イヤな仕事をいつ辞める?
by クリスティン・ミムス
誰もがこんな経験をしたことがあるはずです。
デスクで背中を丸め、こっそりと時計(とフェイスブック)に目を走らせながら、
もっと早く時間が過ぎればいいのに……、と思ってしまう。
大嫌いな上司。
うんざりするような仕事。
うっとうしい同僚。
職場にいる時間が苦痛でたまらない。
あなたは 仕 事 が 大 嫌 い 。
ひどい話です。
そこであなたはこう考えることになるのです。
「こんなに惨めな思いをするぐらいだったら……辞めてやる!」
ところがあなたの頭の中では、おなじみの思考パターンがぐるぐるし始めます。
「辞められない……給料のこと/通勤に便利なこと/手当のこと etc…を考えると。
やっぱり辞めるのはよそう」
そうしてあなたはその循環から抜け出せないままです。
これは楽しい情況ではありません。
けれども、あなたがたとえこうした情況にあったとしても、
仕事を辞めたらどうなるか、いつ仕事を辞めるべきなのか、といった
外部からのちょっとしたアドバイスや判断基準が助けになることがあります。
ほら、このコラムのように。
仕事を辞めなければならないのは、こんな時
最初に言っておきたいのは、万能の答えはないということです。
けれども、これだけは真実と言えるでしょう。
職場の人間関係でフラストレーションが溜まって、後にはひけない情況になっている…。
自分は別人になってしまった、鏡に映る今の自分なんて、大嫌いだ…。
仕事に行くことを思えば、何だってずっとマシに思える(歯医者に行くのさえ)…。
ふと気がつくと、自分のニーズより、他人のニーズばかり優先させている…。
そんなときは、もっと良い仕事に移る潮時なのかもしれません。
仕事がお金や手当、通勤の利便性などでは埋め合わすことができないほど、耐えがたく、無意味に思えてくるときは、
その仕事や環境がその人にとって有害なものであると言えるでしょう。
そんなときに、ほかの仕事に移る準備をしながら、
継ぎ目なくもっと良い仕事に移ることさえできれば、それ以上幸せなことはありません。
ところが現実は、ディズニー映画とちがって、かならずしもそんな選択肢が用意されているわけではないのです。
辞表を叩きつけて、ドアから出て行ったあと、自分はどうするのか、慎重に考えることが必要です。
しばらくは、経済的な余裕がありますか?
貯金があったり、何らかのサポートを受けられる環境にありますか?
どのくらいで次の仕事に取りかかれそうですか?
あなたのネットワークは今、活発ですか?
次の仕事に役立つようなつながりを持っていますか?
そうして……
今の職場にとどまることによって、何が悪くなるでしょうか?
そこで働くことによって、あなたの健康や家族関係を損ねるような職場なら、
短期間の経済的な痛手を押しても、長期に渡る幸せのために、転職する必要があります。
ヒント:
あなたが今いるところについて、そうして今後、悪くなっていきそうなことは何か、簡単に評価してみてください。
紙を一枚用意して、
・2年前にいた場所
・1年前にいた場所
・今の場所で、
何がどう良い方に変わったか、悪い方に変わったか、を比較していきます。
そうして現在の仕事が、文字通りあなたの精魂を尽き果てさせるようなものかどうか、はっきりさせるのです。
もしはっきりと覚えていないなら、友だちに正直なところを伝え、あなたに関して覚えていることを教えてもらいます。
あなたの友だちは、過去1年か2年の間で、何が良くなった、悪くなった、と感じているでしょうか。
もしあなたがどんどん元気がなくなっている、と言われたなら、
自分のためにできる最良のことは、ドアから出て行き、新しい環境に身を置くことです。
しばらく休みを取ることになるかもしれませんし、
雑多な仕事を引き受けなければならなくなるかもしれません。
それでも、ある種の企業は大変厳しいので、
そこから離れなければまともに考えることもできないようなケースもあるからです。
はっきりとした答えが出るまで、ピンチを切り抜けるための仕事をするのはかまいません。
今日の売り手市場では、ひとつかふたつ、短期の仕事の経験があっても不都合はありません。
職が長続きしないのが癖になっているのではない限り、
誰もが経験していることなので、あなたもとやかく言われることはないでしょう。
仕事にとどまった方が良いのはこんなとき
好ましくなくても、仕事にとどまることは易しく、離れることはむずかしいものです。
そこにとどまる必要があるかどうかを見きわめるひとつの方法として、
自分に以下のことを問うてみる、というものがあります。
1. あなたはこれまで、この仕事に夢中になったことはありますか?
もしそうなら、何か新しいことをやってみたり、どうにかして役割を変えることで、
もう一度、やる気を復活させることはできませんか?
2. もし給料がなくなったら、完全に経済的に行き詰まりますか?
3. もう少し長くその仕事にとどまることを正当化できるような、
長い目で見てあなたの経歴にプラスになるような何かを学ぶことはできますか?
(この答えは、あなたをそこにつなぎ止めておくにふさわしい、
きわめて具体的なものでなければなりません。)
4. 一時的に悪い時期なのではありませんか?
これら4つのうち、ひとつでもイエスがあるならば、
今後の計画は抱いたまま、もう少しとどまることにした方が良さそうです。
何よりも私たちの気持ちを落ち込ませるのは、
予定をはるか過ぎても仕事につなぎとめられたまま、
そこを離れるための行動も起こさず、また前進もしていないときです。
自分なりの計画があるなら、それが張り合いになります。
望ましくない場所にいるとしても、自分がそこから何か良いものを得ているとわかれば、そこにいる理由もできます。
(向上を目指して働いている、ということにもなるのです。)
自分の計画をはっきりさせ、自分の中で期限を決めてください。
たとえば、私は給料のためにこの職場にとどまる。でも、いますぐ、新しい仕事を探し始める、というふうに。
人脈を活用して、仕事につなげてください。
毎週、誰か新しい人と話すようにつとめ、新しい会社を調べ、進展の結果を記録してください。
こうすることで、あなたの今の仕事から受けるプレッシャーも、減っていくことでしょう。
……やがてかならず、
あなたがずっと求めていた希望の光が差してくるはずです。
さらに、今やっていることの中で、もっと学びたいことがあって、そこにとどまるというのであれば、
いつまでそこに残るか、はっきりさせることが大切です。
自分は何を身につけようとしているのか?
自分はいつまでそこにとどまらなくてはならないのか?
それ(プロジェクト管理、リーダーシップ・トレーニングなど)は自分にとって、どれだけプラスになるのか?
ヒント:
あなたがまっさきにやらなければならないのが、カレンダーを空白にすることであろうと、
しばらく自分のキャリア・アップに専念することであろうと、
あなたはそれを決めなければなりません。
何よりも大切なことは、1日は長いけれど、人生は短いということです。
ですから、何の喜びも見いだせないことにいつまでも関わって、時間を無駄にしてはいけません。
その代わりに、あなたにとってほんとうに意味のあることに時間を費やしてください。
そうすれば、あなたの人生でのキャリアも、もっとゆたかなものになるはずです。
あなたにはそれだけの価値があるのですから!
著者:クリスティン・ミムス(Revolutionary Club CEO)
(翻訳:服部聡子)