまらない

女性起業家の成功が、広く知られるようになっています。

1つの席を取り合うのではなく、パイ全体がさらに成長する余地があるために、

助け合いながら向上することができるようになったのです」

2. 透明性の高い企業が注目される

― アビノーム・ノウォグロスキ(クラリゼンCEO)
フォルクスワーゲンなどの企業が、大きな論争を呼んだように、

大企業の透明性の問題が、改めて浮き彫りにされています、と語るのは、

プロジェクト管理ソフトウェアプロバイダーのクラリゼンCEO、アビノーム・ノウォグロスキです。

「『命令し、コントロールする』というリーダーシップのスタイルよりも、

『感じとり、受けとめる』型のリーダーシップを多くの企業が採用するようになるでしょう。

知識は特定の個人のものから、従業員全体でシェアするものとなり、

状況に応じてのコラボレーションが始まる。

それが職場の透明性を、いっそう推し進めることでしょう」

 

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3. テクノロジー企業が 経済を牽引する

― シーロイ・デサイ (ギルドCEO・共同創設者)
アナリストの中には、経済の停滞を予測する人もいますが、

雇用ソフトウェア・プロバイダーのギルド社の

CEO・共同創設者シーロイ・デサイは楽観視しています。

「2016年のアメリカ経済は、発展し、着実な成長を見せるでしょう。

テクノロジー・バブルが大きな話題となって、

テクノロジー産業の勢いが加速し、

10億ドルを超えるような企業が次々に現れるでしょう。

また、テクノロジー企業の合併や買収も盛んになり、新規株式公開も増えるはずです」

 

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4. イノベーションがいっそう重視されるようになる

― ダン・リー (ネクストデスク取締役)
イノベーションによって、ビジネス界の様相はワープ・スピードで変化しています、

と語るのは、スマートデスク製造のネクストデスク社取締役のダン・リーです。

「企業の側も、生き残りを賭けて、運営のやり方を変化させていかなければなりません。

こうした変化をかつては変革と呼んでいましたが、

今や突然変異と呼んだ方が適切かもしれません。

かつてスロー・ペースながらも堅実な成長を収めていた企業が、

現在は、わずか5年の内に消滅しています。

イノベーションを続け、最先端を走り続けている企業が私たちの目標です」

 

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5. ライブ・ビデオが支配する

― グウェン・ジマー (ナチュラリシャスCEO)
YouTubeはすばらしいマーケティング・ツールですが、

2016年のビジネス・オーナーは、ペリスコープや

ミーアキャットなどのライブ・ビデオ・プラットホームを利用して、

顧客と繋がっていくでしょう、と語るのは、

自然派ヘア・ケア商品製造のナチュラリシャス社CEO

グウェン・ジマーです。

「小企業は進んでその波に乗ろうとしています。

ところが大きなブランドは、まだそうしたものを利用しておらず、

セールスの巨大なチャンスを逸しています。

ペリスコープは私たちの主要なソーシャルメディア・ツールの1つです。

私たちと顧客の関係を、深く、揺るぎのないものにし、

友人のような存在になる手助けをしてくれるのです」

 

6. モバイルコンテンツの向上

― ジュリエット・ドーム (バージニア大学ダーデン・ビジネススクール)
優勢になりつつあるモバイルテクノロジーが、

2016年には他を圧倒することになるでしょう、と語るのは、

バージニア大学ダーデン・ビジネススクール コミュニケーション&

マーケティング学部長のジュリエット・ドームです。

「私たちは出先であっても、仕事をし、情報を求め、シェアし、

新しいアイデアや場所を探索するために、

スマートフォンや、タブレットや、ウェアラブル・ガジェットを利用しています。

2016年に成功するブランドは、適切なデータに基づいた情報を、

適切なコンテンツとして、適切な量、適切な時に提供することで、

顧客の注目と信頼に応えることに優れているところでしょう。」

 

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7. マーケティングは正直さがカギとなる

― アン・プリッツ(スバーロCMO)
「勝手な創作が許された時代は終わりました。

ブランドのマーケティングにも、透明性が最優先事項となっています。

消費者は、あらゆるマーケティング活動が正直であることを期待し、

『ありのままに語る』ブランドを、信用します。」

そう語るのは、イタリアンファストフード・レストラン”スバーロ”のCMOアン・プリッツです。

「ですから事実にしっかりと基づき、広告に事実を継ぎ目のない形で融合させてください。

率直に話し合い、顧客が簡単に、リアルタイムで双方向の会話ができるようにします。」

 

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8. テクノロジーはもっと「話す」ようになる

― ニハル・パルタサラティ (コースホースCEO、共同創設者)
自動応答技術やサービスが、2016年には一層重要になる、と予測するのは、

学習機会ウェブサイト コースハウス社のCEOであり

共同創設者であるニハル・パルタサラティです。

「薬を飲む時間が来るとアラームで知らせてくれる、

スマートフォンに接続された医療デバイスから、

必要な薬を買う時期を思い出させてくれるモバイルアプリまで、

健康関連のアプリは、人が新しい習慣を身につけるのを助けてくれます。

私たちは、個人の責任を軽減してくれる消費者対応型テクノロジーの

巨大な波が押し寄せるのを、目の当たりにしようとしているのです」

 

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9. 短期仕事の需要の増大

― ジェフ・シェイン 信用照会企業アリソン&テイラーCEO
フルタイムの仕事よりも、短期やパートタイムの仕事を探している人が、

どんどん増えています、と語るのは、

信用照会を行うアリソン&テイラー社CEOのジェフ・シェインです。

 

「その道のプロが、人生を自分でもっとコントロールでき、

柔軟性があり、自分がボスであるフリーランスを選ぶことが増えています。

この傾向が増加している背景には、さまざまな理由がありますが、それらに交じって

テクノロジーにアクセスすることが増えたこと、

景気後退や、雇用主に負担が新しく課せられる医療費負担適正化法などの影響が

あることが考えられます。

こうした『短期仕事型経済』のおかげで、雇用主が必要に応じて、

能力のある人を低コストで雇うことができるようになりました。

そうしてUberのような起業形態が生まれていったのです」

10. さらなる多様化が進む

― ジェニファー・ウィッター (ボアランドグループCEO)
テロリズムや大統領選挙、連邦政府の利上げなどが相まって、

2016年は不確実性の時代になっていく、と言うのは、

PR会社であるボアランドグループCEOのジェニファー・ウィッターです。
「CEOはみな、さらなる利益の筋道を探すことになるでしょう。

本来のビジネスに加えて、さらに収益を得る道を確保しようと、

新しい分野の開発や、新しいサービスの提供を開始するはずです。

そのため、もし経済界や、ある種の業界が、一時的にでも沈むことになれば、

全体に衝撃が波及するのを緩和するために、追加資金が投入されるでしょう」

 

 

 


元記事:http://bit.ly/22GNBBf

(翻訳:服部聡子)

 

 

 

 

 

 

2016年 ビジネス 3つの予想

 

私たちがさまざまなものを失っていくように、変わらないものなどありません。

個人が失うばかりではなく、集団や組織、国にもあてはまる、皮肉な真実です。

私たちは、自分が必死で手放すまいとしたものばかりでなく、

後に残していったものによっても定義されるのです。

 

苦労の多かった年の終わり、私は3つの重要なものが姿を消し、

そこから2016年の物語と新しいビジネスのトレンドが生まれることを観測しました。

さあ、それを見ていきましょう。

disappearance of middle class

▲アメリカの総所得における中流階級の総所得の割合が減少の一途をたどっている

#1: 中流階級の収益力の消滅

2015年の状況:

グラフで、アメリカの上流階級と、中流階級の総所得の推移に注目してください。

・ 1970年、アメリカの総所得のうち、29%にとどまっていた上流階級の総所得は、

 2014年には49%にまで上りました。

・ それに対して、1970年62%を占めていた中流階級の総所得は、43%になっています。

 

また、2015年は、上流階級と下流階級の合計が、中流階級を上回った年でもありました。

ちなみに1971年、中流階級はアメリカ人の61%を占めていたのです。

 

2016年 それが意味すること:

中流階級の世帯数と収益力が減少していることは、すでに見出しなどでも氾濫していますが、

事実、その通りなのです。

そうして大富豪と富裕層を隔てるラインは、今後より深いものになっていくでしょう。

その結果、状況の変化に合わせて社会規範も変化していくはずですが、

未だ予測することは困難です。

中流階級の減少は、2016年の大統領選挙を大きく動かす力でもあります。

自由市場か政府による介入か、という議論は、決定的な決議もないまま続くでしょう。

2016年のビジネス予測:

2015年、私たちは富裕層をターゲットとした商品やサービスが、

増大を続けるのを見てきました。

こうしたアプローチは、いっそう革新的な方法で、2016年も続いていくでしょう。

一方、中流階級に特化したビジネスは、注目を集めることになります。

たとえば以下のようなものです。

・衣類やおもちゃなどの定期レンタルサービス

・手頃な価格でありながら、シンプルでステキなデザインの良質な家庭用品

・ビジネスの成長にともなう業務拡大/縮小に対応した、共有ビジネス・サービスの提供

 

The disappearance of the savings account

▲ミレニアル世代の貯金額は? (右)51.8%が$1,000未満

#2: 預金口座の消滅

2015年の現実:

上記の画像にだまされないでください。

預金口座の消滅は、若く、責任の少ない世代ばかりでなく、

すべての世代にあてはまるものです。

現実は以下のものです。

・ミレニアル世代(18-34歳)の51%の貯蓄額は1,000ドル未満で、

 そのうち44%は口座自体を持っていないか、持っていても貯蓄額が0ドルの状態です。

・アメリカの成人62%の貯蓄額は1,000ドル未満で、

 そのうち49%は口座自体を持っていないか、持っていても貯蓄額が0ドルの状態です。

 

2016年 それが意味すること:

この驚くべき事実から、何がわかるでしょうか?

アメリカ成人の大多数は、来月の給与に依存するライフスタイルを送っている、ということです。

こうした不安定な経済状況は、クレジットカードによる負債や、

長期的な展望を持った選択のしにくさを引き起こしたり、

あるいはまた、仕事を変えたり、高等教育を受けたり、家を購入したりするような、

生活の大きな変化に対応できないことにつながっていきます。

しかも銀行の側が、預金口座を開きたくなるような誘因を提供することに消極的なせいで、

問題は悪化しています。

2016年のビジネス予測:

より多くの人々を、貯蓄型のライフスタイルに向かわせるように、

財政スペースにイノベーションを起こす方法を見つける企業が

成功を収めるでしょう。

そのような企業のひとつに、カナダのKohoがあります。

この企業は、銀行業務テクノロジーを用いて、マネー管理と貯蓄を行う

新しい財政ツールを提供しています。

また私は、信用組合が大手銀行から、多くの消費者を引き抜く可能性があると考えています。

6つの主要銀行がどれほど儲けているかが明らかになればなるほど、

その動きは顕著になっていくでしょう。

 

Millennial racks up 18 hours of media use a day

▲ミレニアル世代は1日18時間をメディアに費やしている

#3: 静かなスペースの消滅

2015の状況:

長時間の通勤と、メディアへのアクセスしやすさとテクノロジーの発達のおかげで、

私たちの日々の静かなスペースは、どんどん縮小しています。

 

結果:

・メールを読んだり、返事を書いたりすることを含めると、アメリカ人の60%が、平均13時間労働をしています。

・スマートフォンのおかげで、1週間の平均労働時間は、7-14時間、延長されています。

・ミレニアル世代(18-36歳)は、1日平均18時間をメディアに費やしています(マルチタスクを含む)

・平均的なアメリカ成人は、1日平均11時間をメディアに費やしています(マルチタスクを含む)

・親の25%は、子供に専念する時間が、1日に34分しかありません。

 また、親の60%が、一家団欒の中心は、テレビや映画を見ることであると答えています。

2016年 それが意味すること:

上記の統計リストはまだまだ続いています。

そこからわかるのは、あらゆる健康面において、私たちの生活はあまりに忙しく、

気持ちを散らしており、ストレスが多いというサインが出ているということです。

休養が不足すると、いかなる場合であっても、私たちの能力は損なわれ、

他の人と一緒に過ごすことで得られるはずの良い効果も、減じてしまいます。

2016年には、さらなる脅威がもたらされるでしょう。

バーチャル・リアリティと「ウェアラブル」のデバイスが、

私たちをさらなるパーソナル・スペースに押しこもうとしているのです。

2016年のビジネス予測

私自身は、この個人化の流れは、今後も成長を続けるだろうと考えています。

より多くの人が、人と一緒で気持ちを乱されるような場所では、

満足が得られないと感じているからです。

こうしたことから、個人的な空間をサポートするような商品やサービスを扱う企業が

好調となる、と予測できます。

小さな家や個人農業、トレーラーやキャンピングカー、

中古の衣料や共有型ビジネスが提供するものなどが好調となっていくでしょう。

 

 

―― デリク・ジレット(コンテンツ・マネジャー、ブランド戦略家)


元記事:http://bit.ly/1Mw5WW1

(翻訳:服部聡子)

 

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元記事:http://amzn.to/1MO2k1H

(翻訳:服部聡子)