ジェイ・エイブラハムに質問:販売員や営業まで戦略や方針を徹底させるには?

Q. 社長がこういうことをしよう、と方針や戦略を打ち出しても、販売員や営業との間に壁を感じてしまいます。どうすれば良いでしょうか。

A. 私の友人にすばらしいCEOがいます。彼はいつもこのようにしています。
① CEOがプロジェクトを自分のものと考えて、主体的な姿勢を見せます。
② CEOはプロジェクトをアシストする側に徹し、自分の業績にはしません。
③ CEOは業績をチームの名誉とし、積極的にそれをシェアしていきます。
④ CEOはチームひとりひとりの前進を共有していきます。
⑤ チーム全体でディスカッションを重ねます。
全員が、自分の問題だと考えれば、そうした壁はなくなるでしょう。
(12/3 ビジネスサミット2016会場でのQ&Aから)


 

ジェイ・エイブラハムが考える顧客とのコミュニケーション

Q:顧客とのコミュニケーションについて、ジェイ・エイブラハムさんはどのようにお考えですか。

A:大切なことは、「私は顧客の問題をどう解決できるだろうか」という視点を持つこと、そして「顧客に信頼してもらえるアドバイザーになること」です。

この考え方は、たとえば、自社の商品やサービスをただ販売するだけの販売員とは大きく異なります。「売上を伸ばしたいから、ノルマを達成したいからこの商品を売りたいんです。だから買ってください。」このように直接的に言わなかったとしても、態度や言葉からそれとなく伝わってくることはありませんか。あるいは、競合の商品を選ぶデメリットをことさら強調して、「だからうちの商品を選ばないと損しますよ」とやんわり脅されているような気分になったことはありませんか。

また、一般的にコミュニケーションというと、自分のことを伝えたり、相手の話を聞いたり、話し合ったりする、という場面を思い描くのではないでしょうか。顧客とのコミュニケーションではさらに一歩踏み込んで、顧客の立場になって考えたり、その人の抱えている問題を解決するために自分は何ができるだろうかと考えたりすることが大切なのです。ジェイ・エイブラハム氏は、次のようにも述べています。

自分のアイデアや起業家精神、数字、目標、あるいは自分自身に夢中になります。(中略)けれどもあなたが恋に落ちるべき相手はクライアントです。あなたはクライアントに「売る」のではなく、ビジネスをする以上の関係を築き、クライアントにとって、人生における信頼できるアドバイザーになるのです。
(2016年ビジネスサミット・経営塾テキストより抜粋)

このようにすれば、その信頼に基づいて長期的な関係を築くことができます。そのような関係を築いた顧客(エイブラハム氏は「クライアント」という言葉をつかいます)は、新たな顧客を継続的に紹介してくれることでしょう。つまり、初期投資をすることなく、質の良い新規顧客を得ることができるのです。顧客はあなたの商品やサービスに満足し、顧客の輪がさらに広がり、あなたのビジネスもそれに伴って成長していくことができるでしょう。

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(渡部真紀子)
ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員。
アメリカの大学でビジネスを学んだ後、帰国して小売り業界で働くが、国際的な仕事への想いが募り、翻訳の道へ。マーケティング関連の翻訳を経て、弊社翻訳チームに加わる。

ジェイ・エイブラハムの価格とポジショニングに対する考え方

Q:ジェイエイブラハムさんの「価格」と「ポジショニング」に対する考え方について教えてください。

A: ジェイ・エイブラハム氏は、折に触れて、「価格を見直しましょう」と話しています。これは、価格を下げましょうということでもなく、価格を上げましょうということでもありません。ただ安くするだけなら、誰にでもすぐにできることです。やみくもに値引きをすれば利益が減るだけで、持続的な成長は見込めません。利益を増やしたい一心で価格を上げても、売上は伴わないでしょう。

では、どのように価格を見直せばよいのでしょうか。

その1つの答えがポジショニングです。ポジショニングとは、「他社との明確な差別化であり、自社商品の強みのこと」、そして、「市場に対する総合的なメッセージです」と師は述べています。どのような点が他社商品よりも優れているのか、自社商品だけが提供できることは何か、クライアントが自社商品を使うとどのようなメリットや結果が得られるのか、自社商品について市場にどのように理解してもらいたいのか、といった視点から考えます。そして、その総合的なメッセージを適切に発信していきます。

たとえば、このような実例があります。

グルメ志向のデリカテッセン経営。価格は、通りの先にある競合と比べても20~30%高く、隣の大きなスーパーに比べると相当高く設定されています。(中略)彼はクライアントに対して、可能なかぎり最高の価値を提供することに集中しているのです。
彼は、自分の商品の優れた品質を詳細に説明し、人々に「それがあなたにどういう意味を持つのか」を明らかにしています。
(2016年ビジネスサミット・経営塾テキストより抜粋)

このように、自社独自の価値、あるいは他社よりも際立った価値に基づいてポジショニングを確立し、価格を設定するのです。


(渡部真紀子)

ShimaFuji IEM 翻訳チームの一員。アメリカの大学でビジネスを学んだ後、帰国して小売り業界で働くが、国際的な仕事への想いが募り、翻訳の道へ。マーケティング関連の翻訳を経て、弊社翻訳チームに加わる。

 

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ジェイ・エイブラハムのブランディングについての考え方

Q:ブランド化というと、どうしても伝統があったり資金力が必要なイメージがあります。資金もなく新しく創業したばかりの零細企業にはブランド力はありません。どうすれば良いのでしょうか?

 

A:
「ブランディング=ブランド化」とは、エルメスやロレックスのような高額の商品だけを指すわけではありません。宮内庁御用達のような特別な逸品だけがブランド力を持つというわけではないと、ジェイ・エイブラハムは言います。

商品がブランド力を持つ場合もあるでしょう。しかし今はオンラインで一円でも安いものを比べて買える時代です。たとえ高級ブランドの名前がついた商品であっても価格崩壊が続きます。価格競争に巻き込まれてしまわないことが、最も重要な「ブランディング」です。

では、どのように資金力も伝統もない会社が、ブランド力をつけることができるというのでしょう?
それは、「関係性」です。顧客への接し方、圧倒的な価値提供の姿勢、ベネフィットへの探求、社会へ与えるインパクトの強い信念、など、あなた自身の「行い」を他とは比べようのないほどのものにするのです。

そんなことをしていると時間が足りないとでも?
案ずるより産むがやすし。やらない理由を述べている時間が無駄です。まず何が自分に徹底してできる貢献なのか。自分の能力でひと様に感謝してもらえることは何か。ひとは金銭を払うということは「価値」の対価として支払っています。徹底した価値の創造があれば、あなたの会社は圧倒的に他が追随できないほどのブランドを手に入れることができます。

ブランド力を持つ商品を扱うよりも、あなた自身の価値をブランド力化する方が、絶対に廃れることはありません。あなたがどんな仕事に就こうとも、あなたの扱う商品が変わろうとも、あなたの信頼は、決して揺らぎません。

 

そのように、ジェイは厳しく説くのです。

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島藤真澄 (ShimaFuji IEM代表)

フォーブス誌選出全米5大ビジネスコーチ,ジェイ・エイブラハムの
東アジアディレクター(交渉代理人)。日本独占エージェント。
ジェイの『限界はあなたの頭の中にしかない』PHP研究所を企画・翻訳。