本:『断絶に普通はない』

No Ordinary Disruption: The Four Global Forces Breaking All the Trends

原題:『断絶に普通はない:あらゆるトレンドを打ち壊すグローバルな四つの力』

著者:リチャード・ドブズ、ジェームズ・マニイカ、ジョナサン・ウォーツェル

 

 

ブラックベリーのドラマティックな衰退とワッツアップの衝撃的な急成長、

中国で新しい記念日として突如として現れ、

一夜にして世界最大のオンライン・ショッピングの日となった「独身者の日(11月11日)」、

そして同じように「どこからともなくやって来た」かのように

産油国としての存在感を強大なものとしたアメリカ。

これらの重要で重大な事柄に共通するものは、一体なんなのでしょうか?

 

その通りです。

私たちの生きる時代は、不連続性の時代なのです。

今日、そして数年先の未来ではいっそうのこと、

巨大なグローバル市場のスピード、驚き、そして急激な方向転換が、

何度でも、歴史ある企業の運命を左右し、新規参入者にチャンスを与えるでしょう。

ビジネスモデルは、何ヶ月もしないうちに上下逆さまにひっくり返ってしまうかもしれません。

競合がまったく気付きもしないうちに勢いをつけ、表舞台に躍り出てくるかもしれません。

大きく深いお堀で守られていたビジネスも、いまや簡単に破られてしまうことに気づくでしょう。

新しいマーケットが、何もないようなところから魔法のように姿を表すでしょう。

テクノロジーとグローバリゼーションが、

それまでごく自然に作用していた市場競争にステロイド注射を打ってしまったのです。

 

これは、感覚的な受け取られ方というだけでなく、実際のデータにも見て取れるのです。

いろいろな長期的なトレンドの動きを表にしてみれば、

線はスムーズな上向きの傾斜にはなっていないことがわかるでしょう。

山の稜線のようにギザギザだったり、ホッケーのスティックのように上向きに急激に折れ曲がったり、

富士山のシルエットのように順調に上昇し、その後は下降を始めたりするでしょう。

私たちの生きる現代においては、傾向を読むということが徐々に困難になりつつあるのです。

 

『断絶に普通はない』では、世界を牽引するコンサルティング会社、

マッキンゼー・アンド・カンパニーの主要シンク・タンクである

マッキンゼー・グローバル・インスティテュートのディレクターたちが、

今後20年のグローバル経済を形作るキーとなる変化を読み解くために、

現代の裏側深くまで飛び込んでいきます。

なかでも、もっとも重要なのは、

ビジネスと政府のリーダーたちがこれまでの仕組みをリセットして、

未来に起こる断絶を有利に捉えるためには何が必要かを説明することです。

難解な専門用語や冗長な語句は廃して、エピソードやデータ、表を豊富に使用し、

そして経験に基づいた知識から、本書は中堅やシニアレベルのマネージャー、

投資家、政府関係者など、幅広い読者を想定して書かれています。

 


元記事:http://amzn.to/1dXm4X5

(翻訳:角田 健)