スタートアップのCEOになるというのは一体どんなものですか?
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回答者:カイル・スタルザー(タックCEO)
こういった質問への回答は、一般的に、びっくりするほどネガティブな方向に歪んでしまうものです。
そして、そういったネガティブな回答に多くの共感が集まるのです。
ですが、スタートアップのCEOとなることによって、
業績の良し悪しに関わらず得られるものがあるのであり、
私が思うに、それが無視されているのです。
CEOは、在任期間が6ヶ月となっても6年となっても、
退任までにはべき数的な進歩を遂げることになります。
そして、その進歩は、会社の目標をはるかに超えたところまで到達するのです。
CEOであるということは人に成長、順応、学習を強いるものであり、
そのペースとスピードは、他のいかなるキャリア・パス(MBA、コンサルティング業、就職)をも上回るのです。
これは、会社を数百万ドルで売却することになろうとも、
事業縮小の後に店じまいせざるを得なくなっても、同じように起きることです。
下にあげるように、非常に強烈な経験となるのです。
まず第一に、プレッシャーに応じて体系的に行動することができるようになり、
困難に耐えることができるようになります。
会社と評価を左右する決断を、
確信の持てないなかでも下すこと(実際は、そんな場合がほとんどです)を学びます。
良い決断も、ときには悪い結果となる決断もありますが、
経験することでしか、この能力は身につきません。
そして、スタートアップのCEOという役割につくことで、
この能力は飛躍的に前進するのです。
これは、訓練を通して反射を身につけるようなものです。
シミュレーションしたり、自分以外の経験から吸収することはできません。
そして、この能力がその後の人生において、
職業の種類によらず、どれだけ貴重なものとなるか考えてみてください。
人生において、プレッシャーがなくなることはありません。
プレッシャーのなかにあっても冷静を保ち、
状況を十分に吟味した上で判断が下すことができる能力が身についていたならば、
と考えてみてください。
また、自分にしかない才能は何か、そして本当に大切にしたいもの、
あるいは仕事として楽しめるものは何か、ということが、すぐに分かるでしょう。
また、同じようにすぐに、上の二つとは反対ですが、同じように重要なことが見えきます。
すなわち、不得手で苦労するものは何か、
大切にしたいと思いながらも好きになれないものは何の、どんな要素かということです。
これは、引退が近い場合は除きますが、将来の幸福を買うための素晴らしい頭金になります。
なぜか?
なぜなら、それ以降の人生を、仕事という面で自分を幸せにするものは何か、
惨めな気分にさせるものは何かを理解したうえで、自分自身を導いていけるようになるからです。
そして最も重要なのは、私の考えでは、木々の一つ一つから森全体を見られるようになることです。
波は様々な角度から来る要因が重なって起きますが、
波紋の影響まで計算して決断を下すことができるようになります。
そして、スタートアップのCEOであるということは、
この計算と決断の集中的な特訓を受けているようなものなのです。
これは、大企業で役割の決まった仕事やポジションにつくことよりも、余程そうなのです。
企業での仕事では、毎年、二つか三つの大きな目標を設定し、
それを一年かけて計画し実行します。
ですが、スタートアップのCEO場合、決定を左右する要因はダイナミックなのであり、
他の人たちや計画、戦略への影響も考慮しながら決断を行なっていく必要があります。
そして、これこそが最も重要なスキルになるのです。
なぜなら、人生が進むにしたがって、下さなければならない決断もダイナミックになっていくからです。
家族、子供、家、車、教育などは全て、大きな波紋を生み出す、重大な決断です。
スタートアップのCEOという経験を通して、こういった決断を俯瞰できるようになるのです。
要約すれば、スタートアップのCEOであることを通して、
実際の経験なしでは得難い、人生をより良いものにするスキルを身につけることができるのです。
(翻訳:角田 健)