否定的なコメントが寄せられたらどうする?

By ラヴィ・シャックル

 

あなたの顧客は、ソーシャルメディア上に否定的なコメントを残すことは

ありませんか?

あなたは顧客のクレームに、どのように対応するか決めていますか?

ソーシャルメディアの否定的なコメントに対しても、素早く適切に対応していけば、

顧客はブランドに好感を持ち、ずっとひいきにしてくれることにつながっていきます。

この記事を読めば、ソーシャルメディア上に寄せられた否定的なコメントに

対処する方法がわかるでしょう。

 

1. 返事はすばやく

ソーシャルメディアでの顧客による否定的なコメントに対しては、

すみやかに適切な返答をすることが大切です。

コメントが寄せられてから、1時間以内に返事をするようにしてください。

これは、コメントに対する解決策を出さなければならない、という意味ではありません。

多くの場合、顧客は自分の問題を、あなたに知ってもらいたいと思っているのです。

ですからその次に、顧客に解決策が出せるのはいつかを知らせます。

そうすることによって、あなたが今後の成り行きをコントロールし、

これ以上の否定的なフィードバックを防ぐことができるのです。

たとえ週末であっても、このレベルの返答は一貫して行うことが重要です。

Convince & Convertの調査によると、クレームを残した顧客の40%は

数時間以内に何らかの返答があることを期待することがわかっています。

2. 過ちを認める

顧客は、どんなビジネスでも完璧なものはないことは理解しているので、

失敗を隠す代わりに、潔く認めることが一番です。

ソーシャルメディアであなたがファンに謝罪することによって、

過ちを認めている姿勢を明らかにすることができます。

しかもそうすることによって、その顧客があなたの会社の失敗や問題を

非難し続けることを食い止めることもできるのです。

そうやってあなたは目の前にある現実の任務に集中することができます。

そうしてあなたは解決策を見つけるのです。

あなたがソーシャルメディアで謝罪する際には、

かならず心からのものでなくてはなりません。

気持ちのこもらない謝罪は、すぐにそこだけ取り上げられて、

コピー&ペーストされて拡散するでしょう。

その代わりに、あなたの人間らしい側面を見せて、

自然な言葉を遣ってください。

apology to customer

▲「ブランドはタイポに気をつけるべきだ」という指摘に対して、
小学生がスペリングの間違い直しをするように
「私たちはComing SoonをComming Soonと間違えたりしません」
と繰りかえしているユーモラスなお詫び

 

上記は、ファッションブランドのアレン・ソリーが顧客からのコメントに、

創意あふれる方法で謝罪したものです。

ミスを犯した時こそ、透明性を見せる最適の場面です。

誠実に、ただちに状況を改善できるよう、最善を尽くしましょう。

一例を上げると、ピザ・ハットは注文に対する不手際を即座に認め、

顧客に謝罪しています。

apology to customer

▲「1時間半前に注文したのに届かない、電話には誰も出ない」
さらに「届いた商品が注文と違う」という写真添付の投稿に
ピザ・ハット側は5分後に直接コンタクトできるフォームへ誘導している

顧客の信頼を勝ちとるには時間がかかりますが、失うのは一瞬だということを、

忘れないでください。

#3: オフラインで話をする

ソーシャルメディアでのやりとりは、すべて公衆の面前で行われます。

そのため否定的なコメントについてのやりとりは、

第三者の便乗を誘発しかねません。

話し合いは、相手と1対1で話すことのできるオフラインで行うことが、

最善の方法だといえます。

そうすることで、状況が拡大するのを防ぐことができるし、

あなたが顧客の問題の解決に、鋭意努力していることがわかれば、

相手の怒りや不満も収まるからです。

#4: たった1人に向けて応答する

顧客があなたにソーシャルメディアを通じて、否定的なコメントを投げかけてくるのは、

多くの場合、あなたにこの問題を知ってほしい、解決してほしい、と思っているからです。

機械的な返信は、あなたはそんなことを聞く時間もないし、

顧客からの情報など価値はない、というメッセージを送っていることにほかなりません。

ここに顧客のクレームとは無関係に対応している自動返信の例があります。

canned complaint response

▲「銀行が家を奪うのをやめれば、大勢の人が助かる」
(※アメリカではローンが払えなくなった家が銀行に差し押さえられる
事態が多発し、多くの人が銀行に一時凍結の執行を求めている)
という投稿に対するバンクオブアメリカの自動返信
「ご意見ありがとうございます。何かお役に立てることがありましたらお知らせください」

クレームに対応するときは、以下の点に気をつけていれば、

顧客が不快に思うことはないでしょう。

 ・会話するようなトーンを保って返答する

 ・返信に顧客の名前を入れる

 ・あなたがどのようにこの問題を修復しようとしているか知らせる

 ・過ちは認める

 ・顧客の状況を理解していることを返信に盛り込む

自動返信機能は、オンライン上の一般的な問い合わせの場合は時間の節約に

なるけれども、それを利用するのは、定型型の投稿に限ることです。

ポイントは、あなたのメッセージにいかに個人的なニュアンスをこめるか、ということ。

毎回同じメッセージのコピー&ペーストではいけません。

#5: 自分への個人攻撃とは受け取らない

ソーシャルメディアで否定的なコメントについて対応するときは、

顧客があなた個人に対して腹を立てているのではないことを、忘れないでください。

彼らが腹を立てているのは、自分が置かれた状況に対してなのです。

ですからそうしたコメントを、あなた個人に向けられた攻撃と受け取ったり、

仕返しとばかりに、相手に無礼な態度を取ってはいけません。

絶対にしてはいけないのが、感情的な返事で、事態をいっそう悪くすることです。

#6: エスカレーション・プランをまとめる

エスカレーション・ポリシーは、クレームに対応する際に、

社内の誰に連絡するべきか、従業員がすぐにわかるようにするための文書です。

その文書には、クレームの詳細とともに、全部署、全従業員のリストが含まれています。

この文書を所定の位置に置いておけば、クレームに対処する従業員は、必要に応じて、

問題を速やかに適切な人物に上申することができます。

事態が深刻なものであれば、上司の承認が必要な場合もありますが、

このリストがあれば、適切な人に直接、連絡できるため、

すばやく解決ができるようになります。

エスカレーション・ポリシーは、ソーシャルメディアでの返信を速くするばかりでなく、

従業員がより速く解決を見つける助けにもなります。

#7: 1歩進んだ解決を

顧客がソーシャルメディアに否定的なコメントを投稿する、主な理由のひとつに、

企業の側から必要な情報が得られないことがあります。

幸い、あなたはすべてのコメントに対して、どのように答えれば良いかを知っている必要はありません。

あなたに答えられなくても、外部の専門家や、別の企業の商品やサービスを

紹介することで、うまくいくこともあります。

信頼を損ねるどころか、実際には信頼感を増すことになります。

顧客は、あなたが問題解決に向けて、努力してくれたことに感謝してくれるでしょう。

たとえばゲイロード・オプリーランド・ホテルの宿泊客は、

ホテルの部屋のアイテムがどこで購入できるか、ツイートしました。

customer inquiry response

▲「この部屋にあるシャーパーイメージ製のクロックラジオは
どこで買うことができますか? 店にあるものにはSpa Soundsが
入っていないのですが、それを聞くとよく眠れるのです」というツイート

そのアイテムは、売り物ではなかったのですが、

ホテル側は、類似の商品がオンラインショップで販売されていることを知って、

顧客のためにリンクを張ったのです。

#8: フォローアップを忘れない

ソーシャルメディアに寄せられたクレームに対処しただけで、

問題を解決したとは思わないでください。

顧客のニーズに完全に答えたかどうか確認するために、

追って連絡することを忘れないでください。

個人に対してアプローチすることで、あなたが顧客の意見を大切にし、

彼らのニーズに応えることを第一に考えている、と知らせることができます。

2,3日中にフォローアップを行うことができれば、申し分ありません。

そうすれば、あなたがどんな問題を解決したかがはっきりとし、

あなたとのやりとりがいつまでも意識の中心に残っていくでしょう。

顧客があなたの会社とどのような経験をしたか、フィードバックを集めるのも

良い方法です。

ここにザッポスが、行方不明になった靴の注文のことで、

顧客に対してどのようなフォローアップを行ったか、一連のツイートがあります。

customer complaint response

▲D「なくなった靴のことでトリニティとチャットしました。
彼女はとてもザッポスらしかったわ。ありがとうって伝えてね!」
D「もっとザッポスらしい対応をアンソニーはしてくれました。
靴はまだ見つからないけど、代わりの靴を送ってくれたんです。
みんな、ザッポスで買いましょう!」
D「靴が見つかりました! チャットでジャブリが最高にザッポスらしい
対応をしてくれたんです。代わりの靴の返品ラベルとクーポンを送って
くれました」
ザッポス「ヒュー!謎も解決!ジャブリ=ワトソンが
あなたのホームズをお手伝いできて、うれしいよ(^_^)」

代わりの靴を届けることで、問題を解決することよりも、

問題が、顧客の満足のいく形で片付いたかどうか、はっきりさせるために

ザッポスはコミュニケーションを続けたのです。

#9: 否定的なコメントは消去しない

否定的なコメントを消去しても、問題の解決にはなりません。

事実、消去して無視すると、顧客はコメントを続けることで、

フラストレーションを発散しようとします。

そうしてそれは、あなたが彼らに対応するまで続きます。

顧客からの否定的なコメントを消去しないからといって、顧客の無礼な文言や、

あなたの会社やソーシャルメディアのファンをバカにするような態度までも

許容する、ということではありません。

もしあなたの企業サイトにソーシャルメディアに関する方針が掲載されていれば、

そこにリンクを張ったり、警告することが必要です。

警告にもかかわらず、顧客が明かに一線を越えるような態度を取ってきた場合には、

その人物のフォローを解除したり、ブロックしても良いでしょう。

#10: あなたのブランドについての会話をモニターする

否定的なコメントが上位に来たり、その話題が拡散したりすることがないように、

多くの人があなたの会社について、ソーシャルメディアで何と言っているか、

モニターすることは、大切です。

ツイッターの「2014年のメンション」の調査で、31%のツイートが、

ハッシュタグを付けずに企業名を話題にしていました。

同様にフェイスブックのアップデートでも、顧客はかならずしもあなたの会社の名前を

タグ付けするとは限りません。

そのため、オンラインであなたの会社をめぐって、どのような会話がなされているか、

追跡するのは、簡単なことではありません。

以下に、オンライン上での会話のモニターが、簡単にできる2つのツールを紹介します。

Mentionは無料オンラインツールですが、

それを利用すれば、ソーシャルメディアやブログ全体で、

重要なメンションを追跡することができます。

キーワードはどのようなものでも可能で、

そのキーワードが使われれば、通知を受け取ることができます。

これは人があなたのIDを含めずに話題にしていても、

その投稿を見つけることのできる、すばらしいツールです。

Agora PulseはCRM(顧客関係管理)ツールで、

フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのソーシャルメディアでの

人々のコメントを追跡することができます。

コメントが通知されると、直接応答することができるし、

コメントの評価もできます。

こうすれば簡単かつ確実に、顧客からのコメントに返事を書くことができるのです。

まとめ

市場調査のNM Incite の調べによると、

ソーシャルメディアで好意的な対応を受けた顧客の71%が、

ほかの人にもそのブランドを勧めるとのことです。

一方、返信がもらえなかった顧客がそのブランドを勧めることは、

19%に留まりました。

もちろん、あなたがソーシャルメディア上にいるあなたのブランドのファン全員を、

幸せにすることはできませんが、それでもかまいません。

大切なことは、否定的なコメントに対しても、正直で、オープンであることです。

個人に向けたアプローチを取る、ということは、

時間を取って顧客の問題を理解し、助けようとすることに他なりません。

そうすることによって、あなたが彼らの意見を大切にしていることが、

非常にはっきりと示されるのです。

 

 

―― ラヴィ・シャックル(ソーシャルメディア&オンラインサービスエキスパート)


元記事:http://bit.ly/1YPlV8y

(翻訳:服部聡子)