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起業家が注目すべき3つの海外新興市場

by コンスタンティン・マカロフ

 

海外の新興成長市場への進出をためらう起業家は、少なくありません。

中国の景気減速、ブラジルと南アフリカの経済停滞、トルコの社会政治状況の悪化は、

将来のビジネスリーダーからしてみれば、リスクに見合うだけのチャンスがあるかどうか、

再考せずにはおれないものとなっています。

けれどもこのような市場がぐらつきを見せる一方で、

未だ注目の集まっていない市場は、比較的安定した経済状況を維持しています。

ここでは起業家を待っている、3つの有望な国を紹介しましょう。

1. フィリピン

フィリピンは、中国に代わる投資先として、自国を戦略的に位置づけています。

2014年には、フィリピンへの投資は2倍になり、

フィリピン経済は2015年の第2四半期に5.6%の成長を遂げています。

中国経済が昨年の成長率7.4%と、足踏みをしているおかげで、

フィリピン経済は、その大きな影響力から離れて、

独自のビジネスチャンスを得ることができるようになっています。

起業家は、操業資金も製造コストも安く、経営政策も良好なフィリピンの成長市場に

注目しつつあります。

2014年フィリピン-EU間で結ばれた自由貿易協定は、

約6,000品目に渡るEU関連の関税の免除するもので、

今後のフィリピンを、活気のある経済拠点としての地位に押し上げようとしています。

2. ベトナム

ベトナムは、未だ辺境地域から新興成長市場へと移行する途上にある国ですが、

将来有望な国のリストには、かならず載っている国です。

ベトナムのWTO(世界貿易機関)への加盟と、競争力のある労働コストは、

この国の経済成長を牽引していく重要な要素です。

国際的な起業家は、2015年上半期、小売業販売額の8.3%の急増に見られる

急成長するベトナムの消費者から利益を得ています。

ベトナムへの外国直接投資は2014年第4四半期だけで、60%対前年比増加しました。

インテル、フォード、サムスン、トヨタなどの企業も進出しています。

外国の起業家がこのタイミングを利用するつもりがあるのなら、

ベトナムは投資の機が熟していると言えます。

3. モロッコ

モロッコは「成長するアフリカ」に注目している人の間でも、見過ごされがちな国ですが、

フロンティア経済の活気にあふれています。

 

モロッコは、ヨーロッパと地中海市場の玄関口という戦略的な場所に位置する国です。

着実に進む改革によって、財政赤字は2012年から2014年の間に、

GDP比7.4%から4.9%まで低下しています。

こうした数字はモロッコが、少なくとも今後何年間かは安定するであろうことを物語っています。

北アフリカは、未だアラブの春の余波で揺れており、

サハラ以南のアフリカ経済も停滞状況に陥っていますが、

モロッコは他にはない可能性があります。

カサブランカはヨハネスバーグに続くアフリカ第2の金融の中心地であり、

精力的な起業家にとって、長期的に賭ける価値のある国です。

 

新興成長市場に参入するために

こうした新興国の市場に参入するための戦略は、

枠にとらわれない思考と、その地域の深い理解が必要とされます。

参入を考えたり、フロンティア市場や新興成長市場への進出を考える起業家は、

以下のアドバイスを留意しておいてください。

・ どのような選択肢があるか知っておく

そうした国の市場に参入することができるかどうかは、

その商品やサービスが、その国にとって意味を持つかどうかに100%かかっています。

デンマークの製薬会社レオファーマは、2001年、モロッコに進出する前に、

現地のパートナーを通じて、商品の販売をおこなっています。

そうした国の持つ潜在的な不安定さの影響を、最小限に抑えるためにも、

起業家は、市場にアンテナを張り、このように抜け目ない動きが必要とされます。

・ 地元の好みに適応する

起業家は、自分たちの商品が、現地の消費者の間でどのように評価されるか、

考えなければなりません。

バーガーキングはインドの人々を満足させるために、

ベジタリアン向けメニューを拡充させました。

KFCはケニヤの主食である、トウモロコシの粉で作ったウガリのナゲットを作りました。

好ましい市場環境を利用できる外国企業は、

その国の顧客が何を求めているかを知っているところだけです。

・ 長期的な計画を立てる

新興成長市場やフロンティア市場で成功を収める起業家は、

状況の変化に素早く対応する機敏さを備えています。

今後、どの産業が利益を上げていくかを予測できる、鋭い目が必要なのです。

たとえばインドのバンガロールは、世界的な技術とスタートアップのハブとして、

急速に頭角を現しています。

あるいはまたケニアのGDPの40%は、

Mペサのモバイル決済プラットホームを通過しています。

知識豊富な起業家は、そのような萌芽を見つけることができ、

数年先を見越して戦略を練ることができるのです。

 

新興成長市場やフロンティア市場の本質は、

高い成長率と、ダイナミックな進化にあります。

このような国では、暴力や政治的不安定さから、頻繁に回復を遂げているために、

経済発展も不安定で、かならずしも直線的なものではありません。

けれども初期のリスクを怖れない、勇敢な起業家は、

その国の正常が安定し、市場が活気づいた場合、飛躍的な利益を得るチャンスがあるのです。

 

 

 


元記事:http://www.entrepreneur.com/article/253547

(翻訳:服部聡子)