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本:『はみだし者の経済学』

The Misfit Economy: Lessons in Creativity from Pirates, Hackers, Gangsters and Other Informal Entrepreneurs

「はみ出し者の経済学:海賊、ハッカー、ギャング、闇起業家に学ぶ創造力のレッスン」

著者:アレクサ・クレイ、カイラ・メイヤ・フィリップス

 

 

創造力、イノベーション、セールスマンとしての能力、起業家精神は、

どこから学ぶべきなのでしょうか?

本書の著者たちは、驚くようなところから学ぶことができる、と言います。

海賊や密造者、偽造者、詐欺師など、

いわゆる「社会の裏街道」に生きる人々から学べるのだ、と。

世界でもっとも偉大なイノベーターというと、誰を思い浮かべますか?

おそらくスティーブ・ジョブズやトマス・エジソン、

ヘンリー・フォードなどの名前が上がってくるでしょう。

たいていの場合、そうしたものです。

ところが、本書は彼らを取り上げることはありません。

この本が光を当てるのは、誰も聞いたことのないような人々なのです。

それでも読み進むうちに、彼らもジョブズやエジソンやフォードと同様に、

イノベーションをおこない、起業家であり、

新しい世界を夢見るビジョナリストでもあったことがわかってきます。

彼らが活動したのは、人でごった返すシェンチェンのストリートや、

ソマリアの刑務所、洪水で水浸しになったタイの沿岸の街でした。

海賊であったり、コンピューターのハッカーだったり、いたずら者だったり、

元ギャングのリーダーだったりしました。

そんな彼らが世界を股にかけ、暗黒街や裏社会の経済の中で、イノベーションを成し遂げ、

無数の難題を解決していったのです。

こうしたイノベーターたちの実体は、

社会と経済の安定に脅威をもたらす「異端の起業家」像とはほど遠く、

彼らが示した意想外の独創性や、パイオニアならではの方法と実践は、

私たちがおおいに学び、正式な市場においても適用しうるものです。

『はみ出し者の経済学』は、既成の経済の枠からはみ出したところで経済を築き上げた、

非公式なイノベーションの物語です。

隠れた天才たちの姿を検証しながら、問いかけていきます。

未来を見通した、知られざる人々とは、いったい誰なのか?

彼らはどのような働きをしたのか?

彼らはどのように自分たちの組織を創りあげていったのか?

彼らは自分たちのイノベーションの、どのような触媒となっていったのか?

そうして最後に、あなたは、あなた自身の世界に対して、

ここで得た教訓を、どのように活かしていくのでしょうか?

 

 


元記事:http://amzn.to/1SIshWk

(翻訳:服部聡子)

 

 

イノベーションを引き出すシンプルな質問

by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1H05xu2
(※この記事は著者の承諾を得て翻訳しています)
 
成功した会社には、創業者が壮大な抱負を抱いて第一歩を踏み出した……という神話がつきものです。
この話が言外に匂わしているのは、起業家が成功しようと思えば、
誇大妄想的な目標を掲げてスタートしなければならない、ということです。
 
ところが私の見るところでは反対に、多くの大企業は、ごく単純なことを
「なぜだろう?」と考えるところからスタートしているのです。
つまり、単純な疑問こそが会社を生みだす、と言えるでしょう。
 

「ということは、どういうことなんだろう?」

 
この質問が起こってくるのは、何かを見つけたり、トレンドを予測したあと、その先に思いを馳せるときです。
この質問は、実際にはこのように現れていきます。
 
「誰もがカメラ付きでインターネットにアクセスするスマートフォンを持つようになるだろう」
「ということは、どういうことなんだろう?」
「みんな、写真を撮るようになり、人に見せたいと思うはずだ」
「ということは、どういうことなんだろう?」
「みんなが自分の撮った写真をアップロードしたり、人の写真を評価したり、
コメントを投稿したりできるようなアプリを開発しなければならない」
 
そうして、ジャーン、インスタグラムが出来上がりました。
(参考 : エイドリアン・J・スライウォツキー  『ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか』
 

「これはおもしろくないか?」

 
この問いかけが原動力となって、知的好奇心が発動し、偶然の発見が生まれます。
電化製品のセールスマンだったレイ・クロックは、人里離れたところにある小さなレストランが、
8台もミキサーを注文したことに気がつきました。
好奇心からそのレストランを訪ねてみると、そこが大変繁盛しているのを見て、強い印象を受けたのです。
クロックは、ディックとマックのマクドナルド兄弟に、同様のレストランを数多く出店するよう強く勧めました。
その後どうなったかは、周知の通りです。
McDonald's #1 Store Museum, Des Plaines, Ill
Photo By:Jerry Huddleston

「もっと良いやり方はないだろうか?」

現状の技術の状態に対するフラストレーションが、この言葉には端的に表れています。
かつてフェルディナンド・ポルシェは、こう言いました。
「最初、私はいろいろ見て回ったのだが、自分の夢にかなうような車は見つからなかった。
だから、自分で作ろうと決心したのだ」(参考:フォーブス2003年冬号)
 
スティーブ・ウォズニアックがアップルIを作ったのは、政府や大学や大企業で働かなくても、
コンピューターを使える方法を考えたからでした。
Apple I Computer
Photo By:Ed Uthman

「どうして我が社はこうしないのか?」

現在の雇い主に対する不満は、以下のような情況では触媒として働きます。
あなたは顧客や彼らが求めているものをよく知っています。
そこで経営陣に、顧客が必要とするものを作るべきだと訴えるのですが、彼らはあなたの言葉に貸そうとしません。
とうとうあなたは説得をあきらめて、自分で作り始めます。
 

「可能性があるんだから、やってみないか?」

 
あらかじめ、成功が約束されているイノベーションなど存在しません。
ですから、「失敗したっていいじゃないか、やってやるぞ」という態度を言葉にすると、こうなります。
 
たとえば1970年代に、モトローラが携帯電話を考案したときも、ほとんどの人にとって、理解不能なものでした。
当時、電話といえば人ではなく、場所につながるものだったからです。
ところが、マーティン・クーパーとモトローラ社のエンジニアたちは前進し、やり遂げたのです。
それからどうなったかは周知の通りです。
「お告げでもあったのか?」などと言われても、無視することです。
 

「業界トップの弱点は何だろう?」

市場最大手は、以下の3つの面で、脆弱性を抱えています。
第1に、ビジネスのやり方。
IBMが再販業者を通じて販売していたので、デルは直接販売という方法でイノベーションに成功しました。
 
第2に、顧客が最大手に対して不満を抱いているとき。
ブロックバスターでビデオを借りようと思えば、車で行き、また返すときにも車を使わなければなりませんでした。
ネットフィリックスのチャンスはそこにありました。
 
第3に、最大手に金の卵を産むニワトリがいて、イノベーションを怠ったとき。
これはマイクロソフト・オフィスがグーグル・ドキュメントに影響されていることに端的に現れています。
 
good question
Photo By:Eric
 
「どうやったら大金が稼げるだろう?」という質問は、種類がちがうものです。
私のことを理想主義者と呼んでもらってもかまいませんが、偉大な企業は、金持ちになりたいという欲望ではなく、
 
「どうやったら世界を変えることができるのだろう」
 
というシンプルな質問に答えようとしているのです。

 

 

 

 


元記事:http://linkd.in/1H05xu2

(翻訳:服部聡子)

既存の価値を打ち破れ―起業家のための10の名言

by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1zmOt0g
(※著者の承諾を得て翻訳しています)
 
多くの人は、イノベーションとは〝仲間とすわっていると、不意に魔法のような考えが浮かんできて、そこから始まる”ものだ、とでも思っているようです。
あるいは、顧客がやってきて、自分にはこれこれこういうものが必要だ、と訴え、その通りのものを作り上げればイノベーション達成……とでもいうふうに。
 
実際は、そんなに甘いものではありません。
イノベーションというのは、骨の折れる、混乱しきった作業の積み重ねであって、てっとりばやく達成する方法など、どこにもないのです。
始まりはいつも、あなた自身が、あったらいいな、と思っている何かを作りたい、
それがあれば、きっとみんなの生活がもっと良いものとなるだろうな、と思えるような何かを作りたい、
と強く願うところから。
 
そうしてつぎは、あなたの作りだしたものやサービスがここにある、と言葉を探して、声をあげていかなければなりません。
成功が訪れるのは、自分には世界を変えることができるのだ、と信じている、情熱的で、ちょっと頭のおかしい人のところです。
「専門家」や「折り紙つきの人」のところに、成功はやってきません。
 
セコイア・キャピタルのマイケル・モリッツ (彼はグーグルの出資者でもあります) は、自分が投資したいのは、どのような起業家であるか、語っています。
私の言葉で言いかえてみましょう。
「30歳以下で、自分自身が使いたいものを作っている人間だ」
そのとおり!
 
あなたにインスピレーションが新鮮なひらめきがえられるよう、ここに既存の価値を打ち砕くような名言を、10 あげておきます。
 
”人生と仕事において、世界と自分のためにできるだけ大きなことをやろうと思えば、情熱に従うしかない。”
                 (リチャード・ブランソン)
 
”すばらしいチャンスが目の前にやってきたら、自分にできるかどうか自信がなくても、やります、と言う。
どうしたらいいかは、あとで学べばいい。”
   (リチャード・ブランソン)
 
”重要なことであれば、たとえ条件が悪くても、それをやるべきだ。”(イーロン・ムスク)
 
”アイデアであれ、問題であれ、自分が正したいと思っている誤りであろうが、燃えるような思いを持つことが必要だ。
スタート地点で激しい情熱を抱いていなければ、決して持ちこたえることはできない。”
(スティーブ・ジョブズ)
 
”偉大な起業は、創業者が世界を変えたいと願ったところから歩みはじめる。
手っとりばやく儲けるためではなく。”
  (ガイ・カワサキ)
 
”世界を変えたい? 現状をひっくり返したい? 
そのためには、ありきたりの関係以上のものが必要だ。
あなたの見る夢と同じ夢を、人にも見させることが必要なのだ。”
  (ガイ・カワサキ)
 
”完璧な計画を乱暴に実行するよりも、不完全な計画を猛烈に遂行する方が、より大きな進展が得られる。”
        (ヒューバート・ハンフリー)
 
”改善とは変化のことである。
完璧になるとは、変化を繰りかえすことである。”
   (ウィンストン・チャーチル)
 
”夢の中なら、創造することも、デザインすることも、世界で一番美しい場所を作ることもできる。
けれども、人びとに求められているのは、それを現実にすることだ。”
  (ウォルト・ディズニー)
 
”世の中で大切なことのほとんどは、絶望的な状況にあっても、挑戦をしつづけた人によって成し遂げられたものである。”        (デール・カーネギー)

 
元記事:http://linkd.in/1zmOt0g


(翻訳:服部聡子)

本:『失敗の力』

The Power of Failure: Succeeding in the Age of Innovation

『失敗の力 ― イノベーションの時代に成功すること』

著者:フラン・ターケントン

 

「失敗はあなたの成功のカギとなります」

そう語るのはクォーターバックとして、プロフットボールの殿堂入りを果たし、

起業家としても大きな成功を収めてきたフラン・ターケントンです。

けれども、そう言ったからといって彼のことを誤解しないでください。

フランほど競争心が強く、勝つことに情熱を持った人はいないでしょう。

けれども、ターケントンは感動的で洞察に満ちた『失敗の力』の中で、

厳しい現実の実例を引きながら描き出します。

なぜ成功した起業家は、

最終的な成功を成し遂げるまで、何度となく失敗し、

進んで失敗し、しかもうまく失敗することができるのか。

率直で簡潔、引用したくなるようなフレーズにあふれ、現実的。

フラン・ターケントンの本は失敗の力を通して成功を見つけるための

最良のガイドとなるでしょう。

 

 


元記事:http://amzn.to/2049Cc5

(翻訳:服部聡子)

 

 

本:『スティーブ・ジョブズになるまで』

Becoming Steve Jobs: The Evolution of a Reckless Upstart into a Visionary Leader

『スティーブ・ジョブズになるまで 

  無謀で横柄な青年が洞察力に満ちたリーダーへと遂げた進化』

著者 ブレント・シュレンダー、リック・テッツェリ

 

史上もっとも有名なCEOのひとりであるスティーブ・ジョブズに関しては、

既に大小さまざまな本が、数多く出されています。

けれども、本書はこれまでに書かれたものとは一線を画すものです。

 

『スティーブ・ジョブズになるまで』は、既存のジョブズ神話やステレオタイプ像に

真っ向から立ち向かい、打ち壊そうとするのです。

 

従来の、一次元的ジョブズ像とは、

天才と変人が相半ばする青年であり、

かんしゃくもちで利己的なリーダー、

家族や友人を軽んずる人物、

というものでした。

 

『スティーブ・ジョブズになるまで』では、

アップル社の共同創設者であり、CEOともなった彼の人生とキャリアに対する疑問の核心、

すなわち、向こう見ずで傲慢な青年、自分が作り上げた会社から締め出されるような青年が、

私たちの時代のもっとも強力で、未来を見通す力を持ったビジネス・リーダー、

世界中の何十億という人々の生活を根底から変えていくような人物となっていったのか?

という疑問に対するひとつの回答です。

 

普段は接触できないような人々にまで、驚くほど綿密な取材を重ね、

著者のシュレンダーとテッツェリは、従来とは異なる物語、

長い時間をかけてみずからの欠点に立ち向かい、

強さを極限まで高めていった、リアルな人間のストーリーを語ります。

 

豊かで魅力的な語りを裏づけるのは、これまで語られたこともなかった、

誰よりもジョブズをよく知る人々の数多くの証言です。

 

家族、アップルの側近やピクサー、ディズニーの重役、ティム・クック、ジョニー・アイブ、

エディ・キュー、エド・キャットムル、ジョン・ラセター、ロバート・アイガー、その他にも大勢の人々。

さらに、著者のひとりシュレンダーは、25年にわたってジョブズと個人的に親交があり、

これまで公式・非公式におこなった数多くのインタビューも、同書には盛り込まれています。

 

両著者は、ジョブズの行動を単純に書き記すだけでなく、人間として描き出します。

私たち誰もが経験したテクノロジー革命と、

ジョブズがさまざまな面でこの世界を変えていったことについても、言及されます。

 

シュレンダーとテッツェリは、アップルでのジョブズの驚くほどの成功は、

彼が単に適切な製品を選び出したというより、はるかに複雑なものであったことを浮き彫りにしています。

ジョブズは忍耐心を養い、側近を信頼することを学び、

きらびやかな画期的製品であることを狙うのではなく、

少しずつ会社を発展させることの重要性を見出していったのです。

 

踏み込んだ内容の、数多くの証言によって、私たちのジョブズ像は、大きく様変わりすることでしょう。

『スティーブ・ジョブズの生成』は、私たちの時代の、誰よりも波乱に富んで魅力的な人物が、

倦むことを知らない情熱と、成熟した経営スタイルで、

この惑星でもっとも価値の高い、愛された会社をどうやって作ったかを教えてくれます。

 

 


元記事:http://amzn.to/1DhuYJO

(翻訳:服部聡子)

 

オープンイノベーションは未来を切り開く

By :GE Look ahead

 

テクノロジーが急速に進化を続ける結果、

製品サイクルがどんどん短くなり、消費者の新製品への需要が増加の一方となる世界では、

何よりも先行する人々こそが報われます。

 

事実、コンサルティング会社BCGによれば、

新製品を平均よりも7ヶ月早く導入している会社は、

初年度の販売で、最高60%も多くの売り上げを得ている

ということです。さらに、

新製品を早く導入した会社は、より大きな市場シェアを持ち、

開発費を低く抑えることができ、流行の仕掛け人という印象を与える

など、いち早く導入した側もまた、利益を得ることができるのです。

 

企業には、より早く市場に到達するための、数多くの戦略があります。

その中には、製品を標準化したり、オートメーション化や、

組み立て工場を建設したりすることも含まれます。

この市場に到達する方法の中でも、とりわけ重要な戦略が、

オープンイノベーションです。

 

外部のアイデアを借りるオープンイノベーション

 

研究と開発には、多くの費用と時間がかかります。

オープンイノベーションとは、たとえば車輪が誰かによって発明されていれば、

その発明を借りればいい、という考え方です。

 

こう語るのは、ハーズ・スクール・オブ・ビジネスにある

ガーウッド・センター・コーポレート・イノベーションの事務局長ソロモン・ダーウィンです。

 

これは、まさに2000年代初頭、アップル社がポータブル・メディア・プレーヤーのマーケットで

採用したアプローチにほかなりません。

 

アップルは、ポータルプレイヤー社やARM、また東芝などの企業と協力しながら、

わずか半年でiPodをローンチし、市場を制覇したのです。

 

今日では、3Dプリンターのような、クラウドソーシングと先進の製造技術の一体化が、

開発サイクルをさらに短縮しています。

一例をあげれば、昨年、ニューヨークに拠点を置くスタートアップ、クワーキーは、

スマート・エアコンディショナーAROSを、構想から100日もかからずに、

製品を市場に登場させています。

 

Photo:MAKE: Magazine 3D Printer Workshop

資本と研究集約型の事業を展開する大企業でも、

航空やヘルスケア、エネルギーなどの分野で、利益をあげるようになっています。

 

クワーキーとも関係の深いゼネラル・エレクトリック社は、一般大衆からアイデアを募って、

オープン・チャレンジを開催しています。

2015年2月初頭には、GHGエコマジネーション・チャレンジを開催し、

第1ラウンドの4人の勝者を発表しました。

チャレンジでは、出場者はオイルサンド(油砂)を抽出して発生した低位熱の、

利益率の高い用途を見つけなければなりません。

 

こうしたオープンチャレンジにはよくあることですが、

勝ち残った企画は、アプローチの仕方も、地理的な情況も、まったく異なるものでした。

ひとつはインドからで、低位熱を発電に利用するために熱ポンプを利用して解決を図るというもの。

もうひとつはオランダからで、低位熱をエネルギーに転換するために、音波を利用するというもの。

つぎのラウンドは、さらにその点の改良に焦点が当てられています。

 

 オープンイノベーションの成果はこれから

 

研究と開発のコストを下げ、市場により早く出荷する、といったことに代表される

オープンイノベーションの成果を得るためには、さまざまな経験を要します。

リスクを管理し、報酬が関係者全体で配分されることを確実にするために、規律と適正な管理が求められています。

 

また、パートナーの選択も、カギとなっていきます。

ベルギー、ルーベン大学が2013年おこなった、

558のオープンイノベーション・プロジェクトの調査によれば、

たとえば高度な技術を要するプロジェクトでは、

科学ベースの組織と協力したとき、財政面でより良い結果を出す傾向があるということです。

 

Photo:OnInnovation Interview: Elon Musk By:OnInnovation

 

いまだ課題もありますが、オープンイノベーションに取り組んだ企業が、

もとのクローズド・モデルに戻ることはほとんどありません。

2013年の調査によると、ヨーロッパとアメリカでは、125の大企業のうち、

78%がオープンイノベーションの実践に取り組み、

それを取りやめたのは0社、

そうして3年前いっそう活発に利用するようになった企業は83%にものぼりました。

 

多くの人は、未だ経費を切りつめながら、オープンイノベーションを活用する方法を

模索している段階にあります。

けれどもこれだけは確かなことでしょう。

オープンイノベーションは定着しつつあり、

その暗号を解いた人が、市場の先駆けとなるのです。

 

By :GE Look ahead


 

元記事:http://haas.org/1GpAc4q

 

(翻訳:服部聡子)

 

本:『馬で空を飛ぶ方法』

How to Fly a Horse: The Secret History of Creation, Invention, and Discovery

『馬で空を飛ぶ方法:創造、発明、発見の秘められた歴史』

著者 ケビン・アシュトン

 

MITにおけるテクノロジーのパイオニアとして、

また3つの成功したスタートアップのリーダーとして、

ケビン・アシュトンは、新しいものを創造する苦闘を、身をもって経験してきました。

 

ものづくりに20年間携わってきたアシュトンが、

今度は 『馬で空を飛ぶ方法:創造、発明、発見の秘められた歴史』 の中で、

人類のもっとも偉大な創造の裏にある、驚くべき真実を、私たちに見せてくれます。

 

それを作ったのは、ほんとうは誰だったのか。

そうして、彼らはどのようにそれを成し遂げたのか。

 

DNAの秘密が最初に解き明かされたのは、結晶学の研究室で、

長く忘れ去られていた女性によってだったことから、

ステルス爆撃機は、25セントの賭けで選ばれた、電磁気の部屋で誕生したことや、

オハイオの自転車屋でライト兄弟が「馬を飛ばす」準備をしていたことまで。

 

アシュトンは、見たところどうということもない人間が、

数え切れないほどの失敗をしながら、一歩ずつ前身を重ねていくようすや、

特筆することのない、地味で目立たない行動が、

私たちを仰天させるようなブレイクスルーにつながっていくさまを描き出します。

 

クリエイターとは、日常のごくあたりまえの、

私たちの誰にでもできるような思考と、

小さな一歩の何千という積み重ね、

無限に続くかのような問題と解決の繰り返しを、

ある特定の方法で作用させる人のことである、とアシュトンは言います。

 

どうしてイノベーターは抵抗に遭うのか。

そうして彼らはそれをどうやって克服するのか。

なぜほとんどの組織が、クリエイティブな人を窒息させてしまうのか。

逆に、クリエイティブな組織がどのように成果をあげていくのか。

 

アシュトンは探索していきます。

芸術や科学、ビジネス、発明から実例が採られ、

モーツアルトから映画『ザ・マペッツ』まで、アルキメデスからアップルまで、

カンディンスキーからコーラの缶まで、と、

本書は「新しい」ものは、どのように現れるのか、について、

熱く、読み応えのある考察がなされています。

 

 


元記事:http://amzn.to/1yF7x5c

(翻訳:服部聡子)

 

本:『イノベーターズ』

The Innovators:How a Group of Hackers, Geniuses, and Geeks Created the Digital Revolution

『イノベーターズ:ハッカーや天才、オタクたちの集団はどうやってデジタル革命を起こしたか』

著者: ウォルター・アイザックソン

 

著者のアイザックソンは世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』のほか、

数々の 偉人の伝記を発表してきました。

 

今回アイザックソンが取り上げたのは、19世紀、蒸気機関で計算機を動かそうとした時代から、

現在にいたるまで、コンピューターとインターネットを創造した、多くのイノベーターたちです。

 

 

  電気のない時代から…

 

最初に登場するのは、なんと19世紀の詩人バイロンの娘のエイダ・ラブレスです。

家庭教師から数学の手ほどきを受けたこの女性は、1840年代に世界初のプログラム用コードを書きました。

 

電気回路さえ、いまだ構想の段階、という時代。

 

そのコードが動かそうとするのは、チャールズ・バベッジが構想した、

蒸気機関を動力とする「解析機関」と呼ばれるものでした。

残念ながら、この解析機関が実際に製作されることはありませんでしたが、

アイデア自体は今日の汎用コンピューターの元型となるものでした。

 

やがて20世紀に入ると、科学技術のめざましい発展を追い風に、

情報検索システムを構想したヴァネヴァー・ブッシュ、 人工知能の父アラン・チューリングなど、

今日のコンピューターの基礎を築いた人が登場します。

 

さらに、インターネットを構想した J・C・R・リックライダー

コンピューターを単なる電算処理機械から、

集団的知性を利用するためのツールと転換させたダグラス・エンゲルバート

集積回路を発明したロバート・ノイス

そうして私たちにもおなじみのビル・ゲイツスティーブ・ウォズニアック

スティーブ・ジョブズ、 ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)を考案したティム・バーナーズ=リー

グーグル社を設立したラリー・ペイジ…。

 

わたしたちにとってはもはや「日用品」の、パーソナルコンピューターやインターネットが、

どのような失敗と苦闘の積み重ねの末にたどりついたものなのか、

読み物としても、非常に興味深いものです。

 

とはいえ、この本は単なるコンピューターの開発史ではありません。

著者は歴史をたどりながら、イノベーションがいかにして起こったかを探ります。

 

発明家や起業家が、ビジョンを現実へと実現させていったものは何だったのか?

 

成功した人と、失敗した人の間には、どのようなちがいがあったのか?

 

彼らはどのように知能を働かせていったのか?

 

彼らの発明の才は、いったいどこから生まれてきたのか?

 

聡明な個人が、チームワークを学ぶことで、どのように能力を開花させていったのか?

 

イノベーションをあらためて自分の問題に引き寄せて考えるとき、

 

この本は大きな示唆を与えてくれるでしょう。

 

さらに、組織と個人の資質はどのように連関させていくべきなのかを考える上でのヒントにもなっていく一冊です。

 

 


元記事:? http://amzn.to/1yks2do

(翻訳:服部聡子)

本:『大胆であれ』

 

Bold: How to Go Big, Create Wealth and Impact the World

『大胆であれ:成功し、富を築き、世界に影響を与える方法』

  著者 ピーター・H・ディアマンディス

 

ニューヨークタイムズ・ベストセラー『楽観主義者の未来予測』の共著者、

ピーター・ディアマンディスの待望の新作です。

この『 Bold (大胆であれ)』は、

進歩が速まる一方のテクノロジーや、

常識を打ち破る思考、

クラウドパワー・ツールを使って、

莫大な富を産み出し、

数十億もの人々にインパクトを与えたい人に向けた、

ラディカルなガイドブックです。

 

『大胆であること』は、3つの部分から成り立っています。

 

第1部は、飛躍的な成長を続けるテクノロジーに焦点が当てられています。

 

今日の速まる一方の技術は、

フォーチュンの世界企業500社に選ばれるような大企業を混乱させる一方、

「アイデアがあります」という起業家を、

「10億ドルの会社を経営しています」と言うようになるまでに押し上げることを

可能にしています。

著者が取り上げるのは、今日の3Dプリンターや人工知能、ロボット工学、

ネットワークとセンサー、合成生物学などが持つ力。

ディアマンディスは、それに対して、卓越した洞察力を示していきます。

 

第2部でスポットが当てられているのは、心理学から見た「大胆さ」についてです。

 

億万長者となった起業家の、ラリー・ペイジ、イーロン・ムスク、

リチャード・ブランソン、ジェフ・ベゾスの行動の動機について、描かれていきます。

 

さらに、ディアマンディスはこれまでに、

シリコンバレーを拠点とするユニークな教育機関、シンギュラリティ・ユニバーシティ、

Xプライズ財団、プラネタリー・リソーシズ、法人ヒューマン・ロンジェビティ

など15の起業をおこなっていますが、その経験を通じて得た

起業家としての秘訣を明らかにしていきます。

 

第3部で取り上げるのは、社会資本についてです。

 

今日、誰もが、ますます緊密に結びつく人間の集団に大きな影響を及ぼす

チャンスがあります。

ここで著者は、インセンティブ競争や、百万ドルのクラウドファンディングの立ち上げを

企画する方法を教えてくれます。

 

そうして最後に描かれるのは、コミュニティをいかに作るか、ということです。

 

急速に伸びていく集団は、自ら進んで参加する人々を生み、

今日の起業家が思い描く、大胆な夢を実現するのを助けていく、

とディアマンディスは語ります。

 

『大胆であれ』は、マニフェストであり、マニュアルでもあります。

今日の指数関数的に増加する起業家にとって、新しく登場した技術を利用するための

頼りになるリソースであり、思考を測るものであり、

人々の集団の持つすさまじい力を明らかにした書です。

 


元記事:http://amzn.to/1DR9ek2

(翻訳:服部聡子)

本:『イーロン・マスク:テスラ、スペースX、すばらしい未来の探求』

 

Elon Musk: Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future

原題『イーロン・マスク:テスラ、スペースX、すばらしい未来の探求』

著者:アシュリー・バンス

 

奇抜な発想、倦むことを知らない行動力の起業家の素顔とは

 

シリコン・バレーでもとびきり大胆不敵な起業家として知られるイーロン・マスク。

その驚異の半生に、かつてないほど深く切りこんだのが、ベテラン・ジャーナリスト、

アシュリー・バンスです。
著者であるバンスは、マスク本人や家族、友人たちと一対一のインタビューを重ねながら、

南アフリカでの生い立ちから、

グローバルビジネスの世界の頂点に立った今日までの起業家の足跡を、

一歩ずつ、ていねいにたどっていきます。

なかでもマスクとのインタビューは、のべ30時間を超え、

さらに300人を超える関係者との面談を通して、

マスクが築いた世界を変革するための企業、ペイパル、テスラ・モーターズ、

スペースX、ソーラーシティの波瀾万丈の物語と、

大勢を敵に回しながら、アメリカ産業を刷新し、

イノベーションを新たな段階に向けて刺激し続ける人物の素顔を浮き彫りにしていきます。

 

電気自動車、太陽エネルギー、宇宙開発…

バンスはマスクの物語を探求するために、この時代、避けては通れない問いを投げかけます。

「20世紀、世界をリードしてきたインベンターとクリエイターの国は、

地球規模で熾烈な競争が起こっている今世紀、勝ち続けることができるのだろうか?」
著者は、ひときわ非凡で驚異的な人物であるマスクの中には、

アメリカ産業界を形づくった、数々のインベンターや実業家、

具体的にはトーマス・エジソンやヘンリー・フォード、ハワード・ヒューズ、

さらにはスティーブ・ジョブズが混じり合っている、と主張します。
豊かな未来、黄金時代のSFが夢見たような未来に向けて、

おそらくマスクは、今日のいかなる起業家よりも、

みずからのエネルギーと、巨額な資産を捧げているのだ、と。

 

 


元記事:http://amzn.to/1Hgx243

(翻訳:服部聡子)