ビジネススクールで学ぶとは

ウォートン・スクール・レポート

 

 

現在、EMBAプログラム(※社会人向けMBA) に籍を置くモニク・ローリンズさんは、

大学卒業後の10年間は、投資銀行で資本構成と資本調達戦略に携わってきました。

 

金融危機が起こったとき、彼女は自分のキャリアに決定的な瞬間が訪れたと感じた、といいます。

その後、政策決定の領域で、自分のスキルをもっと広範に活かせないものか、と考えるようになりました。

2011年にはアメリカ財務省に入局し、現在では金融市場政策のチームを運営しています。

そんな彼女に、ウォートン校での経験を尋ねました。

 

 

タイミングについて…

 

キャリアを中断させていい時期などというものは、ありません。

でも、ウォートン校のEMBA 課程では、キャリアを中断させる必要がないのです。

私は教室に戻って、教授や学友との多様なネットワークの中に、身を置きたいと願っていました。

EMBAプログラムのすばらしい点は、仕事を続けながら受講できる点にあります。

 

志望動機について…

 

私は金融市場と企業財務の分野で、専門知識を積んできました。

けれども、ビジネス面での知識を、さらに豊かにするために、MBAを選んだのです。

 

とりわけ興味があったのは、これまで知らなかったマーケティングや業務管理、経営戦略の分野でした。

いつかもっと大きな組織を動かしてみたいと考えていましたので、

チームの調和させるにはどうしたらいいか、

個人のモチベーションを高めるにはどうしたらいいか、

といったことを理解することが重要だと思ったのです。

 

それが現在の私の政府内の仕事にも、生かすことができています。

おそらく将来にわたってもそうでしょうね。

 

Photo:Wharton School of Business By:Nishant Khurana

キャリアへの影響について…

 

ウォートンで学ぶことで、私はさまざまな面で、非常に大きな影響を受けています。

 

フルタイムで働きながら、プログラムに参加することで、

計画的になったし、能率的になりました。

また、ズバリとものを言うようにもなりました。

 

チームリーダーとしても成長できていると思います。

教室で教授の話を聞くだけでなく、クラスメイトの話を聞くことで、

主体的に話を聞く能力が身につきました。

 

とりわけ、私の問題解決に向けたアプローチのやり方が変わったように思います。

教室から職場に戻り、また教室に向かうことによって、

私はだんだんクリエイティブになってきているように感じています。

というのも、ウォートンは、幅広いものの考え方、革新的な考え方ができるように、

学生を助けてくれるからです。

 

仲間意識について…

 

友情の厚さと、クラスの絆の強さには、私も驚きました。

私たちは、全員、週末にウォートンに来るだけで、みんな仕事に追われています。

ですから、深い関係が築けるとは思っていませんでした。

 

けれども、金曜日と土曜日、ここで濃密な時間を過ごしています。

学校側は、入念に組んだプログラムを用意してくれていて、

集まった私たちは、クラスの一員として、深い関係を築いています。

 

リーダーシップについて

 

「トータル・リーダーシップ」の授業を受けて、私はリーダーシップについて、

きわめてユニークな見方ができるようになりました。

 

フリードマン教授は私たちに、自分の人生を、いくつかの異なった領域において考え、

それがどのように重なり合っているかを考察するようにうながします。

仕事、家庭、コミュニティ、そうして自分自身。

 

この思考の枠組みは興味深いものです。

というのも、ふつう「ワークライフバランス」というと、交換条件のように考えがちだからです。

働く時間を増やせば、家族と過ごす時間は減る、というふうに。

 

けれども教授は、ある領域から他の領域に、どのようにしたら

プラスの波及効果を及ぼすことができるのか、私たちに考えさせるのです。

そうやって私たち自身の人生においても、良い変化が起こせるよう

私たちは試行を重ねていきました。

 

サポートシステムについて…

 

私もちょうど先ごろ、息子を授かりました。

子供を持つことは、実際すばらしい経験なのですが、同時に、新米ママとして

仕事と学校を両立させることは、簡単なことではありません。

 

けれども、強力なサポート体制のおかげで、なんとかこなすことができています。

というのも、プログラムには大勢のママやパパが参加しているからです。

 

私の場合、夫はすばらしく協力的だし、私の母もほんとうによく助けてくれています。

それに、設備面で学生に負担をかけないよう、学校側が格別の配慮をしてくれていることは、

強調しておかなければなりません。

 

勉強について…

 

私はここでの経験について、口当たりの良いことを言うつもりはありません。

このプログラムは、猛勉強が必要です。

ウォートンのEMBAの入学許可は、すばらしい可能性を開いてくれるものです。

けれども同時に、即座にこのプログラムに全力投球していかなければならないのです。

ウォートンのフルタイムMBAプログラムと同じ履修単位を取らなければなりませんから。

 

入学許可が下りたということは、2年間、人生のすばらしい時を過ごせる、という期待だけでなく、

自分を鼓舞し、情熱を持ち続けていく覚悟が必要であることも、忘れないでほしいと思います。

 

 


元記事:http://whr.tn/1D5mGkd

(翻訳: 服部聡子)