幸福感はどこから来るか
ハース・スクール・オブ・ビジネス レポート
現代の政治家や経済学者は、GDPより国民の幸福度を重視するようになっています。
そこで問題となるのが、それぞれに異なる個人の幸福度を、どうやって測定するかということです。
なぜ人は幸福だと感じるのでしょう?
ハース校が主導する新しい調査では、
個人の幸福と公共政策が、驚くほど高い相関を示していることがわかったのです。
調査は、コーネル大学のダニエル・J・ベンジャミン教授と
南カリフォルニア大学、 さらに5人のエコノミスト主導のもと、行われました。
対象者は、数多くの項目の中から、何が〈幸福感〉をもたらしているかを選択します。
項目には、たとえば自分の健康や、経済的安定といった「個人的」なもの、
あるいはまた、社会に汚職や不正行為がないことや、
貧しい人々を進んで助けようとする社会であることのような 「公共的」な内容が含まれています。
たとえば自分自身の健康と、公衆衛生を充実のどちらを重要とみなすか。
自分自身の経済的安定と、たとえば言論の自由や、
政治に参加する自由の重要性のどちらを重要とみなすか、といったふうに。
予想通り、回答者は個人の幸福を、高いランクの重要度に置きました。
けれども、同時に、主義主張や、他者の幸福に対しても、
高い価値を置いていることがわかったのです。
調査結果は、幸福感の多くが、個人の健康や経済的安定から来ていることを示しています。
同時に、人々は自分たちが生きている社会を良くしたいとも感じているのです。
すなわち、私たちの個人的な幸福感の根底には、
自分が「正当で思いやりのある社会に住んでいる」という 感覚があることが、
この調査は裏づけたのです。
ハース・スクール・オブ・ビジネス レポート
元記事:http://bit.ly/1IWE0JV (抄訳)
(翻訳: 服部聡子)