5月10日メンタークラブ地域勉強会大阪が開催されました

今回も北海道や静岡など遠隔地から参加された方や、初参加の方も交えて、熱い議論が活発に交わされていきました。

今回のテーマはジョイント・ベンチャーとリレーショナル・キャピタル(信頼関係の資産)。
どちらもジェイ・エイブラハムのカギとなるコンセプトですが、とりわけリレーショナル・キャピタル(信頼関係の資産)は誤って理解され、ジョイント・ベンチャーと混同されていることの多いコンセプトです。

自分のビジネスの足りないものは何だろう?
それを持っているのは誰だろう?
そう考えて、自分のビジネスが求めているものを持っている人と提携し、ビジネスを推し進めていくのがジョイント・ベンチャーです。

一方、リレーショナル・キャピタル(信頼関係の資産)の深い意図を理解しやすいように、実際のワークにして提供しました。

今回のメンタークラブでは、自分の実際にやろうとしているビジネスを、まずジョイント・ベンチャーの観点から、自分に欠けているのは何か、自分は今何が必要か、というところから話し合っていきました。それぞれが「自分に欠けているもの」を発言したところ、即座に、それなら私のところにある、私が関係者を知っているので今度紹介できる…とメンバーからの提案があり、新しいマッチングの可能性がつぎつぎに生まれていきました。

さらにその後、リレーショナル・キャピタルの観点から自分のビジネスを改めて見直す段階になると、今度は逆に自分の持っている(これまでに気づかずにいた)資産が明らかになり、それぞれのビジネスが、いっそう具体的になったり、ほかとのつながりが見いだせたりして、深まっていきました。

ほかの人に向けて自分の考えを説明することで、自分の中で整理され、また考えの足りないところや問題点が見えてきます。また、人からの意見を聞くことで、新たな視点を自分のものにすることができます。話し合うことを通して、新たなつながりが生まれていき、そのつながりがまたビジネスの新しい展開の可能性を開いていく…。それぞれバックグラウンドも違うし、経験も違いますが、志を持つ人同士の話し合いは、非常に密度が濃く、刺激的で、同時にとても温かく楽しいものでした。

メンタークラブでは、奇数月に行われる各地勉強会のほかに、各週のオンラインセッションも実施しています。無料で体験ができるので、興味をお持ちの方はぜひご参加ください。

各地の勉強会は、それぞれの地域のリーダーが、関西は、代表島藤真澄が講師を務めています。島藤が発表したカリキュラムを、関西で参加したリーダーが各地に持ち帰り、ファシリテーションしています。

 


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始めました。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、ShimaFujiIEMのチームに加わわっています。

自分のために世界を良くする

いよいよ5月12日に出る『マネー・コネクション』ですが、日本語版にはジェイさんの日本向けの序文がついています。

その中に、mutual self-interestという言葉が出てきました。
ここでのinterestとは「利益」、self-interestとなると、自分に利益が出るようにすること、そこから転じて利己心、利己主義、自己利益…などの訳が考えられます。ところがこの文章の中では、そのself-interestの前に、「相互の」「お互いの」という意味のmutualがついています。訳すとしたら、「相互的自己利益」というあたりで落ち着くかと思うのですが、これはどういうことなのでしょうか。

これはもともと、アダム・スミスから来ています。高校で習ったかと思いますが、例の「神の見えざる手」のアダム・スミスです。

アダム・スミスはこのように考えました。
人間は本来的に、自己利益を最優先する利己的な存在です。その一方で、人間は社会を形成し、多くの人と共に生活をしています。それは、利己的であると同時に、共感能力があるからです。自分が寒ければ、ほかの人も寒いだろう。自分がおなかがすいているときは、ほかの人も空腹だろう。そういう共感能力があるからこそ、利己的な存在である人間が、社会を営むことができる、というふうに考えたのです。

利己的な人間は、誰よりも暖かい場所を確保しようとし、獲物がいる場所は、自分だけの秘密にしていようと思います。ところが大きな獲物を狩ろうと思えば、自分だけではどうにもなりません。そのとき、ほかの人に「自分の言うことを聞け」とむりやりいうことを聞かそうとするのではなく、また、「お願いですから力を貸してください」と相手の優しさに訴えるのでもなく、別の人に獲物の居場所という秘密を明かし(秘密という利益を相手に渡し)、協力を求めようとするのです。相手も食物が必要で、相手も自分と同じように利己的であることを知っているから、「私に利益を与えることは、あなたにとっても利益になりますよ」と相手の利己心に訴えかけるのです。

「相手に利益を提供することは、自分にとっての利益になる」ことを知っているから、私たちは誰かに何かをしてほしいとき、先に利益を相手に提供する。これが「相互的利己主義」ということです。

ジェイさんは卓越論をはじめ、さまざまな場面で「あなたの利益よりもクライアントの利益に焦点を当てなければならない」といったことを繰り返し言っていますが、これは博愛主義でもなく、利他主義でもありません。まさにこの「相互的自己利益」から言われていることなのです。自分同様に自己利益の追求に余念のないほかの人に、まず利益を提供することによって、自分のビジネスの成功を持続可能なものにしていこう、ということなのです。

最近、よく耳にするようになった言い方に「世界を良くする」という言い方があります。自分の仕事を通して、世界を良くする、という考え方自体は、非常にすばらしいと思うのですが、でもその「世界を良くする」ことの目的は、一体何なのでしょうか?

「世界を良くする」というのは、それだけで良いことなのだから、それ以外に目的など必要ない…というのが、おそらく「利他主義」や「博愛主義」といわれるものでしょう。

けれども、たとえば地域の治安が悪くなって、誰も安心して出歩けないようになったら、うちの店のお客様も減ってしまう、そうなったら困るから…という利己的な理由で、自分の店の前だけでなく、近所一帯をきれいにし、切れた街灯がないように気を付け、落書きを消したり、割れたガラスを取り替えたりすることも、小さなエリアではありますが、「世界を良くする」ことではないでしょうか。そうしてそれは、抽象的な大義名分をかかげて立派なことをしようとするより、よほど長続きするものなのではないでしょうか。

なにしろ「利己心」というのは(アダム・スミスによると)人間の基本的な性質のひとつなのですから。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始めました。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、ShimaFujiIEMのチームに加わわっています。

女性のためのBizワークショップ大阪が行われました

4月12日、大阪で開かれた「島藤真澄・女性のためのBizワークショップ」に参加しました。

メンタークラブでの勉強会から派生した女性向けのワークショップがスタートしたのは、この4月からです。4月8日に博多で第1回が開催され、私が参加した12日の大阪は、その第2回でした。お目にかかるのも初めての方ばかりということで、少し緊張しながらの開始でした。

まず、みんなでワークをやって緊張をほぐします。
初めて言葉を交わす人でも、ひとつのワークに取り組むことで、あれこれと考える間もなく、自然と言葉を交わしています。気がつくとずいぶん前からの知り合いのように、気軽に話ができるようになっているのです

全員のワークが終わったら、今度は自己紹介。
自分がこれまでやってきたこと、現在やっていること、そうして行き詰りを感じていること。

この「自己紹介」も、単に自分を紹介するだけには留まりません。自分が感じている行き詰り、物足りなさの中に、「本当の自分」「本当に自分がやりたいこと」が隠れています。ふだんは自分自身でも気が付いていない、「本当の気持ち」に気づくきっかけになります。

そうしてこのワークのおもしろいところは、それをほかの人と共有することによって、自分が行き詰まりを感じていることが、今度は別の人の「解決策」につながり、それがこれまでにはなかった新しいビジネスへとつながっていく、というところです。

自宅で「在宅秘書」(この言葉を作ったのもその方だそうです!)をしながら、400人にも上るシングルペアレントの会を結成された方、これまで事務職をされていたけれど、結婚を機にこれまでの職を離れて、もっと自分が生き生きとできるような新しい仕事、新しい働き方を求めておられる方、離婚後、「食」のスペシャリストになるために、栄養士の資格を取ろうと、子供を育てながら短大に行き、資格を取られた方、フラワーアレンジメントの有資格者で、フラワーショップの経営の経験もお持ちの方…

それぞれの経歴、さまざまなバックグラウンドをお持ちの方が、できること、持っているものを出し合い、足りないところを、別の人の持っているものやできることで補い合う話し合いをしながら、新しいビジネスの可能性がいくつも生まれていきました。そうしてこの話し合いをもとに、実際に動きが始まっています。
かつて日本では、女性は二十代の半ばには結婚し、家庭に入り、専業主婦となることが、「当たり前」のライフコースだった時代がありました。男性が一家の「稼ぎ手」となって会社で働き、女性は家の中で家事・育児を担う、という分業体制が、社会にとっても望ましいことだったのです。

ところが現代では、社会の側が「働き手」としての女性の力を求めています。不況や労働環境の悪化によって、女性の経済力がなくては家庭が成り立たない、という厳しい背景もあります。にもかかわらず、女性の給与は依然として低いまま。女性の貧困、とりわけシングルマザーの貧困が問題になっていますが、問題なのは彼女たちが働いているのに、貧困を余儀なくされている、ということです。

その一方、従来から女性の役割とされてきた「家事・育児・介護」の役割の中心を担うのは、依然として女性が期待されています。とりわけ、女性にしかできない「出産」は、女性のキャリアを考える上で、避けては通れない大きな問題でもあります。

現代の日本で、女性が「自分らしく生きていく」ためには、何が必要なのか。そうして自分に何ができるのか。自分のできることは、誰の、どんなことに役立っていくのか。ワークショップでは、さまざまなことが話し合われましたが、その根本にあるのはそういうことなのだ、と強く感じました。

もちろん、実際の雰囲気はまったく堅苦しいものではなく、和気藹々とした中で、活発に意見や感想が出し合われていました。そのときが初対面であったにもかかわらず、私自身、皆さんとずいぶん以前からの友達のように感じられ、今後もぜひ集まりたい、と思いました。「他者紹介」のワークの効果を、みなさんもぜひ体験してみてください。

これからもこのワークショップは全国で続いていきます。
4月23日は四日市で開催です。
もう一歩先へ進みたい、つぎの扉を開けたい、という気持ちをお持ちの方の参加をお待ちしています。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始めました。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、ShimaFujiIEMのチームに加わわっています。

ジェイ・エイブラハムが使っている専門用語をどう訳すか

“reference frame”(準拠枠)って何?

ジェイさんの卓越論上級編の中に、reference frameという言葉が出てきます。
これは社会学の用語で「準拠枠」という定訳があります。でも、「準拠枠」なんて言われても、ちょっとわけがわかりませんよね。

つまり、どういうことかというと、たとえば1人の学生が起業を志している、とします。
そこでスティーブ・ジョブズやイーロン・マスクの伝記を読み漁り、同じく起業を志す学生に連絡を取って、「起業を考える学生の会」などのサークルを作るとする。

彼の頭の中では「起業を考える学生の会」の一員である、という意識が、大学という現在所属している集団よりも、家庭という生まれてこの方ずっと所属している集団よりも、大きな場所を占めるようになってくる。
このとき「起業を考える学生の会」のクラブは彼にとっての「準拠集団」(reference group)であるといいます。

もともとの所属集団とは別に、みずからその一員になりたくて、そのメンバーとして進んで行動するようなグループが準拠集団なんです。行動のモデルとして参照するような集団だから、reference(参照) ですね。
わざわざ「準拠」というなじみの薄い言葉を当てなくてもいいと思うんですが。

そのうち彼は「(将来の)起業家」の目で、買い物をするときも、ニュースを読むときも見るようになります。また、大学へ行っても、起業にかならずしもプラスになるとは思えない(あくまで彼が考えることですが)語学や一般教養の授業などが、時間の無駄のように思えてくる。バンドだアニメだと騒いでいる同級生たちが、「意識が低い」ように思えてくる。

日常でも、「起業家ならこうするはず」「起業家ならあんなことはしない」という風に、起業家の一員である、という意識が彼の判断や行動を基準づけます。彼の中で「起業家」が内在化され、無意識のうちに基準となるのです。

本人は自発的に行動しているつもりで、実はその基準に従って動くようになります。
その内在化された基準が「準拠枠」です。

私たちは誰もがこうした「準拠枠」を持っています。たとえば外資系の企業に就職した人は、意識的無意識的に、いわゆる「外資系」らしいものの考え方やふるまい、外見や持ち物を選択するようになる。「自由人」という生き方にあこがれて、自分探しを始める人も、「自分だけの考えで」と思うかもしれませんが、実はその人のイメージにある「自由人」という準拠枠に従って、考えたり行動したりしているわけです。

ジェイさんは、卓越論は抽象的でわかりにくいから、その人に合った「準拠枠」に従って説明した方がわかってもらえる、という文脈で、その言葉をおっしゃっていました。

はて、この「準拠枠」をどう訳したら良いのだろう、と原文を読んだとき、私は頭をひねりました。というのも、以前、まったく別の人が書いたビジネス翻訳書を読んでいたとき、この「準拠枠」が「参考フレーム」と訳してあり、前後の脈絡が取れない文章になっているのを目にしたことがあったからです。

結局、その箇所を訳したのは、私ではなくShimaFujiIEM翻訳チームの別のメンバーでしたが、そこを

最初に概念を話してから、具体的な例を出して説明するのではなく、最初にわかりやすい例を話したほうが、みなさんは理解しやすいですよね

という風に、うまく文脈に溶け込ませて、しかも実際の意味を損なわないように訳しているのを見て、(手前みそですけれども)本当に感心しました。

日本語の専門用語はどうしてそんなに難解なの?

ジェイさんの使う言葉は、難解なものが多いだけでなく、日本の専門用語というのは(特に学術系)特殊なものが多いのです。学生時代、哲学の授業で「表象」という言葉が出てきて、頭を悩ませたことがあります。英語ではrepresentation(表すこと/表されたもの)という、比較的平易な単語を、どうしてこんな難解な訳語を当てるのか、教授に聞きました。

すると、「確かにわかりにくいし、日本が西洋哲学を受け入れて来た経緯から生まれた問題もある。けれども、そのワードにこめられた意味自体が難解なもので、一口に言えないようなとき、日常語に引きずられない、という効用もあるんです。慣れてくるとマーカーで引いてあるように、この人はこの言葉をこういう意味で使っているんだな、と目印になってくるから辛抱してください」と言われました。

実は、ジェイさんの難解な文章の翻訳にも当時の経験がずいぶん役に立っているのですが(実際、こんな知識が仕事に活かせるとは夢にも思いませんでした)、かといって難解な文章をさらに難解な日本語を当てて、ジェイさんの思想を理解しないままありがたがってもらうのも、私たちの本意ではありません。

これからも厄介な専門用語と格闘しつつ、わかりやすく、でも真意を捻じ曲げることなく、がんばっていきたいと思っています。

そしてまた、ここの意味がよくわからないのだけれど、というところがあれば、どうぞお気軽にお問合せください。
私たちも考えて、考えて言葉を選んでいますので、その思考過程をシェアできれば、とてもありがたいのです。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。これまで英米文学やノンフィクション、社会学系の専門書、科学系の読み物など、幅広く訳してきました。ジェイさんの難解な用語に頭をひねりながら、これまで得た知識を総動員して、実践と学びで築かれた知の高峰に挑んでいます。

ジェイ・エイブラハムとお金と価値

ジェイ・エイブラハム氏の言葉にはいつもハッとさせられるのですが、その中でも大きく自分の考え方が変わった、お金と価値についてお話ししたいと思います。

会社やビジネスの話をするとき、英語ではmake moneyというフレーズがよくつかわれます。お金(money)をつくること(make)、稼ぐこと、儲けること、という意味があります。ジェイさんの言葉を翻訳していくうちに、このフレーズの印象が変わっていきました。

日本語で「お金を稼ぐ」や「儲ける」と聞くと、ずる賢いこと、卑しいことを暗に指しているようなイメージがありました。極端な例をあげれば、人を欺いて自分の利益を手にしている、「政治とカネ」など…お金は汚いものだというイメージが私の心のどこかにあったのだと思います。また、お金を稼ぐための労働は「汗水流してがんばる」もの、というイメージもありました。

ところが、ジェイさんのmake moneyというフレーズを読んでいると、そのようなネガティブなイメージはまったくないのです。特に、数か月前に行われたビジネスサミット・経営塾で、ジェイさんが満面の笑みで言ったひと言が忘れられません。

Isn’t it FUN to make money?
(お金を稼ぐって楽しいと思いませんか?)

これは、世界中の実例を紹介したり、そのセッションの参加者に自身のアイデアを伝えたりしたあとのひと言でした。

このセッションをはじめ、ジェイさんがおっしゃっているのは「あなたがまず価値を与えること、その対価としてお金をいただくのです」ということです。アイデアや方法によって自分が誰かに価値をもたらし、その価値を提供した相手には喜んでもらえて、自分は報酬が得られて、そしてまた、さらなる価値を提供して…という好循環を創り出していくことでもあります。この価値というのは、仕事だけにとどまりません。提供したものによって、その人の私生活を豊かにすることもあるからです。

お金をつくる、生み出す、稼ぐ、儲ける…さまざまな訳し方がありますが、ジェイさんのmake moneyは、仕事や人生を豊かにするものなのです。


watanabe_makiko:

ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。
難解な言葉や韻を踏んだ表現、英語圏独特の考え方に出会うとワクワクします。その英語を通して、書き手や話し手の人柄が表われているからです。どのような日本語に訳していこうか、と考えながら日々格闘しています。

3.10ジェイエイブラハム・メンタークラブ関西勉強会が開催されました

3月10日 大阪中央公会堂大会議室において、ジェイエイブラハム・メンタークラブ関西勉強会が開催されました。

最初に14名の参加者が、4つのグループに分かれて着席しました。
初対面の方も多かったので、今回も前回同様、「他己紹介」のワークからのスタートです。

「他己紹介」というのは、初対面の人を文字通り「紹介」するワークです。相手のバックグラウンドなど何も知らないところで行うために、本当の「第一印象」のみの紹介なのですが、自分が初対面の人からどのように見られているかがわかり、これまで気づかなかった自分の「資産」に気づくことができるのです。

 今回初めて私も中に加わったのですが、相手の方の印象を言葉にする作業を通じて、自分が驚くほど多くの印象を受け取っていることに気づきました。それだけでなく、ふだん初対面の方と話をするというのは、緊張したり、ぎこちなくなったりするものですが、このワークを通すと、自然に打ち解けることができ、一気に距離が縮まっていくことが感じられました。

「他己紹介」の次に行われたのが、「導入ファシリテーション」として「コネクションゲーム」です。
まず、人数分用意された小さなメモ用紙に、メンバーそれぞれが、自分の頭に瞬間的に浮かんだ言葉をひとつ、書いておきます。その中から2枚をランダムに抜き出して、全員で相談しながら2つの言葉を結びつけていく、というワークです。

 ジェイさんは、さまざまな文書やセミナーの中で、繰り返し「点と点をつなぐ」ことの重要性を述べていらっしゃいます。点と点の関係性を見出すことによってビジネスが生まれる、関係のない人同士をつなげることで、新しいビジネスができてくるものだ、と。しかもそうした発想は、ある日突然生まれるのではなく、ふだんからのトレーニングが重要です。「コネクションゲーム」の目的もそこにあります。まったく異なる2つの言葉につながりを見つけるトレーニングなのです。

 それぞれのグループから「愛」や「精神」「夢」「ビジョン」といった抽象的な言葉や、「金」、あるメンバーが師事した先生の名前、眼鏡の汚れなど、具体的な言葉が結びつけられ。そこからミクストリアリティや、見ている側の視力に合わせてくれるブラウザの話、「慈悲」という言葉に含まれている「悲しみをとりのぞく」という意味がマーケティングの根本にあるのではないか、など、それぞれのグループでバラエティに富んだ話がなされていきました。

「言葉を磨く」

 いよいよ本日のテーマである、キャッチコピーやヘッドラインを作ることに進んで行きました。
 最初に確認されたのは、私たちが作るべきコピーというのは、イメージ広告ではなく、お客様のアクションにつながるもの、お客様の問題を解決してくれる場所であることがわかるとともに、ほかとは区別される「私」の特性が際立つUSPがはっきりと打ち出されていなければならない、ということでした。

 そのためにまず、自分にとってのお客様とは誰かを明らかにしていかなければなりません。自分はどんな人の問題を解決してあげたいのか、自分の理想とするお客様とはいったい誰なのか、お客様のペルソナを決定することから始めます。というのも、身近にいない、よくわからない人をペルソナにすると、たいていうまくいかないからです。

 自分がつきあっていきたいお客様のイメージを書き出し、その上で、その人の困っていることを、表向きと本音の2種類に分けて考えていきます。
というのも、「食器が多くて台所が片づかなくて困る」という問題を抱えている人は、本当は「ふだん寂しい毎日を過ごしていて、別居している子や孫にもっと来てほしくて、つい食器を買い込んでしまう」からかもしれません。その人の本当の困りごとや悩みに刺さる提案を行えば、その人は行動を起こせるからです。

 さらに、USPというのは、意外に自分が気づいていないところにある、ということに話は進んで行きました。人は、難なくできることについては、意外に無頓着なものです。むしろ、努力を重ねてやっと身につけた能力や技術の方を、高く評価してしまいます。ところが、本当のその人の強みというのは、難なくできること、なぜできるのか自分でもよくわからないことにあるのです。この指摘は、わたし自身も思い当たるものがあり、非常に腑に落ちるものでした。

 こうして自分のUSPを作っていくプロセスを全員で共有し、最後に参加メンバーひとりひとりが今日の感想を語っていきました。
なかでも車いすで参加してくださったメンバーの方が、一語一語絞り出すようにして発言してくださった
「理解の障害を取り除くことができれば、関係を築くことは難しくないと思いました」という言葉には、深く胸を打たれました。

 そのあと、ワークにもご参加くださった社労士の先生から、助成金についてのご説明があり、会場の制限時間ぎりぎりまで、実り多い話は続いていきました。

 メンタークラブの定例会は、今後も各地で開催されます。
和気藹々とした雰囲気のなか、内容の深い、共に学べる機会としての「勉強会」。
皆様のご参加を心から願っています。

◆ 今後の日程

3月13日(月) :東京:日比谷図書館会議室 18:30-21:00
3月14日(火):名古屋 :県産業労働センター特別会議室 18:30-20:30
博多, 北海道::未定

*5月は、13日の出版直前の開催となります。ふるってご参加ください
5月8日(月):東京 日比谷図書館小ホール 18:30-21:00
5月9日(火):名古屋 :県産業労働センター特別会議室 18:30-20:30
5月10日(水):大阪 中央公会堂 大会議室18:30-21:00

7月12日 (水):大阪 中央公会堂 大会議室18:30?21:00
7月20日 (木):東京(場所未定)
9月、11月もそれぞれの地域で開催します

メンタークラブとは


服部聡子(ShimaFuji IEM 翻訳チームリーダー)
出産・退職後、在宅で働ける資格を身につけるために翻訳を学び始める。
約5年フィクション/ノンフィクションの下訳、ウェブ・ライターを経て、
『限界はあなたの頭の中にしかない』に巡り合い、深い共感を覚え、弊社に。

戦を略する

 

紀元前500年前後に中国で活躍した武将、孫子は

それまでに人々が考えていた「戦とは何ぞや」という

概念をひっくり返したと言われています。

 

それまでの時代には、戦の勝敗は天命が左右するものと

考えられていたそうです。

孫子は過去の戦を分析し、戦法を書にまとめました。

 

その中でも特に有名な概念は

「戦わずして、勝つ」というものです。

これが「戦略」つまり「戦を略する」という考えに

つながっていったものと考えられているそうです。

 

「戦わずに勝つなど、卑怯な!!」

と、思ってしまいそうになる私ですが

これは日本人固有の感覚でしょうか。。(武道の影響とか?)

でもよくよく考えてみるとそれは、スポーツの話でもなく

ゲームの話でもなく、多くの人命が関わる戦の話です。

避けられるのであれば戦いを避けるのは真っ当と言えます。

 

 

ジェイさんはよく”Strategy” (「戦略」)という言葉を用いますが

ShimaFuji IEM翻訳チームでは長いこと

この言葉の訳に悩んできました。

もちろん、ジェイさんが語るのは戦ではなくビジネスです。

色々な専門用語を使われる師ですが、軍事用語は

その中でも特に多く使われています。

 

しかしながら、軍事用語とジェイさんの思想が

相容れないような気がして、私はなんとなく違和感を

感じてきました。

師の考えや方法論は攻撃的なものではなく、

むしろ人間の本質や、ロジックに基を置いています。

それはゲーム感覚で人を操るものでもなく、

むしろ相手を尊重し、その気持ちに寄り添うものです。

 

そんなときに孫子が言うところの「戦略」つまり

「戦を略する」という考えを知って、腑に落ちました。

孫子は、己を知り、相手を知ることが戦のカギを握る、と

説いています。

そのようにしてはじめて、戦の規模を最小限に抑えて勝つための

出方を知ることができると。

ジェイさんがいつも「自社や競合が、何をどんな動機で

どのように、誰に向けて行っているのかを分析しなさい」と

仰っているのを思い出します。

 

孫子においても、ジェイさんにおいても

それは「ラクして勝とう、ラクして儲けよう」という

考えとは真逆の思想です。

それはむしろ、損失や疲労を最小限に留めながら

成果をあげるために、よく学びよく考える、という部分に

重きを置いているように思えます。

同時に、「戦略」の第一歩が把握と分析から始まることも

分かります。

 

ちなみにこの孫子は、冷淡な一面もあったことで

知られているようですが、現代の戦略家・ジェイ師に

冷淡さは感じられません。

ミーティングで大切な話をしている途中でいきなり

「真澄の眉毛はキュートだね!」と言ってきたりと

お茶目な一面に、いつもほっとさせられている私です。

 

(a_washiyama)


a.washiyama

a_washiyama:
ShimaFuji IEM 翻訳チームのメンバーです。
翻訳家としてまだまだ勉強中ですが、ジェイさんのお考えを分かり易く、正確にお伝えできるよう、邁進して参ります!

倫理的は論理的

ジェイさんの文章を初めて読んだとき、目を引かれたのがethical(倫理的な)という単語が何度も出てくることでした。

倫理的という言葉は、それほど日常的な言葉ではありません。政治家の汚職事件の際に言われる「政治倫理が問われる」といった表現や、犯罪報道の中で「倫理観が欠如している」などといった表現などで目にする程度でしょうか。

倫理とは、人が生きていくうえで、ある行為をすることが「よいか、悪いか」― 自分にとって、あるいは誰かにとって「有利か、不利か」「得になるか、損になるか」ということではなく、「人間としてこうすることが善であるのか悪であるのか」、という判断の基準となるものです。それが法律に関する文章などではなく、マーケティングの文脈の中で登場することに驚いたのでした。

やがてジェイさんが、マーケティングは非常に大きな力を持つものであり、その力をもってすれば、良いことも悪いこともできる、と述べておられる箇所にも行き当たりました。また別の文脈でも、繰り返し、「マーケティングは人をmanipulate(操る)ものではありません」と言っておられることも目にしました。

そのころ偶然、私は宮部みゆきの『ペテロの葬列』という小説を読みました。その中に興味深い人物が出てくるのです。

不幸な幼少期を過ごした頭脳明晰な登場人物は、世間を見返してやろうと、相手がどんな人間であるのかをたちどころに見抜く直観力と、持ち前の巧みな弁舌、カリスマ性を生かして、1970年代、怪しげな自己啓発セミナーのトレーナーとなります。そうして多くの人をだまし、詐欺の片棒をかつぐようになるのです。

それを見て、私ははっきりと腑に落ちたのです。だからこそ倫理的であることが必要なのだ、と。
同じように鋭い直観力と、適格な言葉の使用、カリスマ性を備えているジェイさんとその登場人物が、決定的に異なっているのは、まさにその点だったのでした。

小説の中にも「人を教え導くというのは、本来、非常に尊い技だ。難しい技でもある。そうそう誰にでもできることではない。だからこそ教育者には適性というものがあるはずだ。だが、適性だけでは道を誤ることがある。教育の目的の正邪を見極める良心を欠いてしまえば」という言葉が出てくるのですが、ジェイさんは個々人の心のはたらきというニュアンスの強い、いくぶん曖昧なところのある「良心」という言葉ではなく、もっと社会性の強い「倫理」という言葉を選ばれたのだと思いました。

では、自分の行為が「倫理的」に見て間違いがない、と担保するのは、いったい何なのでしょうか。

ジェイさんはあるインタビューの中で、このように話しておられます。

人生には3つの要素があります。倫理、公平、法律の3点です。法律というものは、法律家がちょっと変わった解釈をしたぐらいでは、変えることはできません。
しかし倫理と公平は非常に主観的です。私がいつも見極めたいと考えているのは、その企業や業界が、私の目から見て、理にかなった運営をしているかどうかです。

ここでジェイさんは「倫理的なビジネスを行っている企業は、理にかなった運営をしている」と述べておられるのです。

「倫理的な人」というと、私などはどうしても「雨ニモマケズ」に出てくる、宮沢賢治が「ワタシモナリタイ」といった人のことをつい想像してしまうのですが、その人の生き方は果たして論理的と言えるのでしょうか? この人は周囲の人々を幸せにすると言えるのか。また、持続可能性といった観点から見るとどうでしょう?(ちなみに宮沢賢治自身は土地改良に尽力したことが知られています)

以前、翻訳チームのメンバーが「翻訳裏話」の中で、ジェイさんの言葉を紹介してくれました。

あなたの会社で働く人は、あなたに一生を捧げているのです。彼ら、彼女らがあなたに必要とされていること、大切に思われていることを感じさせてあげなくては。シングルマザーの社員がいるのであれば、彼女のためにもっと何かできることはありませんか?彼女の息子さんのために何かしてあげていますか?(「commitment」)

先日のテレビ会議のセッションの中で、このジェイさんのアドバイスを実行に移した方から、アドバイスのおかげで利益が3倍にもなった、という結果報告があったのです。

倫理を論理的に実践することが大きな結果を出した、というまぎれもない実例がここにありました。

論理的とは、ちょうど1+1の答えが、誰がどこでやっても2になるように、三角形の内角の和が、いつでもかならず180度であるように、いつ、誰が、どこで行っても、かならずそうなるような、普遍的なことです。

嘘をつこうと思えば、自分以外の人が正直でなければ、嘘は成立しません。全員が嘘つきであれば、嘘はもはや嘘としての意味を失います。「犯罪は割に合わない」と言いますが、みんなが犯罪を犯し合っているような社会は、誰も長くは生きていられないことを考えると、この言葉は、倫理的にばかりでなく、論理的に考えてもその通りなのです。

自分だけが得をするような行為は、論理的とは言えませんし、逆に、自分だけが我慢する行為というのもまた、論理的とはいえません。
その意味でも「私は論理的な人間です」とおっしゃるジェイさんは、同時にきわめて倫理的な人でもあるのでしょう。

長い年月にわたって、一流のマーケターであり続けてきたジェイさんからは、マーケティングだけでなく、実に様々なことが学べると思うのでした。


ハットリサトコ
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。

神は細部に宿る、という言葉は、まさに翻訳のためにある、と信じ、言葉ひとつひとつと格闘する毎日です。残念ながら、木を見て森を見ず、どころか、葉っぱ1枚の葉脈に目を奪われて、森の存在を忘れることもしばしば。

お客様目線

ビジネスでは、商品開発からマーケティング、販売、フォローアップまで、「お客様目線」で考えることが大切だと言われています。

昨年12月に行なわれたビジネスサミットと経営塾に参加しているとき、「お客様目線」という言葉が頭の中に何度も浮かびました。ジェイ・エイブラハム氏がお客様、つまり参加者の立場に立って常に行動していたからです。今まで翻訳してきた文章の中で何度も「クライアントの立場に立って」という言葉がありましたが、これほど徹底的に実践しているのを目の当たりにして、その言葉の重みを強く感じました。

たとえば、参加者の理解度を常に確認しながら話していたことが印象的でした。講演中に話がひと区切りつくと、「ここまでの内容はわかりますか」と参加者に問いかけていました。あまり反応が見られないと「わからなければ首を横に振ってください」と呼びかける場面もありました。

また、エイブラハム氏が関わってきた世界各地のさまざまな業種の実例をあげて説明し、「参加者のみなさんが自分のビジネスで実践できることを持ち帰ってもらいたいのです」と言って、参加者が行動を起こすように促していました。

休憩中には、私たちスタッフに「内容はどうだったか」「参加者の反応はどうか」と必ず尋ねてきました。また、そこから派生して、日米のリアクションの違い、教育システムの違い、言葉の構造の違いなどについて話し合うこともありました。

そして休憩後は、参加者やスタッフのフィードバックに合わせて話す内容を変えていくのです。たとえば、参加者にあまりなじみのないコンセプトを話したときは、具体的な例を含めてもう少し説明してから次の項目に移っていきました。

このように、すべての言葉や行動が参加者の立場に立って生まれたものでした。ジェイ・エイブラハム氏の「クライアントの立場に立って」という言葉を身にしみて理解できたと同時に、世界トップのビジネスコーチのこの真摯な姿勢と柔軟な対応を目の前で見て圧倒された数日間でした。


watanabe_makiko:

ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員です。
難解な言葉や韻を踏んだ表現、英語圏独特の考え方に出会うとワクワクします。その英語を通して、書き手や話し手の人柄が表われているからです。どのような日本語に訳していこうか、と考えながら日々格闘しています。

言葉の達人

ジェイ・エイブラハム氏の文章を訳すとき、毎回驚くことがあります。それは語彙の豊富さです。

『限界はあなたの頭の中にしかない』では、「古書店で辞書を買って1日5単語覚えることから始めた」こと、そして、「現在は言葉の正確さについて高い評価をいただいている」ということが書かれていました。

あるとき、こんな表現に出会いました。

their proprietary systems

真ん中の単語が目にとまりました。

一般的な文章なら、own(彼ら自身の)やunique(ユニークな、独特な)、あるいはただ「their systems」と書くところです。なぜ、proprietaryという単語を選んだのでしょうか…

proprietaryとは、
・著作権や商標登録があること
・そのモノやコトを所有しているという事実、その所有者
を表わす形容詞です。

ということは、単なる文法上の飾りでつけたのではなく、成功した人たちそれぞれに特有のシステムを表わしている、それも商標登録しているか、それに近いくらいユニークで価値あるシステムを表わしているのではないか、と思いました。

そう考えると、心の中では、「彼らの」でもなく「ユニークな」でもないproprietaryを説明したいと思うのですが、それを各単語について繰り返していたら、とてつもなく長い訳文になってしまいます。さらに、この単語が含まれていた一文はさらっと読まれるべきもので、文章全体としてのポイントは他の文にありました。

ということで、以上のことを考えた結果、私は「独自のシステム」という訳語を選びました。

このように、形容詞1つを取り上げてみても、その単語でなければ表わせない意味が込められています。世界トップのビジネスコーチは、言葉づかいの達人でもあるのでした。


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