本:『仕事のルール!』
Work Rules!: Insights from Inside Google That Will Transform How You Live and Lead
『仕事のルール!:あなたの生き方を変革するグーグル社の知恵』
著者 ラズロ・ボロック
―― グーグル社の創造性に富むピープルオペレーション(人事部)のトップが明かす
仕事の哲学への根源的な探求と、
すばらしい才能をビジネスに引きつけるための青写真、
そうしてベスト・アンド・ブライテストの成功を保証するものは何か?
「私たちは、人生の他の何をするより多くの時間を、働くことに費やします。
そんな経験が、モチベーションを下げ、人間性を奪うものであってはなりません」
そう語るのは、本社の著者であり、
世界中の人々と知識の関係を根本的に変えていった
グーグル社の人事部門担当上級副社長のラザロ・ボックです。
この洞察こそが、本書『仕事のルール!』の核心です。
本書は、私たちの生き方や働き方を変える潜在能力についての、
驚くほど魅力的で、遊び心に満ちた、マニフェストなのです。
行動経済学の最新の研究結果や心理学をふまえながらも、
ボックは幅広い産業界から、豊富な実例を引いていきます。
名の通った会社だけれど、職場としては劣悪と言われるところや、
ほとんど知られてはいないけれど、社員を評価し、社員の声に耳を傾けることによって、
すばらしい業績を上げている会社など。
さらにボックは、歴史上もっとも華々しい成功を収めた企業の内部にも、
私たちを連れて行ってくれます。
どうしてグーグル社は世界最高の職場のひとつであり続けているのかという疑問や
単独であるか、千人のチームであるかにかかわらず、
15年間におよぶ社員の集中的な研究と開発を蒸留して、すぐに実行に移せるような、
楽しく、普通人には信じられないような原理へと高めていっていることなどを、
あきらかにしているのです。
旧来の経営の行き詰まりを解きほぐすために、『仕事のルール!』 から、
いくつかのレッスンを紹介しましょう。
- マネジャーの支配から社員を解き放とう
- 最高の社員から学ぶ――最悪の社員からも
- 見つけるのにどれだけ時間がかかっても、自分より賢い人を雇おう。
- 給料は不公平に(それがより公平である!)
- オープンであることをデフォルトにしよう:透明にし、フィードバックを歓迎しよう。
- 社員には自由を十分与えていると安心しているうちは、十分とは言えない。
『仕事のルール!』は、創造性と組織の間にバランスを保つ方法や、
市場占有率だけでなく、生活の質でも成功を判断することで、成功につながることを教えてくれます。
上からではなく、内部から、より良い会社を作るために、
自分のやっていることの中から、喜びをふたたび呼びさますために、
この本を読むことをおすすめします。
(翻訳:服部聡子)