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本:『天才の地理学』

The Geography of Genius: A Search for the World’s Most Creative Places from Ancient Athens to Silicon Valley

『天才の地理学

 ―世界で最も創造的な場所はどこか 古代アテネからシリコンバレーまで』

著者:エリック・ワイナー

 

ニューヨークタイムズ・ベストセラー『世界しあわせ紀行』の著者エリック・ワイナーと

アテネからシリコンバレーまで、歴史を縦横にかけめぐる旅に出ましょう。

ある特定の時期に、特定の場所で、創造的な天才が次から次へと輩出されるのを見ていくのです。

 

『天才の地理学』では、評価の高いトラベル・ライター、エリック・ワイナーが、

きわめて革新的なアイデアと、環境の関係を探求しようとします。

特定の都市環境が、創造性を導いていったのかを明らかにするために、

1900年のウィーン、ルネッサンス期のフィレンツェ、古代アテナ、宋王朝時代の杭州、

シリコンバレーなど、歴史上のさまざまな地域を探訪していくのです。

 

著者のトレードマークでもある、洞察力豊かなユーモアとともに、

天才たちが花開いた土地を歩きながら、

ソクラテスやミケランジェロ、レオナルド・ダビンチのような人々に

ひらめきをあたえた「インスピレーションの素」は、今日も残っているのでしょうか。

そんな場所に立ったワイナーは、こんなふうに問いかけます。

「この空気の中に、何があるのだろう?

そいつをビンに詰めることができるのだろうか?」

環境と創造性の関連は、歴史を通してさかのぼることができます。

ダーウィンの進化論は、彼が馬車に乗っている間に固まっていきました。

フロイトはお気に入りのコーヒーハウスが、思考に最適の場でした。

ベートーヴェンは、他の多くの天才たちと同様、長い散歩を好みました。

鋭く、また挑発的な『天才の地理学』は、天才という存在がどのように現れてきたかを

あらためて浮かび上がらせます。

歴史を概観する確かな知識と、楽しいおしゃべりを通して

創造性を育てていく上で、文化がきわめて重要なものである、という著者の指摘は、

すぐに大勢の人にとって、格好の話題になることでしょう。

 

 


元記事:amzn.to/1n5jIKA

(翻訳:服部聡子)