インターネット・トロルを見分ける12のサイン
by ガイ・カワサキ
元記事:http://linkd.in/1DesN5E
(※著者の承諾を得て翻訳しています)
※インターネット・トロルとは?
「主に英語圏で、電子掲示板やブログのコメントに、否定的な書き込みなどの迷惑行為を繰り返す人間のこと」
(wikipedia)
インターネット・トロル(※以下トロル)と関わりを持つことは、
ソーシャルメディアに参加する上で避けては通れない、一種の犠牲のようなものです。
彼らは、知識を欠いたまま、断固たる意見を持っている人々です。
彼らの怒りをあおるような否定的なコメントは、たとえほんの一握りであっても、
多数の肯定的な意見を台無しにしてしまうこともあります。
もしかしたらあなたはトロルと関わっているのかもしれません。
ここに、そんな彼らを示す12のサインをあげておきます。
1. 間違った言葉遣い、誤字に見られる言語的特徴
トロルたちは、文章の最初の語を大文字にせず、ピリオドやカンマも使いません。
同音異義語は、非常によくまちがいます。
ゲイの権利とは無関係な話であっても、すぐにその話題に反応します。
一人称と感嘆符(!!!!) を多用します。
「 大 文 字 」ばかりの単語を挿入します。
短く、単純で、まぬけな言葉をつらねて、長いコメントを書きます。
例:”PUHLEZE(※Please のつづり間違いだが、相手を否定する意味のネットスラングとして、よく使われている),
あんたは地球温暖化のことで「 大 ま ち が い 」してる
アル・ゴアが、本を瓜たがってるだけだって、みんな知ってる」
2. 「当然の権利」
トロルたちは、自分の時間が貴重であり、あらゆるものが無料で使用できなければならない、という信念の下、
とんでもないレベルにまで「当然の権利」を主張します。
例:「どうしてフェイスブックは広告を出して、私のコンテンツで収益化しようとするんだ!!!!」
「どうして彼女は自分のページに、私には興味もない投稿をして、私の時間をムダにするんだ???」
「私が自分のファイルをフリーサービスで保管しているのだから、ドロップボックスはありがたく思うべきだ」
「もしグーグルプラスが広告でも出そうものなら、すぐに退会してやる」 など。
3. 直接経験から得られる知識の欠如
強固な意見を持っている人の中には、直接的な経験による知識を持っていない人が少なくありません。
確信に満ち、大声でわめきたてるトロルと遭遇した場合には、
彼らが実際に経験したことか、経験をふまえた知識を持っているか、聞いてみましょう。
そのトロルが、ただ「知って」いるだけかどうかわかります。
たとえば「グーグル・プラスなんてゴーストタウンだ」という人に、あなたはグーグル・プラスを使っているの、と聞いてみましょう。
「いや、だけど、あそこには誰もいないということはわかってるんだ」
4. 貧弱なプロフィール
トロルのプロフィール欄は、きわめて貧弱なものです。
ピンぼけで光量不足のアバター写真、ヘッダーや背景はデフォルトで、
フォト・アルバムもカラッポ。
自分の経歴欄もまともに書いていません。
このような人々は、友だちやフォロワーを増やそうとはしていないので、
自分のプロフィールを充実させることなどには、まったく関心がないのです。
ソーシャルメディアのプロフィールは、その人の心の窓です。
例:私はどんなトロルにも呼びかけられるという満足感を与えたくないから、愛想を悪くしている。
5. 不寛容であること
トロルは多様性を受け入れようとはしません。
別の考え方やライフスタイル、性的傾向、それにOSにいたるまで、すべて気に入らず、受け入れられないのです。
例:「マックは高すぎるし、おまけにスティーブ・ジョブズはゼロックス社のパロアルトから盗んだ。
自分はどんなMacオーナーより生産的だ」
6. 前コペルニクス期の住人である
トロルは学校の理科の授業で、コペルニクスの地動説を教わった日は、欠席していました。
そのため、彼らは自分たちが宇宙の中心だと思っています。
例:「彼は私のブログに一回もコメントを残してくれない。
それを見ても、彼がソーシャルメディアについて無知であることは明らかだ」
「彼女はどうしてもハングアウトしてくれない」
「私がこれについてどう思っているか、彼は一度も聞いてくれない」
Photo By:Jason Riedy
7. 世の中を完全情報ゲームと思っている
(※完全情報ゲームとは、将棋やチェスなどのように、お互いの情報がすべて公開されている中で進められるゲームのこと)
トロルは自分が何かをすれば、その直後に、世界中のあらゆる人が、そのことを知っていると思っています。
(前コペルニクス期と、完全情報は、最悪の組み合わせです!)
トロルの記事を読むと、「#」や「@」を使って発信されていないので、
自分たちが述べていることが相手に伝わらないこともわかっていないのがわかります。
例:「ブログで彼が間違っていると指摘しておいたのに、彼は返事をよこさない」
8. 臆病であること
トロルは臆病なので、攻撃したり、尊大な言い方はできても、建設的な討論はできません。
ネット上で言ったことを、面と向かって言う勇気はないのです。
彼らは人混みの中では威勢が良いものの、コンピューターの影に隠れることのできない対面の場になると、急に人見知りしてしまいます。
つまり、気持を通じさせるのはむずかしいけれど、ごくあたりまえの人なのです。
9. 法学者さながらである
トロルたちの多くは、法学者さながらなのですが、現実の法学者がトロルというわけではありません。
とりわけトロルたちは、合衆国憲法や、最高裁判決、イスラム法典といった分野でのエキスパートです。
彼らは建国の父が200年前に、今日の最先端技術を予言していたと信じています。
例:「ムスリムに備えて、自分で自分の身を守ることは憲法で保証されている。
大統領だってネイビー・シールズ チーム6を派遣したんだからな。
まずはウォルマートでAK47ライフルを買って、ムスリムのケツに食らわしてやる」
10. 算数:がんばりましょう
トロルたちはあまり算数が得意ではなく、ものごとを単純化しすぎる傾向があります。
彼らは「みんな」と言いますが、事実に即するならば「何人かが」というべきです。
そのような彼らの目標は、誇張して言うことで、人を怒らせることにあります。
例「ブログの投稿はどれもみな彼女の会社のプロモーションばかりだ」
「彼は誰にも返事はしない」
「ユナイテッドの飛行機はかならず遅れる」
11. 聖人ぶる
あなたが何をやるにしても、決して十分ということはありません。
ところがトロルは何をやっても、模範的。
このことは、しばしば悲劇を招きます。
「今日、ロンドンで事故があった」とあなたが投稿すると、
トロルは「それだけか? 自分は祈りを捧げたぞ」と返してきます。
本当にそうなのでしょうか。
祈りというものは、神にだけ聞こえれば良いのでは?
ネットでそのことを言う必要があるのでしょうか?
12. アメリカ人である
このことを言うのは胸が痛みますが、これまでに遭遇したトロルのほとんどは、アメリカ人でした。
わたしたちアメリカ人は、アメリカ先住民を迫害したスローガン「明白なる使命」をいまだに持ち続けています。
この信念は、自分が、そうしてもちろん他のアメリカ人も、
どのように生きるか、何を考え、どのように行動するかを誰に向かっても明らかにしなければならない、
というものとして、今なお私たちを縛っています。
例:アメリカで悲劇が起こったら、トロルたちは全世界が停止するものと思っています。
あたかもアメリカ人の命が、ほかのどの国よりも価値があるかのように。
これであなたもトロルが識別できるようになりました。
それではどうやって彼らに対処したらいいか、5つの方法をあげていきます。
1. チャンスを与える
トロル的なコメントにも返事をして、どんな相手か見てみましょう。
トロルなら、怒りにまかせ、否定的で敵意を剥きだしにした反論をしてくるはずです。
けれども、一時的にトロル的な気分になっただけの人なら、理性的で知的な返信をしてくるでしょう。
後者のような展開になるのは、だいたい20%ぐらいですが、それでももしそうなれば、
多難なスタートを切った関係も、ほんものの友情へと発展させることができます。
2. あなたのブログのコメント欄を閉鎖する
コメントを禁じる法律はありません。
私の場合は、妊娠中絶や銃規制、オバマ大統領についてブログを書くときには、コメント欄を閉じることがあります。その結果
(a) 私のイライラは減り
(b)トロルは失望します
3. 彼らのコメントを無視する
あなたの投稿に対してコメントさせたまま、単にそれを無視することもできます。
あなたにはすべてに返事をしなければならない道義的な義務などありません。
4. コメントを削除する
プールの表面に浮いたゴミを取り除くようなものだ、と考えてください。
削除を続ければ、そのうちトロルも投稿に飽きてくるでしょう。
5. 永久に排除する
たとえば、グーグル・プラスには、コメントを削除するだけでなく、コメントができないように、特定の人間をブロックしたり、
その人のことを運営に報告することもできます。
便利なクロームの拡張機能として、Nuke Commentsというものがあります。
これならワン・クリックでそれができます。
さあ、ブログに投稿し、しばらく様子を見てみましょう。
でも、これだけは忘れないでください。
あなた自身がトロルになってはいけません。
もうひとつ、つねに悪いことをしていると証明されるまでは、人は善人なのだということを。
(翻訳:服部聡子)